防衛省や海上保安庁によると、1〜3月の中国公船による尖閣諸島周辺の接続
水域内への進入は289隻と、前年同期比で57%増えた。今月11日には、中
国の空母「遼寧」とミサイル駆逐艦など計6隻が沖縄本島と宮古島の間を南下し
て太平洋に入り、南シナ海にも回って訓練を実施した。
 領空侵犯の恐れがある中国機に対して航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクラ
ンブル)した回数も1〜3月で152回と高い水準が続いている。
河野防衛相は24日の記者会見で、「世界各国が協調して、いかに(感染症を)
封じ込めるかという時期に、軍事的な拡大を図るのは、いつにも増して許されな
い」と述べ、中国を厳しく批判した。

 中国は、国内で感染症が拡大した1月以降も、軍事的な動きを緩めていない。
元海上自衛隊自衛艦隊司令官の香田洋二氏は中国の意図について、「台湾を念頭
に、南シナ海での活動も活発化させている。尖閣諸島の『領有権』など従来の主
張をコロナ禍でも弱めることはないという意思表示だ」と分析する。
米軍は太平洋に展開中の空母「セオドア・ルーズベルト」で集団感染が発生。自
衛隊も感染防止のため複数の部隊が交流する訓練を当面行わないなど、両国は感
染症対策に追われている。

 日米両国は、こうした状況下で相次ぐ中国の挑発行為に危機感を募らせてい
る。22日には、航空自衛隊のF15戦闘機など15機と、米本土から飛来した
B1戦略爆撃機など5機が、日本海や沖縄周辺の上空で訓練を実施。東シナ海で
は10〜11日、海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」と米軍の強襲揚陸艦「アメリ
カ」が共同訓練を行い、周辺海域での即応態勢を示した。24日夜に行われた河
野氏とエスパー米国防長官との電話会談でも、新型コロナウイルス問題のほか、
中国の挑発行為への対応などを協議したもようだ。

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