結果、R06AのクランクシャフトはK6Aのクランクシャフトの50.5%しか剛性がないことを示しているのです。 つまりR06AのクランクはK6Aのクランクのほぼ半分の強度しかないというわけです。 なお、これは同じ材質での比較ですから、仮に今回反論してきた人が言うようにR06Aの材質強度を30%高くしたとしても、R06AのクランクはK6Aのクランクの65.6%の強度しかないということになるわけです。

どうですか?これでいかにR06Aのクランクシャフトの剛性、強度がK6Aに対して弱いかがよくお判りいただけたかと思います。 もしK6AクランクとR06Aクランクを実際にお持ちの方は実際に寸法を測ってこの計算式に当てはめて比較してみると面白いと思います。おそらくそれほど大きな誤差のない結果が出るはずです。 ここでもし、F6Aのクランクシャフトがあったとしたらそれぞれの剛性の高い順序は「K6A>F6A>R06A」となるはずです。

このように、K6Aエンジンのクランクシャフトは実に「非常に強い」設計なのです。言い方を変えると「無駄に強すぎる設計」とも言えます。なにしろノーマルクランクで200馬力オーバーでもまったく問題なく使えてしまうわけですから(ちなみにF6Aクランクは200馬力オーバーで使うと確実に曲がります)。

逆の意味で好意的に捉えて言うならばR06Aのクランクシャフトは「無駄のない合理的な設計」と言った方がいいかもしれませんね。だからこそパワーアップに対する余計なマージンなどは与えず、可能な限り無駄なぜい肉をそぎ落とした設計となっているわけです。