生んだら貧しくなる国で子どもが生まれるわけがない!
日本の「ひとり親世帯の貧困率」は先進国で最も高い
カギは、生みたい女性の「コストとリスク」を減らすこと
https://gendai.media/articles/-/127751?page=1&imp=0
原田 泰(2024年4月 現代ビジネス)

女性の生涯年収は、大卒の場合で2.4億円である(賃金構造基本統計調査)
子どもを産み育てるために母親が仕事を辞めなければならないとすると、この期間の収入が得られなくなる。仮に30歳から34歳までとすると、失われる収入は2100万円になる
その後、元の職場に戻れずパートで働くとすると、扶養対象者に社会保険料支払いが発生する年収の壁130万円以下で働くことが通常である。この場合、34歳以降の年収差の累計は1億3800万円となる
子どもを持たずに働き続けた場合に比べると、1億5900万円(1億3800万+2100万)の減収となる
母親になるためには、「非正規雇用減収分がコスト」なのである


また、母親の「ひとり親リスク」を小さくするためには、行政が父親から強制的に養育費を取ることと、母子家庭の児童扶養手当を上げることが考えられる

日本ではひとり親世帯のうち9割弱が母子世帯である
離婚した夫から養育費を受け取っているシングルマザーは少ない。離婚した夫から養育費を受けている母親の比率は28.1%にすぎない

また、シングルマザーの86%が働いているが、うち46.5%が非正規で、平均就労収入は年236万円でしかない
現状の児童扶養手当は、月額4万4130円から1万0410円まで所得によって分かれており、母親の年間所得が230万円を上回るとゼロとなる
「母子世帯の年間所得は230万円を上回ってはいけない!」と国に言われているようなものだ

結果、ひとり親世帯の相対的貧困率は48.3%にのぼる。これはOECD加盟36ヵ国で、最高値である
(生活保護を受けている母子世帯は20人に1人と少ない)

(追記)
養育費等相談支援センター
https://www.youikuhi-soudan.jp/
養育費は、公証役場で公正証書「強制執行認諾条項付き」を作成(補助金が出る自治体もある)しておくと、万一不払いになった場合、裁判所を通じて強制執行(差押え)ができる

行政による養育費立替制度がある欧米では、国が積極的に差押えに介入している