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主従キャラバトルロワイアル part2
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0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 00:27:34.18ID:e2J2Rcs0
当スレッドは、漫画やアニメに登場する主従キャラでリレーSSの形式でバトルロワイアルを進める
「主従キャラバトルロワイアル」という企画の為のスレッドです。

前スレ
ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1319289436/

主従キャラバトルロワイアル@wiki (まとめ)
ttp://www38.atwiki.jp/msbr/

主従キャラバトルロワイアル専用したらば掲示板
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/15038/


【参加主従一覧】

【Fate/Zero】 衛宮切嗣/セイバー
【Fate/Zero】 ウェイバー・ベルベット/ライダー
【Fate/Zero】 雨生龍之介/キャスター
【コードギアス 反逆のルルーシュ】 ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア/ジェレミア・ゴットバルト
【コードギアス 反逆のルルーシュ】 ユーフェミア・リ・ブリタニア/枢木スザク
【コードギアス 反逆のルルーシュ】 天子(蒋麗華)/黎星刻
【東方儚月抄】 レミリア・スカーレット/十六夜咲夜
【東方儚月抄】 西行寺幽々子/魂魄妖夢
【東方儚月抄】 蓬莱山輝夜/八意永琳
【HELLSING】 アーカード/セラス・ヴィクトリア
【HELLSING】 インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング/ウォルター・C・ドルネーズ
【スター・ウォーズ】 ルーク・スカイウォーカー/C-3PO
【スター・ウォーズ】 ダース・シディアス/ダース・ベイダー
【ゾンビ屋れい子】 姫園れい子/百合川サキ
【ゾンビ屋れい子】 雨月竹露/姫園リルカ
【戦国BASARA】 伊達政宗/片倉小十郎
【戦国BASARA】 織田信長/明智光秀
【うたわれるもの】 ハクオロ/トウカ
【おまもりひまり】 天河優人/野井原緋鞠
【ジョジョの奇妙な冒険】 DIO/ヴァニラ・アイス
【そらのおとしもの】 桜井智樹/イカロス
【まよチキ!】 涼月奏/近衛スバル
【北斗の拳】 シン/ハート様
【魔法少女リリカルなのは】 八神はやて/シグナム
【物語シリーズ】 阿良々木暦/忍野忍

 25組50人
0002創る名無しに見る名無し
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2011/11/29(火) 00:30:36.18ID:e2J2Rcs0
【バトルロワイアルのルール】

 1.バトロワイアル
 送り込まれた土地を舞台に、主従同士が殺し合い、最後の一組が残るまでこれを続ける。

 2.主従
 参加者は主従一組で選ばれ、主には赤の★が、従者には青の★がそれぞれ左手の甲に刻まれる。
 バトルロワイアルの優勝は一組の主従であることが条件なので、片方を失えば優勝の権利も失う。
 ただし、あぶれた主と従者同士で新しい主従を組むことは可能。
 その場合、赤の★と青の★を触れあわせれば新しい主従契約が成立したとみなされる。

 3.禁則
 これを破ると強制的にその場から退場させられ死を与えられる。
  ・殺し合いの舞台となる土地から逃げ出した場合。
  ・主あるいは従者が死に、一人あぶれた状態で12時間が経った場合。
  ・後述する「禁止エリア」に進入した場合。
  ・バトルロワイアルによる死者が出ない状態が24時間続いた場合。(全員に適用される)
  ・バトルロワイアル開始より72時間が経過しても決着がついていない場合。(全員に適用される)

 4.放送と禁止エリア
 バトルロワアイアル開始より6時間ごとに、その間に死亡した参加者の名前を読み上げる放送が流れる。
 また同時に、禁止エリアの場所と禁止となる時刻も読み上げられる。 ※詳細は実際のSSで決定。

 5.支給品
 参加主従には、それぞれ一組ごとに背負い袋がひとつ支給される。
 中身は、「舞台となる土地の地図」「参加者の連名簿」「筆記具」「明かりとなるもの」。
 それと、内容が不明な「殺し合いに使う道具(不明支給品)」が4つ。
 背負い袋の中身は不思議な空間となっており、いくつでも道具を入れられるし重さも一定で変わらない。

 6.優勝
 最後の一組となり優勝した者らには願いを叶える権利と元の世界への生還が約束されている。
0003創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 00:31:06.30ID:e2J2Rcs0
【書き手向けのルール】

 1.リレーSS企画
 当企画はリレーSS企画です。なのでルールを無視した作品の投下は受け付けないのであしからずご了承ください。

 2.予約制度
 作品を投下するにあたっては、まず該当スレにてその旨を書き込むことをお願いしています。
 必要なのは書き込んだ人物の同一性を保証するトリップと、予約するキャラクター(全員分)の名前です。
 予約すればそれから5日間(※1)、そのキャラクターの作品を投下する権利を得ることができます。
 期間を過ぎれば権利は失効(※2)しますが、失効後続けて予約することは期限が無限に続くことと同じなので禁じます。

  ※1 作品が3作以上採用されている書き手には+2日。
  ※2 予約期間を過ぎた後でも、他の人の予約が入っていなければ作品の投下は認められます。

  予約スレ
  ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15038/1319268571/

 3.修正/破棄要求
 投下された作品内に修正や、部分的もしくは全体として破棄する必要な箇所があると感じられた場合、
 該当スレを使用し、それを指摘し改善を求めることができます。(※)
 要求が出た場合、該当作品およびそれに関わる部分の進行を凍結し、該当スレで話し合いを行います。
 そこで、修正や破棄の要不要が決定すればその通りにし、凍結状態を解除し通常の進行に戻ります。

  ※単純な誤字や表記ミス等、簡単に修正できるものであればわざわざ修正要求スレを使うことはありません。

  修正/破棄要求、議論スレ
  ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15038/1319268687/

 4.自己リレー
 リレー企画であることを尊重し、原則として自己リレー(自作の後に自作を続けること)を禁止とします。
 ただし、投下以後2週間経っても続きが書かれなかった場合はそれを解禁するとします。

 5.登場時期や能力制限等々
 バトルロワイアルおよびリレーがつつがなく進行するよう、それを害する能力は制限されているとします。
 また参加者が原作のどの時点から登場するかは書く人に委ねられていますが、これもある程度の制限があります。
 詳細についてはまとめwikiの該当ページを参照してください。(>ttp://www38.atwiki.jp/msbr/pages/18.html)
0004創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 00:31:29.59ID:e2J2Rcs0
【状態表のテンプレおよび時間表記について】

 作品内の情報を共有するため、それをテンプレートにそって記し作品内に付け加えることを義務とします。

 【(エリア名)/(具体的な場所名)/(日数)-(時間帯名)】
 【(主従の属性):(キャラクター名)@(登場元となる作品名)】
 [主従]:(現在、主従を組んでいる相手の名前)
 [状態]:(肉体的、精神的なキャラクターの状態)
 [装備]:(キャラクターが携帯している物の名前)
 [方針/目的]
  基本方針:(基本的な方針、または最終的な目的)
  1:(現在、優先したいと思っている方針/目的)
  2:(1よりも優先順位の低い方針/目的)
  3:(2よりも優先順位の低い方針/目的)

 [備考]
  ※(上記のテンプレには当てはまらない事柄)

 例)
 【A-1/森の中/1日目-黎明】
 【主:衛宮切嗣@Fate/Zero】
 [主従]:セイバー
 [状態]:魔力消費(小)、令呪(3画)
 [装備]:レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、種籾@北斗の拳
      背負い袋(基本支給品)、ゼロの衣装@コードギアス 反逆のルルーシュ
 [方針/目的]
  基本方針:優勝し生還する。
  1:土地と建物を把握し、有利な場所を見つける。
  2:はぐれた従者を見つけ、利用できるよう言いくるめる。
  3:爆弾の材料となるものを調達する。

 [備考]
  ※レイジングハートから一時的なマスターの承認を受けました。

 コピペ用)
 【-//-】
 【:@】
 [主従]:
 [状態]:
 [装備]:
 [方針/行動]
  基本方針:
  1:
  2:
  3:

 [備考]
  ※

 方針/行動の数は不定です。1つでも10まであっても構いません。
 備考欄は書くことがなければ省略してください。
 時間帯名は、以下のものを参照してそこに当てはめてください。

 [00:00-01:59 >深夜] [02:00-03:59 >黎明] [04:00-05:59 >早朝]
 [06:00-07:59 >朝]   [08:00-09:59 >午前] [10:00-11:59 >昼]
 [12:00-13:59 >日中] [14:00-15:59 >午後] [16:00-17:59 >夕方]
 [18:00-19:59 >夜]   [20:00-21:59 >夜中] [22:00-23:59 >真夜中]
0005 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:42:51.16ID:clqM6h3T
>>1
新スレ立てお疲れ様です。
改めて最初から投下致します。
0006血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:44:19.77ID:clqM6h3T

 C‐3西部、市街地の外れの平地で響いていた騎士の歓喜の嗚咽は、たっぷり十五分程続いてようやく収まった。
 敬愛する主君に背中を抱かれていた枢木スザクの姿は、ナイトオブゼロと呼ばれ恐れられた騎士の面影など全く感じさせず、寧ろ、歳相応どころかそれよりも幼い、
 どこにでもいそうなただの少年のようにしか見えず、そんな彼の初めて見せた姿と、この状況そのものに困惑しながらも、
 ユーフェミア・リ・ブリタニアは何も訊かず、ただずっとスザクを優しく抱きしめ、「大丈夫だから」と繰り返し声をかけていた。
 満点の月の光に照らされる彼女のその姿は、さながら完成された一つの芸術のように、慈悲と母性に溢れて輝いているように見えた。

「……申し訳ありません、ユーフェミア様。みっともない所を――」
「ユフィ」
「え?」
「今ここにいるのは私とあなただけなんだから、そんな呼び方はしないで、スザク」
「…うん。ごめん、ユフィ」
「いいのよ、スザク。こんな状況じゃ仕方ないものね。でも、私の知らないスザクの一面を見れたのは、ちょっと嬉しかったかも」

 ふふっと小さく微笑みながら言われたユーフェミアの言葉に、スザクもつられて表情を綻ばせる。
 ブラックリベリオン以降は殆ど見せる事のなかった表情を自分が自然と作っていた事に、スザクはただ純粋に幸せを感じていた。
 悲しみ、怒り、裏切り、嘘を吐き、戦い、戦い、また戦い―――ユーフェミアを失ってからのスザクの一年近い時間は、ほとんどそんな感じに過ぎていた。
 どれだけ彼女の存在が自分の中で大きな物であったかを、スザクは改めて認識した。

◇◇◇

「でも、本当にいったいどういう事なのかしら? 私は確かル……ゼロをG1ベースの中に招いて、それから……それから……あら……?」

 場所を近くの雑居ビルの一室に移してからの話し合いの口火を切ったのは、ユーフェミアのその一言だった。

(そうか、ルルーシュのギアスの影響で…)

 ルルーシュの絶対遵守のギアスを受けた者はごく一部の例外――ここにいる二人がまさにその例外だ――を除き自由意志を失い、ギアスをかけられた前後と、
 ギアスが発動している時の記憶が欠損する。
 死の直前までギアスの影響下にあったユーフェミアの場合は、すなわち死ぬ前のある程度の記憶と、自分が死んだという記憶が欠損していた。
 尤も、これは二人にとっては喜ぶべき事でもあったのだが。そんな記憶が残っていたら、今こうして正面から言葉を交わす事などできたかどうか。
 兎も角、この島に喚ばれる以前の彼女の最後の記憶は、行政特区日本の会場にてゼロ(ルルーシュ)をG1ベース内に招き入れた時のものだった。

「…たぶん、連れ去られる時に気を失わされたせいで、直前の記憶が曖昧になってるんだよ。僕もそうだし」
「スザクもなの?」
「うん。僕もあの会場でユフィを見送ってからの記憶がはっきりしなくて…」

 真実を知ってはいるもののそれを告げれる訳も無く、スザクは話を合わせてそう誤魔化す。
 実際、気が付いたら連れ去られていたという部分はまったくその通りなのだから、話の筋を合わせるのは難しくない。
 とは言え、この点を深く追求されればすぐにボロが出るのは目に見えているので、即座にスザクは話を切り替える。
0007血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:45:34.28ID:clqM6h3T

「そうだ、ユフィ。さっき名簿を見た時に気付いたんだけど、どうやらルルーシュもここに連れて来られてるみたいなんだ」
「ルルーシュも!?」

 些か猿芝居の感はあったが、スザクの狙い通り、ユフィの意識は即座にその事実に引っ張られた。

「ああ。この名簿に……あれ?」

 背負い袋から参加者名簿を取り出そうとしたスザクだったが、その時、奇妙な事に気が付いた。名簿が二冊あるのだ。
 パッと見、表紙や装丁に違いは見られない。厚さも完全に一緒だ。

(二人一組だから二冊支給されているのか?)

 そう言えばさっきは最後まで支給品を検めていなかったな、と思いながら、スザクは一冊をユーフェミアに手渡し、自分はもう一冊を開く。
 改めて見てみても内容が変わる訳でもなく、ルルーシュの名前はちゃんと始めの方に、ジェレミアの名前と主従セットで明記されていた。
 そのすぐ近くに、スザクとユフィの名前、蒋麗華と黎星刻の名前も、それぞれ主従セットとされている。

「あったわ! 本当にルルーシュの名前が、最後の方に」
「え?」

 そのユーフェミアの一言にスザクは首を傾げ、彼女の見ていたもう一冊の名簿を横から覗き込む。
 果たしてその名簿では確かに、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの名前は最後から二番目という位置に明記されていた。
 加えて言うなら、その隣にある名前はどちらもジェレミア・ゴットバルトではなく、
 手前側の名前はルーク・スカイウォーカー、次の名前はレミリア・スカーレットとなっていた。

(こっちの名簿は日本語での五十音順に…。とすると、僕が見た方の名簿は個別の支給品という事か)

 参加者が主従の区別なくただ五十音順に明記された名簿と、それぞれの主従が明記された名簿を比べれば、どちらが情報価値が高いかは明らかに後者となる。
 状況によってはこの名簿は重要な役目を果たしうるだろう。
 とは言え、それにはまずそれ以外の情報が有り、更にその情報とこの名簿の情報を結びつけて他の情報を導き出せる頭脳を持った人物が持てば、の話でもある。
 スザクも軍人としての戦術の心得や、高校生としての最低限の知識は、ユーフェミアも皇族としての教育による知識は有しているが、
 そんな知識ではこの名簿を最大限に活かす事はできない。

「…どう考えてもルルーシュ向きの支給品だな、これは」

 スザクが自分の見ていた名簿に視線を戻して呟くと、それにユーフェミアが反応して振り向いた。

「そうよスザク、ルルーシュを探しましょう! スザクとルルーシュが力を合わせれば、きっとこの事態も打開できるに違いないわ!」
0008血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:46:32.56ID:clqM6h3T

◇◇◇

 ユフィのその言葉に俺は一瞬、どう反応していいかを判断しかねた。
 さっき「ゼロ」を「ルルーシュ」と言いかけた事からも、ユフィはルルーシュがゼロである事を知っている。おそらく、神根島で二人きりだった時に知ったんだろう。
 そしてそれから間を置かずにあったあのキュウシュウ戦役で、俺とルルーシュは共闘して沢崎達の野望を挫いた。ユフィがそう思うのも当たり前の事だ。
 確かに、それはそうかも知れない。
 八雲紫の超常の力にどこまで対抗できるか判らないが、俺とルルーシュが力を合わせれば、その可能性は随分高くなるだろう。
 他の参加者をまるめ込むのはルルーシュにとってはお手の物だろうし、話し合いが通用しない相手ならば、俺が剣となって討ち払えばいい。
 そうやって他の参加者を全て味方に付ける事ができれば、或いは八雲紫を倒し、この島から脱出する事もできるかも知れない。

 ――だが、そうやって無事帰ったとして、そこにユフィの居場所は無い。
 ユフィが願う行政特区日本は既に無い。ギアスがそれを壊してしまったから。
 ルルーシュやジェレミア卿達は人々を明日へと向かわせるべく、現ブリタニア体制の破壊と、世界征服を進めていくだろう。
 俺はナイトオブゼロとして剣を振るって屍山血河を築き、ルルーシュに世界の憎しみが集まるよう動く事になり、最期の戦場で「死ぬ」。
 そしてゼロとなりルルーシュを殺す事で、ゼロ・レクイエムは完遂する。

 だけどもしその途中で、もしくはその後で生きたユフィの存在が明らかになったら全てがフイになる。
 虐殺皇女として名を残してしまったユフィの事を、日本人達は決して許さないだろう。
 途中であればルルーシュ以外の憎しみの矛先が現れてしまう事になるし、完遂後なら、折角収束した人々の怒りと憎しみは再燃し、最悪、完全にユフィに集中してしまう。
 どちらにしても、ゼロ・レクイエムは失敗に終わる。
 …そしてそうさせない為にも、ルルーシュはここでもう一度、ユフィを殺そうとするだろう。

 もし、存在を完全に秘匿すると言う条件でルルーシュと共闘できて、八雲紫を打倒して一緒に帰れても、今度は俺がユフィの前からいなくなる。
 残る生涯をゼロとなって送る事が決まっている俺がユフィに会える訳もない。おまけにユフィの自由は完全に失われる。
 だからその案は、なんらかの理由でどうしても八雲紫に頼る事ができない事が確定した上での――――例えば、
 どんな願いでも叶えるという彼女の言葉が完全にウソだと判明した場合等の――次善の…いや、最悪よりはマシという程度の選択だ。

 Cの世界ではルルーシュと共にラグナレクの接続を拒否したが、あの時はそもそもユフィがいなかった。今とは前提からして状況が違いすぎる。
 そうなるとやはりユフィにとっての最善は、この殺し合いで俺達が最期の一組になり、八雲紫にユフィの安寧を望む事だろう。
 もちろん八雲紫の言葉がウソではないという事が前提になるが、それを判断する材料は今は皆無だ。
 誰にも責められず、逃げ隠れする必要も無く、この島での悲劇さえ忘れさせ、ユフィがずっと笑顔でいられる場所と時間を求める。それが最終目的だ。
 その為にはルルーシュ。もしどうしても君がユフィを殺そうとするなら……例え、例え君でも―――
0009血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
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2011/11/29(火) 00:47:42.62ID:clqM6h3T

◇◇◇

「…そうだね。ルルーシュと合流できれば、きっとみんな無事に帰れる」
「ええ。だから頑張りましょう!」

 昏い願いを口にできるはずも無く、スザクは取り繕うように答えてから名簿を仕舞い込み、未確認だった支給品の検分を再開する事にした。
 目的がどうあれ、この島で生き延びなければならない事には間違いないので、少しでもそれを有利にできる可能性は確認しておかなければならないからだ。

「えっと…仮面?」
「そうだね…」

 魔剣、特別名簿に続いて三つ目にでてきた支給品は、顔半分を覆う白い仮面だった。
 白木のような骨のような、なんとも判別のつかない素材で出来たその軽い仮面の頭には、ちょこんと小さな角が付いている。
 仮面舞踏会にでも行けば、似たような物はあるかも知れない。
 どうあれ、戦いの道具でない事には間違いなく、その軽さから、防具としても期待できそうにはないとスザクは判断した。
 だが、まるっきり役に立たないかと言われると、この二人にとってはそうでもない。

「ユフィ。この仮面は君が付けていた方がいい。まだ君の皇位継承権の返上は公になってないんだ。悪目立ちするのは避けた方がいい」
「そうね。この間みたいな事はもうコリゴリだもの」

 軽く笑みを浮かべながらユーフェミアはその仮面を受け取り、早速自分の顔に付ける。
 先日(彼女にとっては)の学園祭で自分の正体が露見した時の騒動に思う所があったらしく、特に渋る様子は無かった。
 傍から見れば些か以上にシュールな出で立ちとなってしまったが、本人はこういった物を付ける事自体が新鮮な体験だからか、どこか嬉しそうでもあった。

「最後の一つは……って、ええっ!?」
「まあ…!」

 最後の支給品が取り出された時、スザクは常らしからぬ素っ頓狂な声を漏らし、ユーフェミアもまた、大きく口を開けて驚いていた。

 背負い袋に入れられたスザクの手が最後に掴んだのは、マフラーの先端だった。
 マフラーといっても防寒具の方ではない。バイクなどに付いている方のアレである。
 そしてずっしりと手に伝わる重みから、マフラー単体ではなく、それが付けられている“本体”もあるであろう事が容易に判断でき、
 それを破損させぬようにとスザクは背負い袋を僅かに傾けてゆっくりと引っ張り出し―――そして無事、見事な“馬”が現れた。
 バイクのハンドルとマフラーが取り付けられた、とても奇妙で、しかし見事な体躯と鮮やかな黒毛を持った馬だった。
 鞍が背に乗せられている所を見ると、乗用馬と見て間違いないだろう。

「私、こんな馬を見るのは初めて…。スザクはどう?」
「僕も、こんな馬は初めて見る…」

 ある意味、この島に喚ばれた事を遥かに上回る衝撃に、二人ともただただ唖然とするばかり。
 それでも、理外の事態への耐性がある程度あったスザクの方が逸早く正気に戻り、馬を背負い袋へと戻した。
0010血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:48:44.92ID:clqM6h3T

◇◇◇

「とにかく、まずはルルーシュを探しましょう。ルルーシュが行きそうな所となると…」
「少なくとも、人の集まり難そうな所には行かないと思う。まずは都市部の各施設を―――!」
「どうかしたの?」
「…誰か近付いてくる」

 雑居ビルを出た二人が地図をお互いの片手にこれからの行き先を決めようとしていた、その時だった。
 スザクの聴覚が僅かに二つの人の足音と、もう少し大きな、金属の擦れ合うような音を捉えた。
 それも、意図してか偶然かは判らないが、まっすぐこちらに向かって来ている。

(甲冑か…。足運びも軍人のそれに近い。場合によっては面倒な事になるな…)

「…ユフィ。これを持って、少し離れてて」
「スザク?」

 背負い袋から先程の馬と無毀なる湖光を取り出し、スザクは馬と、背負い袋を預けたユーフェミアを共に下がらせる。
 馬はよく躾けられているらしく、スザクの意向を組んで暴れず嘶(いなな)かずユーフェミアに寄り添った。
 それを確認したスザクは無毀なる湖光を正眼に構え、足音の主達を迎えんとする。
 そしてすぐに、別のビルの陰から二つの人影が姿を現した。

◇◇◇

 織田信長と明智光秀の主従が最初に向かうべき場所として定めたのは、B−2の市場であった。
 いかな第六天魔王とて人の子である。飲まず喰わずで動き続ける事などできようはずも無い。
 鍛え抜かれた武人としての肉体は、少々食事を抜いた所で動けなくなるようなヤワなものではないが、最長で三日もの期間をそのままを過ごすには流石に不安がある。
 腹が減っては戦は出来ぬと言うが、戦国の世に生きてきた二人にとっては、それは至って当然の理(ことわり)だった。
 もし支給品に水か食料があるか、もしくは周囲に戦国の世に生きてきた二人でも一目で分かるような食料品店――例えば八百屋や魚屋やだ――でもあれば、
 或いは最初は活動拠点を探すなどしていたかも知れないが、生憎飲食物の類は支給されておらず、またそういった店も無く、
 それがまた信長の怒りをいっそう強くしていた。
 故に、信長達は目的が一致した本能と理性の赴くまま、食料を求めて北上していた。

 つまるところ、今の信長は飢えた獣ならぬ、飢えた悪魔である。知性も理性もちゃんとあるので獣より性質が悪い。
 しかもそこに八雲紫への憤怒が加わっているので、一般人からすれば大変近寄りがたい、剥き出しの凶気そのものと言っても差し支えないような状態だった。
 ぶっちゃけて言ってしまえば、信長は今、非常に機嫌が悪かった。


 だからつまり、そんな状態の信長達と出くわしたスザク達は、あまりに不運であったと言えよう。
0011血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:49:56.83ID:clqM6h3T

「ぬぅううううううううんッ!!!」
「ぐう…っ!」

 信長自身の膂力とキュプリオトの剣の強靭さが相俟った一撃を、スザクは辛うじて無毀なる湖光で受け流す。
 その斬撃はまともに受け止めればそのまま吹き飛ばされてしまいそうな程に重く、それでいて一撃一撃の精密さに乱れも遅れも無い。
 接触直後、問答無用で襲撃してきた信長の一撃を皮切りに二人は戦闘状態に突入したが、戦況は明らかにスザクが不利だった。
 スザクも何度か攻撃を試みているものの、そのほぼ全てがキュプリオトの剣に受け止められるか、受け流されて頑強な甲冑に小傷を付けるに止まっている。
 スピードの差から手数こそスザクの方が多いが、どちらが劣勢であるかは火を見るよりも明らかだった。

 決してスザクが弱い訳ではない。
 幼少期からの道場での修練に始まり、ブリタニアの軍人として、そしてナイトオブゼロとして積み重ねた戦闘能力。
 更には殺気充分の強敵からの襲撃という切迫感から「生きろ」のギアスも発動しており、平時のスザクを上回る力も発揮されている。
 だがそれでも尚、信長の実力がスザクのそれを上回っていた。
 戦が常の世で培った経験も、純粋なかつ強大な筋力も、齢二十にも満たぬスザクではどちらも到底及ばぬ物で、凡そスピード以外の全てに於いて大きな開きがあった。
 とは言え、スザクが信長相手に善戦している事もまた確かである。

(あの歳で信長公とああまで渡り合えるとは……。ああ、できる事なら私が頂いてしまいたかった…。
 毛唐の姫に仕える日の本の若武者…如何な事情があるのかは判りませんが、是非啼かせてみたかったですねぇ…)

 信長から距離を置いて戦いの行方を見守る光秀の口元から、チロリと赤い舌が覗く。
 この状況で信長の戦いに加勢などしようものなら、彼の逆鱗に触れる事必至なのは当然理解しているので、今はただ黙して動かない。
 謀反を成就する前に自分が処断されてしまっては、共に阿鼻に赴かんとする目的が夢幻の如く雲散霧消してしまう。
 そんな事態は光秀にとってあまりに願い下げだったので、仕方なく戦闘の様子と、そのどさくさにユーフェミアが逃走しないかを見張っていた。

(おや……?)


 だが、そうしてずっと動かずにいたのは彼だけだった。
 ユーフェミアも身動きはしていなかったのだが、彼女は初めて直接目の当たりにした“人間同士の戦い”が生む威圧感に、ずっと「動けずにいた」。
 しかし、ある程度戦いが長引いた事で少しだけ精神的に余裕が出来たのか、彼女の仮面の下の双眸に凛とした決意が漲ったのを、光秀は見逃さなかった。
 そして、彼女は動いた。


「おやめなさい! こんな事をして何になるというのです! この島に閉じ込められた人同士、皆で手を取り合って、この殺し合いを打破すべきです!
 どうして剣を振るうのですか!? どんな理由があろうと、同じテーブルに立って話し合えば分かり合えない事など無いのですから!」


 ――それも、考えうる限りかなり最悪に近い形で。
0012血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:51:29.39ID:clqM6h3T

「…光秀ぇ!」
「はっ」

 その一言で主の意向を理解した光秀が、大鎌を振るって戦場に割って入り、信長に向かっていたスザクの無毀なる湖光の一撃を受け止めた。

「くっ!」

 二対一かと焦りを浮かべるスザクだったが、その考えが間違いであった事を、すぐに思い知る事になった。
 信長はくるりとスザクに背を向けると、しかし殺気は孕んだまま、憤怒の形相を浮かべて、まっすぐユーフェミアのもとへと歩み寄って行ったのだ。
 スザクと光秀は勿論、当のユーフェミアですら、信長が話し合いの呼びかけに応じた訳ではない事がすぐに理解できた。

「我に逆らうというか…毛唐の小娘がぁ」

 信長がキュプリオトの剣を大上段に構る。視線の先には勿論、ユーフェミアしかいない。
 すぐ隣にいる見覚えのある軍馬は、視界には入っていても意識などまるでしていない。

「あ……っ」

 これから起こるであろう事態が容易に脳裏に思い浮かび、ユーフェミアの全身がカタカタと震える。
 生存本能のままになんとか逃げようとするも、それ以上の恐怖と威圧感により、足を動かす事もままならない。
 瞳に宿っていた決意は、既に殆ど消沈していた。

「我は第六天魔王、織田信長であるぞ。我に逆らおうというのなら、例え女子供と言えど……容赦はせぬわぁ!!」

 加減も容赦も一切無い袈裟懸けの斬撃が、ユーフェミアに向かって繰り出された。

「ユフィ!!!」

 すかさずスザクが無毀なる湖光を手にしたまま、信長の一撃からユーフェミアの命を守らんと駆け出し、






                    『生きろ!!』






 そして、一瞬足を止めてしまった。
 その一瞬はあまりにも大切な時間で、どうしようもない決定打だった。
0013血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:53:30.35ID:clqM6h3T

「ユフィいいいいいいいいいいいいいい!!!!! ―――ッぐうっ…!」

 ユーフェミアの左肩から右脇腹にかけて凶刃の切っ先が走り、真紅の血液が噴水のように噴き出した。
 そのまま彼女は意識を失い、その場にずるりと崩れ落ちる。
 そしてそれとほぼ同時にスザクの背中からもごぽりと血液が溢れ出し、彼の両膝が地に落ちた。

「主の危機に恐怖から足を止めてしまうとは……私の目も曇っていたようですね。貴方を嬲ってもあまり面白くなさそうですから、もう楽にして差し上げましょう」

 ギアスという超常の呪いの事など知る由も無い光秀の落胆の呟きが、大鎌の刃を突き立てられたスザクの背中にかけられた。
 そして次は首を落とさんと光秀は大鎌を横凪ぎに振るい――盛大に空を切った。

「まだ動けるのですか!?」

 スザクは地に伏した姿勢のまま、しかしすぐに体勢を整え直し、短距離走のクラウチングスタートの要領で、前方に疾走する事で光秀の一撃を回避した。
 与えた傷の深さから最早抵抗もできまいと思っていただけに、さしもの光秀も驚きを隠せない。
 そしてスザクの向かう先は勿論、信長とユーフェミアの許。無毀なる湖光を右腕一本で振りかぶり――全力で投げ下ろした。

「ぬうっ!?」

 斬撃を予想し、キュプリオトの剣で打ち払わんと構えていた信長にとって、武器を捨てる事になるその一撃は、流石に予想外だった。
 投擲された無毀なる湖光は信長の具足の表側を貫通し、左足の甲に突き刺さった。
 生憎貫通して地に縫い止めるとまではいかなかったが、スザクにとってはこの戦いでの最初で最後となる有効打となった。
 そして奇襲が成功した事を確認したスザクは、信長に僅かに生まれた隙を見逃さず、倒れたユーフェミアを背負い袋ごと引っ張り抱え、馬に乗って即座に離脱を図る。

「逃がしませんよ…!」
「小癪なぁ!!」

 一瞬遅れて動き出した光秀が大鎌を、足から無毀なる湖光を引き抜いた信長がそのまま無毀なる湖光を振るうが、
 刹那の差で二つの斬撃はスザクには届かず、馬の尾の毛を数本散らすにとどまり、スザク達は満身創痍ながらも戦場から森の中へと離脱した。




【C-3/市街地/1日目-黎明】

【主:織田信長@戦国BASARA】
 [主従]:明智光秀@戦国BASARA
 [状態]:左足甲に軽度の刺し傷。スザクに対する強い怒り。
 [装備]:キュプリオトの剣、無毀なる湖光
 [方針/行動]
 基本方針:八雲紫を含む全ての敵の抹殺。
 1:感情の赴くまま進む。
 2:B−2の市場に向かい食料を確保する。


【従:明智光秀@戦国BASARA】
 [主従]:織田信長@戦国BASARA
 [状態]:健康
 [装備]:小野塚小町の鎌@東方儚月抄、背負い袋(基本支給品、不明支給品×2(飲食物の類ではない))
 [方針/行動]
  基本方針:栄華を極めた信長に謀反を起こし、共に地獄へ行く。
  1:臣下として信長に従う。


0016血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
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2011/11/29(火) 00:56:21.04ID:clqM6h3T

◇◇◇

(心臓は、動い、てる…。まだ、ユフィは、生きてる…!)

