学校の新ルール、子が作る 一変した教室の風景 「うつらない・うつさない」を懸命に(2)

■学びの場、試行錯誤

 「密になっていますよ。ソーシャル〜」「ディスタンス」。
豊見城市立座安小の3年3組の体育の授業。
担任の海老沢郁海教諭が呼び掛け、運動場の水筒置き場にたまっていた子どもたちが、呼応した。

 「子どもだからくっつき合うのが好きだけど、気づいた子が『密です』と言ったり、接触したりしないよう、子どもたちなりに工夫している」と海老沢教諭。

 「うっかり」を防ぐため、1日に何度も声を掛けたり、グループ学習を最小限にしたり。
「毎時間神経を使うので疲れる」。
教師の負担も増えている。

 会話が主体の英語の授業は飛沫(ひまつ)を防ぐため、マスクをフェースシールドに替える。
それだけでは不十分と6月からは木枠に透明フィルムを張ったパーテーションも設置した。

 コミュニケーションが必要な授業だが、見る、聞く、書くだけにしている学校もあるという。
英語を教える教諭は「何がベストか。試行錯誤だ」。
感染症予防と本来の学びの間で悩みは尽きない。

 給食の風景も一変した。
机を向かい合わせにしてグループで和気あいあい楽しんだ給食は今、
飛沫が飛ばないよう、自分の机で、黒板に向かい、黙々と食べるスタイルになった。

 3年の児童は、「前は『休み時間に何して遊ぶ?』とか『今日学童行く?』とかおしゃべりしていたけど今はあんまり話せないのが寂しい」。

 学校で始まったウィズコロナの生活。
校長は「コロナのある社会を生きていく力を育てるため、大変だが、今までの当たり前を変えていかなければならない」と語った。