話の種、芸の肥やし


魔力ラジオウェーブ放送にて


皆様、お早う御座います。
喋繰りの時間で御座います。
お待ち兼ねの皆様も、偶々お聞きの皆様も、まあ聞いとくんなまし。
語(かたり)は私、「セッケコミアモーレム」と申します。
変わった名前だと、お思いでしょう?
しかし、本名で御座います。
「セッケ・コミア・モーレム」、「セッケ・コミ・アモーレム」、「セッケコミア・モー・レム」、どう区切るのか、
私にも判りません。
ティナー地方には、この様な長い不思議な名前の方が稀に居ります。
「ブレイヴ」、「ブロスト」、「ブルート」君に続いて、「ビュドガイワクノス」君が居たり。
初めて聞く人は驚くでしょうが、ティナー地方では稀にありますから。
公学校でもクラスに3人、4人は、こんな感じの名前なので別に驚きません。
「ビュード君」ってな風に渾名が付けられて、一緒に遊びます。
私の場合は、「セック」とか「セッコ」でした。
一々全部書くと長い物ですから、自分でも省略します。
偶に自分でも思い出せなくなったりしまして。
名付けた両親によると、伝統的な名前らしいのですが、では、どんな風に決めたのでしょう?