0420創る名無しに見る名無し
2018/05/20(日) 18:16:05.34ID:g9gELg2X「その樹液を垂らしながら、私の後に付いて来なさい。
使い切らない様に、少しずつ、少しずつだよ。
だからって、途切れさせても行けない」
ラントロックは頷き、フェレトリを威嚇する様に周囲を照らしながら移動するウィローの後を歩く。
モールの樹液を地面に垂らしつつ。
当然、それを見逃すフェレトリでは無かった。
「小賢しい事を考えておるな?」
風の唸りにも似た、彼女の恐ろしい声が響く。
四方八方から反響して聞こえる声に、恐怖心を揺さ振られるラントロックを、ウィローは禁(いさ)めた。
「恐れるな。
私が側に居る限り、手出しはさせない」
ウィローの強気な言葉にも、ラントロックは安心は出来なかったが、怯えを隠す為に強がった。
「誰が恐れてるってんですか……」
それを聞いた彼女は小さく笑って一言。
「なら良いんだけどね」
血の霧は明かりを避ける様に、ウィローに道を譲る。
ラントロックは周囲に広がる赤黒い闇を警戒しながら、彼女の後に続く。