 背負い袋を二人で背負う形でユーフェミアの体を自分の背中に密着させて馬を走らせながら、背中越しに感じる彼女の心臓の鼓動に、スザクは心底安堵した。
 スザクが思っているよりもユーフェミアの負った傷は深くなく、早期に止血さえできれば、命に別状は無いものだった。
 その幸運の最大の原因は、彼女が付けた仮面にあった。
 この仮面はある科学者達がオリジナルとなる仮面をもとに複製したものであり、これを身に付けた者は、身体能力や免疫機能の向上といった恩恵を授かれるのだ。
 そしてその身体能力の向上があったからこそ、ユーフェミアは信長に斬られる直前、向上した視力と反射神経を以って、
 ほぼ本能的にだが、僅かに身を引いて致命傷を避ける事ができたのだ。
 出血が派手だったのは、斬撃の勢いと傷の範囲の広さのせいで、主要な血管や骨、内臓は全て無事だった。
 尤も、そんな仮面の効用も、その仮面が決して外せない事も、自分の方が遥かに重傷である事も、未だスザクは気付いていない。

(ともかく、早く、病院、に、行か、ないと…! デパートじゃ、すぐに、追い、着か、れる…!)

 自分の背中から溢れ続ける血液と、ユーフェミアの体から流れ出る血液で体の前半分が真っ赤に染まりゆくユーフェミアを背に、
 スザクの思考は僅か二つの事柄で塗りつぶされていた。
 一つは、一刻も早くユーフェミアを病院に連れて行かなければならないという事。
 そしてもう一つは、かつて枢木神社でルルーシュに対して向けた思いと同じで――


(どうして、俺に、こんな、ギアスを、かけ、たんだ、ルルーシュ………!!)




【C-3/北西端森林部/一日目-黎明】

【従:枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:ユーフェミア・リ・ブリタニア
 [状態]:背中に深い刺し傷(放っておくと危険)。
 [装備]:伊達政宗の馬@戦国BASARA、背負い袋(基本支給品一式、参加者主従別名簿@主従ロワオリジナル)。
 [方針/目的]
 基本方針:何があってもユーフェミアを守る。
 1:ユーフェミアを病院へ連れて行く。
 2:優勝して八雲紫にユーフェミアの安寧を願う。
 3:もし八雲紫の言葉が嘘だっ等の理由で優勝を狙う意味が無くなったら、ルルーシュにユフィの存在を完全に秘匿してもらう事を条件に共闘して八雲紫を打倒する。

[備考]
 ※ユーフェミアのダメージが思っているより浅い事と、複製仮面の効果に気付いていません。
 ※織田信長、明智光秀を危険人物と認識しました。


【主:ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:枢木スザク
 [状態]:気絶中。左肩から右脇腹にかけて中度の裂傷。早期に止血さえできれば命に別状は無い。
 [装備]:複製仮面@うたわれるもの
 [方針/目的]
 基本方針:ルルーシュと合流したい。
 1:???

[備考]
 ※複製仮面の効果に気付いていません。
 ※織田信長、明智光秀を危険人物と認識しました。
0017血染め の ユフィ ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 00:59:27.16ID:clqM6h3T




【複製仮面@うたわれるもの】
創世記の科学者達がアイスマン(ハクオロ)の仮面をもとに作り上げた複製品。
身に付けるとn単位の数千本の未知の繊維によって直接脳髄に縫い付けられ死ぬまで外す事ができなくなるが、
代わりその繊維が脳に直接働きかける事によって、身体能力と免疫機能が大きく向上する。

【伊達政宗の馬@戦国BASARA】
バイクのハンドルとマフラーが取り付けられた、伊達政宗の愛馬。
アニメスタッフによって“馬イク”の名称が与えられ、半ば公式化しているが本当の名前は不明。

【参加者主従別名簿@主従ロワオリジナル】
通常の五十音順名簿と違い、参加者の名前が主従別に明記された特別な名簿。
新たな主従関係が発生すると、それに応じて次の放送と同時に主従情報が書き換えられる不思議機能付き。
0019 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/11/29(火) 01:00:51.84ID:clqM6h3T
これにて投下完了です。
ご支援有り難う御座いました。
そして、前スレでの容量確認漏れミスは失礼致しました。
0020創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 07:54:08.17ID:8XYBPzDo
思うんだけどさ、ユフィから見たスザクって一年後のスザクだろ?
作画の都合を抜きにしても一年分の変化ってありそうなもんだし、もっとわかりやすい部分で服装の違いもあるはずなのに
そのへんスルーなんだな

つーかスザク、ゼロレクイエムどうでもよすぎだろ
引くわ

まあ、だいたい登場話のせいだけどな
2話目でそれをこじらせただけで
0021創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 08:19:28.49ID:f3JGAtY8
新スレ一番槍投下乙です。
正直、予約時点では絶対どっちか死ぬと思ってたがこれは予想外。いや死にそうだけど。
それとハクオロさんの仮面付けたユフィ+馬イクを想像したらシュール過ぎて吹いたwww

>>20
そうか?
俺はこじらせたと言うよりは、登場話の方針覧に肉付けしたって印象を受けたけどな。
服装は俺も言われるまで気付かんかったw
まあ、書き手さんが「あっ」って思ったら加筆か修正するだろ。
0022創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 10:49:20.73ID:hlR/+wru
>>20
お前の書いた「ぼくがまんぞくするさいこうのSS」とやらを読んでみたいわ
どうせなんやかんや理由付けて書かないんだろうけどなwww
0023創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 11:25:23.26ID:yO2/pRVS
投下乙です
本当、ユフィ組は支給品が幸いしたなー
名簿の支給品もなかなか便利そうだ
…つかあれ?もしかしてユフィがつけた仮面ってもう取れねえの?w

>>20
まあスザクはナナリー生きてて動揺したルルーシュに喝を入れた人とは別人のようだが…あの登場話じゃしゃーない
これ以上フォローのしようがないだろ
0024創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 12:42:33.56ID:8XYBPzDo
そうだな
議論スレに纏められた指摘に無反応だったくせにしれっと次の予約をして
自分のミスをフォローするために他の書き手が提案した案に調子に乗って注文つけるようなアホ書き手のせいだもんな
この書き手を責めちゃいけないよな、すまんかった
0025創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 12:54:23.43ID:EEubo/2U
あの注文にはワロタwww
そしておそらく、あの書き手は15才近辺なんだろうと生暖かく見守ろうと思った
0026創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/11/29(火) 13:03:46.26ID:2twlE7D8
このスザクは自分がフレイヤで殺した日本国民のことなんてすっかり忘れてそうだな
0028創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/01(木) 22:09:19.28ID:qsTgJp9x
雑談スレから転載

89 名前: ◆YwLV7iJ2fw[sage] 投稿日:2011/12/01(木) 19:46:52 ID:Gy1twSqI0
本スレが未だに規制中なのでこちらで。
本スレでご指摘ご感想をくださった方々、有り難う御座いました。
恥ずかしながらスザクの服装の件については完全に失念していましたので、
先程wikiの方で加筆保管して参りました。
0029創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/03(土) 15:46:53.11ID:EwGEQY76
そう言えば水と食料が基本支給品に入ってないロワって珍しいよな。

…良かったなセイバー、stay仕様じゃなくってw
0031 ◆HB6UlrC94Y
垢版 |
2011/12/04(日) 17:13:59.38ID:h3pt38ei
土曜だけで書けると思ってたら、意外と時間かかった…
投下します
0032悲しみの翼 ◆HB6UlrC94Y
垢版 |
2011/12/04(日) 17:14:59.89ID:h3pt38ei
少女は、人ではなかった。
頭上には輝く輪を戴き、背中には二枚の翼を持っていた。
自らの存在を誇示するかのように、不可思議に煌めく白銀の翼。
その両翼で周囲の闇を切り裂きながら、シナプス最強の戦略エンジェロイドタイプαイカロスは疾走していた。

白い甲冑に包まれたほっそりとした体躯は、華奢な少女のものである。
だが、その両足がアスファルトを蹴り立てる轟音は、到底ただの少女のものでは有り得ない。
瞬き一つする合間にも、イカロスの身体は瞬間移動でもしたかのように前進し、その後には砕け散ったアスファルトの粉塵がたなびく。

周囲の耳目を大いに惹きつけるであろう、先程の大爆発。
それを我が身に集めるべく、イカロスはこうして囮としての役割を自らに任じていたのである。
周囲は開けた草原だ。
好戦的な人物であれば、こうして目立つイカロスの姿を捉え、狙って来るに違いない。

「こうするしかなかった……こうするしか、なかったんです。マスター……」

しかし、そんな荒々しくも大胆な行動とは裏腹に、イカロスは悲しみに満ちた声を力なく漏らす。
つい先程、イカロスは隠れ潜んでいた人間と、機械仕掛けの従者を殺害した。
相手の動向を、確かめる事すらせずに。
それは平和を愛し、人を傷付ける兵器を何よりも嫌う智樹の意に反する行為だ。
決して許されるはずもない罪科だ。
それを理解していてなお、イカロスはそうせざるを得なかった。

かつて、己が兵器たる本性を智樹に見せた時、彼はそれを許してくれた。
本当はただの女の子でしかないのに、そんな機能を持たされている事が可哀想だと。
でも、お前のその力のおかげで友達が助けられる――そう、言ってくれた記憶(メモリー)はイカロスの記憶領域の
一番大切な所に保存されている。
嬉しかった。
主の意と共に、空を自由に翔ける喜びを、初めて得た。

だが、今の状況はその時とは違う。
大勢の参加者の中から、マスターだけを生き残らせる。
そんなエゴイスティックな目的の為に、イカロスは自分達と同じ立場の参加者たちを――罪もない彼らを虐殺する事を決意したのだ。
太古の昔、シナプスの尖兵として地上を焼き払った時のように、無慈悲な空の女王となって。
自分の本性は、やはり兵器でしかなかったのだと、イカロスはマスターに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


他の道をシミュレートしなかったわけではない。

八雲紫なる女性との問答において、まず争いを回避しようとした者がいたように、この殺し合いを良しとしない者たちは
それなりにいるはずだ。
智樹ならば、そんな彼らと手を取り合い、この殺し合い自体を打開しようとするだろう。

――だが、それでどうなると言うのだろう。
打開派と手を組めばあの時、殺し合いの続行を望んだ者たちを排除する所までは可能だろう。
しかし、ここは既に殺し合いのシステムの中なのだ。
いつまでも殺し合いが停滞していては《禁則》に触れてしまう。

使える時間は有限。
その中で、あの八雲紫を打倒し、なおかつその間マスターの身の安全を保ち続ける……
そんな奇跡が起きる可能性は、ZEROに近いとイカロスの電子頭脳は算出していた。

なにせ、八雲紫の居場所すらわからないのである。
彼女に拉致された時も、今ここへと送られてきた時も、イカロスのセンサーは何の兆候も捉える事が出来なかった。
ならば、何かの奇跡が起こり八雲紫と対峙出来たとしても、次の瞬間には再びどこかへと落とされてしまうだろう。
そして、そここそが彼女の言うところの、地獄であるかも知れないのだ。

あの見せしめにされた男たちのように、大事なマスターが苦悶の絶叫をあげる様など、シミュレーションすら行いたくなかった。
しかも、それが五千四百万年も続くなどと。
7千万年前に建造されたイカロスには、その途方もない時間が実感出来る。
0033悲しみの翼 ◆HB6UlrC94Y
垢版 |
2011/12/04(日) 17:16:11.18ID:h3pt38ei

八雲紫との対決の道だけは選べない。
それが、イカロスの電算能力が導き出した結論であった。

その一方で、参加者たちの皆殺しという道も、実現困難である事は明らかだった。
最初の主従こそ予想外にも難なく殺せたが、何せ殺し合いと言うほどである。
決して、誰かが一人勝ち出来る様にはなっていない筈だ。

それは、イカロスに施されたデチューンからも判断出来る。
イカロスが本来の能力を発揮すれば、このような会場はAporonの一撃で跡形も無く消し飛んでいる。
それをさせないように制限しているという事は、八雲紫が望む殺し合いとは対等な力関係を基本としているのであろう。
1組ずつ、確実に。
それがこの殺し合いの、デフォルトスタイルなのだ。

「でも……それじゃ間に合わないかもしれない」

前述した通り、参加者を皆殺しにして智樹を救うというプランも、決して成功率が高い訳ではなかった。
時間を経る毎に、マスターが死ぬ確率は高まっていくのだ。
こうしてイカロスが走っている間にも、智樹に魔の手が迫っていないとは言い切れない。

マスターを護りながら、他の参加者たちを殺していくプランもあるにはあったが、マスターに静止された時点でイカロスには
行動の自由がなくなってしまう。
エンジェロイドにとって、マスターの命令は絶対なのだから。
故に、イカロスにとってマスターを救う道は『これしかなかった』のである。

だが、そうなると智樹の命運は、まさに運否天賦であった。
智樹は妙なバイタリティに溢れる少年ではあったが、能力的にはただの中学生に過ぎない。
どう見立てても最初の12時間を過ぎる頃には、生存率は半分を切っているだろう。

主の傍にいる事が出来ない以上、イカロスが取れる対策は、より早く他の参加者たちを皆殺しにする事だけだ。
イカロスが付近の参加者を殺せば殺すほど、智樹のエンカウント率は低下して安全となる。
だからこそ、こうして闇夜の中でも目立つ姿を晒しているというのに、一向に殺害対象を発見出来ない事にイカロスは焦りを覚えた。

「やはり……あの空に還らなければマスターは救えない……」

紅玉(ルビー)を大粒にカットしたかのようなイカロスの両眼が、夜空に輝く満月を捉える。
空の女王の異名通り、本来のイカロスにはマッハ24という高速で空を翔ける機能が備わっている。
それは単独で大気圏を突破し、宇宙空間への飛翔すらも可能とするほどの、驚異的な能力だ。

だが、いつのまにハッキングを受けたのか、現在のイカロスは兵装の展開はおろか、単純に飛ぶ事すら出来ずにいた。
走りながらもイカロスは自らのシステムをハックして、その制限を解除しようと試みていたのだが、電子戦に優れたタイプβニンフなら
いざ知らず、イカロスのハッキングは、遅々として進まない。

「それでも、飛ばなきゃ……マスターを救えないエンジェロイドに価値なんて……ないっ!」

手段は、ある。
絡め手が駄目なら、力押しをすればいいだけだ。
制限で翼への動力供給が絞り込まれているというのなら、そのか細い動脈(パス)に無理矢理高出力の力を供給してやればいいのだ。
イカロスに搭載された動力炉は、シナプス最高の技術の結晶。
可変ウィングの核(コア)。
それはイカロスというフレームに、収まりきらないほどの出力を内在している。
だから、フレームへのダメージを度外視すれば、理論的にはそれは可能なのである。
そう、フレームへのダメージを度外視すれば。

「可変ウィングシステムセーフティ解除、モードウラヌスクィーン――オーバードライブ」

決断を下すや否や、イカロスは自らを律する命令文(コマンド)を唱えた。
そのコマンドに従い、イカロスに内蔵された可変ウィングのコアは無限の力を翼へと流し込む。
それはイカロスの羽根を長く伸ばし、その翼を更に光輝かせる。
0034悲しみの翼 ◆HB6UlrC94Y
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2011/12/04(日) 17:17:05.94ID:h3pt38ei
そして。

そして、限界を超えた力の発露は、やはりイカロスの身体を蝕むダメージとなってリバースする。
光り輝く羽根が大量に抜け落ち、全身の骨格が軋み声をあげる。
壊れた先から、自己修復機能で修復していくが、到底間に合うものではない。

「アアッ! ウアアアアアアァァァッ!!」

痛みに強いイカロスでも、思わず悲鳴を漏らすほどの激痛が走る。
痛みとは、身体が発する危険のシグナルだ。
このままでは壊れる。
壊れてしまう。
そんなシステムが発する危険信号を、イカロスは意思の力で無理矢理抑え込む。

壊れてもいいと。
どうせもう、マスターに二度と褒めて貰えないのだ。
二度と叱ってもらう事も、頭を撫でて貰う事もない。
この身はただ、マスターを生還させるためだけのただの道具。
それを達成出来る時間だけ持てば、それでいい。

だいすきなマスターと、ずっといっしょに居たい。
そんな分不相応な望みなど、とうに捨てている。
そうでなくては、成らない。
そうしてすら、事は成らない。

悲壮な覚悟を決めて、エンジェロイドの本分を全うせんとイカロスは飛び立つ。
疾走の勢いを借りて、大空へと一歩踏み出す。

「戦略エンジェロイドタイプαイカロス、出撃します!」



       ◇       ◇       ◇



そして戦場の空に、空の女王は再び君臨する。
零れ落ちた雫は、そらのおとしもの。


――さようならマスター。どうか生きて――生き延びてください。






 【Dー4/空/1日目深夜】

 【従:イカロス@そらのおとしもの】
 [主従]:桜井智樹@そらのおとしもの
 [状態]:オーバードライブ状態(現在『空の女王』になっており身体能力が上がっています)
 [装備]:なし
 [方針/行動]
  基本方針:マスター以外の全参加者の皆殺し。
  1:空から殺害対象をサーチする
  2:掛けられた制限をなんとかする。
 [備考]
  ※参戦時期はカオス戦(1回目)終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。
  ※このままだといずれ、身体が崩壊します。
0036創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/04(日) 18:02:11.32ID:DEkkbM26
投下乙です。
確かに翼持ちはある程度の飛行が可能だって制限だったが、この代償は大きいな…!
速度や高度にも制限かかってる可能性は高いし、果たして目的を果たせるのか…?
しかし、なんとも悲痛な覚悟だが、その方向死体しかいないよイカロスさん。
まあ、飛行してる以上次に誰かに遭遇できる可能性はかなり高いけど。
0037創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/04(日) 18:47:16.44ID:4jouGij8
投下乙です

ある程度の正気は残してる状態なのか
先走って奉仕マーダーに走ったがそのご主人様はなあ…
しかも皆殺しより先に崩壊する方の可能性が大きいのが泣ける
さて、何かで方向転換する可能性もあるがどうなるやら
0042ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/06(火) 01:46:07.14ID:rMn1Ud9q
 【001】


「今度こそ成仏しろよ」

そんなことを言って僕はゴミ捨て場の前でパンパンと手を打った。
別に何かを拝んだりだとか手締めとして拍手を打ったというわけではない。ただ一仕事を終え、手から埃を払っただけだ。

あれから。
人気のない街中へと入り、続けて当て所なくぶらぶらと歩いていた僕たちは住宅街の一角にゴミ捨て場を見つけると
これ幸いにとあのかつては僕の愛車だったマウンテンバイクの残骸をそこに、多少の葛藤はあったものの捨てたのだった。
いやだって、鈍器にするならもうそこらじゅう、例えば交通標識なんかだとかをどこからでも調達できそうではあったし
そうなるとわざわざ自転車の残骸なんて使いづらいものを後生大事に抱えていてもしかたがない。
なにより格好がつかないし、どこか不憫なビジュアルですらある。それにそもそもとして一度は捨てたものなのだ。
そういう訳で、僕は改めてかつては愛車として活躍していたマウンテンバイクと別れを告げたのだ。

もしかすると、じゃあ捨てるんだったらどこでもいいだろう。なんなら海に向かって放り投げればよかったじゃないか。
なんて言う人がいるかもしれないが、しかし僕はそんな考えには断じてノー!だと言わせてもらおう。
そんなことをしては僕のイメージが……ではなく、一般的な常識としてゴミをルールを守らずに遺棄するのは犯罪行為だ。
尤も、その常識というものがここでだとどうなのかは不明なので、あくまでマイルールを暫定的に採用することになるのだが。
ゴミはゴミ箱に、資源ゴミは指定のゴミ捨て場にという訳で、わざわざゴミ捨て場を探してそこに捨てることにしたのである。

おいおい何を言っているんだ、自転車やなんかの大きなものは資源ゴミではなく粗大ゴミとして専用の業者に引き取って
もらうものだろう?とつっこんだ人は中々に鋭い。だがしかし、その点においても僕は抜かりない。
資源ゴミと粗大ゴミとを区別する分け目はそのゴミの大きさ――つまりはサイズによる。ここで素材は考慮されないのだが、
粉砕されたマウンテンバイクはもはや自転車の体をなしてはいなく、無数の細かいゴミでしかないから資源ゴミとして
捨ててもいいのだ。多少、規定のサイズを超えるパーツもあったが、それは吸血鬼の力を駆使して解体した。
ついでに、金属部品とプラスチック、ゴムのパーツも分別しておいた。一分の隙すらないのだ。

「こと、ゴミ捨てにおいてはこの阿良々木暦をあなどらないでいてもらおう!」
「……誰に向かって話しておるんじゃ我があるじ様よ」

忍の視線が冷たい。

「いや、決意をもってスタートしたのはいいけど、何も起きないもんだからちょっと、な」
「まぁ、それはわかるがのう」

あの砂浜から出発し、街中に入るあたりまでは誰かどこかに潜んでいないか、どこからか奇襲されるんじゃないかと
緊張しながら歩いていたものだが、どうやらこの島は思いのほか広いらしく、じゃあ滅多なことでは誰かと出会わないんじゃないか
という疑念を抱き、そしてそれから数時間ほどしてそれを実感してしまえば最初にあった緊張感など維持できるはずもない。
そして、ただ知らない夜の街を徘徊するだけという状況に耐えかねた結果が、僕をゴミ捨て場に駆り立てた……とか、みたいな。

「ミスタードーナツでも見つかればよかったんじゃがのう」
「それだとお前がドーナツ食ってるシーンだけでこの話は終わっちまうよ」

本当はもっと必死にならなくちゃいけないってことは理解してるし、あの決意は決して偽物じゃなかったはずなんだが
なんせ未だに僕らは自分達が島のどこにいるのかすらわかってないんだよな。
島の中にある市街のどこかってのはわかってはいるんだが。

「果報は寝て待てとも言うが?」
「この場合、待ってやってくるのは訃報だよ」
「うまいこと言えてるの」
「シャレにならないけどな」

さて、本当にどうしたものか――。
0043ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/06(火) 01:46:50.84ID:rMn1Ud9q
 【002】


深く暗い森の奥であどけない少女の悲鳴が響き渡っていた。

「――ねぇ、お姉さんと一緒に遊びましょ? お菓子あげるから、ねぇ、いいでしょう?」
「ひっ! ちょ、ちょっと……嫌です! あひゃ、やめてくださいってば! ゆ、幽々子様! 見てないで助けて――」

いやいやを繰り返しながら助けを求めているのが妖夢で、小さな彼女にしがみついて息を荒げているのは百合川と言う。
二人は足元も覚束ない森の中を器用に、まるで情熱的な南米のダンスのようにつきつ離れつくるくると回っている。
一見喜劇のようではあるが、得体の知れない女に絡まれた妖夢の悲鳴には本物の恐怖が混じっていた。

「あらあら、どうしようかしら」

妖夢の主である幽々子はなにも考えていなさそうな笑みを浮かべ、ただ従者の危機を面白そうに眺めているだけだ。
事態の滑稽さが増し、なおのこと妖夢が不憫という風になってゆく。

「百合川〜〜っ」

翻って、百合川の主であるれい子はという額に青筋を浮かべていた。
従者が命を聞かず足並みを乱していること。そして彼女の趣味趣向があいも変わらずなこと、その両方に対しての怒りだ。
れい子は強く地面を蹴ると奇妙奇天烈な踊りを続ける二人のほうへと突進し――

「このどアホが――――ッ!!」
「ぶべらっ!?」

と、見事なドロップキックを百合川の即頭部に炸裂させた。
その時、れい子の短いスカートが全開で捲れ上がり派手な下着が露になったのだが、それはさておき
れい子の全体重(一応ダイエット中)がのせられたドロップキックを喰らった百合川はおもしろいくらい見事にぶっとび、
地面の上を勢いよくごろごろと転がると木の幹へとぶつかりそのまま動かなくなった。
そして、半泣きになっていた妖夢はというと、その隙に地面を這って幽々子の方へと避難している。

「ハァハァ……。あー、ほんと最悪ね、こいつは」

脳震盪でも起こしたのかぴくりともしない百合川を見下ろし、れい子は大きな溜息をついた。
百合川サキは完全な支配下にさえあれば実に優秀な戦闘力を持ったゾンビだが、こうも本性を曝け出してしまっては
ただのトラブル&キリング発生マシーンでしかない。一蓮托生の身としては気が重く憂鬱になるばかりだ。

「こんなことなら同じ百合川でも妹の方だとよかったんだけど……と、そうだ」

思い出したようにれい子は振り返る。
馬鹿なゾンビのせいで有耶無耶になりかけたが、今は殺し合いの場において敵と遭遇したという状況なのだ。
もう場が白けきったという感はあるが、それならば――とれい子は考える。

「えーと、その、どうしようかしら?
 うちの相棒が失礼を働いたのはあやまるけど、だったらこの際、ここはひとまずこれで手を打つってのはどう?
 私としては馬鹿正直に殺しあうってのもおかしいって思うし、もしあの八雲紫って女を出し抜くアイデアがあるなら――」

その正体はともかくとして相手は一見無害そうな女と子供だ。れい子としては殺しあいたくないというのが本音である。
いや、もし相手が女子供でないとしても極悪人でもない人間を殺すのはれい子のポリシーに反する。
今のところ、殺していいのは八雲紫という女ただひとりしかいない。だから、れい子は協力しないかと提案しようとしたが、

「――じゃあ、殺し合いを始めましょうか。尤も、生きているあなたと生きていない私とじゃ殺し合いっこにはならないけど」

しかし亡霊の女は軽い笑みを浮かべたままそれを無視した。
嫌な予感が走る。この時れい子はすでに自然と戦闘体勢を取っていた。

「ちょっと……、何を考えているの? あんたまさかあの八雲紫って女を信用して殺し合いをおっぱじめる気?」
「それを教える必要が……いえ、今ここであなたが知る必要があるのかしら?」
0044ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:47:33.45ID:rMn1Ud9q
幽々子の周囲になにか淡く光るものがふわふわと浮かび始める。

「蝶……?」

それは蝶――幽々子の霊力から生み出された死霊の化身であった。

「蝶は死の前兆を知らせるもの。あなたはこの死の誘いを抗い続けることができるかしら?」

無数の蝶が森の中を少しずつ淡い光で照らしてゆく。そしてそれは次第にれい子を囲い、死へと誘いはじめた。


 【003】


それを避けられたのはれい子がすでに身構えていたことと、これまでに幾度も異常な敵と戦いその経験を有していたからだ。
浮かび上がった死霊の蝶の群れから数羽が飛び出すと、一羽が一つの光弾と変じて音もなくれい子へと殺到する。
ゆるやかな弧を描いて飛来する光弾を、れい子は持ち前の運動神経を発揮し、飛んで避けた。
一発、二発、三発と、避けられた光弾は直前までれい子がいた場所やその背後に着弾し火薬が炸裂したような音を鳴らす。

「くっ……!」

首だけを振り向かせ、確認した光弾の威力にれい子は冷や汗を垂らした。
地面には小さなクレーターが生まれ、直撃を受けた木は樹皮が捲れ上がり、幹が抉れて生木の部分が覗いている。
爆弾――という程でもないが、少なくとも子供だけで遊んじゃいけない花火くらいの威力はあるらしかった。

「(このままだと、まずい……)」

れい子は光弾へと姿を変えて次々と襲い来る蝶を避けながらこの場を切り抜ける方法を考える。
現状は最悪に近い。百合川のスピードならば弾幕の間を縫って接近しあの幽霊へと一撃を加えることも不可能ではないが、
今は(れい子自身が気絶させたのだから自業自得だが)ゾンビの百合川を使うことができない。

「せめて、(私だけでも)逃げる方法を考えないと……!」

立ち並ぶ木々がれい子に盾とされその身を抉られる。避けに徹するだけならばそれはあまり難しいことではなかった。
だがそれだけでは問題の解決にはならない。これといった打開策も浮かばず、焦燥が募るばかりだ。
今のところ順調に光弾を避けてはいるが、いくら避けても蝶の数が減っている様子は窺えない。
無尽蔵というわけではないだろうが、しかしそれを避け続けるれい子の体力よりかは余裕があるだろうことは確実だ、
その上、森の中というシチュエーションはれい子にとってよい方向にも悪い方向にも同じように働く。
盾となる木は時に行動の邪魔となり、苔に覆われた地面はいつその足を取るとも限らない。

「――あっ!?」

そして危惧した瞬間はすぐに訪れた。
連なって発射された光弾を避けたのはよいが、その際に出っ張っていた木の根に足を取られたのだ。
地面に倒れこむまでの間に受身とそこからの離脱をシミュレートする――が、それよりも早く追撃がれい子の背中を打った。
その瞬間れい子が思い出したのは、もみじなどと言って裸の背中を叩き合う遊びのことだ。
光弾で身体を打たれる感触はあれとよく似ていて、そしてその何十倍も強烈だった。

「…………っ、…………!!」

雷を落とされたような衝撃に悲鳴を上げることすらもできず、れい子は地面へとそのまま倒れこんだ。
激しい痛みに手足は痺れすぐには起き上がれそうにもない。このまま続けて攻撃を受ければもうそこでお終いだ。
だがこの瞬間、無様に土へと顔をつけてその感触を感じ取った時、れい子の頭の中に一つの方法が浮かび上がった。

「(私の……“武器”を使えば……)」

だがしかし、それを実行するにはこの地面に伏せた状況はマズい。これでは“自分が最初の餌食”になってしまう。
すぐさまに立ち上がりあの幽霊女から距離を取らなければならない。しかし、まだダメージが回復するまでには時間がかかる。
故に――れい子は動くことを放棄し、“逆に動かないように努めた”。
0045ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:48:17.27ID:rMn1Ud9q
「(ここは“気絶したフリ”で、少しでも時間を稼ぐ……!)」

無論、ここで相手が無慈悲にも追撃をかければそこまでだ。
だがしかし、れい子はこれまでの態度からあの女がそんなことをせずに“余裕”を見せるだろうと踏んでいた。

「なんてことないのね。それじゃあお遊びはお終いにして、あなたを殺してしまいましょうか」

そして、そのれい子の予想は正解だった。
幽々子は蝶を使うのではなく、自ら止めを刺すべく“ゆっくりと歩いて”近づいてくる。
れい子の元へと辿りつくのに要する時間はおよそ20秒ほどだろうか。できればもう10秒は欲しいとれい子は考える。
“30秒あればダメージは回復し、ダッシュで距離を稼ぐ”ことができる。

「(そうだ……もっと近づいてこい。こんな身体だと、近づいてきてもらわないと攻撃を当てることが)――できないからっ!」

地面に顔を伏せたまま足音だけで近づいてくる幽々子への距離を測り、
彼女が3メートルの位置まで来たところでれい子はスカートに挿していた拳銃を早撃ちの要領で抜き、――撃った。
雷鳴の様な耳を劈く音が静寂な森の中に響き渡り、れい子の測っていた通りの位置にいた幽々子が身体をくの字に折る。

「幽々子様ッ!?」

離れた位置で事の成り行きを見守っていた少女が悲鳴を上げる。
だがそんなことはどうでもいい。問題は“後10秒だ”。どうせこの攻撃は――この“幽霊女には通用しない”。

「…………あらいやだ。身体に穴が開いてしまったわ。こんな“弾”を受けるのは初めてよ」

やはりそうだった。幽々子は拳銃で撃たれたにも関わらずなんら痛痒を感じている様子がない。
ソンビと同じなのだ。もう生きてはいない者に、痛みはダメージとならない。
もし有効なダメージを狙うなら刃物や鈍器だ。亡霊だろうとゾンビだろうと動けなくなるまで崩すのが最良の攻略法である。
なので破壊面積の小さな銃弾は有効な攻撃ではない。そう、れい子も理解していた。これはただの時間稼ぎにすぎない。

「あなた、亡霊を前に死んだフリだなんておもしろい子ね」

そして、“やはり”。目の前の幽霊女はれい子の反撃に対しても激昂することなどなく余裕を保ったままだ。
強者であるが故、絶対死なないと確信してるが故に、弱者に興味を持ち、こんなにも簡単に隙を見せる。
拳銃を発射してから10秒、そして余裕を持ってもう1秒。
身体の中の痺れが取れたことを確認したれい子は猫のように素早く立ち上がり、彼女に背を向けて駆け出した。

「あら? 逃げちゃうの?」

それは正解だ。れい子は逃げる為に疾走する。だがしかし、今距離を取っているのは逃げるためではない。
“呪文を唱える時間”を稼ぐ為。そして、なにより――その“攻撃に自分を巻き込まないよう”にする為ッ!
ジャスト3秒で15メートル駆けたれい子はその場で止まり振り返った。距離を取るのは必要。
だが相手に攻撃を再開させるのもまずい。速やかにこちらが相手に“有効な攻撃”を仕掛けなければいけない。
れい子はゾンビ召喚者の印である五芒星(スター)が描かれた右の掌を突き出すと、間髪入れずに“呪文”を唱えた。

「魔王サタンよ――ッ! 我が願いを聞き入れ給え!
 この静謐な森に満ちる死せる者共を死の楔から解き放たんが為、そなたの偉大な力を持って今ここに一時の息吹を!」

それは反魂の呪文。魔王サタンと契約した《魔女》のみが行使できる“死者をゾンビとして蘇らせる力”だ!

