――「ゆとり教育」は失敗でしたか。
 こういう教育方法を目指した真意はよく分かる。
私が臨教審を作った84年当時、受験地獄、詰め込み教育、偏差値重視、学歴偏重など、いろいろな弊害が出ていた。
さらに青少年の犯罪も多発していた。そこで「ゆとりを持った教育にしないと、心豊かな人間を育めない」となった。
こうした方向性が、今回の新学習指導要領に反映している。
 今の子どもは、私が子どもだった頃と比べようもないくらい負荷を負っている。
インターネットなどによって情報はあふれ、IT(情報技術)や環境教育、英会話など、彼らが学ぶべき課題は昔に比べ、格段に増えている。
 そんな子どもたちに「心のゆとり」を与えようと考えるのは基本的に正しいことだ。

「心の教育」強調 臨教審からの改革路線、中曽根元首相に聞く
http://nippon.zaidan...254/contents/738.htm