http://www.computerworld.jp/topics/583/204896

 Intelが、最新「Atom」マイクロプロセッサ(コードネーム「Clover Trail」)はオープンソースのLinuxをサポートしていないと開発者に
念押ししたことで、同OSの支持者らが怒りを募らせている。

 サンフランシスコで開催された「Intel Developer's Forum(IDF)」の取材記事によれば、Intelはプレゼンテーションにおいて、最新の
タブレット向けAtomアーキテクチャを「Windows 8チップ」と表現し、「Linuxは動作不可能」と話したという。

 x86互換設計を取り入れているにもかかわらず、デュアルコアのClover Trailは、スマートフォン用シングルコア・デザインの
「Medfield」とともに、Windowsタブレット市場で他社と競争する製品として常に打ち出されてきた。

 もっともこれは、今回初めて明らかになった驚きの事実というのとは違う。x86デザインであればLinuxが稼働できてしかるべきだが、
Intelはタブレット・デバイスに必要な、しかしながら現時点ではLinuxカーネルによってサポートされていない電力管理インタフェースを
新たに追加しているのである。

 同インタフェースに関するIntelの説明は不親切であいまいだ。いわく、「OS上でこれをサポートするには、チップに多くのソフトウェア
を搭載しなければならない」という。言い換えれば、標準的なPCにおけるチップだけを使ったデザインとは異なり、チップに特殊なシス
テムを実装した場合は何らかの対策を施さないかぎり機能しないということになる。

 オープンソース界の著名人、ブルース・ペレンス(Bruce Perens)氏は、純粋に技術的な理由でIntelがLinux対応に消極的だという説
には同意できないという。ここで再び“Wintel”同盟の影がちらいてきたと、同氏は語った。

 「Clover Trailの電力管理技術の詳細は、Linux開発者には公開されないだろう。だが、電力管理は魔法でもなんでもない。使用され
ていないハードウェアをシャットダウンするのに、特別な秘密は必要ない」と、ペレンス氏はブログに書いている。同氏は、Clover Trail
チップの後発モデルにはLinuxサポートが実装されるかもしれないと考えているそうだ。

 もっとも、電力効率アップを得意とするARMの製品にはまだ遠くおよばないことが明らかなIntelのシステム上で