ケンタウルスの腰ベルトに毒、毒消し、麻痺の薬が入った小瓶を手にいれた。

「これを機関士に」

斉藤の助言、毒を使うものは解毒薬も持ち歩いているはずという言葉に従い、賭けには勝ったようだ。
ケンタウルスの薬を人間に使ってよいかは迷ったが、このままではどうせ死ぬ。
投薬後、顔色や呼吸が正常に戻ったことから薬が効果は確かめられた。
大沢機関士はヘリで一足早く新京大学病院に運ばれることになる。
やはり人間には人間の為の医療の方が安心出来る。
精神的に


「浅井二等陸尉、よく持ちこたえたものだな?」

仮設テントの指揮所で、進藤一尉がその労を労う。

「二人も死なせてしまいました。
そして、乗務員や乗客の奮戦の賜物です。」

「二人とも公務員として、国民に殉じた。
御冥福を祈る。
国鉄と鉄道公安本部は激怒してたよ。
我々もだよ。
大陸総督府は自衛隊に報復を許可した。」