妖精「男さん! 今日の天気予報です!」
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男の自室。午後八時。
オキロー。オキロ―。ネテタラシヌゾー。オキロ―。オキ(ry
男「いやー。よく寝た」(むくり)
男「あれ? 胸に違和感が」
妖精「スー、スー……」
男「おおおおおおおお……!?」(小声)
男「なんだこれなんだこれ」(観察)
妖精「……」
男「羽もある。体長目測十センチ。ちっちゃい靴も履いてる。かわいい」
妖精「!」(耳がピクピク)
男「いやいやいやいやいや俺(の性癖)は正常だ……」(ブツブツ)
妖精「……んん」(パチクリ)
男「!?」
男「妖精さん……」
男「人間の世界は、都合良くどんな小さな望みでも……確実に叶うかどうかなんてわからないんだよ」
妖精「男さん」
男「何?」
妖精「あなたの願い事は何ですか?」
男「俺の……願い事……」
妖精「大したことは出来ませんが」
妖精「でも、お手伝い程度ならできます」
男「それは……」
妖精「私の願い事は叶いませんし、こんな力持っていたって宝の持ち腐れです」
男「後悔すると思うな」
妖精「構いません。これは私の為です」
男「妖精さんの……?」
妖精「はい。何か、辛いことがあった時、決して自分が逃げないようにする為です」
妖精「私はもう力を言い訳にしません。そして――」
妖精「それを教えてくれたのは男さん……あなたですよ」
男「俺……?」
妖精「はい」
男「それは違うと思うよ。うん。君が気づいて君は大人になったんだ」
男「だから、その力は君自身が使ってくれよ。俺なんかのために使ったら勿体ないって!」
妖精「男さん!」
男「……」
妖精「逃げないで下さい。諦めないでください。忘れないでください。あなたの為に力を使った妖精が居ることを」
妖精「そうすればあなただってもう逃げ――」
男「一つだけなんでしょ? だったら本当にやめてくれ!」
妖精「男さんのそれは……本当に優しさや心配からきた言葉ですか?」
妖精「それとも……」
男「……そうだよ……そんなことあるわけがない………………!」
男「俺は怖い」
男「これが終わったら帰っちゃうような、そんな、他人みたいな妖精さんにまで後になって」
男「『あんな奴の為に力を使うんじゃなかった』って言われることすら怖い……!」
妖精「男さん……」
男「自分がどれだけ卑怯になろうと、いいやなればなるほどいつも誰かに嫌われるのが怖いんだ!」
妖精「……そうですか。でも、約束します! それだけは絶対言いません!」
妖精「あなたは確かに臆病です……自分を信用していません」
妖精「そして同等かそれ以上に他人を信用していません」
妖精「だったら言い換えます。これは『契約』です」
妖精「あなたが少しの勇気を出して変わる事を対価に」
妖精「大したことの無い『願い事を一つ叶える』力をあげます」
妖精「どうしますか? あなたが紙幣を信用できるなら、契約できますよね」
男「妖精さん……」
妖精「おまじないを、買いませんか?」
男「どうして、そこまで……?」
妖精「んふふ。放っとけないんです」
妖精「何だか、昔の私を見ている様で!」
午前三時五十三分。
男「わかった」
男「俺……怖いけど、頑張るよ」
男「俺なんかの為に力まで使ってくれるんだ。こんなに嬉しいことは無いさ」
妖精「男さん……それじゃあ!」
男「契約するよ。妖精さん」
妖精「良かったです……本当に!」
男「それで……善行玉はどうやって貯めるの? それがないと願い事は叶えられないんだろう?」
妖精「鋭いですね。ザッツライトです」
妖精「でも簡単ですよ」
妖精「心のこもった『ありがとう』っていう言葉、それだけで良いんです」
男「……そっか。それで、いいのか」
妖精「はい。その時ちょっとだけ私は人間界に留まれますので、そのうちに力を使います」
妖精「では早速――」
男「待って」
男「もう少しだけさ、妖精さんと一緒に居させてくれないか?」
妖精「うひゃあ! え、えええええ……!?」
男「ダメ?」
妖精「でででで、でも男さんはあの方が好きなんですよね……!?」(わたわた)
男「あはは。いや、そうだけどさ。もう少し、このまんまで」
妖精「はははハイ!」
乾いた夜、モノクロな冬の街並みを無言で過ごす。
きっとこのまま朝が来る。
そうしたらきっともう戻れないんだろう。
元のままには戻れない。
変わり続けなければならない。
その為の、モノクロのモラトリアム。
景色がセピアになるように、
俺は変わるための一歩目を歩き出すんだ。
失うように、俺は勇気を得る。
午前五時五十七分。
妖精「景色……明るくなってきましたね」
男「ああ……」
