申し合いで計24番取った朝乃山は十両の朝乃若に9勝3敗と順調な仕上がりを見せた。師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「どんどん動きも良くなってきてる」と太鼓判を押した。


1年前のこの日、日本相撲協会から処分が下った。当時大関の朝乃山は協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反したとして、6場所出場停止と6カ月の報酬減額50%の処分を科された。今年5月の夏場所で処分は終了し、7月の名古屋場所から復帰。三段目からの出直しとなりそうだ。

節目を迎えた愛弟子について高砂親方は「長かったですけど、名古屋場所から再出発する。三段目からだと思いますが、復活ということで頑張ってもらいたい」と期待を寄せた。

大関経験者だからといって、この1年間特別扱いは一切しなかったという。部屋掃除などの雑務から、ちゃんこ番まで。幕下以下の他の力士たちと同じように担当させた。「みんなと同じだからやらないといけない。それが部屋のルールですから」(高砂親方)。現在の住まいも「うちの幕下は幕下部屋があるから」と、2~3人部屋で生活しているという。

当初は辛そうにしていたが、徐々に復調してきたとみている。「半年くらいたって顔つきも体も変ってきた」と復帰後を見据えて、地道な稽古やトレーニングに打ち込んでいたという。本場所で相撲が取れない愛弟子を思って「1年空くから自分の相撲を忘れるな」とアドバイスを送ったという。「場所までまだあと1カ月くらいあるからどんどん気持ちも高まってくると思う。(名古屋場所で)初日に出て、いつもの感覚を戻せばいい」と願った。