0421創る名無しに見る名無し
2018/05/20(日) 18:18:29.00ID:g9gELg2Xそこで樹液を補充して、又違うモールの木を目指す。
(思った通りだ、モールの木で結界を作ってあるんだ!)
モールの木は屋敷を囲う様に配置してあるのだと、ラントロックは察した。
しかし、彼でも解る事が、フェレトリに解らない訳が無い。
「成る程、そう言う事をする訳か……。
残念ながら、見過ごしてはやれぬなぁ」
フェレトリは血を集めて数体の獣を造り、ウィロー等に差し向けた。
「行けぃ、我が下僕よ」
犬に似た獣の荒い息遣いと唸り声に、ラントロックは狼狽して身を竦める。
「だから、心配するなと」
ウィローが呆れた風に言った途端、獣が地を駆ける音がする。
ラントロックは音源を顧みた。
瞬間、赤黒い猟犬の様な怪物が、彼に躍り掛かる。
(噛まれる!)
身を守ろうとする彼だったが、その必要は無かった。
直径1手の光線が静かに走り、猟犬を貫いたのだ。
光を浴びた猟犬は、瞬く間に霧に紛れて消える。
「こんな化け物なら何体召喚しようが、見ての通りだよ。
あんたは黙って私に付いて来なさい」
ウィローは強気に言って、ラントロックを安心させる。