R06Aエンジンのクランクシャフト。詳細は後述しますが、ジャーナル径、クランクピン径ともに細いうえ、ロングストロークなのでクランクアーム長が長く、そのせいでクランクシャフトの剛性に重要なオーバーラップがほとんどありません。 見るからに「華奢な」クランクです。

まずは鋼材の強度数値と剛性(弾性限)とはまた別の話だということを勉強してください
最近はよく雑誌でもクルマのモノコックボディにも「◯◯MPa級の超高張力鋼材が使用されている」などと解説されることが多くなりました。ここで言う「張力」というのは専門的には「引っ張り強さ」と呼ばれるもので、たとえば「1000MPa級の超高張力鋼は約100kg/mm^2の引っ張り強さである」ということです。最近では1500MPa級などという超高張力鋼板もクルマのボディ、フレームの要所に使われはじめています。

<注意>ここでは現在のSI単位に合わせてMPaという単位を使いましたが、私のポリシー上、この先は従来からの単位である「kg/mm^2」の単位を使いますのでご了承ください。なお「1kg/mm^2=9.8MPa」ですので、MPaに換算する場合は単純に約10倍の数値にして考えていただければ良いです。