「なんなの……?」

幽々子と、そして彼女の従者である妖夢が怪訝な顔をする。
彼女達は亡霊と半人半霊である。なので、れい子の呪文が真なる力を持っていようと影響を受けようはずもない。
例え魔王サタンの力を借りているのだとしても、ソンビ使いである以上、その呪文の効果は死体にしか適用されない。
ならば、何故れい子は呪文を唱えたのだろうか?
ここには死体など(すでにれい子のゾンビである百合川を除けば)ありはしないのに。
れい子は幽々子達の正体を見誤ったのだろうか? いや違う。彼女は“ここに死体があること”を知ってる!
0046ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:48:59.46ID:rMn1Ud9q
カチ……カチ……、カチカチ……カチカチ…………――

何かを打ち鳴らす不気味な音がどこからともなく聞こえ始めてくる。それは死神の持つ時計の針の音――死への秒読みだ。

カチカチ、カチ、カチ……カチカチカチ、カチカチカチカチ……カチカチカチ……――

「小さい頃、何度も同じ“失敗”を繰り返したわ。ゾンビ召喚術を試そうと公園や山の中で隠れて行使した時にね。
 だから“学習”した。どこに“死体があって”どこに“死体がない”のか。
 私のゾンビ召喚術は私の声が届く範囲に無差別に作用してしまう。無差別にゾンビ化してしまうッ!」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ――!!!

「これは“死番虫”!?」

不気味な音に完全に囲まれるに至ってようやく幽々子はその音の正体に気づいた。
それは“虫”だった。地面を覆いつくす無数の“虫のゾンビ”が頭や牙を打ち鳴らす音だったのだ。

「さっき地面に倒れて土の臭いを嗅いだ時に思い出したのよ!
 そして、抉られた木の幹の中に“木の中を住処とする顎の強い虫が住み着いている痕跡”を発見した!」

自然の中にある虫や野生動物の死骸は、人間社会の中にあるものと違ってどこかに片付けられたり処分されるということがない。
故に、自然の地面とは積み上がった死体の層であり、どこにでも死体があるのだとれい子は幼い頃からの経験で知っていた。

「じゃあ私はおさらばさせてもらうわ。身体中が虫食いになるのは御免だからね」

言って、再びれい子は踵を返して走り出す。今度は二人の目の前から姿を消すまで振り返ることすらなかった。






 【004】


「やれやれ、死霊魔術師だと思ったら蟲使いだったなんて……逃げられちゃったわね」

れい子が立ち去った後、幽々子と妖夢に襲い掛かってきた虫の大群はあっけなく幽々子の光弾によって打ち払われた。
虫のゾンビとは言っても、自然の中であればすなわちその分解(処分)も早いというわけである。
故に原型を留めているものは少なく、その脅威も見た目ほどではなかった。
そもそもとしてれい子の術で蘇った以上、れい子から離れてしまえばこの手の即席ゾンビは力を長く維持できないのだ。
つまり、虫のゾンビの大群――これすらも、逃げる時間を確保するための時間稼ぎだったという訳である。

「逃げられちゃった……じゃないですよ幽々子様!」

幽々子がくっついた虫を払い、身体に空いた穴を霊体をいじって埋めていると、従者の妖夢が詰め寄ってきた。
頭から虫を被ったのがよほど気持ち悪かったのか半泣きだが、ともかくして珍しい剣幕である。

「あらどうかしたのかしら?」
「いくら紫様の命だからって、見ず知らずの人間達と殺し合いをするなんて本気なんですか?」

粛々と進めていこうとする幽々子に対し、妖夢はこの殺し合いに対しては随分と抵抗がある様子だった。
斬ってから考える――が彼女の信条ではあるが、それも幻想郷の中に敷かれた不文律があってのものでしかない。
妖怪が人間を殺そうと脅かしてもいいが、殺しはしないし殺してはいけないのが現在の幻想郷だ。
故に、妖夢は強い人間や妖怪を問答無用で斬ったことはあっても、殺そうとしたことはない。
それは全て幻想郷(おままごと)の中での話だ。

「勿論、本気よ。それともここで他にすることがあるって言うのかしら?」
「これは紫様が起こした《異変》なんじゃないですか? だったら――」
「だったら、出会った相手を全部のして行けばいいじゃない。ほら、結局することは同じでしょう?」
0047ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:49:55.69ID:rMn1Ud9q
「え、えぇ……? そ、そうなのかなぁ……うーん?」

「いいのよ。ここは幻想郷ではないのだから――」

苦悩する従者を前に幽々子はいつも通りの薄い笑みを浮かべ、枝葉に覆われて漆黒でしかない空を見上げる。
そこに、彼女の目には何が映っているのだろうか?
従者と違い、彼女はこの殺し合いに対しなんら疑問を抱いてないようであった。
それは彼女の気質なのだろうか、それとも彼女自身がすでに生者ではないからなのか、あるいは――……。






 【E-3/山の中/1日目-黎明】

 【主:西行寺幽々子@東方儚月抄】
 [主従]:魂魄妖夢@東方儚月抄
 [状態]:ダメージ(微)
 [装備]:なし
 [方針/行動]
  基本方針:不明。
  1:???

 【従:魂魄妖夢@東方儚月抄】
 [主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
 [状態]:健康
 [装備]:背負い袋(基本支給品)、不明支給品x4
 [方針/行動]
  基本方針:幽々子様に従う。
  1:う〜〜ん。






 【005】


「ハァハァ…………、もう、限界……くたびれた」

山を駆け下り、鬱蒼と茂った森を抜けてようやく月の光を拝むと、もう限界だとれい子は草原の中に飛び込んだ。
去り際に回収した背負い袋をそこらに放り出し、ごろりと横になって弾んだ息を整える。
逃げている途中、何度も木にぶつかったりこけたりしたので服や髪の毛は滅茶苦茶で、もう「……ぼろ」という風だが、
なんとか五体無事に彼女は逃げ切った。
光弾を受けた背中はどこかで手当てする必要があるが、立って歩けないというほどでもない。

「さて、いつまでも寝ているわけにはいかないわよね。こんな状態で誰かに見つかったら危険だし」

れい子は上半身だけを起こすと、目立たないよう姿勢を低くしたまま辺りを見回した。

「ラッキーね。街が近くにある。まずはこの背中を手当てして、それにもうもう服もボロボロだから調達して――」

再び草の中に身を隠すとれい子は素早くこれからの予定を立てる。
まず最優先は傷の手当てだ。そしてボロボロになった制服の代わりに新しい服が欲しい(かわいいやつという条件がつく)。
長期戦になるなら飲食物の確保もしておきたい(そういえばショートケーキが食べたくなってきた)。
0048ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:50:36.74ID:rMn1Ud9q
「地図にはデパートってあったけど、ここどこかしら? まぁいいか。じゃあ行くわよ。百合か――」

立ち上がり、さぁ出発だ――というところでれい子はそのことにようやく気がついた。

「しまった……完全に忘れてた……」

己の従者を置き去りにしてきてしまっていることに。

これは、確かに不注意だと言われても仕方がないことだが、彼女を擁護する余地もなくはない。
本来、自分のゾンビとして召喚できる存在は召喚術という名前の通り、呼んだり帰したりできるものなのだ。
なのでいつも通りならばここで改めて百合川を召喚すればいいのだが――

「マズった……。実際、あいつがいないとかなり困る」

やはり、ここでは離れたゾンビを呼び戻すことはできないようであった。
これはここに連れて来られてた段階でなんとなしに感覚で理解していたことだが、図らずもそれが実証されたこととなった。

「戻る――ってのはなしよね。(死にたくないし)」

草原の中で立ち尽くし、山のほうを見つめるれい子の身体を夜の海風が静かに撫でる。

「うん」

そして、れい子は決断した。

「さぁ、行こう」

もう、あいつは見捨てようと――。






 【E-3/南東・草原/1日目-黎明】

 【主:姫園れい子@ゾンビ屋れい子】
 [主従]:百合川サキ@ゾンビ屋れい子
 [状態]:疲労(中)、背中に大きな傷
 [装備]:コルトM1851@現実(弾数x5/6発)、コルトM1851の弾丸@現実(x30発)
      背負い袋(基本支給品)、不明支給品x3
 [方針/行動]
  基本方針:殺し合いを勝ち抜く(?)
  0:南無。
  1:街へ行って、怪我の治療や物資の調達をする。

 [備考]
  ※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)






 【006】


あれからも、僕たちはただ当て所なく歩き回ることを繰り返すだけだった。
なんとかしてこの現状を打開したいと思うのだが、まずはここが島のどこに位置するかを把握しないと何も始まらない。
なので、僕は地図を開き、あっちかこっちかとにらめっこしながらただ歩き回るのである。
0049ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
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2011/12/06(火) 01:51:19.80ID:rMn1Ud9q
「って言うか、アバウトすぎるよ! この地図!」

簡単なのはいいけど。びっしり細かく書き込まれた地図ってなんか逆に分かりづらいし読む気が失せてしまうものだから。
まぁ、こう言ってられるのも今のうちだけだろう。僕だって大体の当たりはもうつけているんだ。海の近くだ。とかな。

「はいそこ、残念な目で僕を見ない」
「そうは言うがなお前様よ。何が悲しくてバトルロワイアルの中で道に迷って右往左往しなければいけないのじゃ」
「お前だってわからないんだからお互い様だろ」
「儂らザ・ザンネンズって感じじゃの」
「ザが二つ被って呼びづれーよそのコンビ名」

とまぁ、先ほどからずっとこんな調子である。いつも通りの流れとはいえ我ながら恥ずかしい限りだ。
ほんとはやる男なんだぜ僕は。いや、ほんとに。

「お。お前様やそこに人がおるぞ。あいつに道を聞こうではないか」
「なるほど、それは名案だな。でかしたぞ忍」

あれ?

「なぁ、そこなケバい格好したボインボインのちゃんねーよ。ひとつ道を尋ねたいんだがよいかの?」
「お前はどうしてそう死語ばっかマスターしてんだよ――って、そうじゃなくて」
「死語の世界へようこそ」
「意味がわからねー!」

ほら、僕たちの目の前にふらふらと現れたお姉さんもちょっと引いてるじゃないか。
なんか気持ち顔色も悪いし、こりゃちょっとどころかドン引きってやつだぞ。
しかしまぁ、こんな夜道で会うには随分と扇情的で、忍の言葉を借りればボインボインのお姉さんだ。
大きさで言えば羽川と同じくらいかそれ以上あるかもしれない。僕の見立てだと比較して大よそ±2センチの範囲か。
それがチューブトップによってその天辺を露にしているのだというから、一見のセクシーさは比べるべくもない。
もっとも、僕くらい上級者だとこんなわかりやすいエロっぽさよりも、もっと奥ゆかしい中に秘められたものを求めるんだけどな。

「おい、おぬし大丈夫か?」
「そんなに素直に心配するな。悲しくなるだろう……と、ん?」

忍が大丈夫かと声をかけたのはセクシーパンクお姉さん(仮)の方だった。
よく見れば目つきが怪しく、息が上がっているのか随分とハァハァといっている。それにやっぱり顔色もよくないし。
ひょっとして、悪漢に襲われて逃げてきたのだとも言うのだろうか。
もしそうだとするならようやく僕らの物語も動き出すというわけだ。ギャグパートを終え、シリアスな本編というわけである。

「……あ、道? うん、道ならお姉さんが教えてあげる。だからこっちにおいで」

ようやく口を開いた彼女の声はまじかる☆タルるートくん(アニメ)の河合伊代菜ちゃんみたいな声だった。
まぁ、僕としては断然、伊知川累の方が好みなので特に感じ入るというところはないのだけど、見た目相応のかっこ可愛い声だ。
ともかくとして血も涙もない非情な物語かと思ったら案外親切な人物が出てきて一安心だ。これも普段の行いというやつだろう。

「おお、これは親切にすまんの。おい、あるじ様。この女が案内してくれ――ふにゃっ!?」

こっちを振り返った忍を、セク(略)お姉さんが後ろから抱きかかえるとそのまま向こうへと走り出してしまった。
ちょ……、確かに忍は抱きかかえて誘拐したいくらい可愛いが、だからといってそんな断りもなく抱くのはいけないだろう。
反則だ。とんだ協定違反だ。紳士淑女の風上にも置けない。

「忍を抱いていいのは僕だけだッ!」
「お、お、おお〜攫われる〜……って、何を抜かしやがるんじゃお前様は!?」

つい、誤解を与えてしまう発言をしてしまったような気がするが訂正する間もない。
ドップラー効果よろしく刻一刻と遠ざかる忍の悲鳴を追い、僕もセク姉(省略完了形)の後を追って走り出した。
0050ボーダーオブライフ  ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/06(火) 01:52:11.57ID:rMn1Ud9q
「お姉ちゃん、いっぱい可愛がってあげるからね。最初はおままごとがいい? それとも一緒にお風呂に入ろうか?」
「追いついたら忍の身体を思いっきりぎゅうぎゅうするぞ。鎖骨も肋骨もぷにぷにのお腹も全部僕のものだぁああああ!」
「行くも帰るも地獄じゃああああ〜〜〜〜!」



――もうしばらくは、このノリらしい。






 【Fー4/市街/1日目ー黎明】

 【主:阿良々木暦@物語シリーズ】
 [主従]:忍野忍@物語シリーズ
 [状態]:健康(現在吸血鬼の力が高まっています)
 [装備]:対怪物戦闘用13mn拳銃ジャッカル(残弾30)@HELLSING
      背負い袋(基本支給品)、マスク・ド・パンツのマスク@そらのおとしもの
 [方針/行動]
  基本方針:ゲームを終わらせて島から脱出し元の日常に戻る。忍と行動を取る。
  1:忍を誘拐したセク姉を追う!
  2:なるべく戦わない。襲ってくる人間が居ても極力殺さない。
 [備考]
  参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の時系列の出来事はまだ知りません。

 【従:忍野忍@物語シリーズ】
 [主従]:阿良々木暦@物語シリーズ
 [状態]:健康
 [装備]:
 [方針/行動]
  基本方針:暦と行動を取る。
  1:あ〜れ〜。
 [備考]
  参戦時期は鬼物語終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。

 【従:百合川サキ@ゾンビ屋れい子】
 [主従]:姫園れい子@ソンビ屋れい子
 [状態]:ダメージ(微)
 [装備]:クラブの鉤爪@北斗の拳
 [方針/行動]
  基本方針:基本的にれい子に従う。
  0:アハハハハハハハハハハ!
  1:れい子がいないなら自分の好きにする。
  2:金髪ロリっ子をお姉ちゃんとして可愛がる。

 [備考]
  ※参加時期はイーヒン編終了後です。(8巻)



【コルトM1851】
姫園れい子&百合川サキに支給。
名前の通り、1851年から生産が開始された古い回転式拳銃。.36口径弾を使用する。
弾丸を装填するシリンダーが簡単に取り外すことができるようになっており、
予備のシリンダーがあれば素早く再装填できるのが特徴。
0051 ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/06(火) 01:52:55.24ID:rMn1Ud9q
以上で投下終了します。
0052創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/06(火) 03:46:56.40ID:o5wYY2lp
投下乙
前回の引きからバトルに突入するとは
しかし、駄目だこのゾンビ
早くなんとかしないと
0053創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/06(火) 04:50:00.90ID:QMGSPD6c

物語組のギャグパートはいつまで続くのか
このノリ面白いからいいけどw
そしてゆゆこ……他の東方組となぜ差がついた
紫を信じるが故なのだろうか?
0054創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/06(火) 16:54:18.60ID:2niZmv78
投下乙です。このゾンビ主従はほんとにもうw
よく考えたらサキ好みのキャラってまだまだいるな。天子とかはやてとかレミリア(危)とかスバル(原作的な意味で)とか。

しかしまあ、原作からしてそうなんだが、やっぱり幽々子は何考えてるか解らん。
ましてや、紫の真意が見えてない現状じゃ、メタ的な意味でも誰にも解らんな…w
0056創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 00:24:35.71ID:lkmqoi3d
投下乙です

ゆゆこはナチュラルに命を軽視するから…だけなのか?
主催者と親友な件もあるし、独自の概念で動いているみたいだが…
れい子はれい子で原作的にロワの状況が日常生活みたいなもんだからこのままマーダー路線行ってもおかしくはないんだが…

そして物語組と妹萌えのゾンビは何をしているんだ?
真面目にロワ(?)してる奴もいるのにこいつらはwww
0057創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 02:31:59.05ID:ZajRdjt6
>>56
キャスター・龍「呼んだ?」
0058創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 14:27:04.37ID:i9Xnidp+
とりあえずマーダーは信長・光秀、龍・キャスター、イカロス、リルカ、ゆゆこ、れい子ってところか?
あと政宗とかもそうか?
0059 ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/08(木) 18:01:11.98ID:s1G+WHe4
少し筆休め(?)に一枚。

多分、ロワ中じゃ実現しないと思うドリームタッグ編・その1 「性格豹変コンビ 百合川サキ&ハート様」
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/f5/93dd428b81302e7f11739e2a8130492d.jpg
0060 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/08(木) 18:06:37.43ID:ZLXxkue6
>>59
イラストまで描けるとか何処の完璧超人ですか貴方は……本気で尊敬します。
これはwikiにもお絵描き掲示板を作らないといけませんね! …私にはそんな技術も知識もありませんがw
ともあれ、これより投下させて頂きます。
0061Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/08(木) 18:09:01.16ID:ZLXxkue6

 草木も眠る丑三つ時。満点の月と立ち並ぶ街灯によって照らされた夜の車道を、奇抜なファッションの二人の偉丈夫が歩いていた。
 太陽に拒まれ、人の世の理(ことわり)に逆らいし夜の住人、吸血鬼。
 自ら望んでソレになった男の名は、ディオ・ブランドー。通称DIO。
 そのDIOの手によってソレになった事に歓喜し、二つの意味で同じ道を歩むのは、彼の忠実な従者、ヴァニラ・アイス。

 二人が宿敵を待ち受けていたはずの館から、突然この殺し合いに参加者として放り込まれてより、約三時間。
 宵の内に日の光の射さぬ拠点を求めて孤島の砦跡を後にし、支給されたカヌーで海を渡り、本島に上陸してからは市街地へと歩き続け、
 しかし彼等は――他の大多数の参加者にとってもだが――幸運な事にその間誰にも遭遇する事無く、最初の目的地候補の一つと定めていた放送局まで辿り着いていた。
 これは彼等が、もう一つの候補であった警察署までの道程は完全に拓けており、他の参加者との接触する可能性が高く、
 それによって少しでも拠点到達が遅れる可能性を危惧し回避した事にも起因していた。
 彼等の名誉の為に言わせてもらえれば、DIOにしてもヴァニラにしても、そこいらの人間に遅れを取るような事など無いのだが、
 その自分達がこうして拉致されて“殺し合い”などという催しに参加させられている以上、支給された名簿の中に彼等の宿敵たる者達の名前が無くとも、
 他の参加者に油断できない実力者ないしはスタンド使いがいないとは限らないと考えるのは当然の事だと言えよう。
 まあ実際には、他の参加者にはスタンド使いなど一人もおらず、しかしそれ以外の実力者は何人もいるので、この判断はそこそこに的を射たものだったと言えた。
 
 ともあれ、二人の吸血鬼は無事に当面の拠点となる予定の放送局への進入を果たした。

◇◇◇

「フム。エジプトの屋敷や先の砦跡に比べると、なかなか頑強にできているな」

 エントランスの白塗りされただけのセメントの柱をコンコンと叩きながら、DIOが僅かに感心したような声で言う。
 100年の時を経て(彼にとっての)現代に復活した彼だが、復活から現在でに至るまでは更に四年もの歳月が流れている。
 その間にそれなりに現代の文明に触れ学んではいたものの、こと自分の生活空間に於いては、それに触れるのはこれがほぼ初めての事だった。
 エジプトでの拠点たる洋館もかなり前時代の代物だったので、リノリウムの床やセメントの柱は彼にとって些か珍しい物なのだろう。

 その傍らではヴァニラが、壁面に貼りだされた放送局の案内図を頭に叩き込んでいた。

「DIO様。二階に仮眠室があるようです。夜明けも近い事ですし、まずはそちらでお休みになられては如何かと」
「うむ」

 忠実なる従者の主を慮っての申し出に、DIOもそれを良しとして頷き、二人で二階へと向かった。

 ちなみに案内図によると、この放送局はそれほど大きな建物ではなく、総階層は地上四階までしかない。
 内訳だが、まず一階は全体の三分の一がエントランスで、残るスペースは大倉庫、食堂、配電室。
 二階は会議室、仮眠室、局長室及びそれに併設された局長の私室。
 三、四階は完全に同じ構造で、それぞれラジオ用のスタジオ及びスタッフルーム、そして小さな控え室が八部屋ずつとなっていた。
 ちなみに、トイレはちゃんと全ての階に男性用女性用があり、エレベーターや階段、非常階段も二つずつ設置されている。
 本来この手の施設案内板は関係者しか立ち入れないスペースをここまで詳しく記載はしないものだが、この放送局は殺し合いの舞台にあるという特性上、
 施設を余すところ無く利用させようといった意図があるのか、そういったスペースまで一切の抜かりなく記載されていた。
0062Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/08(木) 18:10:26.49ID:ZLXxkue6

◇◇◇

「このDIOが……こんな寝所で眠れるかッ!!」
「おのれ八雲紫!! またしてもDIO様を侮辱しおって!!!」

 二階の仮眠室に到着した二人は室内を一目見るなり、いきなり怒りを爆発させた。
 別に、部屋が汚かったりとか、設備が不十分だったとかではない(綺麗でもなかったが)。
 彼等の――より正確に言えばDIOの感性とプライドに、部屋の造りそのものと、用意された寝具が相応しくなかったのだ。
 その部屋の床には一面ジャパニーズTATAMIが敷き詰められており、その上には何組かの煎餅布団と小さな枕が鎮座ましましていた。
 どうせ実際に寝るのは棺の中だからまあいいか、なんて考え方は、残念ながらこの二人にはできなかった。

「DIO様に貴様等薄汚い東洋人のように床に這い蹲って眠れと言うのかあのクサレビッチがァーーーーーーーーッ!!!!」

 特に、DIO本人よりも彼を怒らせた事に対するヴァニラの怒りは半端ではなかった。
 即座にクリームを喚び出すとその中に入り、仮眠室中を片っ端から暗黒空間に飲み込んでいった。
 煎餅布団はもとより、部屋の壁から床、天井に至るまでが次から次へと円形状に削り取られて消滅していく。
 勿論、DIOを巻き込まないように予め軌道を考えて動きながらだ。

 かくして、ものの一分も過ぎる頃には、仮眠室の八割方が消滅してしまっていた。
 部屋の全てが齧りかけのレンコンのようになっており、眼下には一階の倉庫が見え、天井を見上げれば三階のスタジオが、
 右を向けば水色のタイルの男性用トイレが、左を向けば――それはそれは豪華なベッドが存在する、一際立派な装飾がなされた部屋が覗いていた。

「フン。ちゃあんとこのDIO様に相応しい寝具があるではないか」

 少しだけ口の端を吊り上げ、DIOは満足そうに呟いた。
 言うまでも無いがこのベッドのある場所は、案内図にもあった、局長の私室である。
 風通しが現在進行形でよくなりつつあるものの、DIOはこの私室を自分の寝室とする事にした。
 
◇◇◇

 ややあって、仮眠室を完全に「仮眠室があった所」にし終えたヴァニラがクリームの中から出てきた後、
 結果的にDIOの寝室の壁をも破壊した事になってしまったと知り、どこぞのうっかり侍よろしく、再び首を刎ねて詫びんとしたがDIOに諌められ、
 寝室への棺の運び入れと外敵の接近が無いかを見張る役を命じられた為、棺を私室に運んび込んだ後、周囲を見渡せる屋上へと昇って行った。
 一方DIOはと言うと、すぐに休みをとる事はせずに、無事だった方の四階のスタジオへと足を運んでいた。
 壁に掛けられた時計の示す時間は午前四時前。日が昇るまでにはまだもう少し余裕があるので、休む前にやっておきたい事があったからだ。

「防音設備は問題なく整っているようだな。では、一つ試してみるとするか」

 そう言ったDIOの両手には、最初に背負い袋から取り出してヴァニラに献上された、支給品の武器と防具がそれぞれ握られていた。
 ヴァニラはスタンドがあるのだから全く必要無いと断じていたが、DIOの方はそう思ってはおらず、
 寧ろ、スタンドと組み合わせる事でより自分の力とならないかを模索しようとしていた。
 実際――といっても既にほぼ在り得なくなってしまった未来の話ではあるが、DIOは宿敵たるジョースター家の一族、空条承太郎との一戦で、
 戦場となった市街の商店で調達したナイフと自分のスタンド能力を組み合わせて、承太郎を窮地に追い詰めた経験が“在り得た”のだ。
 もとよりDIOは慎重かつ頭も切れ、利用できる物は利用し尽くすという考え方を持っていた。
 故に、これらの武具の使いどころを把握しておこうと考えるのは、彼にとっては至極当然の事なのである。

 そういった経緯はさて置き、兎に角DIOはまずスタジオの片隅に、防具である青いドーム状の携行盾を立て掛けると、
 少し離れた所からスタジオのマイク等の機材や備品やらを、少しずつ重い物にしながら、少しずつ勢いを増しながら投擲していった。
 何をやっているのかと訊かれれば見ての通り、盾の強度テストをしているとしか答えようが無い。
 それなりに強度があれば、そのまま普通に盾として使うなり胸元に仕込むなりして、いずれ訪れるであろう戦闘時に役立つやもと考えての事だった。

 だが、そんなDIOの考えは、彼にとっていい意味で裏切られた。
0063Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/08(木) 18:11:42.61ID:ZLXxkue6

「む?」

 ある程度まで投擲の勢いを増した時、奇妙な現象が起きた。
 それまで投げた物を単純に強度と形状で以って弾いていたその盾が、投擲されたマイクスタンドを「止めた」のだ。
 まるで慣性を消されたかのようにマイクスタンドはぴたりと盾の表面で止まり、ごとりとその場に落下した。
 奇怪な現象には色々と慣れているDIOだったが、無機物が超常の力を発揮するというのは、彼の知る限り『石仮面』と『弓と矢』以外に無く、
 些かに彼をも不思議に思わせた。

「フム…それではこれも試してみるか」

 謎の盾の性能を更にテストせんと次にDIOが構えた物は、先程から携えていた武器。
 アブトマット・カラシニコフ。別名AK-47。制式名称を7.62mmアブトマット・カラシニコバと言う、
 世界で最も流通しているとさえ言われる歩兵用アサルトライフルである。
 どのみちこの銃も試し撃ちをするつもりだったので丁度良いとばかりに、単射モードに切り替えたその銃口を盾に向け、DIOはトリガーを引いた。
 一発、二発、ついでにもう一発と計三発の銃弾が、立て続けに盾へと撃ち込まれた。
 勿論スタジオ内には銃声が響いたが、この音を外部に洩らさぬ為に、DIOはここをテストの場に選んだのだ。
 
 果たして結果はと言うと、盾は一切傷付く事無く、着弾の衝撃で倒れる事すら無く、さながら己の力強さと描かれた翼の意匠を誇示せんと、その場に悠然と在り続けた。
 撃ち込まれた弾丸は先程のマイクスタンドと同様に、盾の真下の床で転がっていた。

