「福岡市には美人が多い」――。福岡アジア都市研究所(福岡市中央区)が巷間(こうかん)いわれるこんな
“俗説”をデータで裏づけられないか、調査を試みたところ、横浜、神戸両市に比べ美容室やネイルサロンが
多く、おしゃれに関する支出も多いことがわかった。同研究所は「美人のまち福岡を、もっと全国にアピール
すべき」としている。

調査したのは研究員の岩屋京子さん(40)。同研究所が発行する情報誌「エフ・ユープラス」で、福岡らしさ
を感じさせるデータを紹介するコーナーを担当している。「美人の多さを裏づけられれば、大きなアピールポ
イントになる」と考え、着目したのが美容室やネイルサロンの数。協会などに非加盟の店も多いことから、
電話帳をめくって一店一店数え上げ、横浜、神戸両市と比較した。その結果、美容室の女性10万人当たり
の店舗数は福岡市が269・6店だったのに対し、神戸市は205・5店、横浜市は164・4店。エステティック
サロン(68・9店)は神戸、横浜両市の約1・5〜2倍、ネイルサロン(15・4店)も約1・5〜1・8倍に上っていた。

さらに、女性がおしゃれにどの程度お金を使っているか調べようと、2005〜07年の国の家計調査年報から
花や女性服、ストッキング、化粧品など美容に関する1世帯あたりの支出額を抜き出したところ、福岡市は
年平均約13万円で、神戸市の約9万円、横浜市の約11万円を上回っていることもわかった。

調査結果について、岩屋さんは「福岡にこれだけ店が多いのは、女性がおしゃれにお金をかけるから。道が狭く、
すれ違う人の表情がはっきり見えることもあって、おしゃれに気を抜かない女性が多い」と分析。「福岡の女性
の美意識の高さを多くの人に知ってほしい」と話している。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukuoka/news/20090521-OYT8T01051.htm