0418創る名無しに見る名無し
2018/05/19(土) 17:20:52.26ID:+h5eYUrNラントロックも闇の中に囚われていた。
彼と戯れていた鼠達は、再びフェレトリの支配下に帰って、闇の一部と化している。
この闇は霧化した血液が作り出した物なのだ。
(所詮は仮初めの命、主には逆らえないのか……)
血の霧は光を遮り、薄暮を深夜の闇に変える。
結界から脱出しようにも、「外」の方向も判らない。
(魅了する所の話じゃないや。
くっ、こんなの初めて見るぞ!
砦に居た時は、実力を隠していた?)
ラントロックは血の霧を掻き分けながら、闇雲に「外」を探した。
彼の魔法資質は全方位にフェレトリの気配を感じ取っている。
丸で彼女の「内部」に囚われている様。
(フェレトリも俺の存在を解ってる筈。
何時攻撃されても不思議じゃない。
どうにかならないか?
誰かの助けを……。
ネーラさんやフテラさんの能力なら……。
駄目だ、攻略出来るイメージが思い浮かばない!)
当ても無く歩き回った彼は、偶然モールの木に辿り着いた。
(これはモールの木!!
魔除けの効果、魔力を通さない!)
危機的状況の中、これを利用出来ないかと直感したラントロックは、知恵を絞る。
(考えろ!
フェレトリを封じる方法は無いか?)