「ほう……見事だ。ではこれならどうかな!? “世界(ザ・ワールド)”! 時よ止まれ!!」

 最後のテストとして、DIOは己のスタンド“世界”を喚び出し、その真価たる時間停止の能力を発動させた。
 そして、“世界”の両の拳を矢鱈滅多に盾に叩きつける。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!」

 近距離パワー型であるDIOの“世界”の破壊力は凄まじく、その一撃一撃が人体程度なら容易に貫いてしまえる。
 その“世界”の能力である時間停止によって、止まった時の中で突きのラッシュを受け続け、衝撃を蓄積され続けた盾は―――

「そして時は動き出す」

 ―――それでも尚、ただの一つの傷も生じさせずにその姿を保っていた。
 この堅牢無比たる盾の名は『aegis=L(イージス=エル)』。ギリシャ神話に於いて、主神ゼウスが娘アテナに授けたとされる伝説の盾の名を冠されており、
 とある世界の局地戦闘用戦略兵器に搭載されている、その名に恥じぬ逸品であった。

「ふ、フフ、フハハハハ!! 素晴らしいぞ! この盾は帝王たるこのDIOに“相応しい”ッ!!
 八雲紫よ、なかなか面白い物を献上してくれたじゃあないか。少しだけお前の事を評価してやろう。……だが」

 数時間前にヴァニラが思った事とほぼ同様の内容を口にしながら、上機嫌で盾を回収するDIOだったが、すぐにその表情には険しさが走った。
 その原因は、先程のラッシュの際に彼が覚えた違和感にあった。

「時を止めれる時間が短くなっていた…。この私のスタンドに干渉したというのか…ッ!!」

 この場に喚ばれるまでは確かに5秒ほど止めれた時間が、先のテストの時には2秒半ほどしか止めれなくなっていた。常時の凡そ半分である。
 加えて、時を止めた事による体力・精神力の消耗も激しく、連続で時を止める事も難しそうだった。

「あの女……まさかこのDIOより強力なスタンドを持つというのか!?
 或いはスタンドへの干渉を得手とするスタンド使いの仲間がいるのか……。ええい、どちらにしても忌々しいッ!」

 怒りのままに手近にあった鍵付き棚を思い切り“世界”で殴りつける。
 申し訳程度の止め具がひしゃげて外れ、衝撃で中からガチャガチャと音を立てながらカセットテープが雪崩れ落ちた。

「…フン、まあいい。今は判らん事を考えていても始まらんか。どれ、少しリラックスするとしよう」

 部屋の隅にあったカセットデッキに目を留めると、DIOは適当にカセットテープをいくつか拾い上げ、デッキと一緒に寝室へと運び込んだ。
 どうやら優雅に音楽鑑賞と洒落込むつもりらしい。或いは、現代の音楽に興味を示しただけかも知れないが。
 基本的に好奇心旺盛なところのある男なのである。DIOという人物は。
0064Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/08(木) 18:13:08.13ID:ZLXxkue6

◇◇◇


『BEAM my BEAM! わたしのヒカリと♪ BEAM my BEAM! あなたのヒカリ 愛ゆえにとぎすまされる♪―――』


「ほほう…なかなか乗れるリズムの曲ではないか」


『Faiien down♪ BLUE 青い空 どこまでも飛んでゆきたい♪ だけど飛べるのはあなた 私は飛べない――なぜなら―――』


「フフフフハハハハ最高に「ハイ!」やつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!!!」」


『きもちのいいとことび出てる♪ ボクたちキミたちとび出てる♪ 神様が決めたコトなの…? ピクピクふるえて怖いよ…―――』


「ウリイイイイヤアアアッー! ぶっつぶれよォォッ!!!」


ドグシャア――――――z___ッ









【カセットデッキ@現実 再起不能(リタイア)】



【D-2/放送局二階・局長私室/1日目-早朝】
0065Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/08(木) 18:15:45.37ID:ZLXxkue6

【主:DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
 [主従]:ヴァニラ・アイス
 [状態]:健康
 [装備]:セラスの棺、AK-47(残弾27発)@現実、AK-47のマガジン(7.62×39弾30発入)×3、aegis=L@そらのおとしもの
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫を始末する。他の参加者に自分が支配者だと知らしめる。
  1:そろそろ休みをとる。
  2:他の参加者は倒すか支配する。



[備考]
 ※参加時期は26巻冒頭直後。その為、まだジョナサンの肉体は完全にはなじんでいません。
 ※八雲紫をスタンド使いと誤認しています。
 ※“世界”の時間停止に関する制限に気付きました。


【D-2/放送局屋上/1日目-早朝】

【従:ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険】
 [主従]:DIO
 [状態]:健康・吸血鬼
 [装備]:背負い袋(基本支給品、折り畳みカヌー)
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫を始末する。他の参加者にDIOが支配者だと知らしめる。
  1:外敵の接近が無いかを見張る。



[備考]
 ※参加時期は26巻冒頭直後です。
 ※自分が吸血鬼になった事に気が付きました。
 ※八雲紫をスタンド使いと誤認しています。



[共通備考]
 ※D−2放送局二階の仮眠室が消滅しました。一階大倉庫、二階男性用トイレ、二階局長私室、三階スタジオの四室が素通しになっています。 




【AK-47@現実】
1947年にソ連のミハイル・カラシニコフによって設計された歩兵用アサルトライフル。全長870mm。
セミとフルオートの切替射撃が可能で、発射速度は約600発/分もの連射性を持つ。

【aegis=L(イージス=エル)@そらのおとしもの】
局地戦闘用エンジェロイド、タイプ(デルタ)アストレアに搭載されている携行盾。
長時間の展開や前方以外のカバーが不可能といった欠点も持つが、発生される防御フィールドの強度はイカロスのAegisを上回る。
このロワではアストレアの装備から切り離されており、長時間展開不可の欠点は解消されている。
0066 ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/08(木) 18:17:08.08ID:ZLXxkue6
これにて投下完了です。
短い割に時間がかかってしまって申し訳ありません。
0067創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 18:41:39.13ID:9wziKuDz
>>58
政宗は単にアーカードとの戦いを楽しんでるだけじゃないかな。
方針欄こそ???だったけど、俺はそう解釈した。
マーダーならルルジェレ組と、場合によってはスザクもそうなり得るな。

>>59
即座に保存しました。
新しい予約が無いと思ったら…w
その1って事は続きも期待していいんですね!?

>>66
投下乙です。
DIO様すらハイにさせるイカロスの歌声マジパネェ。
そして一気にマーダーらしい支給品がお披露目。aegis=Lとか最強クラスの防具じゃねぇか。
0068創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 19:53:00.86ID:i9Xnidp+
アストレアから切り離されているから長時間展開不可の欠点は解消されているという理屈がよくわからん
むしろ逆じゃないの?
0069創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 21:37:15.34ID:9aMXl9tJ
このロワではアストレアの装備から切り離されており、また、長時間展開不可の欠点は解消されている。
こういうことだろう。
欠点を勝手に解消していいのかという疑問はあるが。
0070創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/08(木) 22:04:36.43ID:9SYPqlHC
投下乙です

DIOさまも意外とお茶目というかノリノリだな、おいw
お前もかよw
そしてなんかすごい支給品が来たが序盤でそういうのを出すと誰かに奪われるんだぜw
0071 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/09(金) 01:09:19.19ID:yixFrT2S
>>68-69
ああ、説明不十分ですみません。
私はaegis=Lの原作に於ける「長時間展開できない」というダイダロスの言葉を、
「アストレアは長時間展開させる事ができない」と解釈し、アストレアのいないこのロワでは、
「アストレアの兵装から独立したaegis=L」なら長時間展開可能なのではと考えてああ表記させて頂きました。

…解り難さ極まる解釈と策説明、申し訳ありません。

それで、執筆当時は本来の制限をアストレアのいないこのロワでどう再現するか思い付かなかったのですが、
確かに仰られるとおり、ただでさえ強力な装備の欠点を解消するというのはバランスに欠ける事になってしまいますので、
色々考えた結果、「最初にaegis=Lが攻撃を受けてから15分経過すると、自動的に最も近くにある背負い袋に収納される」
という制限を設けようと思うのですが、いかがでしょうか?
是非がどうあれ、このままでも可というご意見が過半数を占めない限りは、aegis=Lの制限にはなんらかの修正をさせて頂きます。

こちらの勝手でお手数をおかけしますが、どうか皆さんの忌憚無きご意見をお願い致します。
0072創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/09(金) 01:51:16.45ID:Tsvr4GcG
まずは投下乙。つーかタイトルwww
普通なタイトルの作品が2つ続いたと思ったらこれだよ!w
DIO様がギャグパートを担当するロワなんて他にあったろうか…w

aegis=Lの制限に関しては、したらばの議論スレの方に私見を書いておきます。
0075 ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/09(金) 20:03:15.03ID:WBym1afF
投下乙です。変なテンションがあって楽しいw
支給品の制限に関しては提案されたもので問題ないと思います。


で、
多分、ロワ中じゃ実現しないと思うドリームタッグ編・その2 「ロリ吸血姫コンビ レミリア・スカーレット&忍野忍」
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/e3/b9240a55883b8aa2259aa20c0261f6f2.jpg
0076創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/09(金) 23:17:34.13ID:H6OkPSac
世紀末臭全開な前とはエラく違うノリだ


織田信長&アーカードの魔王コンビを希望
0078 ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/10(土) 14:51:44.09ID:MfCBhHD2
描いたよー。

多分、ロワ中じゃ実現しないと思うドリームタッグ編・その3 「悪鬼魔王コンビ アーカード&織田信長」
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/2e/35101242b992ca595d4554e5fd445bf1.jpg
0080創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/10(土) 16:38:05.60ID:Wy83m7dE
乙ですううううううううううううう!!
何このクオリティwww
ってかこのコンビに勝てる気がしないw
0081 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/10(土) 18:12:50.83ID:Qg3bafKM
皆様、こちらとしたらば議論スレでのご意見有り難う御座いました。
各ご意見をもとに改稿版をしたらばの仮投下スレに投下してまいりました。
お手数をおかけしますが、したらばの方までご足労頂ければ幸いです。
0082 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/11(日) 19:54:09.52ID:gm2EDmyX
Studio D.IO!の改稿版を投下させて頂きます。
0083Studio D.IO! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/11(日) 19:55:40.68ID:gm2EDmyX

 草木も眠る丑三つ時。満点の月と立ち並ぶ街灯によって照らされた夜の車道を、奇抜なファッションの二人の偉丈夫が歩いていた。
 太陽に拒まれ、人の世の理(ことわり)に逆らいし夜の住人、吸血鬼。
 自ら望んでソレになった男の名は、ディオ・ブランドー。通称DIO。
 そのDIOの手によってソレになった事に歓喜し、二つの意味で同じ道を歩むのは、彼の忠実な従者、ヴァニラ・アイス。

 二人が宿敵を待ち受けていたはずの館から、突然この殺し合いに参加者として放り込まれてより、約三時間。
 宵の内に日の光の射さぬ拠点を求めて孤島の砦跡を後にし、支給されたカヌーで海を渡り、本島に上陸してからは市街地へと歩き続け、
 しかし彼等は――他の大多数の参加者にとってもだが――幸運な事にその間誰にも遭遇する事無く、最初の目的地候補の一つと定めていた放送局まで辿り着いていた。
 これは彼等が、もう一つの候補であった警察署までの道程は完全に拓けており、他の参加者との接触する可能性が高く、
 それによって少しでも拠点到達が遅れる可能性を危惧し回避した事にも起因していた。
 彼等の名誉の為に言わせてもらえれば、DIOにしてもヴァニラにしても、そこいらの人間に遅れを取るような事など無いのだが、
 その自分達がこうして拉致されて“殺し合い”などという催しに参加させられている以上、支給された名簿の中に彼等の宿敵たる者達の名前が無くとも、
 他の参加者に油断できない実力者ないしはスタンド使いがいないとは限らないと考えるのは当然の事だと言えよう。
 まあ実際には、他の参加者にはスタンド使いなど一人もおらず、しかしそれ以外の実力者は何人もいるので、この判断はそこそこに的を射たものだったと言えた。
 
 ともあれ、二人の吸血鬼は無事に当面の拠点となる予定の放送局への進入を果たした。

◇◇◇

「フム。エジプトの屋敷や先の砦跡に比べると、なかなか頑強にできているな」

 エントランスの白塗りされただけのセメントの柱をコンコンと叩きながら、DIOが僅かに感心したような声で言う。
 100年の時を経て(彼にとっての)現代に復活した彼だが、復活から現在でに至るまでは更に四年もの歳月が流れている。
 その間にそれなりに現代の文明に触れ学んではいたものの、こと自分の生活空間に於いては、それに触れるのはこれがほぼ初めての事だった。
 エジプトでの拠点たる洋館もかなり前時代の代物だったので、リノリウムの床やセメントの柱は彼にとって些か珍しい物なのだろう。

 その傍らではヴァニラが、壁面に貼りだされた放送局の案内図を頭に叩き込んでいた。

「DIO様。二階に仮眠室があるようです。夜明けも近い事ですし、まずはそちらでお休みになられては如何かと」
「うむ」

 忠実なる従者の主を慮っての申し出に、DIOもそれを良しとして頷き、二人で二階へと向かった。

 ちなみに案内図によると、この放送局はそれほど大きな建物ではなく、総階層は地上四階までしかない。
 内訳だが、まず一階は全体の三分の一がエントランスで、残るスペースは大倉庫、食堂、配電室。
 二階は会議室、仮眠室、局長室及びそれに併設された局長の私室。
 三、四階は完全に同じ構造で、それぞれラジオ用のスタジオ及びスタッフルーム、そして小さな控え室が八部屋ずつとなっていた。
 ちなみに、トイレはちゃんと全ての階に男性用女性用があり、エレベーターや階段、非常階段も二つずつ設置されている。
 本来この手の施設案内板は関係者しか立ち入れないスペースをここまで詳しく記載はしないものだが、この放送局は殺し合いの舞台にあるという特性上、
 施設を余すところ無く利用させようといった意図があるのか、そういったスペースまで一切の抜かりなく記載されていた。
0084Studio D.IO(改稿版)! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/11(日) 19:56:32.88ID:gm2EDmyX

◇◇◇

「このDIOが……こんな寝所で眠れるかッ!!」
「おのれ八雲紫!! またしてもDIO様を侮辱しおって!!!」

 二階の仮眠室に到着した二人は室内を一目見るなり、いきなり怒りを爆発させた。
 別に、部屋が汚かったりとか、設備が不十分だったとかではない(綺麗でもなかったが)。
 彼等の――より正確に言えばDIOの感性とプライドに、部屋の造りそのものと、用意された寝具が相応しくなかったのだ。
 その部屋の床には一面ジャパニーズTATAMIが敷き詰められており、その上には何組かの煎餅布団と小さな枕が鎮座ましましていた。
 どうせ実際に寝るのは棺の中だからまあいいか、なんて考え方は、残念ながらこの二人にはできなかった。

「DIO様に貴様等薄汚い東洋人のように床に這い蹲って眠れと言うのかあのクサレビッチがァーーーーーーーーッ!!!!」

 特に、DIO本人よりも彼を怒らせた事に対するヴァニラの怒りは半端ではなかった。
 即座にクリームを喚び出すとその中に入り、仮眠室中を片っ端から暗黒空間に飲み込んでいった。
 煎餅布団はもとより、部屋の壁から床、天井に至るまでが次から次へと円形状に削り取られて消滅していく。
 勿論、DIOを巻き込まないように予め軌道を考えて動きながらだ。

 かくして、ものの一分も過ぎる頃には、仮眠室の八割方が消滅してしまっていた。
 部屋の全てが齧りかけのレンコンのようになっており、眼下には一階の倉庫が見え、天井を見上げれば三階のスタジオが、
 右を向けば水色のタイルの男性用トイレが、左を向けば――それはそれは豪華なベッドが存在する、一際立派な装飾がなされた部屋が覗いていた。

「フン。ちゃあんとこのDIO様に相応しい部屋があるではないか」

 少しだけ口の端を吊り上げ、DIOは満足そうに呟いた。
 言うまでも無いがこのベッドのある場所は、案内図にもあった、局長の私室である。
 風通しが現在進行形でよくなりつつあるものの、DIOはこの私室を自分の寝室とする事にした。
 
◇◇◇

 ややあって、仮眠室を完全に「仮眠室があった所」にし終えたヴァニラがクリームの中から出てきた後、
 結果的にDIOの寝室の壁をも破壊した事になってしまったと知り、どこぞのうっかり侍よろしく、再び首を刎ねて詫びんとしたがDIOに諌められ、
 寝室への棺の運び入れと外敵の接近が無いかを見張る役を命じられた為、棺を私室に運んび込んだ後、周囲を見渡せる屋上へと昇って行った。
 一方DIOはと言うと、すぐに休みをとる事はせずに、無事だった方の四階のスタジオへと足を運んでいた。
 壁に掛けられた時計の示す時間は午前四時前。日が昇るまでにはまだもう少し余裕があるので、休む前にやっておきたい事があったからだ。

「防音設備は問題なく整っているようだな。では、一つ試してみるとするか」

 そう言ったDIOの両手には、最初に背負い袋から取り出してヴァニラに献上された、支給品の武器と防具がそれぞれ握られていた。
 ヴァニラはスタンドがあるのだから全く必要無いと断じていたが、DIOの方はそう思ってはおらず、
 寧ろ、スタンドと組み合わせる事でより自分の力とならないかを模索しようとしていた。
 実際――といっても既にほぼ在り得なくなってしまった未来の話ではあるが、DIOは宿敵たるジョースター家の一族、空条承太郎との一戦で、
 戦場となった市街の商店で調達したナイフと自分のスタンド能力を組み合わせて、承太郎を窮地に追い詰めた経験が“在り得た”のだ。
 もとよりDIOは慎重かつ頭も切れ、利用できる物は利用し尽くすという考え方を持っていた。
 故に、これらの武具の使いどころを把握しておこうと考えるのは、彼にとっては至極当然の事なのである。

 そういった経緯はさて置き、兎に角DIOはまずスタジオの片隅に、防具である青いドーム状の携行盾を立て掛けると、
 少し離れた所からスタジオのマイク等の機材や備品やらを、少しずつ重い物にしながら、少しずつ勢いを増しながら投擲していった。
 何をやっているのかと訊かれれば見ての通り、盾の強度テストをしているとしか答えようが無い。
 それなりに強度があれば、そのまま普通に盾として使うなり胸元に仕込むなりして、いずれ訪れるであろう戦闘時に役立つやもと考えての事だった。

 だが、そんなDIOの考えは、彼にとっていい意味で裏切られた。
0085Studio D.IO(改稿版)! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/11(日) 19:57:23.56ID:gm2EDmyX

「む?」

 ある程度まで投擲の勢いを増した時、奇妙な現象が起きた。
 それまで投げた物を単純に強度と形状で以って弾いていたその盾が、投擲されたマイクスタンドを「止めた」のだ。
 まるで慣性を消されたかのようにマイクスタンドはぴたりと盾の表面で止まり、ごとりとその場に落下した。
 奇怪な現象には色々と慣れているDIOだったが、無機物が超常の力を発揮するというのは、彼の知る限り『石仮面』と『弓と矢』以外に無く、
 些かに彼をも不思議に思わせた。

「フム…それではこれも試してみるか」

 謎の盾の性能を更にテストせんと次にDIOが構えた物は、先程から携えていた武器。
 アブトマット・カラシニコフ。別名AK-47。制式名称を7.62mmアブトマット・カラシニコバと言う、
 世界で最も流通しているとさえ言われる歩兵用アサルトライフルである。
 どのみちこの銃も試し撃ちをするつもりだったので丁度良いとばかりに、単射モードに切り替えたその銃口を盾に向け、DIOはトリガーを引いた。
 一発、二発、ついでにもう一発と計三発の銃弾が、立て続けに盾へと撃ち込まれた。
 勿論スタジオ内には銃声が響いたが、この音を外部に洩らさぬ為に、DIOはここをテストの場に選んだのだ。
 
 果たして結果はと言うと、盾は一切傷付く事無く、着弾の衝撃で倒れる事すら無く、さながら己の力強さと描かれた翼の意匠を誇示せんと、その場に悠然と在り続けた。
 撃ち込まれた弾丸は先程のマイクスタンドと同様に、盾の真下の床で転がっていた。

「ほう……見事だ。ではこれならどうかな!? “世界(ザ・ワールド)”! 時よ止まれ!!」

 最後のテストとして、DIOは己のスタンド“世界”を喚び出し、その真価たる時間停止の能力を発動させた。
 そして、“世界”の両の拳を矢鱈滅多に盾に叩きつける。

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!!!!」

 近距離パワー型であるDIOの“世界”の破壊力は凄まじく、その一撃一撃が人体程度なら容易に貫いてしまえる。
 その“世界”の能力である時間停止によって、止まった時の中で突きのラッシュを受け続け、衝撃を蓄積され続けた盾は―――

「そして時は動き出す」

 ―――それでも尚、ただの一つの傷も生じさせずにその姿を保っていた。
 この堅牢無比たる盾の名は『aegis=L(イージス=エル)』。ギリシャ神話に於いて、主神ゼウスが娘アテナに授けたとされる伝説の盾の名を冠されており、
 とある世界の局地戦闘用戦略兵器に搭載されている、その名に恥じぬ逸品であった。

「ふ、フフ、フハハハハ!! 素晴らしいぞ! この盾は帝王たるこのDIOに“相応しい”ッ!!
 八雲紫よ、なかなか面白い物を献上してくれたじゃあないか。少しだけお前の事を評価してやろう。……だが」

 数時間前にヴァニラが思った事とほぼ同様の内容を口にしながら、上機嫌で盾を回収するDIOだったが、すぐにその表情には険しさが走った。
 その原因は、先程のラッシュの際に彼が覚えた違和感にあった。

「時を止めれる時間が短くなっていた…。この私のスタンドに干渉したというのか…ッ!!」

 この場に喚ばれるまでは確かに5秒ほど止めれた時間が、先のテストの時には2秒半ほどしか止めれなくなっていた。常時の凡そ半分である。
 加えて、時を止めた事による体力・精神力の消耗も激しく、連続で時を止める事も難しそうだった。

「あの女……まさかこのDIOより強力なスタンドを持つというのか!?
 或いはスタンドへの干渉を得手とするスタンド使いの仲間がいるのか……。ええい、どちらにしても忌々しいッ!」

 怒りのままに手近にあった鍵付き棚を思い切り“世界”で殴りつける。
 申し訳程度の止め具がひしゃげて外れ、衝撃で中からガチャガチャと音を立てながらカセットテープが雪崩れ落ちた。

「…フン、まあいい。今は判らん事を考えていても始まらんか。どれ、少しリラックスするとしよう」

 部屋の隅にあったカセットデッキに目を留めると、DIOは適当にカセットテープをいくつか拾い上げ、デッキと一緒に寝室へと運び込んだ。
 どうやら優雅に音楽鑑賞と洒落込むつもりらしい。或いは、現代の音楽に興味を示しただけかも知れないが。
 基本的に好奇心旺盛なところのある男なのである。DIOという人物は。
0086Studio D.IO(改稿版)! ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/11(日) 19:58:13.16ID:gm2EDmyX

◇◇◇


『BEAM my BEAM! わたしのヒカリと♪ BEAM my BEAM! あなたのヒカリ 愛ゆえにとぎすまされる♪―――』


「ほほう…なかなか乗れるリズムの曲ではないか」


『Faiien down♪ BLUE 青い空 どこまでも飛んでゆきたい♪ だけど飛べるのはあなた 私は飛べない――なぜなら―――』


「フフフフハハハハ最高に「ハイ!」やつだアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!!!」」


『きもちのいいとことび出てる♪ ボクたちキミたちとび出てる♪ 神様が決めたコトなの…? ピクピクふるえて怖いよ…―――』


「ウリイイイイヤアアアッー! ぶっつぶれよォォッ!!!」




ドグシャア――――――z___ッ




 …全くの余談だがこの直後、DIOの傍らに置いてあったaegis=Lが、課せられた制限によりヴァニラの持っていた背負い袋の中へと戻り、
 何があったのかと危惧して屋上から降りてきたヴァニラがDIOから事情を聞き、またしてもDIO様を侮辱したかとまたまたプッツンし、
 その現況たるカセットデッキは、破片の一欠片も残さず暗黒空間にバラ撒かれてしまったとか。




【カセットデッキ@現実 再起不能(リタイア)】



【D-2/放送局/1日目-早朝】
0087Studio D.IO(改稿版)! ◆YwLV7iJ2fw
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2011/12/11(日) 19:59:40.06ID:gm2EDmyX

【主:DIO@ジョジョの奇妙な冒険】
 [主従]:ヴァニラ・アイス
 [状態]:健康
 [装備]:セラスの棺、AK-47(残弾27発)@現実、AK-47のマガジン(7.62×39弾30発入)×3
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫を始末する。他の参加者に自分が支配者だと知らしめる。
  1:そろそろ休みをとる。
  2:他の参加者は倒すか支配する。



[備考]
 ※参加時期は26巻冒頭直後。その為、まだジョナサンの肉体は完全にはなじんでいません。
 ※八雲紫をスタンド使いと誤認しています。
 ※“世界”の時間停止に関する制限に気付きました。
 ※aegis=Lの制限には気付いていません。


【従:ヴァニラ・アイス@ジョジョの奇妙な冒険】
 [主従]:DIO
 [状態]:健康・吸血鬼、八雲紫への更なる怒り
 [装備]:背負い袋(基本支給品、折り畳みカヌー、aegis=L@そらのおとしもの(防御フィールド再発動可能まで残り二時間))
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫を始末する。他の参加者にDIOが支配者だと知らしめる。
  1:外敵の接近が無いかを見張る。



[備考]
 ※参加時期は26巻冒頭直後です。
 ※自分が吸血鬼になった事に気が付きました。
 ※八雲紫をスタンド使いと誤認しています。
 ※aegis=Lの制限には気付いていません。



[共通備考]
 ※D−2放送局二階の仮眠室が消滅しました。一階大倉庫、二階男性用トイレ、二階局長私室、三階スタジオの四室が素通しになっています。 




【AK-47@現実】
1947年にソ連のミハイル・カラシニコフによって設計された歩兵用アサルトライフル。全長870mm。
セミとフルオートの切替射撃が可能で、約600発/分もの連射性を持つ。

【aegis=L(イージス=エル)@そらのおとしもの】
局地戦闘用エンジェロイド、タイプ(デルタ)アストレアに搭載されている携行盾。
長時間の展開や前方以外のカバーが不可能といった欠点も持つが、発生される防御フィールドの強度はイカロスのAegisを上回る。
このロワでは従来の欠点に加え、以下の仕様・制限が課せられている。
・aegis=L自体が一定以上の衝撃を受けるまで防御フィールドは発生しない。それまではただの頑丈な盾。
・防御フィールドは発生から10分が経過すると一度解除され、一番近くの背負い袋に自動的に収納される。
 ただしaegis=Lの装備者が背負い袋を所持していた場合は、その背負い袋は収納対象から除外される。
・一度防御フィールドが発生し終えると、以後二時間が経過するまで防御フィールドを展開する事はできない。
0088 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/11(日) 20:01:28.90ID:gm2EDmyX
これにて投下完了です。
今回はご迷惑をおかけしました。
貴重なご意見をくださった皆様に改めて感謝致します。
0093創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/13(火) 15:49:01.02ID:piOX6nWx
小物だったりカリスマだったり天国云々言ったり自分のスタンドが最強と言ってるけどスタンドに強い弱いはないと言ったり
1部3部6部でキャラが安定しないのがDIO様
0095創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/13(火) 19:30:48.13ID:NBj7RnXH
そんな酷い奴なのか
このロワに徳川綱吉が参戦してたら間違いなく殺されるな
0096創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/14(水) 00:41:57.22ID:9Vs1VMqo
それは1部最初の少年時代の時だが、ただ残忍だからやったってわけじゃなく
出会い頭にガツンとやって「俺が上!お前が下だジョジョォ!」と飼い主である主人公との上下関係を作るって打算あってのことだがね

>無機物が超常の力を発揮するというのは、彼の知る限り『石仮面』と『弓と矢』以外に無く
アヌビスのこと忘れんといてえな
0097 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2011/12/14(水) 20:10:07.37ID:92Voxx4v
>>96
うあ、失念してました。ご指摘感謝します。
wiki収録後に修正しておきます。
0098創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/14(水) 22:20:58.79ID:u7XN5YgB
アヌビスはスタンドだから微妙なんだよね
『力』や『運命』みたいなタイプに分類していてもおかしくない
0103創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/17(土) 00:24:40.73ID:JVp8DL1B
あの時計を壊れるまで(そう、時が止まるまで!)返さないという思いがDIOのザ・ワールドの能力のもととなったのだ!!
0104創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/17(土) 01:08:47.61ID:NdeL/Me0
ジョナサンの体の能力だから
僕の時計(時)は二度と帰ってこない気がする…きてるんじゃね?
0105創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/17(土) 01:40:57.82ID:JVp8DL1B
ジョナサンの身体の能力がハーミット・パープル、ザ・ワールドはDIOの能力だな
0109 ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2011/12/25(日) 11:56:14.72ID:3p1XHN9/
メリークリスマス。また来年もよろしくです。

クリスマスとは関係ないけど、うちの主催様。
ttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/56/cbb0fcec12aa1b2a114f5c71484d1153.jpg
0110創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/25(日) 12:55:18.03ID:+Wg3noiW
乙!
この絵の感じ…どこかで見覚えが!
鳥は違うがあなた様はまさかあのロワの…!

