ととのえの母親は売春婦であった。

500円渡せば誰にでも股を開いたので、付いたあだ名はワンコイン女。

しかし醜い容姿のため、その破格の低価格をもってしても抱く男はほとんどおらず、

しかたないので専ら公園や河原で寝起きする浮浪者相手に春を売っていた。

そのような生活を送る中で彼女は妊娠したが、中絶費用が無かったために不本意ながら出産した。

そうして産まれてきたのがととのえである。

つまりととのえの父親は名前も知らない浮浪者であり、ととのえは母親からも望まれない子であった。