南シナ海判決
この事件は、中華人民共和国が、海域や島々の領有権を有すると主張してきた、いわゆる九段線[に囲まれた南シナ海の地域について、
フィリピンが国連海洋法条約の違反や法的な根拠がない権益の確認を常設仲裁裁判所に対して申し立てた仲裁裁判である。
判決の概要
・中国による九段線で囲まれた海域に対する歴史的権利等の主張は、国連海洋法条約に反するもので認められない
・スカボロー礁、ガベン礁(北側の礁のみ)、ケナン礁(ヒューズ礁を含む)、ジョンソン南礁、クアテロン礁及びファイアリー・クロス礁は、
 いずれも「岩」であり、12カイリの領海のみを有する(排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚を生成しない)。
・南沙諸島の「高潮高地」(例えば、イツアバ島、パグアサ島、ウエストヨーク島、スプラトリー島、ノースイースト島、サウスウエスト島)は
 いずれも、国連海洋法条約121条3項で定める「人間の居住又は独自の経済的生活を維持すること」ができる海洋地勢ではなく、EEZ及び大陸棚を生成しない。
・ミスチーフ礁、セカンドトーマス礁及びスビ礁は、いずれも満潮時に海面下に沈む「低潮高地」であり、いかなる海洋権限も有さない
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E3%82%B7%E3%83%8A%E6%B5%B7%E5%88%A4%E6%B1%BA


この判決から「岩」であっても領海を有することが確定。
 領海:一国の沿海で、その国の主権が及ぶものと国際的に認められている範囲。
 主権:国権(国民を統治し支配する国の権力)ないし統治権、国民および国土(領土)を支配する権利(例:ポツダム宣言8項)
つまり「岩」でも領有権が発生することになる。

従って、岩礁であれば、領域権原(国家がある地域について領域主権を有効に行使する際の根拠となる事実)の一つである
「実効支配」が無効化されるなどという妄想は、この判決により否定されている。