0115創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/12/29(木) 20:57:06.30ID:dJY8tpdM
……と思ってたら、あっと言う間にデカくなってワロタwww
成長早すぎるだろムックル
0119創る名無しに見る名無し
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2012/01/01(日) 16:52:17.20ID:zoOecmsW
全て遠き理想郷(コミケ)か…。年末が一番仕事忙しい田舎者には無縁の話だわ…w
0123創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/11(水) 03:46:23.48ID:iTe38WNi
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      │: : | l | i   /-―- .,    :\       、/     /   ____ :  ! ´ ! l |: : |           今また再び我らは
      │: : l :,. | {   ぃγ77ヽ \  : \     ハ     // / γ77ヽ 〉   } !  ′: !           救世の旗を掲げよう!
      │: : :ヽ :,    :,\l//ノ  ヽ !  ヽ  ノ、∧ /   ! /   {////' /   / / /: : 八
      /: : : : : :\ __:,   :, `ー―-- 〉 //ヽ   /´ヽ 、 /__,.`< /  ′'´/: : : : : ヘ―――‐
―――/イ: : : : : : : ハ :,  ヽ __,.  '"/ 〈    |  |   :, \`ヽ __,.ノ   ' /: : : : : : r 、ヘ..:..: : :
: : :/.: :.|: :∧: : : : : ゝ.,_!         /   '.  |  |   /  \      /イ: : : : : : : : ′ ヾ\ : :
: : : : : |: ; | : |: : : : : :∧    /     :, │  |   /    \     /: : : : : : : : : : ′ : : `: : :
: : : : : ∨ !:.:.|: : : : : : :∧          / ` |  |  ヽ          /: : : : : /!: : /|:| : : : : : : :
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: : : : : :  : 乂| : \: : : : :ハ   ヾ::..、_   `ー―‐´   _,,.. イフ  .〃: : : / : |/ : リ .: : : : : :
: : : : : : : : : ! : : :\: : : ハヽ   \ 〉 、ニニニニニニイ:::::/    '/イ: /: : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : :  \: :ヘ \   \ヘ:_:_:_:_:_:_:_:_:_:_:ノ/   /./ |/ : : : : : : : : : : : :
: : : : : : : : : : : : : :| `ヾ   丶  ` ー――‐ ´    /   │ : : : : : : : : : : : : :
0124 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/01/13(金) 22:06:31.91ID:BAIuqNuf
予定より遅くなってしまい申し訳ありません。
これより投下致します。
0125探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/01/13(金) 22:08:04.91ID:BAIuqNuf

 硬い剣戟が、連続する銃声が、人や獣や人ならざる者の咆哮が、そしてそれらが連鎖的に生み出す轟音が、宵闇の下で響き渡る。
 そこに時折、完全にそれらの音に負けている波飛沫の音が混じる。
 何者をも寄せ付けぬかのような音と、殺気と、闘気。それらによって島の東端の岩棚一帯は、隔絶された戦場となっていた。
 そして、あちらこちらが抉られ、削られ、砕かれたた車道や岩石の惨状が、その戦場の尋常で無さを物語っていた。
 何も知らない一般人が後でこの場を訪れようものなら、砲撃戦でもあったのかと思ってしまっても無理なからぬ程の有様である。

「Go to hell!!」

 そんな戦場を生み出している原因の一人、奥州筆頭が伊達政宗が身の丈の二倍近くもある巨大な銀十字架を横薙ぎに振りかぶれば、
 その一撃を軽くステップして回避してみせるのは、HELLSING機関が誇る最強の吸血鬼、アーカード。
 振り切られた腕が戻る前にそれを切り落とさんと、一気に駆け寄って白銀の剣閃を走らせるが、それを読めぬ政宗ではなく、
 十字架を振って生まれた慣性と遠心力に身を任せて斜めに跳躍し、その一撃を回避する。
 その傍らで、アーカードの“飼い犬”(些か適切でない表現ではあるが)たる黒犬獣バスカヴィルが、政宗の従者、
 “竜の右眼”たる片倉小十郎の身体を引き裂かんと爪を立てて飛び掛れば、

「甘い!」

 小十郎は先の踏み付けの時と同じようにその一撃を跳んでかわし、再び着地と同時に機関銃の弾丸を、弾倉が空になるまで撃ち続けた。
 だが、しかしと言うかやはりと言うか、黒犬獣にさしたるダメージを与えれたようには全く見えず、
 またも不機嫌そうに低い唸り声をあげながら、小十郎を睨みつけてきた。

(…全く、躾けがなってねえ上に性質の悪い犬だぜ。やはり火縄じゃ分が悪いか? となると…)

 そう考えると小十郎は弾倉の交換をせずにそのまま機関銃を背負い袋に仕舞い込み、代わりに最後の支給品であるナイフを一本取り出した。
 弾丸に余裕があるとは言え、それが一切合財通用しないとなっては、牽制にすらなりはしない。
 となれば、リーチと火力が圧倒的に劣るとは言え、攻撃の手段を完全に変えた方が良い結果を生む可能性は高いだろうと彼は考えた。
 何より、重火器と比べれば刃物の方が圧倒的に使い慣れているというのもあるし、このナイフ、実は一本だけではない。
 背負い袋の中には、まだ数十本もの同じナイフが詰め込まれているのだ。
 これは、このナイフの本来の持ち手であるとある洋館のメイド長が、普段から数十から数百ものナイフを一度に使っている事に起因している。

(さて、こっちが効いてくれればいいんだが、もしこれでも駄目な場合はどうするか…)

 今現在こそ政宗小十郎も、それぞれアーカードと黒犬獣との1対1の状況になっているが、もし相手側が政宗に攻撃を集中させてきたら、
 ナイフも黒犬獣に通じなかった場合、政宗を守りきるのは非常に非情に難しいと言わざるを得ないだろう。
 最悪の場合、自分の命はここで捨てなければならないか…と、小十郎は重い覚悟を胸に、冷や汗が滲む掌を強く握り締めた。
0126探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
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2012/01/13(金) 22:09:22.61ID:BAIuqNuf

「いいぞヒューマン。否、サムライと呼んだ方がいいか。こんなに楽しい闘争は久し振りだ!」

 にやり、と鋭く伸びた犬歯を覗かせながら哂い、アーカードが賞賛する。
 その表情には言葉通りの愉悦の色のみが浮かんでおり、怯えや焦り、恐怖と言った感情は、当然の事ながら一切感じられない。
 しかし、それは相対する政宗にしても同じだった。
 小十郎の悲壮とも言える覚悟と心境を知ってか知らずか、彼もまた、この常ならぬ闘争を心の底から楽しんでいた。

「それはお互い様だぜMonsterの旦那。こんな馬鹿げた戦場でなきゃもっと良かったんだがな。ついでに使い慣れた獲物がありゃ言う事無しだ」
「ハハ。全くだ」

 政宗の常の獲物は、『六爪』と呼ばれる六本の日本刀。それを両手の指の間に挟んで振るう六爪流こそが、彼の本来の戦闘スタイルだ。
 現在手にしている巨大十字架は、彼の膂力を以ってすれば扱う事自体に難は無いが、僅かずつながら過剰な疲労は蓄積するし、何よりやはり融通が効かな過ぎる。
 特に、振るう度に過剰に発生する慣性は、政宗の動きに無視できないレベルのマイナスを科していた。
 如何に眼前の相手に対してクリティカルな威力を叩き出すとは言え、彼からしてみれば、使い勝手は間違い無く悪い部類に入る。

 一方、アーカードが普段使用しているのは、大口径の拳銃だ。
 黒犬獣ら眷属による攻撃や、自身の身体能力に任せた“暴力”を除外すれば、基本的に中〜遠距離での闘いを特に得手としている。
 『心渡』の六尺半という、近距離向きともならぬ中距離向きともならぬ中途半端な長さもさる事ながら、
 そもそもアーカード自体が、刀を振るうという行為自体に慣れていない。
 その行為は正しく、眼前の相手こそが得意としているもののはずであり、それは即ち、相手に読まれ易過ぎるという事だ。

 事実、アーカードも政宗も、これまでの相手の攻撃の半分以上は、受けず流さず、軌道を読んで回避していた。

 そして、アーカードの方はそれとは別に、この闘争について、そして己の身に起きている異変について若干の危惧があった。

(傷の治りが遅すぎる……。ヤクモユカリと言ったかあの女、何か細工をしてくれたようだな…)

 セラスを庇った政宗の先制攻撃による一撃で抉られた肩口が、未だに回復しきっていないのだ。
 既にこの傷をこさえられてから、二、三十分は経過している。
 十全の状態の、ましてや夜のアーカードならば、「これぐらい」の傷ならば既に治癒しきっているはずなのに、だ。

(だが、それ故に楽しい闘争もある!)

「「!!!」」

 ぶわっ! と、アーカードの放つ漆黒の狂気と凶喜が、一瞬だけだが政宗と小十郎をも気圧すまでに膨れ上がり、
 そしてそれが合図とばかりに黒犬獣が今度は政宗へと、更にアーカード自身もまた、神刀・心渡を振りかぶりながら、
 こちらは変わらず政宗へと向かって超スピードで突撃していった。
0127探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
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2012/01/13(金) 22:10:51.52ID:BAIuqNuf

「政宗様!!」

 威圧されて隙を生んだという不覚を恥じるよりも前に、覚悟を決めていた小十郎がバネ仕掛けのように政宗の前に飛び出し、
 振り下ろされかけていた黒犬獣の両の前足を、ナイフの一閃で一気に切り落とした。
 だが、黒犬獣の勢いそのものを殺しきる事はやはり叶わず、前足を失ってバランスを崩した巨躯に、思い切り圧し潰される形となった。

「ぐあ…っ!」
「小十郎!!」

 ズゥン…と、重い物が大地に落下する音と、くぐもった小十郎の苦悶の声が、静寂の宵闇に響き渡る。

「チェック・メイトだ。サムライ!」
「しまっ…!」

 漆黒の威圧。そして、眼前での己の従者の危機。一瞬の隙も、二度続けば充分すぎるものとなる。
 迫り来る刺突に対し、回避は間に合わぬとの判断から政宗は十字架を盾代わりにして受け止めんと翳そうとするが、それも既に時遅し。
 白銀に光る心渡の刃が、政宗の左の脇腹に深々と突き刺さった。

「ガッ…デム…」

 ここに、闘争の幕は下りた。














―――あくまでも、「この闘争の」だが。

 心渡の刃は政宗の身体に突き立てられはしたが、に背中側へと貫通される事も無く、
 或いは一思いにそこから横薙ぎに胴体を両断する事も無く、肉と血管をいくらか傷付けるだけに留まっていた。
 それでも軽症とは言い難いが、政宗の体力ならば反撃するに不都合は無い程度のダメージである。

「…どうした。トドメはささねぇのか…?」
「戯れが過ぎる所だったからな」
「どういう、事だ…」
「この戦場に於いてのマスターからの命はまだ受けていないからな。貴様達を殺していざマスターと合流した時、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)と言われればいいが、
 この殺し合いを止めろとでも言われようものなら、その命をまっとうする事は叶わなくなる。それでは困るのだよ」
「…テメェは…主の側じゃ…ねえのか?」

 アーカードのその言葉に、いつの間にか黒犬獣姿を消した事により解放された小十郎が、覚束ない構えでナイフを構えながら問いかける。
 ナイフを握る手に込められた力は幾分も緩んでいないが、口調から感じられる切迫感は、先の絶叫の時と比べるとほんの僅かながら減じていた。

「従者の主の上に更に主がいるなど、組織ではよくある事だろう? サムライの君主よ」
「…Ha! 違いねぇ」

 言われて自分達の従者の従者、すなわち共に戦場を駆ける兵卒達の姿が脳裏に浮かび、政宗は破顔一笑して肯定した。
 そしてその笑みがそのまま、この戦いの〆の合図となった。
0128探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
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2012/01/13(金) 22:18:01.85ID:BAIuqNuf

◇◇◇

「それじゃあこれからどうするんだい? Monsterの旦那よ」

 戦闘後、互いに大きすぎる獲物を体内なり背負い袋なりへと収めながら最初に交わされた言葉は、
 小十郎の手によって応急手当を済ませた政宗から、ようやく初撃の傷が癒えきったアーカードへの、そんなちょっとした質問だった。
 勿論、戦闘を経て彼等の間に友情が芽生えたとか、それ故に相手の事が心配になっているだなんて甘っちょろい事はさらさら有りはしない。
 寧ろ逆に、一つ間違えればまたすぐにでも戦闘が再開されかねない、一触即発の雰囲気はまだ充分に残っている。
 政宗とアーカードにとってしてみれば「ちょっと冷静になった。闘争は後回しにしよう」と言うだけに過ぎず、
 いつまた戦う事になるかも判らぬ警戒すべき相手が、これからどう動くのかという事が気になっただけと言っても過言ではない。

「私はここで我が従者を待つとするさ。ヤツがちゃんと働くか、或いはその前に運が良ければマスターがここに現れるだろうし、
 何より、闇雲に探し回って逆にマスターと入れ違っても困るしな」
「道理だな。それじゃあ俺達は逆に動き回るとするか、小十郎。じっとしてるってのは性に合わねぇし…何より俺達も探さなきゃならねえ奴等がいる」
「御意」
「フ。どちらも重傷ではないとは言え、たいしたタフさだな。これだから人間と言うものは素晴らしい」

 かくして、アーカードは己がマスターであるインテグラと合流すべく、またその為に従者であるセラスを待つべくこの場に留まる事を選び、
 それとは反対に政宗達は、己の当面の目的の為にこの場を離れる事を選んだ。

「じゃあな旦那。運が良かったら……否、悪かったらまた闘(や)り合おうぜ。Good Bye」
「ああ。願わくばあの女の支配下にあるこの戦場ではないどこかでな」




【D-6/北東・路上/1日目-深夜】


【主:アーカード@HELLSING】
 [主従]:セラス・ヴィクトリア@HELLSING
 [状態]:健康
 [装備]:神刀・心渡@物語シリーズ
 [方針/行動]
  基本方針:???
  1:セラスを待つ。
  2:インテグラの命令(オーダー)を待つ。それまでは取り敢えず無闇に殺害はしないように努める。


 [備考]
  ※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
  ※再生の制限に気付きました。



0129探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
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2012/01/13(金) 22:19:17.73ID:BAIuqNuf

◇◇◇

「さてとだ、小十郎」
「はっ」

 アーカードが見えなくなるまで歩を進めてから更にしばらく後、政宗と小十郎は背負い袋から基本支給品である参加者名簿を取り出した。
 アーカード達と遭遇する前に、地図や他の支給品ともども一度確認していたそれを再び開く。
 二人の視線の先には、彼等にとってあまりに因縁深き名前が二つ、記されていた。

「織田信長……明智光秀……こいつらは“あの”信長と光秀なのか…?」

 日ノ本に於いてその名を知らぬ者はいないであろう、第六天魔王織田信長と、その側近である明智光秀。
 しかし彼等はついぞ先日、他ならぬ政宗たちの手によって討ち滅ぼされたはずなのだ。
 その記憶は二人の脳裏にも鮮明に残っている。

「俺は確かに真田幸村と共に、信長を討った。…それは小十郎にとっての光秀も同じだよな」
「間違いなく」

 自分達が殺したはずの者の名前が、今、同じ島にいる者の名前として記されている。
 あまりにも不可解なこの事に、その真偽を疑うのは無理なからぬ事といえよう。

「だとするとこの人別帳か、或いは信長達自身全くのfakeなのか……閻魔様のもとから舞い戻ってきたか、ってトコか」
「後者だとすると俄には信じ難い事ですが…」
「考えてたって始まらねえ。兎に角二人を探して、偽者だったなら放っときゃいい。
 だがもし本物だったなら……今度こそ確実に地獄の底まで叩き込んでやらねえとな! Aer you ready!?」
「はっ!」




【D-6/南東・路上/1日目-深夜】


 【主:伊達政宗@戦国BASARA】
 [主従]:片倉小十郎@戦国BASARA
 [状態]:左脇腹に中度の刺傷(応急手当済み)
 [装備]:伊達政宗の具足
 [方針/行動]
  基本方針:???
  1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。その後の事は考えていない。
  2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。  

【従:片倉小十郎@戦国BASARA】
 [主従]:伊達政宗@戦国BASARA
 [状態]:全身に軽微の打ち身
 [装備]:十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄、トミーガン、背負い袋(基本支給品)、
      (以下背負い袋内)トミーガンのマガジン(.45ACP弾50発入り)×7、十六夜咲夜のナイフ×29@東方儚月抄、巨大な十字架
[方針/行動]
  基本方針:政宗様を守る。
  1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。
  2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。


 [備考]
  ※参加時期は両名とも、一期最終回後〜二期開始前です。


 【十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄】
  紅魔館の瀟洒なメイド長、十六夜咲夜が愛用しているナイフ30本セット。特別な効果などは無い。
0130 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/01/13(金) 22:21:23.06ID:BAIuqNuf
これにて投下完了です。
またしても短い割に前回以上に時間がかかってしまい、誠に申し訳ありません。
0131創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/13(金) 23:27:21.66ID:qphAi4rh
投下乙!
確かに今回はちょっと遅かったけど、荒らしでなければ、正直投下してくれる事自体がありがたいから、あんまり長短は気にしなくてもいいんじゃよ?

それにしても、インテグラが参加してると言うだけで、ここまでアーカードが安心できる存在になるとは…。
他ロワじゃマーダーばっかりだったからなぁw
そしてBASARA勢の身体能力パネェww
0132創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/14(土) 00:48:04.48ID:cKxxWXCI
投下乙!
いいねぇ、この闘争大好きっ子たちw
そして、これがインテグラお嬢さんが一緒にいる場合のアーカードか。いやはや新鮮な感じだ。
後、互いに得意の獲物を持ち寄っての再戦を期待するけど、さぁてどうなるのかな。
0134創る名無しに見る名無し
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2012/01/14(土) 11:03:30.95ID:0ZebWToi
>>133
ジャッカルは薔薇々木さんに支給されてるぞー。
逆に筆頭の方が、六爪が未だに一振りしか見つかってない。
残り五本は主催の手許か…?
0135創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/14(土) 11:08:47.83ID:czd3xinD
無毀なる湖光(アロンダイト)
約束された勝利の剣(エクスカリバー)
楼観剣
黒龍
六爪のうちの一本
童子切安綱

六振りある
問題無いな
0137創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/15(日) 21:45:49.05ID:oDcwDU1D
今年初投下だな

久し振りに主従ロワ読めて新鮮でした
0148創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/01/27(金) 20:00:08.19ID:YAbEXqK1
予約と予約予告キタ━━━━(・∀・)━━━━!!

今ロワ初の同作品キャラ遭遇なるか、それとも擦れ違うのか…?
0149創る名無しに見る名無し
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2012/01/27(金) 21:30:05.88ID:v9cZnqmU
うおおおーっ!最高にwktkってヤツだあああーッ!!

星刻の参戦時期も気になるな
0151創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/03(金) 21:49:06.69ID:Skas+pf1
oh……破棄か残念。
まあ沢山書いてらっしゃる方だし、次の機会に期待。
0158創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/15(水) 02:36:31.28ID:xOhFeS/Y
すげーwどんな話になるんだwww
お、婦警とインテグラ達がいるけど会うのかな?別の場所の話かな?
0159創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/15(水) 08:08:59.55ID:Z2w5KaNy
はぁー!? なんじゃこりゃー!!!
殆どのキャラはデパートでカチ合いそうだけど、切嗣と星刻は位置的に厳しいよな……どう絡んでくるんだ?
全く想像がつかねぇ!
0160創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/15(水) 11:44:34.68ID:jXCxy4Nr
盛り上げたい気持ちはわかるけど、痛々しいほどに滑稽だな……
第一放送にすら到達してないのにあんな人数予約する=誰も書かなくなった、ひいてはもうこのロワは終わったことを意味するのに
0164創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/15(水) 14:02:58.62ID:uXv/YqfJ
深夜にされた予約に対して平日昼間にこれだけレスがついてるのに
自分で書いて盛り上げようって奴はいないのか?
0170創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/24(金) 01:51:52.12ID:8bNtvjrV
保守
0171 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 00:46:51.94ID:lJ1txJxQ
これより投下致します。
0172ルルーシュより、ずっとはやい!! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 00:50:18.89ID:lJ1txJxQ

「車道ですな」
「まあ当然だな。殺し合いを行わせようと目論むのに、嘘まみれの地図を渡す愚など犯すまい」

 当面の目的を定め、まずは先に決めたとおり移動の為の足を調達しようと遊園地を出たルルーシュ達は、
 地図の記載と眼前の光景を改めて見比べて、現在地が支給された地図で言うB−4の中心部である事を確認した。
 二人の目の前には弧を描くように車道が走っており、その向こうには、僅かに窪んだ入り江が存在するのが、
 車道に併設された街灯の灯りによってはっきりと見て取れていた。

「さて、ここから一番近い街となると…水族館のあるA−5か」
「はっ」

 病院のあるA−3や、ホテルのあるC−5との距離と比べるとほぼ微差と呼べる範囲だったが、今回ルルーシュ達はあくまで、
 その微差なれど、最も近い都市部であるA−5へと向かう事を選択していた。
 特に深い理由がある訳ではない。
 ―――いや、もちろん正確に言えば、例えば病院なら人は集まり易いが「駒となり得る(=健常者)」参加者には遭遇し難いだろうとか、
 ホテルなら物資は多いだろうが探索に時間を食うだろうとか、様々なメリットやデメリットを考慮・加味したルルーシュだったが、
 それらの点を抜きにしても尚、今は少しでも迅速な行動こそが優先されると判断したからこその決断だった。
 長くはない三日と言うタイムリミット、そしてこの決して狭くない島。一刻も早く移動手段を確保すると言うのは、賢明な判断だと言えよう。

 そして、これはルルーシュ達の与り知らぬ事だったが、もし仮にルルーシュがホテルへと向かっていたら、
 この殺し合いの参加者の中で唯一、始めからギアスの存在を知る者――勿論天子と星刻の事だ――と遭遇する羽目になっていた可能性が極めて高く、
 そういう意味でもこの判断は正解だったと言えるのだが、それはあくまでifの話でしかない。
 まあ、更に加えて言うならば、彼等が本当にギアスの存在を知っているかどうかもまだ知る由は無いのだが。


 閑話休題。
 ともあれルルーシュ達は深夜の車道をぽくりぽくりと北東の方角へと歩き続け、ものの十分も経過する頃には目的の市街地へと到着した。
 が、そこでルルーシュは予想だにしなかった事に驚愕を覚える事となった。
0173ルルーシュより、ずっとはやい!! ◆YwLV7iJ2fw
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2012/02/29(水) 00:51:17.16ID:lJ1txJxQ

◇◇◇

「……遠目に屋根が見えた時からまさかとは思っていたが、やはりそうか」
「何かお気になられる事が?」
「ああ」

 ルルーシュを驚愕させた物は、市街地の北の外れ、海に程近い場所に建っていた水族館だった。
 とは言え、それ自体は当然珍しい物ではない。
 周囲の景観と見比べて浮いていると言う事も、市街地の他の建物と比べて建築様式が違うという事も無い、至ってごく普通の水族館だ。
 では何がルルーシュを驚かせたのかと言うと、その水族館は、彼にとって「見覚えのある物と全く同じ外観をしていた」からだ。
 より具体的に言えば、彼がよく利用していた水族館そのものだった。

「この水族館はトウキョウ租界にあった物と―――俺がかつて蜃気楼の隠し場所として秘密裏に使っていた水族館と、造りが全く同じだ」
「なんと!」

 ルルーシュのその言葉に、ジェレミアの表情もまた、驚愕に彩られる。

「だがその事は、俺とC.C.を除けば、黒の騎士団の中でもロロと咲世子しか知らない事だ。
 咲世子が誰かに洩らすとはあまりにも考え難いし、ロロはそもそももうこの世には―――いや待て。まさか…!」
「まさか、ユーフェミア皇女殿下と同様に、八雲紫が…!?」

 ルルーシュとジェレミアの表情が先程以上の驚愕に彩られ、額にはうっすらと冷や汗が滲む。
 だが、それは意外にも――或いは流石はと言うべきか、ほんの数秒に過ぎない時の事だった。

「それはまだ判らない。さっきも言ったが、本当に八雲紫に死者を蘇らせる事ができるのかも未確認なのだからな。
 それにもし本当に八雲紫がロロをも蘇らせていたとしても、ロロが口を割る可能性もまた皆無に等しい」

 今は亡き偽りの弟、そして本当の家族であったロロの在りし日の姿に思いを馳せながら、ルルーシュは言葉を続ける。

「加えて言えば、それ以外の方法でこの水族館の秘密を知ったのかもしれないし、
 そもそも、この水族館をこの島に移設してみせた理由からして解らない。やはりまだまだ情報が足りなさ過ぎるな…」

 解らない事だらけの悔しさからか焦りからか、ギリ…とルルーシュは唇を噛み締める。

「…一応内部も確認しておくか。どのみち食料や物資の調達はせねばならないのだし、ともすれば情報を得れる先客がいるかも知れん」
「御意」

 そうしてひとまず考察とやり取りを終えると、二人は意を決して、水族館の中へと入って行った。
0174ルルーシュより、ずっとはやい!! ◆YwLV7iJ2fw
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2012/02/29(水) 00:52:24.16ID:lJ1txJxQ

◇◇◇

 微かに非常灯が点るのみの深夜の水族館。
 来客は神聖ブリタニア帝国第99代皇帝ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアと、その騎士、ジェレミア・ゴットバルトの二名のみ。
 カツン、カツン…とリノリウムの床が生む足音だけが、静か過ぎる空間に響いていた。

 どれほど内部を探索してみても空調はおろか、水槽内のポンプや照明すらも起動しておらず、しかし、それに不満を訴える魚介類達すらもそこにはいない。
 動かず澱み、しかし「まるで注がれて間も無い」ように澄んだ水で満たされた水槽ばかりが、辺り一面に存在しており、
 そしてそれらのある展示スペースからは分厚い鉄扉とコンクリートの壁でで隔てられた、関係者専用の駐車場に現在ルルーシュ達はいた。

「やはり内部構造も完全に一致しているな…。だがそれはそれで、物資の調達に時間がかからずに済む。
 なにせこうして何処に何があるか判ってるんだからな。先客はいなかったが、それはそれでより時間をかけずに済むというものだ」
「まさしく。最善たらずとも僥倖といったところですか」
「ああ。しかし――」

 入館して数分と経たぬ内に、内部構造も知る通りだと判断したルルーシュは、ジェレミアの警護のもと、
 悠々と目的の場所場所へと足を運び、これから必要になるであろう物資を順調に調達していった。
 充分な量の食料と飲み水は言うに及ばず、応急手当用の医薬品の詰まった救急箱、更には地図上の難破船や砦跡に移動する為のダイバーズセットを二人分。
 そして何よりの収穫は、最初の目的でもあった車をあっさりと入手できた事にあった。
 とは言え、従業員の自家用車があればよかったのだがそれは無く、となると水族館なんて場所にある車と言えば必然的に―――

「あった車は海獣輸送用の大型トラックのみか…。まさに「最善たらずとも」だな」
「運転できぬ事はございませんが、小型のナイトメアすら搭載できそうなこの大きさでは、あまりにも良い的になりすぎますな…」
「そうだな。ましてやこんな支給品があるぐらいだ。他にも重火器が支給されている可能性は高いだろう。堅牢だからと言って安心はできない」

 そう言いながらルルーシュは背負い袋に手を差し入れ、中から重厚な金属製の砲口を覗かせた。
 30mm対化物用砲(カノン)「ハルコンネン」。とある英国組織に於いて用いられている、その名の通り化物を退治する為の超重火器である。
 こんな物で撃たれた日には、如何に頑丈な大型トラックの装甲と言えど、紙屑のように突き破られ、爆散してしまう事は明白だった。
 そしてそんな重火器を、体力も筋力も同年代では残念な部類に入るルルーシュが扱える訳も無かった。
 改造人間たるジェレミアならば扱えなくもないだろうが、主の守護を第一とする彼にとっても、遠距離用の重火器などはお荷物にしかならない。
 扱えず、必要なく、しかし他の参加者に手渡す訳にもいかない。
 本来の持ち主たるセラス・ヴィクトリア――と言っても“今の”彼女はまだこれを使った経験が無いのだが――ならば兎も角、
 折角の貴重な重火器たるハルコンネンも、今のルルーシュ達からしてみれば、ほぼハズレ支給品と言っても間違い無かった。
0175ルルーシュより、ずっとはやい!! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 00:54:29.50ID:lJ1txJxQ

「無論、これでも徒歩で移動するよりは余程早いが、それでも早めにまともな車に乗り換えたいところだな。
 それも含めて、次はスザクを始めとする他の参加者に接触するのが急務か」

 ハルコンネンを背負い袋に仕舞い直し、再び大型トラックに目をやりルルーシュがそう言う。

「はっ。となりますと次の目的地は…」
「都市部を南進してホテルへ向かうか、西進して病院へ向かうかだな。どちらも人の集まる所だ。
 地の利のあるこの水族館を拠点にするのも一つの手ではあるが、それは無事にスザクと合流してからが絶対条件だ。今は一分一秒が惜しい。
 まあ、そんなにすぐにスザク合流できると思ってはいないがな…。あの女とて、そうそう近くに殺し合いを抑制するような結果を生む配置はすまい。
 さて、どちらに向かうか…」

 二者択一。
 どちらが彼等にとっての正解かと問えばそれはもちろん、現在当のスザク達が目指している病院に他ならないが、今の彼等にそれを知る術は無い。
 もし彼等がこの選択を誤れば、最悪『ゼロ・レクイエム』を為す事が不可能にすらなりかねない。
 しかしもし選択を誤らなければ、彼等が無事に合流できるのは、ルルーシュの思惑よりも、ずっとはやい。




【A-5/水族館駐車場/一日目-黎明】

【主:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ
 [状態]:健康
 [装備]:背負い袋(基本支給品、約束された勝利の剣、30mm対化物用砲「ハルコンネン」+劣化ウラン弾&爆裂徹底鋼焼夷弾(各1発)@HELLSING、
          充分な量の水と食料、ダイバーズセット(×2)、不明支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:ゼロレクイエム遂行のため、スザクと共に生還する。
  1:スザクの捜索と情報収集。その為病院もしくはホテルに向かう。
  2:八雲紫を殺す方法、対面する方法を探しだす。
  3:最終的には、スザクとジェレミア以外の、この殺し合いに関わった者全員を殺す。

[備考]
  ※参戦時期はTURN25『Re;』ルルーシュ死亡の3日前
  ※自身のギアス、ジェレミアのギアスキャンセラーへの制限には気づいていません。
  ※A-5の水族館が、トウキョウ租界で蜃気楼を隠していた水族館(TURN12『ラブ・アタック!』参照)である事に気付きました。
   その為この水族館の内部構造は知り尽くしています。


【従:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ
 [状態]:健康
 [装備]:碇槍、大型トラック
 [方針/行動]
  基本方針:全ては我が主、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアのために。
  1:ゼロレクイエム遂行のため、ルルーシュとスザクを生還させる。
 [備考]
  ※参戦時期はTURN25『Re;』ルルーシュ死亡の3日前。
  ※自身のギアスキャンセラー、ルルーシュのギアスへの制限には気づいていません。
0176ルルーシュより、ずっとはやい!! ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 00:55:25.81ID:lJ1txJxQ




【30mm対化物用砲「ハルコンネン」+劣化ウラン弾&爆裂徹底鋼焼夷弾(各1発)@HELLSING】
 ウォルターがセラスの為に新調した武器。
 成人男性ほどもある長さの砲身と、それに見合った重量、
 そしてMBT(主力戦車)を除く全ての地上・航空兵器を撃破できる途轍もない火力を誇る。

【ダイバーズセット@現地調達】
 ルルーシュが水族館にて調達。
 ドライスーツ、ゴーグル、フィン(足ヒレ)、シュノーケル、小型酸素ボンベの5点セット。
 サイズは一般的な成人男性用。

【大型トラック@現地調達】
 ルルーシュが水族館にて調達。大型海獣を治療や譲渡の為に水槽ごと輸送する為の専用車両。
 小回りは効き難いがそれなりに頑丈。
0177 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 00:56:08.47ID:lJ1txJxQ
これにて投下完了です。
0178創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/29(水) 01:32:35.92ID:nnf9OtNP
投下乙です
タイトルなんのこっちゃと思ったらそういうことかw
足は手に入れたけど早速ターニングポイントだな
どちらに行っても波乱の予感がするが……はてさて、どうなることやら
0179創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/02/29(水) 01:35:54.07ID:uK9RRZQm
久々の投下乙!
まずタイトルで吹いたwww

