0512創る名無しに見る名無し
2018/06/14(木) 20:11:09.46ID:UQ8PGfK8「先ずは、この腐蝕ガスをどうにかしなければなりません。
魔力を遮る効果もある様で、中々厄介です」
執行者の説明を受けた禁呪の研究者達は、淡々と応えた。
「では、『C』で行こう。
所詮ガスはガス、魔法が通じずとも、理法たる物理法則には逆らえんよ」
禁呪の研究者達は、執行者よりも知識が豊富で分析が早い。
恐れずに、腐蝕ガスが充満する結界内に手を突っ込んで、自分の体で解析する。
「どうやら複雑な分子構造の化学ガスの様だ。
『海素<バールゲン>』、『変素<ミュートン>』、『融素<フルクスゲン>』の混合……。
『燃素<ファラムトン>』も含まれているな」
猛毒のガスで皮膚が爛れても動じず、無反応で手を引いて回復魔法を使い、淡々と修復する姿は、
人間離れし過ぎていて、執行者でさえ怯んでしまう。
「魔力を遮っているのは、モールの木の脂(やに)か?
あれと似た様な性質の液体が、ガスに混じって飛散している」
「それで、どの『C』で行く?
水か、風か、火か、土か」
「火が良い。
周囲の被害が最も少なく済む」
「良し、執行者にも協力して貰って、一丁派手にやったるか!」
禁呪の研究者達は頷き合い、執行者達に指示を出して、C級禁断共通魔法を実行する。