学校給食、手探りの感染対策 6月再開不安拭えず
https://news.yahoo.co.jp/articles/f84ca8895316e429f606cb36c2e49f12c01d7942

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて休校している岐阜県内の公立小中学校が、
6月からの再開を前に給食時の感染リスクを抑える対策づくりに追われている。
多くの学校が1日から行う分散登校では給食の提供を避け、
通常の一斉登校を再開する8日や15日に向けて消毒や配膳の仕方、席の向きなどの対策をまとめる考えだ。
学校現場は対策や指導方法の取りまとめを急ぐが「どれだけやっても不安は拭えない」との声も漏れる。

 県教育委員会は「学校再開ガイドライン」で、マスクを着用できない飲食時は感染拡大のリスクを伴うため、
給食を実施する場合には飛沫対策などに注意が必要と指摘。
具体的な対策として▽品数を少なくし、栄養を十分取れる献立にする▽(小分けされた)弁当容器等に盛り付ける
▽教員が配膳する−などを挙げ、直前までのマスク着用や手洗いの徹底も求める。

 給食の再開時期を巡っては、市町村で対応が分かれた。
加茂郡坂祝町取組の坂祝小学校は、分散登校中の3日から給食を再開する。
児童の移動や接触を最小限にとどめるため、教員による配膳を検討。
従来4品あった献立を3品に減らし、配膳の手間や時間を減らす考えだ。

 同町は小中学校が1校ずつで、給食センターと連携したきめ細かな対策が取れるとして再開に踏み切った。
配膳の仕方も試行し、手指の消毒や箸の使い方といった児童への指導の要点も教員らで共有した。
栄養教諭は「どれだけ対策に手を尽くしても限界はあり、感染の不安は拭えない」と率直に話しつつ
「分散登校中の給食時間に気付いた点を一斉登校に生かしたい」と見据えた。

 一方、学校数が多い岐阜市は分散登校中、給食は出さず、牛乳のみを配る対応を決めた。
午前と午後の授業の合間に校内の消毒が必要で、教員の目が届く十分な給食時間が確保できないことが理由という。

 また一斉登校再開後は、給食の品数を減らすなどの対応を取ると献立を一から見直さねばならず
児童生徒のアレルギー対応など新たな課題も出てくるという。
市教委の担当者は「席の間隔や食べる向きも考える必要がある。実際には始まってみないと分からない」と話した。