0425創る名無しに見る名無し
2018/05/21(月) 18:48:16.39ID:kFBGvruk「解った、死なないで」
ウィローにとってラントロックは他人では無い。
知人の息子であり、その死を見たくはないと思うのは、当然の感情だ。
仮令、悪魔であっても。
「勿論」
力強く応えるラントロックに、ウィローは彼の父親であるワーロックの俤を見た。
(口先では否定しても、血は争えない。
魂は受け継がれるのね)
魔法資質が有ろうと、使う魔法が違おうと、心の形は似通ってしまうのだ。
ウィローから少し距離を取るラントロックの耳に、フェレトリの声が響く。
「どうした、トロウィヤウィッチ。
観念したのか?
そなたの相手は後でしてやる。
大人しくしておれ」
フェレトリは脅威にならないラントロックを無視して、ウィローを集中して仕留めに掛かる。
「そうは行かない!」
ラントロックはウィローの明かりに近付こうとする巨獣に向かって行った。
巨獣は彼の事等、全く眼中に無い様で、明かりだけを真っ直ぐ睨んでいる。