広州詠春拳の10の相違
第1 姿勢。 まっすぐ。
第2 橋手。前腕部を鍛え木人をボコボコ殴ることは忌むこと。身体の角度を変えて、木人の腕に軽く触れる程度。
第3 対詠春拳を想定して技術が組み立てられている。
第4 広州詠春拳は人差し指から小指までの5カ所を平坦にターゲットに当てる
第5 広州詠春拳には圏手がない。
第6 広州詠春の偏身拳は、つま先を軸に動く。
第7 広州詠春では肘は絶えず身体の中心を通らなければならない。これを「埋肘」或いは「埋午」と云う。広州と香港の両者の大きな相違は「埋肘」の解釈で、双方を弊習するのは矛盾してしまう。
第8 直拳など、「埋肘」を要求するかなり独特な突き方をする。直拳は、肩を出さず肘は伸ばしきる。むしろ後ろに引く場合もある。また防御技術も、その独特な打ち方にあわせた力や角度を要求される。
第9 基本中の基本である子午拳からして、全く異なる理論。
香港詠春の小念頭の最初に出てくる子午拳は、脇に構えたコブシを立拳に変えつつ一旦身体の中心線に移動させてから、そこから真直ぐ打ち出す。コブシを身体の中心線から直線的に打ち出す事を強調している。
広州詠春は、脇に構えたコブシをひねらずにそおのまま肘ごとからだの中心線まで移動させる。つまり、コブシだけでなく前腕ごとからだの真ん中に持ってくる。このとき拳心は上向き(仰拳)。仰拳を立拳に変化させる際の前腕のひねりを利用して、前腕を一本の棒のように前方に打ち出す。だから、広州詠春の方がより短い距離での打拳を要求される。
どちらもコブシを身体の中心から打ち出すという事については同じだが、その効果や要求は全く異なる物になる。
第10 チーサオも、広州は力の入れ加減が微妙で、かなり難しい。