0223創る名無しに見る名無し
2018/09/10(月) 20:10:04.54ID:ASisGyrq周囲半通程度の魔力の流れが直観的に理解出来る……が、それは激しい頭痛を引き起こした。
胸と頭の痛みに耐え兼ね、潜入者は両目を瞑り、呻き続ける。
頭の中に明瞭に浮かぶ周囲の魔力の流れは、潜入者の脳が処理可能な限界を超えていた。
脳も心臓も、今にも破裂しそうに痛い。
「た、助けてくれ……ダスト……」
潜入者は堪らずダストマンに助けを求めたが、何もしてはくれなかった。
「ダ、ダストマン……!」
見殺しにする積もりかと、潜入者は怒りを感じたが、それも一瞬の事。
余りの痛みに、怒りも長続きしない。
「大丈夫だ、ブロー。
落ち着け」
(これが落ち着いていられるかー!
この野郎、俺は地獄の苦しみを味わってるんだぞっ!!
伝わる訳が無いよな、所詮は他人事なんだから!)
その内、潜入者は俯(うつぶ)せに倒れ、気を失った。
再び目覚めた場所は気絶する前と同じ屋上で、ダストマンの姿は無かった。
「ダストマン……?
どこへ行った?」
潜入者は素早く体を起こして、立ち上がる。
軽い頭痛はする物の、他に不調らしい不調は無く、妙に体が軽い、頭も冴えている。
空を見れば、太陽が傾き始めている。
気絶している間に、1角は経過したのだろうと、彼は当たりを付ける。