ヴォルト・クラックの奇襲はまずオデへの射撃から始まった。
屋根をぶち抜いて落下すると同時に、複数の銃身を束ねた大型の銃をオデへ向け一斉射。
着地した瞬間ピンク色の煙幕をズボンのポケットから放出し、小屋の中をピンク一色に包まれた。

「オデ!大丈夫ですの!?」

絶頂の余韻に浸っていたフィーネはなんとか立ち上がり、脇に置いてあったレイピアと散弾銃を取った。
マカもゲッティも煙幕では見えないが、おそらく同じように動いているだろう。

「この煙幕は一体――んああっ!」

散弾銃に弾を込めて周りを見回した瞬間、フィーネの身体が大きくビクンと跳ねた。
股間からプシュッという音を立てて液体が噴出し、思わずへたり込んでしまう。

「な、なんですのこれ……体が疼いてたまらないっ!」

「色狂いの貴様らにはお似合いだろう、女性にのみ作用する発情効果を持ったガスだ。
 せいぜいそこでのたうちまわっているがいいさ」

フィーネがたまらず自分の乳房と股間をいじりはじめ、ヴォルトはそれを無視して
オデのいるであろう方向へ向けて取り出した散弾銃を何発も撃ち込んだ。


小屋の近く、バラック小屋が立ち並ぶ一角を武装した男たちが走っていた。
皆服装はバラバラだが、一つだけ共通していることがある。
それはある依頼を受けていること。『ピンク色の煙が上がっている小屋にいる女を全員ノルディック騎士団に引き渡す』

王国軍よりはるかにいい報酬に釣られ、男たちはあっさりと話に乗った。

「女三人で金貨三枚、楽な仕事だぜ!」

「男は殺していいって言われてるからな、トドメ忘れるんじゃねえぞ」

「引き渡すまで楽しめるといいんだけどよ……」