>>613

チームを移籍することになった時の話。

お世話になった方のチームから声が掛りました。

しかし、いまはドライバーの立場が弱いから、レース界ではよくある完全チーム都合の条件。

提示された契約金が以前のチームより下げられ、絶対的ナンバー2扱いという条件。

普通ならここで条件が合わなければ流れる話ですが…恩人が声を掛けてくれた移籍話。

だから交渉というやり取りを一切せずに黙ってサインをした。

それにここで恩返しができるチャンスだと思ったから。

ところが自分のことをよく思わないスタッフから『この話を自分から断るように』と嫌がらせの電話をされたり、悪い噂を流されたりしたけど黙って走ることにした。

なぜなら、その恩人が自分を必要とし、信用してくれているから呼ばれたんだと思い、数人のスタッフに嫌な態度をされても我慢をして、ステアリングを握れば自分の走りを100%出して恩返しをしようと一年間、文句を一切言わずに全力で走った。

でも、あるレースでトラブルが起きてしまい、本当に死ぬかもしれない状況になったレースの時、『これで死んでも構わない』と思いながら意識が無くなっても走り続けたのにどうにもならなくてリタイアしてしまった時。