“自主的な残業”を強いられる教員〜校舎の清掃は誰の役割なのか?〜 4

 ある小学校の教員が、「給特法を一時解除して残業代を払うようにしてくれないものかな」と冗談っぽくこぼした。
もちろん、それがあり得ないことなのは、彼は百も承知だ。

 「非常事態なのだから仕方ないだろう」という声も聞こえてきそうだ。
しかし、たしかに非常時ではあるが、教員にも気力と体力に限界がある。

 教員の「自主的」ばかりを頼りにしてはならない。
補正予算には6万1200人の学習指導員を全国の学校に配置することにはなっているが、予算確保と、人員確保は別問題である。
しかも、全国には、公立小学校だけで約2万校、公立中学校が9万5000校近くある。
予算いっぱいの人員を確保できたとしても、それだけで足りるかどうかは疑問だし、集めた人員が戦力となるのかどうか不確定要素が多い。

 しかし、教員たちの現状を鑑みれば、それでも、やったほうがいいのは明らかだ

 補正予算での策ですべてが解決するわけではない。
そうなると、やはり教員の「自主的」がますます求められていくことになるのは想像に難くない。
そして、過重労働問題は、より深刻化する可能性が高い。
新型コロナを、教員の「自主的」に頼りすぎる状況改善のきっかけにできないものだろうか。