なかでも多くの住人から支持を得たのが木崎信志氏こと美ノ海(26)の救済リレーだ。残留マジック3(西12・4-6)と厳しい状況で終盤戦に入った美ノ海は、11日目から
大翔丸→旭大星→翔猿と3日連続で会員と対戦が組まれ、全勝で争会を脱出。全く同時進行で旭秀鵬→翔猿→旭大星と会員に3連敗して負け越し&陥落に追い込まれた魁とは、雲泥の差だ。
「魁はガチ派の典型と言える師匠の部屋の下で育った。対して美ノ海は日大OB。だからと言ってここまで露骨に扱いの差をつけるとは、大串氏も原理主義者です」(事情通)

魁だけでなく、ガチ党首の蒼国来と豊ノ島にも目もくれず、ガチ党員を一掃している。また、美ノ海の救済リレーは組閣とも深く関係していた。
「大串氏としては新内閣の閣僚の頭数を確保したい狙いがあった。そこで、序盤3-1と好スタートを切った美ノ海をピックアップし、
入会を条件に関取の椅子を用意した。これだけ厚くもてなしたのだから、それなりのポジションに就いて働いてもらうことになるでしょうね」(同)
美ノ海は千秋楽に逸ノ城を真っ向勝負で押し出し、十両3場所目で見事勝ち越し。春場所では、十両の中ほどまで最高位を更新すると予想される。
弟の伸之助氏(24)とともに、今年互助会で躍進が期待される若手だ。

 ところで、大串氏自身の成績はと言うと、7-7同士で千秋楽琴ノ若と対戦。こちらはガチの熱戦になったが、最後は新入幕が懸かる伸び盛りが蜜柑まわしに手をかけて上手投げ。
家族が増えて最初の場所、幸せな発奮材料のもと、締め込みを変えたりまた戻したりせめて給金直しにこぎ着けたい思いは感じられたが、正直“いつも通り”負け越しに終わった。
旭大星と言えば連相撲。特に中盤戦以降に大型連敗を喫するのは、幕内経験前から変わらない彼の流儀である。今場所も10日目から3連敗があった。
名は体を表すとゆう言葉があるが、終盤戦で大量に星をばらまき残留争会に旭日を灯してゆく生き方は、“旭大星”が直進するに真っ当な道と言えよう。
派閥など関係なく神対応する紳士がトップに座れば、しばらく混迷期にある互助会も政権安泰と言っていい。

【週刊エイト】