ヴァリエントとタタッシーはアマントサングインの真意を伝えるべく、本部に撤退した。
愈々本格的な戦闘に入ると言う時に、ニージェルクロームの横槍が入る。

 (止めろ、アマントサングイン!
  俺は嫌だぞ!)

 (それでも同調者か!
  お前は竜の力を欲したのだ!
  竜の宿命も受け容れろ!)

 (嫌だね!!)

 (恩恵だけを受け、責任を果たさない事は許されない!
  お前は願った筈だ、『竜になりたい』と!
  竜の宿命を拒むのであれば、その力を捨て去る決意もあるか!)

アマントサングインに「竜となるか」、「力を捨てるか」の決断を迫られた彼は、答に窮した。
そこにディスクリムが囁き掛ける。

 (ニージェルクローム殿、どうやら少々困った事になった様ですね)

 (ディスクリム、どうにか出来ないか?)

 (私としても、竜に復活されては困ります。
  アマントサングインには負けて貰うのが良いでしょう。
  出来れば、魔導師会と共倒れになって欲しい物ですが……)

ディスクリムはアマントサングインには同盟に対する忠誠心が無いと見て、切り捨てに動いていた。
主従は似る物なのだ。
竜となって滅びた世界で生きたくなかったニージェルクロームは、ディスクリムを頼った。

 (俺は何をすれば良い?)