https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54084910W0A100C2L31000/

「松本波田道路」着工へ

山々に囲まれ、道路網の整備が遅れた長野県だが、20年は自動車道の計画が本格化する。
一つが中部縦貫自動車道だ。

国土交通省・長野国道事務所は同自動車道の「松本波田道路」の着工準備を進めており、
近く本格着工する見通し。

中部縦貫自動車道は北陸自動車道、東海北陸自動車道と
長野県の長野自動車道とを結ぶ約160キロメートルの広域交通網。
長野県内では長野道に松本ジャンクション(仮称、JCT)ができ、
西へ向かう松本波田道路を建設する計画だ。
約5.3キロメートルだが、長野県にとっては北陸地方と結ばれる第一歩となる。

中部縦貫道が全線完成すれば、飛騨高山・白川郷と松本市とを短時間で
行き来する旅行ツアーが企画できるようになる。
観光振興でも大きな効果が期待されている。

一方、20年は長野県と静岡県との移動時間も短縮される。
中央自動車道と新東名高速道路とをつなぐ
中部横断自動車道の山梨県内に残されていた区間が完成する予定。

静岡県は長野県に向け、中部横断道を活用して鮮魚の流通網を築こうと配送試験を実施している。
また静岡県富士市は19年11月に松本市内で観光展示会を開催し、
海なし県へ海産物を紹介するなど、中部横断道の開通を見込んで
経済産業効果への期待が膨らんでいる。