「アホか!お前一人で加護持ち討ち取る気か!ニル、前向きに自殺しそうなあいつを止めておいてくれ!」

タイタンの数が増え、連合軍が徐々にヨーツンヘイム軍を押し返すようになってくると
今度は巨人の中に神々の加護を受け、並のタイタンをはるかに上回る巨人が現れるようになった。
彼らは『加護持ち』と噂され、厄介なタイタンへの対抗策として他の巨人族より
質のいい装備で身を固めていることが多い。

タイタンに乗る者ならば、まず単独で戦ってはならないとされている強敵である。

「ニル、巨人の中でも厄介な加護持ちを討ち取ることがどれほど大陸の平和に繋がるか分かるだろう。
 僕は英雄になりたいんじゃない、この大陸を平和にしたいんだ」

『ラウンドナイツ』の兜のスリットから覗く二つのルビーの眼が、
『イルヴァーナ』を見つめる。それは先程からのトムの発言を冗談ではなく本気だと語っていた。

【ニルさん改めてよろしくお願いします!】