そういやこのロワの旦那とセラスは、まだジャッカルもハルコンネン持たされる前の時期からの参戦だったな。
まあ実際入手したらフツーに使いそうだが。
そして何より、他ロワの影響で、ルルーシュが2話生き延びた事を何より嬉しく思う俺がいたw
0181 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/02/29(水) 19:40:54.33ID:lJ1txJxQ
感想有り難う御座います。

すみませんが、状態表に若干の記載漏れがありましたので微修正致します。

(誤)

【主:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ
 [状態]:健康
 [装備]:背負い袋(基本支給品、約束された勝利の剣、30mm対化物用砲「ハルコンネン」+劣化ウラン弾&爆裂徹底鋼焼夷弾(各1発)@HELLSING、
          充分な量の水と食料、ダイバーズセット(×2)、不明支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:ゼロレクイエム遂行のため、スザクと共に生還する。
  1:スザクの捜索と情報収集。その為病院もしくはホテルに向かう。
  2:八雲紫を殺す方法、対面する方法を探しだす。
  3:最終的には、スザクとジェレミア以外の、この殺し合いに関わった者全員を殺す。

[備考]
  ※参戦時期はTURN25『Re;』ルルーシュ死亡の3日前
  ※自身のギアス、ジェレミアのギアスキャンセラーへの制限には気づいていません。
  ※A-5の水族館が、トウキョウ租界で蜃気楼を隠していた水族館(TURN12『ラブ・アタック!』参照)である事に気付きました。
   その為この水族館の内部構造は知り尽くしています。

(正)

【主:ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 [主従]:ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ
 [状態]:健康
 [装備]:背負い袋(基本支給品、約束された勝利の剣、30mm対化物用砲「ハルコンネン」+劣化ウラン弾&爆裂徹底鋼焼夷弾(各1発)@HELLSING、
          充分な量の水と食料、救急箱、ダイバーズセット(×2)、不明支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:ゼロレクイエム遂行のため、スザクと共に生還する。
  1:スザクの捜索と情報収集。その為病院もしくはホテルに向かう。
  2:八雲紫を殺す方法、対面する方法を探しだす。
  3:最終的には、スザクとジェレミア以外の、この殺し合いに関わった者全員を殺す。

[備考]
  ※参戦時期はTURN25『Re;』ルルーシュ死亡の3日前
  ※自身のギアス、ジェレミアのギアスキャンセラーへの制限には気づいていません。
  ※A-5の水族館が、トウキョウ租界で蜃気楼を隠していた水族館(TURN12『ラブ・アタック!』参照)である事に気付きました。
   その為この水族館の内部構造は知り尽くしています。
  ※不明支給品に、少なくともルルーシュの扱える銃はありません。

(追加)

【救急箱@現地調達】
 ルルーシュが水族館にて調達。
 応急手当用の医薬品が幾つか入った、ごく一般的な救急箱。
0182創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/03(土) 17:00:39.71ID:87GTWe/u
>>180
大量のパンツに比べれば……
0183創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/03(土) 20:33:29.56ID:gWMdRK2g
確かにw
こうなると未だに支給品が一切不明な二組の支給品が気になるな
一組分は絶賛放置中だが…
0185Bout the city  ◆Su10.RK3MU
垢版 |
2012/03/07(水) 17:39:08.62ID:cSBDvX49
 【001】


「だーれーかー、いーまーせーんーかー?」

殺し合いの舞台となる島のほぼ中央、島の東西を繋ぐ幹線道路から少し奥へと歩いた場所にあるキャンプ場。
細々とした明かりしかなく、寂しげな雰囲気を漂わせるそこに間の抜けた声が響き渡っていた。

「そんな大声出して誰か出てきたらどうするのよ?」
「だから、その誰かを探しているんじゃないですか」

とほほーと溜息を吐いてセラスは広々としたキャンプ場を見渡す。
吸血鬼としては恥ずかしながらにまんまと人間達に囚われてしまった色々な意味でかわいそうな彼女は、
彼女を捕らえた2人の少女――涼月奏、近衛スバルの両名と共にキャンプ場を探索していた。
しかし、背中につんつんと刃物をちらつかされながらすでに30分ほどの時間を費やしているものの成果は芳しくない。
このキャンプ場には、テントを張るためのエリアと火を起こして料理をするエリアとあるが、どこにも人影は見られなかった。
いくらか立ち並ぶログハウスにしても、中に人が潜んでいそうだという気配はない。

「どうやらここには誰もいないようね」

更に数分後、キャンプ場を一周し終えた3人はそう結論を出した。
それは正しく間違ってはいない。

だがしかし、彼女達を見つめる者が“キャンプ場の外”に存在した。


 ■


キャンプ場の北側、土がむき出しになった斜面の上から更に50メートルほど森を入った所に二人の男が潜んでいた。
衛宮切嗣と黎星刻の二人だ。
切嗣はライフルに備え付けられたスコープで、黎星刻は双眼鏡を使ってキャンプ場の中を探索している少女達を観察している。

黎星刻は双眼鏡から目を離すと、
地面に伏せてライフルを構えている男を見やり、そして彼の提案した“作戦”をもう一度頭の中で反芻した――



「僕達に、この戦いを生き残れる実力があると思うかい?」

それが天子とセイバーの二人と別れた後、切嗣が最初に発した言葉だった。
黎星刻は返答に詰まる。
できると言うのは容易い。しかしそれはただの願望でしかない。目の前の男はそのようなことを聞きたいのではないだろう。

「質問を変えよう。君が戦ったセイバー――彼女のような存在がここにウロウロしていると想定して、
 それらと真っ向勝負を挑んで僕達が最後まで勝ち残る可能性を君はどれくらいあると考える?」

――否/Zeroだ。
今度ははっきりと答えを返すことができた。
それはなんら難しい問いではない。いや、もうすでに答えが出ている。黎星刻はすでに一度敗北を喫しているのだから。
この問いにはなんの意味がある? 切嗣が自らを黎星刻の上位にあると印象付ける為か?
いやそれは違う。セイバーという手駒を持つ切嗣もここでは黎星刻と立場は変わらない。
より強き者が他に存在すれば(彼はすでに想定しているようだが)今この場における実力の差など関係はない。
つまり、この問いは問いの逆を導き出すための問いだ。この問いには誤りがある。

「その通りだ。僕達にはありとあらゆるものが不足している。とりわけ重要なのは情報だ。
 相手を知らずに戦いを挑む。そんなのは運を天に任せたギャンブルでしかない。
 そして僕達はギャンブルに自らの命を賭けるほど酔狂な人間ではないはずだ」
0186Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:39:49.51ID:cSBDvX49
しかし、ここには情報源となるものが乏しい。都合よく、ここにいる他の人物の情報などそう手に入るまい。
その点において(黎星刻の立場からすると言い訳がましいが)当てずっぽうになるのは仕方ないのだ。
ならば、標的を見つけた後に詳細に観察するのはどうか?
偵察、観察、分析――そしてそこからくる戦術の組み立て、戦術に要する物資の調達、命令の伝達。
黎星刻が常道とする兵法の基本である。が、しかしここではそんな時間的余裕はない。この戦場は三日で閉じてしまう。

「ならば、どこでアドバンテージを得るか。己の生の確率を高めていくか――」

情報ではない、武器も物資もここでは自由ではない。人手を得ることも容易くはない。ならば、残るのは――地の利か。

「その通りだ。その点について僕は君と意見を交わしたかった」

言って、切嗣は懐から地図を取り出して開いた。

「僕は、僕達が戦闘を行うエリアを“限定”しようと思っている」

あえて、戦場を限定する? それはつまり――

「そう、一種の篭城だ。そして、戦闘を行うエリアを限定することで余裕として生まれる時間をそのエリアの把握に費やす」

なるほどと黎星刻は頷いた。表情は平静を保っていたが、しかし切嗣の冷静さに内心驚きを禁じえないでいた。
黎星刻は天子と一緒に殺し合いの舞台に立たされた時点でこの戦いを個と個のものだと認識してしまっていた。
何もかもが不透明な上で、逼迫した状況。
黎星刻ともあろう者が己と敬愛する天子様を守るだけのことに精一杯でしかなかったということだ。
しかし、切嗣は違った。このような不可解な事が起きて間もなくだというのに、自らが置かれた状況を冷静に捉えている。

黎星刻は内心切嗣という男の存在に感謝する。
確かにここは一種の戦場なのだ。ならば、自分は姫を守る騎士ではなく、軍師の視点で物事を進めなくてはいけない。
そのことに気づかせてくれた切嗣の存在は黎星刻からすればまさに僥倖であった。
考えようによっては天子を人質に取られたことも、彼女を堅牢な保護下に置けたと考えれば都合がいい。

「敵の情報を探すよりも、地の情報を得るほうが容易いということか」
「その通りだ。仮に最後まで生き残るために10人倒す必要があったとして、その10人の情報を得ることは不可能に近い。
 だが、地形の、それも場所を限定するならば、1日2日で数エリア分の情報は得られるだろう」

切嗣の意見は理にかなっている。地の利というアドバンテージを得る為に、どこかの場所に陣取るのは正しい。
だがしかし、それにも問題はある。3日という時間はやはりこの場合でも足かせになる。
切嗣は2日あれば数エリアは把握できると言ったが、ならばそこに誰もやってこなければどうする。
いやそもそも、そのエリアが――

「気づいたようだな。僕が相談したいのはあの八雲紫と名乗った女が言った“立ち入りできなくなる場所”のことだ」

そう。八雲紫という女はこの殺し合いの舞台の上に立ち入れなくなる場所が増えてゆくことを示唆していた。
その目的は状況の膠着の打開と、殺し合いの参加者がより狭いエリアの中で出会いやすくする為に違いない。
つまり、それは……“最終的に残るエリア”へと陣取れば、そこで他の者達よりも時間をかけて情報を得ていたのであれば、
生き残った者達の中でかなり優位なアドバンテージを得るということに他ならない。

「……どの場所が最後まで残る、か」
「それを推定することができれば僕達の戦略の半分は成ったと言えるだろう」

黎星刻は切嗣の開いた地図に注視する。
まず断定できるのは、立ち入りできなくなる場所とは地図に引かれた升目の単位で置かれるであろうことだ。
そうでなければこのように地図を区切って、しかも番号や記号を振る理由はない。
地図上での1マスが立ち入りできなくなる場所――進入禁止エリアと指定される最小単位なのは疑う余地もない。
0187Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:40:18.02ID:cSBDvX49
ならば問題は、どこからどのような順序で、そして一度にどれだけのエリアが指定されるのか。
指定されるタイミングは6時間おきに行われる放送毎。途中でペースが変わらなければ3日目が終わるまでに11回だ。
そして地図上の升目は全部で36マス。
11回目の放送で升目が埋まってしまっては意味がないので、その時点で最低1つは残るとし、
毎放送で同じ数ずつだけ埋まっていくと仮定すれば1回の放送で指定される進入禁止エリアは3つ。
11回の放送で33の升目が埋まり、最後の6時間に3つの升目が残るということになる。

「想定としては妥当な形だ。僕があの女の立場ならその通りにするだろう」

だがしかし、確証はない。全く別のパターンで升目が埋められてゆく場合も存在するだろう。
例えば、1回目で全体の半分を。2回目で残りの半分を……というパターンなどだ。

「この島は広くはない……が、狭いというわけでもない。
 あまり一度に多くのエリアが指定されれば、退避する余裕が足りずに何人かの人間が死んでしまう可能性がある」
「それに何か問題が……?」
「わからない。ただ、あの女は殺し合いの参加者がルール違反ではなく殺し合いの中で死ぬことを望んでいた節がある。
 だとすればこういったことで死者が悪戯に増えるのはよしとしないんじゃないかというのが僕の印象だ」

しかし、これも確証のないことだ。ただの印象でしかなく、またその印象は相手がわざと植え付けたものなのかもしれない。

「アプローチを変えよう。途中経過はともかくとして、最後に残る場所というのは必ず発生する。
 もし君ならどこを残す。あるいは、どこは残さない? どこから埋めてゆく?」

黎星刻は地図を見つめる目を凝らす。素直に考えれば“外側”から埋めてゆくのが順当に思える。
地図の端は海になっており、升目によってはほとんど舞台の意味を成していない場所もある。
参加者同士の接触を増やしたいのであれば、地図の端から順番に埋めてゆくのが一番効果があるはずだ。
つまり、最終的に残るのは地図の中央に近い場所となるだろう。とはいえ――

「そうだな。僕達は僕達なりの考えで推理することはできる。だがしかしそれは僕達なりの考えでしかない。
 あの八雲紫という女。あるいはその裏に何者かがいるのだとしたらそいつが別の考えをしていれば無意味だ。
 だから、最終的に僕達が戦場と定めるエリアを指定する根拠は、――僕達自身の都合で決めればいい」
「都合……?」
「相手側の事情が推し量れない以上、こちらの事情に重きをおいて決定するのが最もリスクが少ない」

敵の情報が得られないから地の利を得ようとする。
どの地に陣地を置くのが有効かわからないのなら、まずは自らが得意とする場所を陣地とする。
正しい。なんらおかしくはない。だが正しいからこそに切嗣という男の思考は不気味であった。
まるで他人事のように効率だけを重視した作戦を取る。
そしてその効率から発生する無駄や労力も必要経費だとあらかじめ割り切っているような態度だ。

普通の人間ならもっと勝利を確実にする方法はないかと躍起になるだろう。例え無駄な足掻きが不運を呼ぶとしても。
もしくはもっと素早く結果の出る決断を取るはずだ。人は己の死を窺わされた状況には長く耐えられない。
なのにこの切嗣の不可解なまでの冷静さはなんだ。
今この島の中にいる者達の中で、与えられた3日という時間をフルに使うと発想している者がどれだけいるだろう。
いくらかは無駄になると承知の上で、3日目の有利に向けて行動できる者が果たして彼以外にいるだろうか?

「作戦を本格始動させるのは最初の放送を聞き、進入禁止エリアがどういうものなのかはっきりした後になるが
 目星をつけるなら早いにこしたことはない。
 僕達が有利に戦うことができるエリアをピックアップして、その後の経過に合わせて柔軟な対応ができるようにしておこう」

そして、黎星刻と切嗣の二人が最終的に絞ったのが、地図の中央より北側、《C-2》から《C-5》までの4マスであった。

「本命は《C-2》の市街地。化物を相手にするなら逃げ込める建物は多いにこしたことはない。
 それに、建物が多ければその分仕掛けを施すことができるし、物資の調達もはかどるだろう。
 そして、そこから東の《C-3》《C-4》《C-5》を保険。《C-2》から撤退する際の猶予としておく。
 最終ラインは《C-5》のホテルだ。ここまで引くような事態に陥れば、僕は最終手段(セイバー)を出撃させる」
0188Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:40:41.36ID:cSBDvX49
切嗣の確認に、黎星刻は依存はないと頷いた。二人で考えたこの案に今のところ不備は認められない。
もし早期の放送で二人が陣地とした升目が埋められたとした場合の対処も決定してある。
《C-2》が埋まれば代わりに《D-3》を、《C-5》が埋まれば《B-4》を新しく陣地と指定する――と4つの升目を維持する。
常時、4つの升目をキープしておけば、最悪3つの升目が一度に埋まっても最低1つの陣地は確保しておけるという計算だ。

「じゃあ、まずは《C-2》へと向かうことにしよう。ガソリンなどの燃料が手に入れば色々とできることも増える」

切嗣が歩き始め、そして黎星刻もそれにならう。風にそよぐ花の大海の抜け、二人は足を西へと向けた。



――黎星刻は回想を終えると再び双眼鏡を構え、キャンプ場の中を歩く3人の少女達を見る。
あれから間もなく、二人は道路を走る車両を発見し、それがキャンプ場へと向かっているのだとあたりをつけ
相手に悟られることなく観察できるようこの位置へとついたのだ。

双眼鏡の視界の中で、おっかなびっくりといった風に周囲を探っている少女達の姿は黎星刻の想定していないものだった。
明かりを隠そうとせず、また身を隠すでもない振る舞いは黎星刻からすれば素人のそれと変わらなかった。
なんだ拍子抜けだ、こんな組み伏し易い相手がいるのか――とは、考えはできても、とても心から思うことはできない。
むしろ、視線の先にいる少女達が屈強な戦士であり、我々を手こずらせる敵であれはそれだけ楽であったろうと思う。
殺し合いを興じるために集められた者の中に、比較して力が劣る者が混じるのは至極当然だろう。
黎星刻自身においても切嗣が連れていたセイバーという者からすれば遥かに劣る存在であった。
だがしかし、あのような殺し合いや戦場とは無縁そうな、ただの一般人でしかなさそうな者がいるとは想定外だった。

勝ち残ると誓った決心という名の壁に鎚が打ちつけられる。
自分達以外の全員を殺して生を得ると誓った。ではその中に無辜の人間も含まれていたのかと。

黎星刻が自問する中、3人の少女はここには誰もいないと悟ったのか、止めてある車のほうへと戻り始めた。
双眼鏡から目を離し、黎星刻はライフルを構える切嗣を窺う。撃つなら今だろう。この男には良心の呵責など存在すまい。
今、ライフルの引き金を引けば最低二人は殺せるはずだ。
まずは一番後ろを歩いている執事服の少女の足を撃つ。そして続けざまに戦闘を歩く白人の女を撃ち殺す。
ここまでは一息だ。仕損じることもまず考えられない。
その後、残った少女が足を撃った少女を助けようとするなら殺すのは容易い。彼女を撃ちもう一人に止めを刺して事は終わる。
逆に、もし仲間を見捨て逃げ出し、物陰へと隠れたのなら彼女の命は助かる。
その場合は足を撃った少女に止めを刺すに止め、二人は何者かが銃声から狙撃手の位置を特定した可能性を考慮して
素早くこの場を離れることとなるだろう。

だが、切嗣は結局引き金を引かなかった。
3人が車に乗り込むのを確認すると、スコープから目を離して立ち上がる。

「見逃すのか?」

尋ねてみるが、顔を向けた切嗣の目を見れば彼にそんな情けや優しさがあるはずもないことが否応にも理解させられる。
彼はあくまで自らの最終目的だけの為に少女達を見送ったのだ。

「どうやら、仲間となる人間を探して地図に描かれた施設を巡っているらしい。
 ここに留まって隠れようという素振りもなかった。もしかしたら探すべき人間の当てがあるのかもしれないな。
 あるいは、彼女達が3人でいたことがそれに関係するのか……、少なくとも彼女達には“4人目”がいたはずだからね」

強い光や闇の上を渡る。車から発せられる力強いヘッドライトの光は遠く離れた場所からでも容易に確認できた。

「おそらく次はデパートに向かうんだろう。わかっていれば向こうが車でも追いつくのは難しくない。
 こんな夜中に明かりをつけて車を走らせていれば必然、通りかかった近くにいる者から発見されることになる。
 彼女達には僕達が安全に《C-2》の街中へと侵入する為のカナリア(危険発見装置)になってもらうのがいい」

やはり切嗣の考えは合理的だ。黎星刻が“考えていたとおり”でもある。

「移動しよう」

ライフルを鞄に仕舞った切嗣が歩き出す。彼の背を追って黎星刻もよどみなく歩き出した。
そう、黎星刻もまた合理的な判断をする男なのだ。どう感情が揺さぶられようと、天子の命が第一だということは変わりえない。
0189Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:41:13.99ID:cSBDvX49
 ◆


明かりを点けることもなく、僅かな月明かりのみを頼りに切嗣は山を西へと下る。
その最中、パートナーである黎星刻とは特に言葉を交わしたりはしない。必要な情報は伝えるべき時に伝え終わっている。
――そして、切嗣は彼にあるひとつの情報を伝えていなかった。

「(あの白人の女の目……)」

ライフルのスコープ越しに3人の中で先頭を行く女の紅い目を覗いたその時、切嗣は眩暈がするような感触を得た。
それは極々僅かの、常人では到底意識できないほどの僅かな霊的なプレッシャーだ。
切嗣が魔術師であり、全身を巡る魔術回路の流れに敏感だからこそ感知できた――そういう種類のものである。

「(……《魔眼》。あの女はそれに類するものを持っている。魔術師なのか、あるいは人間ではないのか)」

決して強い力ではなかったが不安要素だ。
普通の人間相手でもそうだが、相手が魔術に通じる相手かもしれないとなれば慎重に慎重を重ねて悪いことはない。
切嗣には“殺す”か“見逃すか”2つの選択肢があったが、最終的に後者を選んだのにはそんな理由もあった。
無論、黎星刻に語った理由も真である。あれに手をつけるのは自分達が最初でなくともいいというだけの話だ。

足早に山を抜け、切嗣は街中へと入ってゆく。背中についてくる黎星刻も同じだ。
切嗣と黎星刻は同盟(というには些か手順が乱暴かつ強制的ではあったが)を結んでいる。
しかし、二人が互いに生き残りの一席を奪い合う敵であることに変化はない。
生還が唯一の組にしか約束されていない以上、最終的にはどちらかが死ぬ形で決着をつける必要がある。
なので、背中を預ける男がいつ自分に対して凶刃を振るわないとも限らないのだが――

「(僥倖……いや、不幸中の幸いか)」

黎星刻がそうすることはないだろうと、少なくとも今のうちはそんな気は起こさないだろうと切嗣は確信している。
魔眼を持つ女を理解しきれず油断ならない者だとしたら、黎星刻はその真逆で完全に理解できる人間だ。
その思考パターンは切嗣に近く、腕前や戦術的傾向も近いことから実にトレースしやすい。
また目的意識も強く、それと合わせて実に御しやすい相手と言えた。

切嗣には不安があったのだ。あの騎士王と二人きりでは到底、生還の目はなかっただろうと。
ここには切嗣の手足となって動いてくれる舞弥の姿はない。
同じ主従関係であれば、どうして自分と彼女ではないのか――そう毒づきたいと思って、内心毒づいてもいた。
そこに黎星刻の登場である。おあつらえむきに彼が生きる理由(天子)を隣に置いてだ。
すぐさまに切嗣は彼を手中へと収めたが、始まって間もなくに舞弥の代わりとなる人材を得られたことは幸運だったろう。
この苛烈であろう戦いを勝ち抜くに当たって必要なもののうち半分を得たと言っても過言ではない。

後は、陣地である。それさえ手に入れば切嗣は十全に力を振るい、成し得るうちで最良の結果を導き出すことができるだろう。
その最良をもってしても生還には届かないかもしれない。
だが、切嗣の顔にそれを不安と思うような表情は全く浮かんでいなかった。

切嗣はただただ、その時その時で最もよいと考えられる結果を目指すだけだ。いつでも、どんな場合でも。






 【C-3/西部・町外れ/1日目-黎明】
0190Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:41:42.13ID:cSBDvX49
 【主:衛宮切嗣@Fate/Zero】
 [主従]:セイバー
 [状態]:健康、令呪(2画)
 [装備]:背負い袋(基本支給品)、タバコ@現実
      レミントンM700(弾数x4)+(7.62mm弾x36)@現実、グロック17(弾数x10/10)+(9mm弾x90)@現実
 [方針/目的]
  基本方針:この殺し合いを勝ち抜き生還する。
  1:立てた戦略(※)に従い、黎星刻と協力して行動する。
  2:まずは3人の少女を追ってデパートへと向かう。

 【従:黎星刻@コードギアス反逆のルルーシュ】
 [主従]:天子(蒋麗華)
 [状態]:健康
 [装備]:輪刀 覇幻@戦国BASARA、双眼鏡
 [方針/行動]
  基本方針:天子を守るためにこの殺し合いを勝ち抜く。
  1:立てた戦略(※)に従い、衛宮切嗣と協力して行動する。
  2:まずは3人の少女を追ってデパートへと向かう。

 ※衛宮切嗣と黎星刻の戦略
   色々と動き回るのではなく、特定の場所に滞在し続けその地を活かした待ち伏せ作戦などで戦闘を有利に進める。
   現在の目標は《C-2(最優先)》《C-3》《C-4》《C-5》。ここら一帯の地形の把握と物資の調達を基本的な行動とする。
   他の参加者を発見すれば適せん対処。もしどこかが禁止エリアに指定された場合、
   その分だけ代わりの陣地候補を選出し、常に4つのエリアを陣地にすることを維持する。

【レミントン M700】
レミントン・アームズ社が開発したボルトアクション方式のライフル。
高い命中精度と信頼性を誇り、古くから警察や軍隊などで狙撃銃として採用されている。スコープ付き。





 【002】


先刻、枢木スザクとその主であるユーフェミアと相対しこれを逃した信長と光秀であったが、しかし後を追うことはなかった。
常時ならば、追いつめられるならば苛烈に攻め一気に滅してしまうところだったが、生憎と今はその常時ではない。
どこぞに脅威たる者等が潜んでいるとも限らぬ状況――であれば、あのような手負いの雑兵相手に躍起になるのは愚策だ。

そして信長と光秀は道なりに進路を西へと進め、それからほどなくしてデパートの前へとたどり着いた。

「この地図にはデパートとありますが……」

さてデパートと言われても、信長も光秀もその知識の中にはないものだ。
地図を見間違っていなければこの三叉路の一角に建つ大きな建物は“デパート”のはずだが、二人には皆目得体が知れない。

「…………」

信長は目の前の建物を興味深げに見上げる。
建物の高さはおよそ十階建てくらいだろうか。並の城の天守閣よりかはよっぽど立派だ。それに造りも堅牢に見える。
装飾も周囲の建物に比して華美であり、それはこれがただの建物などではないことを表しているようにも思える。
しかし、城や砦の類ではないことは一目瞭然であった。
目の前にはギヤマン細工であろう透明な大扉が千客万来という風に開かれており、
これが城砦の類だというのならあまりにも無防備だと言えるだろう。
今は夜中であり、この見慣れぬ街の様子に対してもまだ確たるものは抱いていない信長であったが、
しかしこと西洋文化に興味を示しその実践に余念のなかった彼からすればおおよその見当もついてはいた。
0191Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:42:13.21ID:cSBDvX49
「光ぅ秀ぇ……」

僅かに開いた口から漏れる瘴気交じりの声に光秀が片膝を地について畏まる。

「余はここに興味が湧いた……貴様は、あやつらの相手をせい。殺してもかまわん」
「は?」

一瞬呆けた声を漏らし、そして光秀は“西よりこちらへ近づいてくる気配”に気づくと、「御意」と頭を垂れた。


 ◆


電波塔より出立し、世紀末後の世界では見られないあれこれに目を奪われるハートを引っ張りながらデパートの近くまで
到達したシグナムであったが、彼女達を出迎えたのは頼もしき仲間や歓迎の笑みなどではやはりなく、
道の真ん中で隠すこともなく剣呑な気配を発する男――明智光秀であった。

「ハート殿……」
「ええ、キングの仰られた通りどうやら我々とは相容れない者が現れたようですなぁ」

のんびりとした口調で、しかしその所作には一切の油断なく巨漢のハートがシグナムの隣へと並ぶ。
シグナムは刀の柄に手を伸ばすと、鯉口を切り静かに白刃を月の光にさらした。

「うふふ……これはこれは、信長公の気まぐれに感謝しなくては」

枯れ木のように細い男が裂け目のような細い口元から気味の悪い笑い声を零す。
手にするのは身の丈ほどの大鎌。その姿はまるで死者の魂を刈り取り冥府へと誘う死神のようだ。

「貴様、何者だッ!」

シグナムが男に問う――と同時に気を当てる。並みの相手ならばこの気迫にたじろぎ、怖気づくだろう。
だがしかし、目の前の男は柳のように身体を揺らすだけでなんらこたえた様子もない。

「ふふ、……そうでしたね、名乗りがまだでした。お腹が減っていたのでついつい」

男は明智光秀と名乗りを上げる。そして、

「これはこれは、食べ応えがありそうです……ねぇ――ッ!」

一際身体を大きく揺らしたかと思うと、次の瞬間大鎌を脇に構えて地を這うように突進してきた。

「避けてくださいよォ!」

一瞬で目の前まで肉薄してくると、光秀は理不尽なことを口走りつつ瘴気をまとった大鎌を一閃する。
シグナムはこれを後ろに跳び退って避けると、ぬらりと濡れた黒い刃が通り過ぎたその後を見て目を見開いた。
直に触れたわけでもないのに、まるで掘り起こされたかのようにアスファルトが捲れ上がり先が針のように天を突いているのだ。

「ぅふ♪ お上手……と、おや……?」

にわかに戦慄するシグナムの前でいやらしい笑みを浮かべる光秀だったが、その笑みがいぶかしい表情に変わる。
さて、あの巨漢の姿はどこだろう? つい先ほどまでは女の隣にいたのに……と、そこで気がついて光秀は身を捩った。

「――――ハァッ!」

月の姿を何かが遮った、と気づいた次の瞬間にハートの巨体が宙より現れ明智の身体を地面へと押し潰す。
いや、シグナムからはそう見えたが、間一髪、寸でのところで光秀はそれを避け難を逃れていた。
0192Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:42:37.11ID:cSBDvX49
「なかなかおもしろいですねぇ」

飛び退った光秀は上ずった声を上げ余裕を見せる。が、しかしそれもここまでだとシグナムは駆け出す。
アスファルトに巨大なクレーターを作ったハートもまた再び宙へと身体を躍らせ追撃に移る。

「はぁ――ッ!」

裂帛の気合と共に袈裟に斬りつける。
今一歩踏み込みが足りなかったのか、シグナムの刀は上半身を逸らした光秀の目の前で空を切った。
だが攻撃はこれで終りではない。次いでハートの巨体は再び襲い掛かる。
これも先と同じく光秀は素早く避けてみせた。だが――

「ぐ、あぁ……ッ!」

――それを見越して踏み込んだシグナムの追撃が光秀を捉えた。
二度白刃が月光を跳ね返し、鮮血と悲鳴とを濃い藍色の空に撒き散らす。

「ぃぃいい……いったぁああああいいぃぃ……ッ♪」

地面へと降り立ったハートと目線を交わしシグナムは唇の端に笑みを浮かべた。
即興のコンビネーションとしては上出来だ。手応えは充分。これならば――と、しかしなにやら様子がおかしい。

「くっ、くっ、くっ……、痛い。痛いですよ……うふふふふふふ」

シグナムの背中に寒いものが走った。
胸元を斬りつけられ赤い血をだらだらと零す男が発していたのが明らかに悦楽を含む笑い声だったからである。

「なんなんだ貴様……?」
「あはっ、あはっ……あははははははははは!」

光秀は答えない。重傷を負っているというのにも関わらず、何が楽しいのか肩を震わせて笑うばかりだ。
あまりの気味の悪さにシグナムとハートの顔が歪み、知らず知らずのうちに身体が竦む。

「この焼けるような痛みッ! あはっ♪ いいッ! いいぃ……ッ!」

ぽたり、ぽたり、と音を立てて赤い血の珠がアスファルトの上へと落ちる。
光秀の足元はじっとりと濡れ、瘴気と共に昇り立ち込める血臭が周りを少しずつ覆おうとしていた。
零れ落ちる血は全て光秀のもので、傷を負ったのも光秀だけ。
しかし、その光秀の異常(アブノーマル)が、赤と黒とが混ざった瘴気と共にこの空間を支配しようとしていた。

「――では、いただきましょう♪」

常軌を逸した笑みにシグナムの意識が麻痺する。それが恐怖だと気づいたのは次の瞬間であった。






 【C-2/デパートより西・路上/1日目-黎明】
0193Bout the city  ◆Su10.RK3MU
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2012/03/07(水) 17:43:04.10ID:cSBDvX49
 【従:ハート様@北斗の拳】
 [主従]:シン@北斗の拳
 [状態]:健康
 [装備]:背負い袋(基本支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:キングの野望に付き従う。
  1:明智光秀を倒す。
  2:C-2のデパートを中心に、物資・情報・人員を集め、正午までに電波塔に戻ってくる。

 [備考]
  ※シグナムへの信頼感が上がりました。
  ※背負い袋の仕組みに気付き、それを“魔法”によるものと判断しました。

 【従:シグナム@魔法少女リリカルなのはシリーズ】
  [主従]:八神はやて@魔法少女リリカルなのはシリーズ
  [状態]:健康
  [装備]:童子切安綱@現実、単独行動参加者探知機@オリジナル
  [方針/行動]
   基本方針:主はやてに従う。
  1:明智光秀を倒す。
  2:C-2のデパートを中心に、物資・情報・人員を集め、正午までに電波塔に戻ってくる。

 [備考]
  ※シンへの信頼感が上がりました。
  ※背負い袋の仕組みに気付き、それを“魔法”によるものと判断しました。


 【従:明智光秀@戦国BASARA】
 [主従]:織田信長@戦国BASARA
 [状態]:胸に裂傷。
 [装備]:小野塚小町の鎌@東方儚月抄、背負い袋(基本支給品、不明支給品x2(飲食物の類ではない))
 [方針/行動]
  基本方針:栄華を極めた信長に謀反を起こし、共に地獄へ行く。
  1:目の前のご馳走をいただく。






 【003】


扉を潜りデパートの中へと入った信長の目の前に広がるのは金銀財宝――そう言えるものであった。
磨き上げられた宝石や金銀で作られた繊細な細工などがところ狭しとギヤマンの箱の中に並べられている。
粒の揃った真珠の首飾りや細やかな意匠の施された金の指輪。細やかな宝石が盤面に散りばめられた時計など。
信長の知っているものもあれば知らないものまで、そして共通してるはどれも高価なものばかりだろうこと。
ここは宝物庫なのか? と、しかしそれならばやはりこの建物は無防備すぎるだろう。
やはり、この建物は商店か――と、信長は己の推測が正鵠を得ていたと頷いた。

店内は一目では見渡せぬほど広く、また明かりもついてないことから不確かだが、奥の方には織物が並んでいるのも見える。
さてしかし、信長はかようなものにはさして興味はない。
戦場で徒に着飾る必要はないし、財宝も持ち帰らなければ用をなさない。今必要なのは武器と、食料である。
おそらくはそれらもこのデパートやらにはあるのではないか。それが信長がデパートへと立ち寄ることにした理由であった。

外から目算した限りではこの建物は十階ほどの造りのはず。
目的とするものはどこにあるのか。まずは上へ上るための階段を探そうとし、そこで信長は何かに気づいて入り口へと振り返った。
0194創る名無しに見る名無し
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2012/03/07(水) 21:52:47.29ID:UZhkl7Up
ヒャッハー! 新作だぁ!!
……ってセラスらめぇぇぇぇ!! それ死亡フラグだから!

