韓国で、与党の「共に民主党」が中心となって日本に協力した“親日派”に分類される人物の墓を掘り起こし、国立墓地から移す法案制定の動きがある。日本ではちょっと信じられない感覚だが、国会議員の3分の2が賛成だという報道もある。専門家は、行き過ぎた反日政策は韓国という国家自体を否定しかねないものだと危惧する。

 韓国重鎮議員の宋永吉(ソン・ヨンギル)議員ら、共に民主党の議員らは13日、国会で国立墓地法の改正に関する公聴会を開いた。そこで同党の「歴史と正義特別委員会」で委員長を務める姜昌一(カン・チャンイル)元議員が、「親日派鬼神のせいで愛国志士たちが安らかに眠れない」という趣旨の主張をしたと朝鮮日報(日本語電子版)が伝えた。

 韓国の国会では「親日派破墓」を含む国立墓地法改正案の成立に向けた動きが本格化している。親日派とされる人物の国立墓地への埋葬を禁じ、すでに埋葬されている墓を移すことができるようにするというものだ。

 日本ではあり得ない話だが、墓を掘り起こすことにどのような意味があるのか。龍谷大学教授の李相哲氏は「韓国では、富裕層を中心に風水で先祖を祀る墓地を移動させることはある。ただ古くから復讐(ふくしゅう)するために墓から遺体を掘り起こして侮辱を与えるという意味合いもある。『破墓』は、一族を含めた最も厳しい侮辱といえる」と解説する。