妖精「男さんなら絶対大丈夫です。私だって出来たんです」
男「そうだと良いな……」
妖精「もう! 弱気はダメですよ!」
男「ごめん」
妖精「……男さん。良い事教えてあげましょうか?」
男「何?」
妖精「あの方は『妖精殺し』じゃないですか」
男「うん」
妖精「男さんは『妖精落とし』です……」(コソコソ)
男「え? 何て言った?」
妖精「おーしーえーませーん」
男「気になるなぁ」(ジトー)
妖精「そ、そんな目で見たってダメですよ! かか、かなり勇気が必要だったんですから!」
男「そんなに!? うわー凄い気になるじゃんそれ!」
妖精「えへへ。秘密です」(ニッコリ)
そして、戻れないその時は来た。
妖精「あ……!」
男「あ……」
妖精「日の出ですね……あれ?」
男「……」
妖精「泣いていらっしゃるんですか?」
男「……」
妖精「そろそろこの辺で……きちんとお別れしましょう」
男「妖精さん……」
妖精「ダメですよ。それ以上、言っちゃダメです」
妖精「さあ、言ってください。そしたら私、あなたに力を使います」
男「妖精さん――」
男「俺、頑張るよ」
男「ありがとう――――さよなら」
妖精「ええ。さようなら」
妖精の持つ善行玉に薄い青色の空気の様なものが貯まる。
それは光を帯びて妖精の体を包みこみ、妖精は笑う。
妖精が口を開こうとした次の瞬間――。
男の唇が妖精の唇を奪った。
妖精の口先にほんの少しつけるだけの、とてもとても上手なキス。
妖精は咄嗟の出来ごとに動揺し、
放心したまま動くことが出来なかった。
足元から光に包まれて消えていく妖精。
妖精の全てが消えるその前に、男は言った。
男「勇気は貰った。ありがとう」
男「だから俺は、自分の力で叶えることにするよ」
男「君の力は、君の幸せのために――」
――――そしてこの地に、初雪が降る。
一人の妖精の無垢な心の善行が、
ある男の心の勇気になったように。
セピア色の街に、初雪は降る。
男「それにしても、初雪の天気予報忘れるなんて、本当に――」
終
ふぃー。終わったー。
初めて建てたけど人居なくてやりやすかった。
さて、ここでヒント。
1・妖精さんは後一回、願い事機能を残しております。
2・スレタイの文章出てきてないよねー。
これらから推測されることは――?
なーんて。
見てくれた方。ありがとうございました。
なんか意見・感想あればくださいな。 >>113
ありがとう。
暗いのは…黒歴史になっちまうんだなぁこれがww 久々に一発で大量投下して完結させるタイプの作品見た
こういうシンプルな話好きだぜ >>115
ありがと。
気に入ってもらえたようでなにより。 妖精さんかわいいだけじゃなくて、等身大な感じがいいなぁ
……どうして俺にはこういう妖精さんがあらわれないのだろうか >>120の姿がパワポケ4RPG編の妖精みたいなのしか想像できない >>119
あなたに訪れる〜不思議な出会〜い〜♪
>>120
アーッ!
>>121
カレンさん思い出して吹いたww これから推測される事が全くわからん・・・
投下おつでござる >>124
願い事機能使って男のいる世界へ→スレタイってことだろ 今一気読みした!よかったよー。
このスレが残っててよかった。ありがとう!! >大阪府三島郡島本町の小学校や中学校は、暴力イジメ学校や。
島本町の学校でいじめ・暴力・脅迫・恐喝などを受け続けて廃人同様になってしもうた僕が言うんやから、
まちがいないで。僕のほかにも、イジメが原因で精神病になったりひきこもりになったりした子が何人もおる。
教師も校長も、暴力やいじめがあっても見て見ぬフリ。イジメに加担する教師すらおった。
誰かがイジメを苦にして自殺しても、「本校にイジメはなかった」と言うて逃げるんやろうなあ。
島本町の学校の関係者は、僕を捜し出して口封じをするな
>島本町って町は、暴力といじめの町なんだな
子供の時に受けた酷いイジメの体験は、一生癒えない後遺症になるなあ 家で不労所得的に稼げる方法など
参考までに、
⇒ 『武藤のムロイエウレ』 というHPで見ることができるらしいです。
グーグル検索⇒『武藤のムロイエウレ』"
M375OWWVZB 知り合いから教えてもらったパソコン一台でお金持ちになれるやり方
参考までに書いておきます
グーグルで検索するといいかも『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』
J1G8F 中学生でもできるネットで稼げる情報とか
暇な人は見てみるといいかもしれません
いいことありますよーに『金持ちになる方法 羽山のサユレイザ』とはなんですかね
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