なんにしても投下乙でした!
さて、次で何人死ぬのか…。
0195 ◆Su10.RK3MU
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2012/03/08(木) 02:11:10.00ID:6yY3gk6v
さるさるって仮投下スレに投下してた分を投下します。
0196 ◆Su10.RK3MU
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2012/03/08(木) 02:11:34.69ID:6yY3gk6v
「………………むぅ」

何者かが近づいてくる音がする。先ほど光秀に対処を任せた者等とはまた別口だ。
このデパートの価値を知っている者なのだろうか。そうであるならば、こう早々に人が集まってくるのも理解できるが。

「是非もなし」

獣が鼻を鳴らすような、それでいて遥かに重く大きく響き続ける音。そしてあまりにも明るく輝く双眸。
こちらへと真っ直ぐに道を邁進してくるそれを見て、信長はスパタ(剣)を鞘から抜いた。


 ◆


キャンプ場から西へと車を走らせ道なりに山を降りてゆけば街はすぐだ。道は綺麗に整備されており時間はかからない。
セラスがハンドルを握る高級外車はものの数分で目的地であるデパートの前へとやってきた。

「ま、……また“サムライ”ッ!?」

車のヘッドライトがデパートの正面を照らし出した時、そこに浮かび上がった人影を見てセラスはうめき声をあげた。
人影は独特のサムライヘアースタイルに着物を身につけ襤褸のようなマントを羽織っており、片手には剣も携えられている。
どうするべきか? セラスはアクセルを踏む足を緩めながら考える。
戦闘を仕掛けるのも仕掛けられるのもどちらもまずい。こちら側は非戦闘員を二人も抱えているのだ。
相手は見るからに強敵だろう雰囲気を醸し出している。先に出会ったサムライと同等と計算してもセラスの手には到底負えない。
ここは撤退するしかない。ではどうすればそれが穏便に叶えられるだろうか。
相手の出方を窺おうとし、セラスは集中してサムライを両目の中に捉える。そして、その瞬間セラスの中で何かに火がついた。

「――きゃっ!?」
「何かに捕まっていてくださいッ!」

車が獰猛なエンジン音を響かせ急加速する。
後部座席からセラスに銃剣を押し当てていた奏の悲鳴が聞こえたが、セラスはそれに取り合うことなくアクセルへと力を込めた。
血走った双眸は目の前のサムライ――織田信長へ、彼の暗黒を湛える瞳へと釘づけられている。

セラスの身体の中でなにかがざわつき、堪えようのない衝動を突き上げていた。
彼女の中に流れる吸血鬼の血が、人間より作りかえられた怪物としての本性が目の前のサムライの危険さを見抜いたのだ。
例えハンドルを切って逃げ出したとしても、こちらが車で相手が徒歩だとしても、とても逃げられる相手ではないと。
“アレ”は最早ただの人間ではない。
あのアンデルセン神父と同種の化物――いや、それ以上の“なにか”であり、マスターと等しい魔性であり“敵”であると。

「う、あ、あ、あああああああああああああああああッ……!!!」

絶叫し、“逃避”する。
出遭ったが最後、引き返しても逃げられないのだとすれば“逃げ込む場所(生還の可能性)”はそこにしかなかった。

要人警護用にチューンされた高級車がそのスペックの最高速度で織田信長の目の前へと飛び込む。

つまり、――特攻(一か八か)である。






 ◆
0197 ◆Su10.RK3MU
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2012/03/08(木) 02:11:55.44ID:6yY3gk6v
「なんだ今の音は?」

闇夜を劈く雷鳴のような音にインテグラは月の浮かぶ空を見上げた。
同じく彼女と同行する5人の男女が空を見上げ、立ち並ぶビルの中を木霊する音に耳をそばだてる。

「どうやら近くで何かが破壊されたようだが……」

ハクオロの言うとおり聞こえてきた音からは明らかに破壊を伴うものだということが伺いしれた。
何か近辺で戦闘行為が行われているのかもしれない。と、すでにそれぞれの従者は主を守る構えを見せている。
ウォルターは主であるインテグラの傍に寄り、ハクオロの従者であるトウカはすでに刀を抜いていた。
そして幼き吸血鬼レミリアの瀟洒なメイドである咲夜も刀の柄に手をかけ辺りへと警戒の視線を走らせている。

「音は我々が向かっているデパートの方角から聞こえてきたように思いますが、いかがしましょうか?」

インテグラの従者であるウォルターが自らの主と、その他の二人の主へと問いかける。
破壊音のした方へと向かえば何かしらの危険があると予測されるからだ。
この6人の集団は決して非力ではないが、
仮に化物のようなものが出てきたとして拮抗できるかというと、素直に首肯できるほど強力とは言い難い。
特にウォルターの立場からすれば、本来の獲物を持たず、この中で一番非力であろう主を守って戦うのは難がある。

「だれかを斥候に立てるという手もあるが」
「ならば某が」

まずは偵察を出すかとインテグラが提案し、間を置かずにトウカがそれに手を上げた。
彼女の実力なら十全なのだろうか主であるハクオロから異論が出る様子もない。
ならばここは一度、彼女を偵察に出して様子見を――とはいかなかった。

「あの〜……」

メイドの咲夜がインテグラとハクオロに申し訳なさそうな顔を向ける。
そう、この集団の主導権を握るのは、なんでもかんでもをその稚気で赴くままに決めてしまうのは“彼女”だ。

「お嬢様はもうあちらに」

皆の視線が向かうその先には、デパートへと続く道の先を行くレミリアの背中でかわいい蝙蝠の羽が揺れていた。






 【C-2/デパート前/1日目-黎明】

 【従:セラス・ヴィクトリア@HELLSING】
 [主従]:アーカード@HELLSING
 [状態]:????
 [装備]:背負い袋(基本支給品)、グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのは(残カートリッジx6)
      ウィルソン・フィリップス上院議員の車@ジョジョの奇妙な冒険
 [方針/行動]
  基本方針:マスターに従う……が、当面は奏に従う。
  0:????
0198 ◆Su10.RK3MU
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2012/03/08(木) 02:12:29.30ID:6yY3gk6v
 【主:涼月奏@まよチキ!】
 [主従]:近衛スバル
 [状態]:????
 [装備]:拡声器@現実、ニンニクの首飾り@現実
 [方針/目的]
  基本方針:スバルを生還させて見せる
  0:????
  1:スバルに腕の立つ主人をつける(現在はアーカードが最有力候補)。自分の命は捨てる覚悟。
  2:場合によっては自分をアーカードに吸血鬼にしてもらって、スバルと共に生還する。

 【従:近衛スバル@まよチキ!】
 [主従]:涼月奏
 [状態]:????
 [装備]:トンプソン・コンテンダー@Fate/Zero、起源弾×10、通常弾×10、
      銃剣(バヨネット)@HELLSING、背負い袋(基本支給品)
 [方針/目的]
  基本方針:お嬢様を帰還させる
  0:????
  1:奏に腕の立つ従者をつける(現在はセラスが最有力候補)。自分の命は捨てる覚悟。

 [セラス、涼月奏、近衛スバル共通方針/備考]
  1:キャンプ場から病院までを時計回りに移動しながら、インテグラ&ウォルターを探し出し合流する。
  2:危険人物に遭遇した時は、逃走>撃退or捕縛>拡声器で助けを呼ぶ、の優先順位に従って行動する。


 【主:織田信長@戦国BASARA】
 [主従]:明智光秀@戦国BASARA
 [状態]:????、左足甲に軽度の刺し傷
 [装備]:キュプリオトの剣@Fate/Zero、無毀なる湖光@Fate/Zero
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫を含む全ての敵の抹殺。
  0:????
  1:デパートの中を探索し、武器や食料を得る。
  2:B-2の市場に向かい食料を確保する。






 【C-2/デパートより北・路上/1日目-黎明】

 【主:レミリア・スカーレット@東方儚月抄】
 [主従]:十六夜咲夜@東方儚月抄
 [状態]:健康
 [装備]:風見幽香の日傘@東方儚月抄
 [方針/行動]
  基本方針:八雲紫の言うことは聞かない。現状を楽しむ。
  1:デパートに向かう。

 【従:十六夜咲夜@東方儚月抄】
 [主従]:レミリア・スカーレット@東方儚月抄
 [状態]:健康
 [装備]:黒龍@戦国BASARA、背負い袋(基本支給品)、不明支給品x2
      茶葉とティーセット(一式)@現地調達、輸血用血液パック(多数)@現地調達
 [方針/行動]
  基本方針:レミリアお嬢様に従う。
  1:レミリアお嬢様に従う。
0199 ◆Su10.RK3MU
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2012/03/08(木) 02:13:04.78ID:6yY3gk6v
 【主:インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング@HELLSING】
 [主従]:ウォルター・C・ドルネーズ@HELLSING
 [状態]:健康
 [装備]:ワルサーPPK@現実(弾数x6)、ワルサーPPKのマガジン(.380ACP弾x6発入り)x6
 [方針/行動]
  基本方針:状況(バトルロワイアル)の打破。屋敷へと帰還する。
  1:レミリア組、ハクオロ組と同行しながら、殺し合いを停滞させるために動く。
  2:アーカード、セラスとの合流。

 [備考]
  ※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)

 【従:ウォルター・C・ドルネーズ@HELLSING】
 [主従]:インテグラル・ファルブルケ・ウィンゲーツ・ヘルシング@HELLSING
 [状態]:健康
 [装備]:アゾット剣@Fate/Zero、背負い袋(基本支給品)、通信用人形(青リボン)@東方儚月抄
      茶葉とティーセット(一式)@現地調達、輸血用血液パック(多数)@現地調達、不明支給品x1
 [方針/行動]
  基本方針:インテグラお嬢様に従う。
  1:インテグラを警護し続ける。

 [備考]
  ※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)


 【主:ハクオロ@うたわれるもの】
 [主従]:トウカ@うたわれるもの
 [状態]:健康
 [装備]:通信用人形(赤リボン)@東方儚月抄
 [方針/行動]
  基本方針:他の参加者と協力して八雲紫を討伐し、島から脱出する。基本的に参加者は殺めるつもりは無い。
  1:レミリア組、インテグラ組と同行しながら、殺し合いを停滞させるために動く。

 [備考]
  ※参加時期は、アニメ20話『初陣』直前。その為、まだ自分の正体(ウィツァルネミテア)には気付いていません。

 【従:トウカ@うたわれるもの】
 [主従]:ハクオロ@うたわれるもの
 [状態]:健康
 [装備]:六爪@戦国BASARA
      背負い袋(基本支給品)、大量のパンツ@そらのおとしもの、洋酒(木箱入り)@北斗の拳
 [方針/行動]
   基本方針:ハクオロを守りながら他の参加者と協力して八雲紫を討伐し、島から脱出する。
          基本的に参加者は殺めるつもりは無い。
   1:周囲に気を配り、ハクオロを守る

 [備考]
  ※参加時期はハクオロと同じく、アニメ20話『初陣』直前。その為、まだハクオロの正体(ウィツァルネミテア)は知りません。
0201創る名無しに見る名無し
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2012/03/08(木) 06:25:38.40ID:Zi6PzbD0
ハート様には脂肪フラグが立っていたんだっけか
0202創る名無しに見る名無し
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2012/03/08(木) 21:24:09.69ID:8Pf9zC0Q
>>201
くそwwwこんなダジャレでww

電波塔組の前の話は、タイトルから締めまで死亡フラグがビンビンだったからなぁw
はてさてこれからどうなるのか…?
0203創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 11:21:46.86ID:hb1tETl0
お、2順目ラストの予約が入ったか。
これで3順目以降が勢いづくといいんだけど…。
0204創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 18:57:22.96ID:wI0Ljpsn
ライダー達とイカロスってかなり距離が離れてたような……

ところで、いまFate/Zero読んでるんだけど、決まって夜に戦うのって
目立たないようにするためだけ?
それとも魔術師やサーヴァントは夜のほうが強いとかって設定あんの?
0205創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 19:02:26.56ID:9kEj+Ywv
魔術は基本的に秘匿が求められる
だから、周囲お構いなしに騒動起こすキャスター組は討伐命令が出た
秘匿してれば、別に住人に危害を加えても問題ないんだが
(何十人も原因不明の死とか、行方不明になってたら秘匿もくそもないだろうから、五次キャスターみたいな手法がベストか)

時間によって強くなるサーヴァントもいるけど、Zeroでは関係ない
0206創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 19:11:07.92ID:wI0Ljpsn
>>205
ありがとう
なるほど、秘匿の為か

キャスターより、金ぴかの鎧で街灯の上に立ってたアーチャーや
戦車で空飛んでるライダーのほうが目立ってるんじゃと思ったのは俺だけでいい
0207創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 19:33:32.82ID:PNdllIKL
>>206
魔術師は人払いの魔術を使えるから、戦闘行為に関してはある程度ゆうづう効くんだよ
子どもが何十人も行方不明になったりしたら、隠匿しようがないんだけど
0208創る名無しに見る名無し
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2012/03/12(月) 20:00:33.32ID:9kEj+Ywv
まぁ金ぴかに関しては、マスターの制御出来る範囲にいてくれないから、時臣も苦々しく思ってたけどなw
0209創る名無しに見る名無し
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2012/03/13(火) 17:12:10.13ID:mjvo/jPU
>>204
イカロスって飛行能力持ちだし他参加者より足は早いでしょ
河川に通行妨げられることもないし
0210創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/14(水) 06:23:10.06ID:jtU0THgm
もしその金ぴかが参加してたら主である時臣が従者に従う形になってただろうな
0213創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/14(水) 19:51:15.98ID:/t0z9NUa
おまひま組が気になってしょうがない
次出て来たときには挽き肉とかだったら
0214 ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:23:09.16ID:UdqlMZ/C
大変遅くなってしまい申し訳ありません。
これより投下致します。
0215創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/20(火) 21:24:25.41ID:t4Ba94fP
読み手が口を挟むことじゃないとは思うんだけど予約スレのやつ
それを言ったら、イカロスが最初にみつけるのが天文台から動かないであろうライダー組なのもおかしいってことになるだろ……
0216ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:25:24.54ID:UdqlMZ/C

 宵闇に覆われた殺戮の箱庭。その上空で息を切らせながら浮かぶ人影が一つ。
 戦略エンジェロイドタイプα、イカロス。
 満月の光を浴びて美しく輝く彼女の双翼は、しかしそれを開かせた代償として、さながら桜の花弁のように、一枚また一枚と止め処なく舞い落ちていく。
 主と定めた少年――桜井智樹を守るべく、それ故にこそ智樹の許を離れた彼女は今、ゆるやかに崩壊しつつある肉体の苦痛に苛まれながら、
 しかし、その悲痛な覚悟と状況とは裏腹に、言葉にすると些か間抜けな、しかし、極めて重大な問題に直面していた。

「…どっちに行けばいいのか…わからない…」

 この殺し合いの最初、主催たる八雲紫は言っていた。
『――皆様にはこちらが用意した土地へと移動していただき、その土地を舞台に殺しあっていただきます。
 同時に地図を配りますが、まずそこから逃げ出すことを禁則とします』
 と。
 しかし今のイカロスには、目に映る範囲のどこまでが「用意された土地」で、
 どの方角に進めばより多くの参加者と出会えるかという中(あた)りを着ける事もできなかった。
 その原因というのは全くもって迂闊な事に、彼女が支給品の地図を検める前に単独行動に移ってしまった事にあった。
 兵は神速を尊ぶという言葉はあるが、しかし、「焦る」のと「急ぐ」のは違うのだ。
 確かに、支給品から手榴弾を確認するなり即座に使用した事で、近くに潜んでいた参加者を殺害する事はできた。
 しかし、取るべき道を決める前に、或いはそれと同時に進むべき道――この場合純粋に進行方向という意味だ――も決めておかなければいけなかったと、
 今更ながらにイカロスは大きな後悔の感情を胸中に抱いた。
 地図が無いとなると、めくらめっぽうに動き回って参加者を探さないといけないし、
 それ以前に、まかり間違って会場の範囲を越えてしまって処罰などされようものなら、笑い話にもなりはしない。
 ルール違反などで自分が早々に脱落してしまっては、一人残された智樹がこの闘いを勝ち抜く事など、どう考えても不可能となる。
 ほんの僅かな焦りが、一時間と経たない内にあまりに大きな問題点を発生させてしまっていた。

「ここは島……みたいだけど……」

 ぐるりとイカロスは周囲を見渡す。
 空は未だ夜の闇に覆われているが、満点の星々と満月の灯りがある事もあり、戦略エンジェロイドたるイカロスの目(センサー)を以ってすれば、
 幾らかのデチューンが施されているとは言え、周辺の地形を見渡すぐらいは難しい事ではなかった。
 まず直下には洋館と湖。そしてそこから周囲に広がる河川と山林。
 その先へと目を向ければ、西と南には市街地。その先にはうっすらと海岸線が見える。
 東には南から伸びる市街地の外れと、その先には荒涼と広がる平野と、やはりまた海岸線が。
 生憎と北の方は、今の自分の高度と同じぐらいの高さの山があったり――今の彼女には判らぬ事だが他の方角と比べて海が遠い事もあり、
 この土地が大きな島であると断定する事はできなかった。

「……誰かに会ったら、地図も手に入れないと…」

 誰に言っているわけでもないのだが、敢えて「奪わないと」とは言わなかった。
 兎に角、地図さえ確認できれば、この会場の範囲も、どの場所、どの方角に人が集まりそうかも判る。そうして初めて、効率的に動けるようになる。
 そうイカロスは判断すると、朽ちゆく身体に鞭を打って翼を羽ばたかせ、先程見た北の山へと向けて飛んで行った。
 この時当然の事ながら彼女の翼の羽が何枚も抜け落ちていったが、彼女にとって幸か不幸か現在、進路上の直下には、他の参加者はいなかった。
 ほんの少しタイミングが違えば、そこを三人の参加者を乗せた車が通りがかっていたのだが、それはいまやifの話である。
0218ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:27:44.49ID:UdqlMZ/C

 ちなみに、彼女が進路を北に取った理由は二つ。
 一つは、ここが島だと仮定するなら、陸上でいきなり「用意された土地」が途切れていると言う事は無いだろうという合理的な判断。
 もう一つは、北の山に目を向けた時、その頂上に聳えていた建物と、そこからほんの一瞬だったが、人工の光が漏れたのを見逃さなかったからだ。

◇◇◇

 そして一方、その山の頂上に聳え立つ天文台の監視ルームでは、霧雨魔理沙のお手製魔導書を1頁1頁熟読しながら、
 時折『魔法の燃料』と記された物体と記述を見比べたり、そして記述内容のトンデモ加減に頭を悩ませたりしているウェイバー・ベルベットと、
 その傍らで大層退屈そうに、建物内外の監視カメラが映し出す映像をじーっと眺めているイスカンダルの姿があった。

「うーん…やっぱりこれだけじゃあ殆ど何の助けにもなりそうにないなぁ…」
「ンム? “殆ど”という事は、多少はその茸と魔術書の有用性を見出せたのか?」
「本当ににごく僅かだけどね。精々初等魔術の補助ができそうってぐらいだよ」

 脇からかけられるイスカンダルの質問に、ウェイバーはそちらを振り向く事無くそう端的に応答する。
 かれこれ一時間近くは黙々と魔導書に首っ引きになっていたウェイバーだったが、その成果はと言うと芳しくなく、
 そこに記された他の媒体や実験器具などが今この場に無い事――科学の結晶たる天文台の中だから当然なのだが――もあり、
 自然と弱気な呟きがはぁ、と重い溜息と共に零れ落ちていた。
 特に実験器具などは、わざわざ聖杯戦争に挑むに際してイギリスから持ってきた自前の物で充分に代用できていただけに、彼の落胆も一入(ひとしお)だった。

 余談だが、この際に魔導書の頁は自分の指ではなく、魔力を注いだクラールヴィントを操作して捲っていた。
 殆ど力も要らない、ただ頁を捲るだけという作業ならば、魔術師としてまだまだ未熟なウェイバーでも容易に行えるので、
 少しでもこれの扱いに慣れておこうという考えからの行動だった。

「まだ全部読みきった訳じゃないけど、この分だとどうにも望み薄だなぁ…」

 と、そう意気消沈して再度呟きを零すなり、びゅう、と冷えた夜風が室内に吹き込み、魔導書の頁をパラパラと一気に捲っていった。
 何事かとウェイバーが風の吹いてきた方向を見ると、そこではイスカンダルが入り口のドアと、そこから続く廊下の一番近くの窓とカーテンを開け放っていた。
 
「なんだ情けない。少しでも成果があったのならもうちょっと前向きになれんの――」
「何をやってやがりますかこの馬鹿はぁぁぁ!!」

 慌ててウェイバーは魔導書を机に置いたまま、裏返った叫び声をあげながら部屋を出て開け放たれた窓まで駆け寄ると、
 一息にそれらを閉めて息を荒げ、ずい、とライダーに詰め寄った。

「なんで監視カメラを見てろって言ったのに、逆に人に見つかっちゃうかも知れないような事やってんだよぉ!」
「いやだってな、坊主は本を読んでるからいいが、ずっと変わらぬ光景を見せられてては、退屈にもなるわい。
 それに風の一つも浴びれんでは実体化している意味が半減してしまうではないか。いくら戦場にいるからといってそれはあまりに勿体無い」
「その変わらない光景が変わった時にすぐ気付く為の見張りじゃないか!
 …とにかく、最初の放送を過ぎれば遠からず外には出る事になるだろうし、今はちゃんと見張っててくれよ」
「わかったわかった」
0219ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:29:09.94ID:UdqlMZ/C

 豪放磊落な己の従者の態度にウェイバーは三度重い溜息を吐きながら、その従者と連れ立って監視ルームに戻り、開きっぱなしの再び魔導書に再び目を落とした。
 頁は風で捲られたせいでかなり先まで進んでおり、そしてそこに記されていた内容は、
 それまで読んでいた「霧雨魔理沙の魔術や実験の成果」ではなく、彼女がこれまでに目撃したという、
 彼女の知己の魔術師達の魔術について記されている頁だった。

「ええと、さっきまで読んでた頁は……!?」

 クラールヴィントで頁を繰り戻そうとしていたウェイバーだったが、最初に流し読みした時には気付かなかったある記述に、不意に目が留まった。
 その記述とは、霧雨魔理沙の知己であるというパチュリー・ノーレッジという女魔術師の魔術に関する一文の更に一部にあった。
 彼女に近しい者らしき、ついさっき参加者名簿で見た覚えのある、“レミリア”という名前が。
 急ぎ参加者名簿に手を伸ばし、確認を取る。果たしてやはりそこには、“レミリア・スカーレット”という名前が記されていた。

(こいつ、この魔導書の持ち主の知り合いなのか? いや、単なる偶然かも知れないけど、もしそうなら色々と訊きたい事が――)

「坊主!!」

 参加者と支給品の接点に考えを巡らせていたウェイバーだったが、不意にかけられたライダーの呼びかけによって、意識を引き戻された。
 尋常ならざる様子に何事かと振り向くと、ライダーは「あれだ」と言って監視カメラのモニターの一つを指差した。
 そのモニターは外部の監視カメラの内の一つの映像を映し出しており、そこには宵闇の向こう側から、
 何か輝く物体が水平に、しかもかなりのスピードで近付いているのが見て取れた。
 そしてそのカメラが設置されている場所は、ウェイバーの記憶が確かならば、つい今し方ライダーが開け放った窓のすぐ側の外壁に――

「うわあぁっ!!」

 事と状況を理解したウェイバーは、即座に部屋の北側に駆けて頭を抱えて床に伏せ、
 ライダーはそんなマスターを守らんと、機巧槍・黒王を水平に持ち上げて構え、南の方角を向いてどっしりと仁王立ちの構えをとる。

 直後、ライダーの眼前の壁が轟音と共に破壊された。
 もうもうと立ち込める粉塵は、しかし瞬く間に夜風に流され、そこに現れた者の姿を露にする。

「エン……ジェル……? いや、サーヴァント…なのか?」

 おそるおそる面を上げたウェイバーが目にしたのは、白銀の翼を広げ、磨かれた紅玉のような瞳でこちらをじっと見据える、
 あまりにも人間離れした出で立ちの、まさに天使としか形容し得ない神秘と美しさを湛えた若い女性だった。
 しかしその肢体は傍から見ても、明らかに今の吶喊に拠るものではない裂傷がそこかしこに生じており、
 さながら完成された背徳的な絵画のような雰囲気をも併せ持っていた。
 そして、その傷の中で最も広範囲に亘るものを抑える左手の甲には、見間違えようも無い青い星(☆)が在った。

「いやぁ、こいつは聖杯戦争のサーヴァントじゃないな。もしそうなら余がそうと解るわい」

 確かに、クラスによって差があるとは言え、サーヴァントはそれぞれ同族の気配を察知する事ができる。
 『気配遮断』のスキルを有するアサシンが相手ならそうとも言い切れないが、
 隠密行動を主とするアサシンが、そのスキルが意味を成さない程に自分の存在を露にするのはまず在り得ぬ事態であるし、
 そもそもなにより、アサシンは既に聖杯戦争から脱落している事は、ウェイバー達も既に把握している。
0220ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:31:41.50ID:UdqlMZ/C

「そ、そっか。じゃあこいつは文字通りの意味での従者(サーヴァント)って事か。聖杯戦争の外から御三家のせいでこの殺し合いに巻き込まれた…」

 ウェイバーが誤解の混じった得心の言葉を口にするのとほぼ同時に、件のエンジェル――イカロスはその背から伸びた双翼を収納してみせた。
 これは勿論、オーバーフローによる全身へのダメージを抑えるためであり、事実、彼女の全身の裂傷は、それを境に少しずつだが塞がれていく。
 だが、紅い瞳は相変わらずその輝きを爛々と湛えており、『空の女王(ウラヌスクイーン)』モードまでは解除していないと言う事である。
 そしてそれはすなわち、彼女が戦う意志は微塵たりとも捨てていない事の現れである。故に――

「むおっ!」

 イカロスは手刀を振りかぶり眼前のライダーへと襲い掛かりるが、その一撃はライダーの迅速な防御により、左の籠手を破砕するに留まった。

「やれやれ、問答無用とはな。だがよい一撃だ。早速胸の高鳴りそうな戦いができそうだわ!」

 イカロスの力の程をその身を以って認識したライダーは、大口を開けて豪快に笑い、これからの戦いに心底からの悦びを覚え、
 その一方でウェイバーは、最初にイカロスを見た時、彼女の傷付いた有様から「他者の襲撃に遭いここに逃げ込んできた」線も考えてはいたのだが、
 その甘過ぎた思考を一瞬で吹っ飛ばされていた。

◇◇◇

 開戦の狼煙を上げたイカロスの一撃から数分、既に双方で三十合を越える打ち合いが行われていた。
 互いに無手――ライダーの方は獲物が大き過ぎて使うに使えないだけだが――での戦闘は、しかしあまりに激しい衝撃を伴い、
 その余波だけで既に、手狭な監視ルームの内部はあちらこちらが損壊していた。
 監視カメラもその殆どがモニターを割られて機能を停止させられ、壁や天井も微細なヒビが所狭しと走っている。
 ただちにこの部屋を崩落させるほどの深刻な物は無いが、このままの勢いで戦闘が続けば、或いはそれも時間の問題だろう。
 ちなみにこの間ウェイバーはと言うと、初めて目の当たりにするサーヴァントの戦闘に完全に気圧され、
 ただひたすら巻き添えを喰らわないよう、ライダーの背後側の部屋の隅で、部屋にあった置き机に拙い『強化』の魔術をかけて眼前に立てかけ、
 必死の思いで身を守っていた。

 兎も角この戦闘は、外部からの無粋な介入も無く、完全に膠着状態にあった。
 純粋な戦闘力だけなら、兵装を没収され、自壊を防ぐ為に翼と共にオーバードライブ状態を解除したイカロスよりも、
 かの伝説の征服王にしてサーヴァントたるライダーの方が遥かに上回っているのだが、如何せんこの監視ルームはあまりに狭く、
 埒外の威圧感と筋力を誇る彼の巨躯が逆に災いし、また、マスターたるウェイバーを巻き込みかねぬ為、全力を振るう事ができないでいた。
 しかしそれでも尚、イカロスの攻め手はライダーに対し一切の有効打を与えれずにいた。
 オーバードライブを解除した事で自己修復機能も十全に働いているのだが、ライダーの一撃一撃は非常に重く速く、
 回避すればその分疲弊し、防御すればその上からでもダメージを受けるので、結局は僅かずつながらダメージが蓄積されていた。
0221ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/03/20(火) 21:32:34.39ID:UdqlMZ/C

(強い…!)

