0356創る名無しに見る名無し
2018/01/07(日) 18:36:22.28ID:OBQ3v2eI余り詳細を語ると、正体を怪しまれる。
飽くまで彼女は徒の清掃員。
「それだけじゃないの!
その人はファラド先生の事務所に出入りしてる秘書と、密会してたのよ」
エイムラクは漸く興味を示した。
「ファラド先生ってぇと、中央運営委員の?」
「そう、そうなのよ!
怪しいでしょう?」
「密会……ねぇ」
彼は暫し思案して、浮かんだ疑問を口にする。
「何で、そこまで知ってんだい、小母ちゃん?」
「偶々よ、偶々、本当に偶々見掛けたんだから!
怪しい人を見付けたら、後を追ってみたくなるじゃない?
そしたら何と!」
「そいつは偶々とは言わねえよ。
追跡したんじゃねえか」
演技で興奮気味に語る班員に、エイムラクは呆れ顔をした後、急に表情を引き締めた。
「危ねえ事は止してくんなよ。
好奇心で斃(くたば)っちまったら、悔やんでも悔やみ切れねえぞ」
「大丈夫よぉ〜!
小母さんの事、心配してくれてるの?」
「そんなんじゃねえ、素人が出張ると碌な事にならねえってんだ」
班員が茶化すと、エイムラクは外方を向いて照れ隠し。