「ブラジル人K-POPファン、韓国で売春を強要される」――。
こんな見出しの記事がブラジルの大手全国紙「オ・グローボ(O Globo)」(web版)に
掲載されたのは、9月4日(現地時間)のことだ。韓国の通信社「聯合ニュース」も同日、
事件に対するブラジルメディアの反応を紹介しつつ、「ブラジルで積み上げてきた韓流の
イメージに悪影響が及ぶことが憂慮される」と危機感を伝えた。

▽「韓国に来ればタレントにしてやる」
犯行の経緯はこうだ。今年7月初め、ブラジルに住むK-POPファンの女性らがSNSを通じて
40代の韓国人男と知り合った。男は言葉巧みに、「韓国に来ればタレントやモデルとして
活動できるようにしてやる」と勧誘。さらに韓国とブラジルの往復航空券まで、無償で送ってきた。
女性らは熱心な男の言葉に乗り、韓国行きを決意。こうして翌8月8日、20〜30代のブラジル人
女性7人が韓国の空港に降り立つ。

▼写真
事件を報じるブラジルのニュースポータルサイト
https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/5/5/5557d_1386_89a78c784a10709d8f1e0f77e6b32209.jpg

男の態度が豹変したのは、女性らが入国してすぐのことだ。男は女性らをソウル市近郊・
坡州市の一室に連れて行き、パスポートを取り上げた。さらにブラジルへ帰る航空券も
キャンセルしてしまい、監禁状態に。続いて別の一団が現れ、数日にわたり女性らが
逃げないよう監視を続けた。女性らが次に連れて行かれたのは、隣町・一山の違法
マッサージ店。マッサージと称して売春を斡旋する業者に、売り飛ばされたのだ。

金額は、1人あたり200万ウォン(約18万円)。男らは「自分たちは韓国のマフィアだ」
「警察に通報したらお前たちも売春の共犯で処罰される」「売春を拒否したら入国時の
飛行機代を払わせる」などと脅し、大人しく従わせようとしたという。
こうして女性らは、しばらく売春を強要される日々が続いた。
だが8月17日になり、監視の目が緩んだ隙を見て韓国のブラジル大使館に連絡。
大使館の通報で韓国警察は一山の違法マッサージ店、また坡州市の一室から、
計7人全員を救出した。犯人の40代男ら計5人は、特殊監禁、人身売買、売春斡旋などの
容疑で逮捕されている。