 イカロスは瞳だけは冷酷なままに、しかし内心はひたすら焦燥していた。
 篭城策を決め込んでいた(とイカロスは思っていた)敵の戦闘力が想定外に高く、このまま戦闘を続けていても勝機が見えてくる計算ができない。
 であれば、ここは最低限の目的を達成するに留め撤退するべきだと、彼女は判断した。
 不幸中の幸いと言うべきか、接触時にこちらを即座に攻撃してこなかった事や、篭城策を採っていた事からも、
 相手がこの殺し合いに積極的では無い事は充分に見て取れたので、ならば智樹に害を為す可能性は低いだろうというのもその判断の一因だ。
 勿論その判断を過信するわけではないが、ここでたった二人の参加者相手に時間を取られすぎては、
 それこそ智樹の命が危ぶまれる確率を跳ね上げてしまう。それだけは絶対に避けねばならない事だった。

 そうと決めれば、イカロスの行動はより早く、そして速かった。

「むぅっ!?」

 十八発目のライダーの一撃を回避すると、今度は反撃に出る事無く、回避行動の慣性のままに部屋の端に滑り込み、
 放置されていたウェイバー達の背負い袋を掠め取ると、更に「ひっ!」と縮こまるウェイバーをも無視してその正面を駆け抜け、
 入って来た時と同じ様に、一瞬だけオーバードライブ状態を再動させ、今度は北側の壁を体当たりで破壊し、そのまま宵闇の下へと飛び出していった。

「ッ…捕まえろ、ライダー! あいつにも聞きたい事は色々ある!」
「応とも、もとよりそのつもりよ! 逃がすものかよ、AAAALaLaLaLaLaie!!」

 慌てたウェイバーが立ち直って出した命に百も承知とライダーも応え、床に置かれた機巧槍・黒王を手に取ると部屋の外まで追いかけ、
 それを振るうに充分な広さを得れたのを確認し、逃走するイカロスの背に向けて、「逃がすまい」と思い切り横回転をかけて黒王を投擲した。
 串刺しにして言葉通り討ち取るつもりは無い。「勝利してなお滅ぼさぬ」が、彼の“征服”の信条の一つである。
 そして狙い過たず、高速で回転する巨槍は白銀の翼を生やしたイカロスの背をしたたかに
0224ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
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2012/03/20(火) 21:35:01.70ID:UdqlMZ/C

「……ありゃ!?」

 確かに逃げるイカロスの背を捉えたと思った黒王は、しかし次の瞬間には彼女の手に握られ、
 加わった重量の分だけ勢いを弱めながらも、なんともシュールに彼女ごと回転しながら、宵闇の向こう側へと消えていった。

(…ありゃあ追いかけても追いつけんなぁ…。まあ考えるのは坊主に任せるとするか)

 仕方ないと早々に追撃と黒王の奪取を諦めると、ライダーは拳で自分のこめかみをぐりぐりと弄りながら、
 すっかりと風通しの良くなっってしまった背後の監視ルームに向き直った。

 当然の事ながら、事の顛末を聞いたウェイバーは一頻(ひとしき)り驚愕、絶叫した後ライダーのデコピンを喰らって蹲り、
 これからどうしようかと大いに頭を悩ませる羽目になった。 




【B-3/天文台・監視ルーム/1日目-黎明】


【主:ウェイバー・ベルベット@Fate/Zero】
 [主従]:ライダー@Fate/Zero
 [状態]:若干の精神的疲労、令呪3画
 [装備]:参加者名簿(基本支給品)、クラールヴィント、お手製魔導書、魔法の燃料
 [方針/行動]
  基本方針:生きて元の世界に帰る。
  1:これからどうしよう……。
  2:他のマスター/サーヴァントと接触して情報収集と現状把握。
  3:レミリア・スカーレットに会えたら、この魔導書の持ち主の事等について詳しい話が訊きたい。
  4:エンジェル(イカロス)を警戒

 [備考]
  ※参加時期は、最初のアサシンが敗退した晩からセイバーとランサーの戦いに乱入するまでの間です。


【従:ライダー@Fate/Zero】
 [主従]:ウェイバー・ベルベット@Fate/Zero
 [状態]:心地よい疲労
 [装備]:なし
 [方針/行動]
  基本方針:戦い、そして勝利する。
  1:よい戦いができたが、相手を取り逃したのと武器を失ったのはちと痛いのう。
  2:ライダーとして、征服王として、航空宇宙展示場にある色んなものに興味がある。


 [備考]
  ※参加時期は、最初のアサシンが敗退した晩からセイバーとランサーの戦いに乱入するまでの間です。

0225ストレンジ・エンカウンター ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/03/20(火) 21:36:07.27ID:UdqlMZ/C

◇◇◇

「私以外に、時間を止めれる参加者がいる……!」

 山の麓で、イカロスは口にしたその事実に感謝と焦燥の念を同時に覚えていた。
 右手にはつい先程、「ライダー」と呼ばれた巨漢に背後から投擲された巨槍が握られている。

 あの瞬間、あまりに速い風切り音の接近に気付いた時には既に為す術無く、彼女は巨槍に背を強打されて地に墜ちる事を覚悟した。
 だがその瞬間、その槍も含めて、世界の時間が「止まった」のだ。
 それは彼女には知る由も無いが、まったく幸運な事に、たまたま同時刻、この島のある場所で、あるメイドが時間を止めてみせたのだ。
 そして更に幸運な事に、イカロスは停止した時間の中を動く事ができる機能が備わっていた。
 停止した時間こそ数秒にも満たなかったし、現状の消耗と先の戦闘結果を鑑みるに、その槍を奪取して反撃に移るというのは愚策と判断した為、
 高速で飛来する巨槍の慣性に身を任せ、彼女はより安全に戦場を離脱する事に成功した。
 結果、イカロスを乗せた(?)巨槍は山の麓に墜落し、その時点で彼女は再びオーバードライブ状態を解除した。

 とは言え、自分以外に時間を止められる参加者がいるという現実は、やはり非常に重いものだった。
 もし、智樹がその参加者と遭遇し、その人物が悪意を持って時間を停止させたならば――

「急いで見つけないと――!!」

 イカロスは決意を新たにすると、同じくウェイバー達から奪取した背負い袋を開いて中から会場の地図を取り出し、
 他の参加者が集まりそうな場所を考え始めた。




【B-2/山の麓/1日目-深夜】


【従:イカロス@そらのおとしもの】
 [主従]:桜井智樹@そらのおとしもの
 [状態]:全身に軽度のダメージ(自己修復機能により少しずつ回復中)、『空の女王』状態(身体能力上昇)
 [装備]:機巧槍・黒王、背負い袋(参加者名簿を除く基本支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:マスター以外の全参加者の皆殺し。“時間を止めれる参加者”を最優先。
  1:地図を見て地理を確認し、人の集まりそうな場所を探す。
  2:掛けられた制限をなんとかする。
  3:ライダーと“時間を止めれる参加者”を強く警戒。
 [備考]
  ※参戦時期はカオス戦(1回目)終了後です。それ以降の出来事はまだ知りません。


[共通備考]
 ※B-3天文台〜D-4洋館間に、イカロスの羽が散らばっています。
 ※天文台の監視ルームは南北の壁が全壊、監視カメラを含む内部の殆どが損壊しています。

0226 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/03/20(火) 21:40:15.90ID:UdqlMZ/C
これにて投下完了です。
今回は締め切りをぶっちぎってしまい、誠に申し訳御座いませんでした。
そしてご支援有り難う御座いました。
また、>>212さんや>>215さんが仰っておられるように、今回の展開は自分でも強引だとは思っております。
ご意見ご指摘等は、お手数ですがしたらばの議論スレの方にてお願い致します。
0228創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/20(火) 21:52:05.67ID:kki6MOoo
投下乙です。
でも書き手のお二方とも、今度は遅れないでくださいね! 心配になっちゃいますw

そう言えばイカロスって時間停止無効でしたね……これはまたなんとも……。
ってか、スザク逃げて超逃げてー!!
0229 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/03/21(水) 01:00:32.17ID:Yk2bNeHD
重ね重ねすみません。誤記誤植の修正ですorz

>>219
再び魔導書に再び → 魔導書に再び

>>224
風通しの良くなってしまっった → 風通しの良くなってしまった

>>225時間表記
深夜→黎明
0230創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 12:31:50.85ID:BucKDoTW
投下乙です

ちょっと気になったのですが、咲夜の時止めが天文台まで効果があるというのは大丈夫なんでしょうか?
0231創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 15:59:10.77ID:pSQEWlXy
投下乙

時止めはどこまで効果があるというのは、時間そのものに干渉すると考えればそれはもう世界全体の時間が止まってると考えていいかもしれない
そういう意味では時間停止能力者が他者の時間停止を感知・適応できるというのは特に異論は無いんだけど、そうするとこれから先時間止まるたびにDIOとイカロスと咲夜は反応しなきゃいけなくなるね
0232創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 16:28:33.31ID:Wp+VsXkB
JOJO的に考えるなら『同じタイプ』の能力者同士が相手を認識してないと分かんないもんらしい
0233創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 19:27:49.36ID:gff6oTL2
>>231
だよなあ
どうしても筋道を通すなら、「時間停止の有効範囲は半径1kmまで」とかいう制限を後付けするぐらいしか思い浮かばんわ俺
三作とも原作で「遠方に同じ時間停止能力者がいる」とか、「時間停止に有効範囲がある」とかいう設定が無かったから、
最初の話し合いの時に誰も有効範囲を制限するって発想が無かったのかも
個人的には遠方の時間停止が他の時間系能力者に有利に働くって発想は凄く好きなんだが…

そういや余所の話だが、ニコロワβって確かDIO様と咲夜さんが同時出演してたよな。あれで同じ様な展開ってあったっけ?
0234創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/21(水) 19:57:56.28ID:0Q521bun
投下乙です

今回の場合は咲夜の時止めの後にイカロスの話が投下されたからまだいいけど
今後は今回の逆で、イカロスの話があるがために
咲夜やDIOが時止め使うと矛盾が生じる、なんてことも考えられるな

とりあえず、これ以上は議論スレいこうか
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/15038/1319268687/
0236創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/23(金) 03:18:50.56ID:IAuXkXwJ
このロワでいちばん書いてる書き手が大丈夫だって言ってるのに
破棄する必要がどこにあったのかさっぱりわからん
0237創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/23(金) 11:07:10.38ID:Z6QQbdzj
なんで一番書いてる書き手が大丈夫だっていったら大丈夫なのかさっぱりわからん
ちゃんと他のレスも読みなよ
このままだと今後の展開にも影響が出るからだろ
0239創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/23(金) 12:13:05.90ID:IAuXkXwJ
>>237
読み手様乙
破棄を求めてる書き手がいないのに、いったい誰が困るんだよ

作者も、自分自身が今後困るから破棄するってことならはっきりそう言うべきだし、
そうじゃないなら大丈夫の一言で通すべき
気を使うところ間違ってるよ
0240創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/24(土) 00:19:58.19ID:Hlh4ZTie
この程度で読み手様認定とかワロタ、むしろこの期に及んで見苦しく喚いてる君が読み手様に近いんじゃないの?
それともレベルを合わせて、口を開けば書き手書き手の信者って呼べばいいのかな?

別に破棄されようが破棄されまいがどうでもいいんだけどど、結果に関して納得がいかずグチグチ言ってるのが滑稽だから何かしら適当な理由をつけて諭そうとしただけだよwwww

0243創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/03/25(日) 15:19:29.51ID:C48Vb6EK
東方は殆ど知らないんだけど、外見だけなら、このロワの参加者の中だと妖夢がいちばんかわいいと思うんだ
0252創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/08(日) 13:06:25.34ID:7b+s5Y8a
hosyu
0254 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:47:03.02ID:uhhzhPNI
これより投下致します。
0255ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:47:52.83ID:uhhzhPNI


 時々―――否(いや)、割と頻繁に、幽々子様が何を考えているのか解らなくなる時が在る。
 その時その時の言動に、理解が至らなくなり、ただ言われるままに従い、或いは翻弄される。
 なんて事の無い日常の一時や、異変が起きた時や、宴会に興じている時や……思い返せばきりが無い。
 けれど、何も考えずに私を振り回していた事は、ただの一度も無かった。
 事が終わればその時は不可思議に思った言動も理解できる。そういった結果を、幽々子様は常に見せてくれていた。
 ただ最初の時点では私の思考が及ばないだけで、幽々子様は常に様々な考えや動機から、一見奇妙奇天烈とも言える言動を見せるのだ。
 ……尤も、それが常に私の納得のいく動機であるとは限らない訳だが。


 実際、今の幽々子様は特に何を考えているのか解らなかった。


◇◇◇

「確か方角はこっちで合ってたわよね、妖夢」
「ええと…はい。この深い森に沿ってこのまま真っ直ぐ進めばすぐに到着します」

 数歩だけ先を行く幽々子様の問いかけに、私は地図を確認してそう答えた。

 先刻の蟲使いだか死霊魔術師だかの少女との戦闘後、まず私達は、支給された背負い袋に入っていた地図と名簿を確認した。
 本来ならここに飛ばされてから真っ先に済ませておくべき事だったのだろうけれど、最初に支給品を確認した直後にはもう、
 幽々子様は先刻の少女の臭いに引かれて目の届く所から離れてしまっていたので、慌てて確認作業を中断してその捜索に乗り出さざるを得なかった。
 ちなみに、いつの間にか手元に無かった私の白桜剣や桜観剣、幽々子様の扇子といった私達の持ち物はおろか、武器になりそうな物も一切無かった。
 あればすぐに手にしている。いざと言う時に幽々子様をお守りできないなんて事があってはならないし。

 まあ兎も角、微妙に不自然な山林の広がり方と、小さく聞こえた川のせせらぎから、私達は現在地を地図でいうところのE−3と判断し、
 そこから最も近く、かつ森の形状がそのまま道標になっていて場所が判り易い鍾乳洞を、取り敢えずの目的地と定めた。
 南に行けば町もあったけど、そっちは先刻の少女達が逃げて行った方向で、そして何故か幽々子様は、彼女達を追う事を由としなかった。
 「出会ったのを全部のしていけばいい」と言ったのは幽々子様ご本人だったのに、“逃げた相手”は追わないらしい。
 それが今だけの事なのか、それともこの《異変》の間中は常に取り続ける方針なのかもまた、今の私には理解できなかった。
0256ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:48:30.12ID:uhhzhPNI

 そもそも、今回のこの《異変》は解らない事だらけだ。
 紫様がこの異変を起こした理由も、そこに私達や名簿に名を連ねられた紅魔館と永遠亭の面々を巻き込んだ理由も全く解らない。
 幽々子様はどうかは知らないが、少なくとも私は紫様から、私達をこんな《異変》に巻き込むという話を聞いた覚えが無い。気が付いたらあの庭にいた。
 それ以前の最後の記憶は、なんて事の無い日常。確か庭の木々の剪定をしていて、幽々子様に夕餉を要求された時だったと思う。
 最近で特に変わった事と言えば、つい先週まで、幽々子様と一緒に1ヶ月間も月の都の宮殿に潜んでいた事だ。
 …まあそれはさて置き、紫様が幽々子様や紅魔館の当主の吸血姫、そして永遠亭の姫君までもこの物騒な《異変》に巻き込んだというのは、本当に不可解極まる。
 紫様がどれほど幻想郷を愛されているかは幽々子様から聞かされて知っているし、私も何度かお会いしているので、それは実感している。
 たぶんだけれど、もし幻想郷が何者かの意志で存在の危機に脅かされでもしたら、きっと紫様は烈火の如く憤怒し、その者を殺そうとするだろう。
 だからこそ解らない。紫様がこの《異変》に、幻想郷のパワーバランスの一旦を担う勢力の当主を巻き込んだ事が。
 まず在り得ない事だとは思うけれど、万が一あの人達がこの島で命を落とすような事になれば、幻想郷の理にどれだけの影響を与えるかは計り知れない。
 頭を失った大勢力は、悲嘆にくれるだけならまだいいが、犯人が判ろうが判るまいが復讐に逸り、幻想郷中を闘争の渦へと変貌させかねない。
 或いは、頭を失い混乱した勢力を併呑しようと目論む輩も現れるかも知れない。あの新参の山の神なんかは、まだまだ判らない事が多過ぎるし。
 だからそんな事になりかねない事を紫様が望むとは、やっぱり到底思えなかった。
 だとすればいったい、紫様は何を考えて―――



―――ゴヅッ



「〜〜〜〜〜〜…ッ!!」

「あらあら妖夢。考え事ばかりしてて。ちゃんと前を見て歩かないと危ないわよ?」

 …いつの間にか着いていた目的地の低い入り口に、私はしこたま額を打ちつけた。
0257ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
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2012/04/13(金) 19:49:19.06ID:uhhzhPNI

◇◇◇

 身を屈めて鍾乳洞の中へと入り、時々飛び出してくる蝙蝠におっかなびっくりしながら四半里(500m)程進んだところで、
 私達はそれまでの道程と比して比較的平たく広げた場所に出た。ちょっとした土蔵か、古びた広間のような雰囲気だ。
 壁際には澄んだ水を湛えた小さな泉があり、中央にはおあつらえ向きに卓袱台(ちゃぶだい)のような形の岩があった。
 泉の水は卓袱台岩を挟んで広間の反対側の隙間からちょろちょろと流れてきていたが、その隙間は狭くてとても人が通り抜けられるようは幅は無く、
 また、それ以外にも、そして入り口ここに到着するまでに通った道以外に通れそうな道も無く、実質この鍾乳洞はここで行き止まりだった。

 取り敢えず私は背負い袋を地に下ろして中から支給品を全て取り出し、卓袱台岩の上にそれらを広げ、幽々子様と手分けしてそれらの確認作業に入った。

「あら……ねえ妖夢。あなたの桜観剣、他の人への支給品になっちゃってるみたいよ」
「えぇっ!?」

 一番最初に確認したとおり武器の類は無く、あった物はと言えば、妙な素材の衣服、不気味な兜、透明な徳利に入った液体、薄い冊子の四品で、
 私が衣服と兜を検分していた時、冊子を読んでいた幽々子様からかけられたその言葉に、私は大慌てで飛びついて冊子の開かれた頁を覗き込み、心底からの焦燥を覚えた。
 『支給品目録・上巻』と銘打たれたその冊子を先に読まれていた幽々子様によると、
 この冊子には一頁につき一品ずつ、この《異変》の参加者に支給された道具の写真や詳細な情報が記されているとの事で、
 ごく普通の日用品や琉球のお菓子、わけのわからないものや外の世界の武器に混じって、私の桜観剣の詳細もしっかりと載っていたという訳だった。

「ひどいですよ紫様…どうしてこんな…」

 私がずっと手にし続けてきた一振り。それに愛着が無い訳が無く、それが手元に無いばかりか誰とも知らない他人の手に渡ってるかも知れないという事実は、
 私の心をそれなりに強く打ち付けた。

「まあまあ妖夢、他の幻想郷の面々の手に渡ってる可能性もある訳だし、これでも飲んで少し落ち着きなさいな。美味しいらしいわよ?」

 透明な徳利に入っていた液体をその蓋をしていたお猪口に注ぎ、幽々子様が私に勧めてくれた。


 ―――後で考えればそれが途方も無く低い確率である事も、そもそもほぼ須(すべか)らく意地の悪い幻想郷の強者の手に渡ってる方が、
 かえって簡単には返してくれないんじゃないかという事もその時の私には気付けず、
 幽々子様に勧められるまま二杯、三杯と確かに美味しいにその液体を飲み続けた。
 その軽率で無思慮な行動が、後でどんな事態に発展してしまうかも知らずに……。
0258ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:50:16.90ID:uhhzhPNI


◇◇◇


「――かえしてー……私の桜観剣、かえしてくださいー……ムニャムニャ……」

 静謐極まる鍾乳洞の最奥部の広間に、夢の世界へと旅立った妖夢の寝言だけが響き渡る。
 突然彼女がこの様に眠りに落ちた原因は、当然の事ながら、先程幽々子に勧められた液体にあった。
 その液体が酒だったという訳ではない。それなら妖夢も気付いただろうし、気付いた時点でそれを飲むのをやめていただろう。
 何せ前代未聞の《異変》に巻き込まれたという非常事態下なのだ。僅かでも酩酊してしまう可能性などは避けようとしただろう。 
 だが、その液体――と言うかただのペットボトルのジュースだったのだが――が彼女にとって未知の物であった事と、彼女の精神が若干なれど消耗していた事、
 そして何より信頼する主に勧められた物だったという事が、そのジュースに混入された睡眠薬の存在に、最後まで気付かなかった最大の要因だった。

「やっぱり半人半霊だと効き目も半分くらいみたいね。あの本にはかなり強力だって書いてあったのに。結局一本全部飲ませちゃったし」

 寝言が漏れるという事は夢を見ていると言う事。夢を見ていると言う事は眠りが浅いという事である。
 幽々子が読んでいた支給品目録には、桜観剣のページよりだいぶ前に、この睡眠薬入りジュースのページがあったのだ。
 そしてそれを読んだ幽々子はそのジュースで妖夢を眠らせる事を目論み、それは見事に成功した。
 “何も事情を知らない”妖夢にあれこれ疑問に思われ、しかもそれを口に出されるのは、時と状況によってはかなり拙いと幽々子は考えたからだ。
 例えばもし、誰かが隠れて聞き耳を立てているかも知れない状況で、妖夢の口から幽々子と紫が親友である事を喋られでもしたら、
 早くてすぐに、遅くとも後々とても面倒な事になっていた可能性がおおいにある。
 ―――とは言え、幽々子自身はそれ程困る事は無い。
如何に制限下であれ、そこいらの人間や妖怪なら束になっても一蹴、或いは口八丁で翻弄できるという自信と実力はあった。
 実質一対一だったが、先の姫園れい子との戦闘とその顛末から見てもそれは明らかだ。
 だが、まだ半人前で、しかも普段使っている愛刀が無い妖夢も同じ様に振舞えるのかと訊ねれば、答えは「否」の一言で済んでしまうだろう。
 実力に関して言えば申し分は無いのだが、それでも幽々子と比較すれば数段劣るし、何より妖夢は精神面がまだまだ未熟だった。
 となれば、下手に自分と行動を共にさせて余計な火の粉を被らせたくないと考えるのは、主である幽々子には当然の判断だった。
 大切に想っているからこそ、最低限の事だけを話しておいて自分から離すというのが、幽々子のこの行動――否、この島に来てからの一連の行動の真意だった。
 れい子との戦いに妖夢を介入させなかったのもその一介だ。妖夢までも危険と認識してしまう人物の数は、極力減らしたかったのだ。
 妖夢が幽々子を慕い忠誠を誓っているのと同じぐらい、幽々子もまた、妖夢の事を大切に想い、気遣っているのだ。
 尤も、それを面と向かって妖夢本人に告げた事があるのかと訊ねられれば、それもまた「否」の一言で済んでしまうのだが。

「取り敢えずこの子が起きるギリギリまでは一緒にいてあげないとね〜。放送も覚え書きしておかないといけないし」

 そう言って己の従者の寝顔を覗き込む幽々子の表情は、幻想郷の住人の殆どが目にした事も無いような、慈愛のそれに満ち溢れていた。



0259ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:51:06.86ID:uhhzhPNI
【E-2/鍾乳洞最奥部/1日目-早朝】


【主:西行寺幽々子@東方儚月抄】
 [主従]:魂魄妖夢@東方儚月抄
 [状態]:健康
 [装備]:ジャギのヘルメット@北斗の拳、黒の騎士団の制服(幹部用)@コードギアス、支給品目録・上巻@主従ロワオリジナル、空のペットボトル
 [方針/行動]
  基本方針:不明。妖夢はなるべく危険から遠ざけたい。
  1:???
  2:近く流れるだろう放送の内容をメモした後、妖夢が目を覚ます前に鍾乳洞を後にする。

 [備考]
  ※参戦時期は本編終了後の一週間後です。
  ※『支給品目録・上巻』の内容を確認しました。


【従:魂魄妖夢@東方儚月抄】
 [主従]:西行寺幽々子@東方儚月抄
 [状態]:浅い睡眠中
 [装備]:背負い袋(基本支給品)
 [方針/行動]
  基本方針:幽々子様に従う。
  0:ZZZ...
  1:紫様はどうしてこんな《異変》を…?
  2:幽々子様は何を考えてるんだろう…?

 [備考]
  ※参戦時期は本編終了後の一週間後です。
  ※桜観剣が他の参加者に支給されている事を知りました。
  ※ペットボトルの中身と、幽々子に眠らされた事には気付いていません。


 [共通備考]
  ※E−2の鍾乳洞の内部は一本道で、500m先の広間で行き止まりになっています。
  ※他の参加者の未判明の支給品のどれかに、【支給品目録・下巻@主従ロワオリジナル】が含まれています。



※鍾乳洞が伸びている方角は後続の書き手様にお任せ致します。
0260ゴーストリード ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:51:36.20ID:uhhzhPNI



【ジャギのヘルメット@北斗の拳】
 北斗神拳伝承者(自称)ジャギが、自分の顔を隠す為に普段から被っているフルフェイスヘルメット。

【黒の騎士団の制服(幹部用)@コードギアス 反逆のルルーシュ】
 ゼロ(ルルーシュ)が黒の騎士団に配った黒い制服で、一般団員の物より若干豪華な幹部用の一着。
 幽々子に配られたのは紅月カレンの物。胸の部分が極めて大きい。

【睡眠薬入りジュース@まよチキ!】
 原作4巻で、奏の命を受けたスバルがジローを拉致する際、彼に飲ませたペットボトルのジュース。
 速攻性も持続性も高い睡眠薬が混入されている。

【支給品目録・上巻@主従ロワオリジナル】
 このバトルロワイアルでの支給品の内、半分にあたる50品分の詳細な情報が記された手綴りの冊子。
 1頁につき1品分の各支給品の名前、写真、簡単な用途及び使用方法が記載されている。
 上巻に情報が記載されている支給品は以下の50品。
・銃器類
 『コルトM1851@現実、ブリタニア軍制式拳銃@コードギアス反逆のルルーシュ、レミントンM700@現実、ワルサーPPK6@現実』
・刀槍類
 『無毀なる湖光@Fate/Zero、十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄、破魔の紅薔薇@Fate/Zero、
  神刀・心渡@物語シリーズ、碇槍@戦国BASARA、楼観剣@東方儚月抄』
・その他の武器
 『グラーフアイゼン@魔法少女リリカルなのは、クラブの鉤爪@北斗の拳、鉄扇@うたわれるもの』
・防具、装飾品
 『クラールヴィント@魔法少女リリカルなのは、大量のパンツ@そらのおとしもの、伊達政宗の具足@戦国BASARA、複製仮面@うたわれるもの』
・その他
 『拡声器@現実、サーターアンダギー×150@現実、支給品目録・上巻@主従ロワオリジナル、
  睡眠薬入りジュース@まよチキ!、双眼鏡@現実、伊達政宗の馬@戦国BASARA、タバコ@現実、やかん@現実』
0261 ◆YwLV7iJ2fw
垢版 |
2012/04/13(金) 19:52:47.90ID:uhhzhPNI
これにて投下完了です。
仮投下からかなり日にちが経ってしまい、度々申し訳御座いませんでした…。
0262創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/13(金) 23:28:22.03ID:bp44YTIy
投下乙
仮投下の時より目録が見やすくなってていい感じです

ゆゆ様はこれから一人修羅の道を往くのだろうか…
0263創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/04/15(日) 09:26:18.32ID:5Lox7cMF
目録の見やすさなんてどうでもいいだろ
内容と関係ないし、wiki収録の時にどうとでもできるんだから

こんなバカな感想しか書けない読み手もアレだけど、こんなバカな感想しかつかないSSを書く書き手もな……
0265創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/05/16(水) 07:37:51.89ID:FRn5wzET
ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! ゼロッ! 
0271創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/19(日) 15:40:25.48ID:giENJAPz
そういや、ギアスの世界ってアーサー王がブリテン統一したって、裏設定があったよな
0272創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/08/25(土) 22:17:18.33ID:BgzYarqn
エリザベス1世の息子が即位してテューダー朝が続いたっていう世界だから
それ以前の歴史(1600年くらいまで)はだいたい現実世界と同じだと思う
0273創る名無しに見る名無し
垢版 |
2012/12/04(火) 14:34:14.36ID:g+jzgLQj
スレ主こないな.....
0274創る名無しに見る名無し
垢版 |
2013/02/16(土) 18:54:24.31ID:K7Jmr2rR
来ないなあ
0275創る名無しに見る名無し
垢版 |
2014/05/10(土) 15:24:26.89ID:1Q5uW2a+
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  \::::::::::/   ̄           |
    ̄ ̄ I WANT YOU              ニュー速(嫌儲)
     FOR POVERTY.ARMY    http://fox.2ch.net/poverty/



     【ひろゆき】今2chで何が起こっているのか?【#偽2ch騒動】
      http://www.youtube.com/watch?v=Rhi87ky-Dqo
0276創る名無しに見る名無し
垢版 |
2016/08/31(水) 04:53:38.25ID:cOHXDcjI
.
0277創る名無しに見る名無し
垢版 |
2017/12/27(水) 12:34:18.59ID:C1Z7QFDy
家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。

グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"

B3G88YM9KV
0278創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/05/21(月) 06:54:24.95ID:tRZnwP6O
知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』

5B27G
0279創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/07/03(火) 20:58:54.75ID:f1dClnnX
WPG
0280創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/10/17(水) 16:30:02.82ID:ZU7x6aHX
中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね

T86
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