ルファスもアロヴィナスも設定を自身の設定で上塗りできるんだけどそれは考慮されないの?

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「先に結論から教えましょう……私の力は無限です。設定の上から設定を上塗り出来る。
例えば仮に貴方達が私を倒し得る異能や力を手に入れたとしましょう。
ならば私はこう答える事が出来る。『私にはその異能も力も通じないし、貴方達を指一本で倒せるほど強い』。
稚拙だと思いますか? ええ、その通りです。否定はしません。
しかしね、長々と続く気取った設定よりもこんなどうしようもない一言のほうが強かったりするのですよ」

 アロヴィナスの力が更に膨れ上がり、宇宙規模の大爆発が発生した。
 ルファス達はそれを全力で防ぎ、消し去り、あるいは取り込んで自らの力とする。
 しかしそこに、アロヴィナスが飛び込んで三人を同時に弾き飛ばした。
 すぐにルファス達も攻勢へと転じるが、あろう事か繰り出した攻撃を易々と回避される。
 当たるまでの過程を完全に置き去りにしたはずの無限速の攻撃を、だ。

「無限速? なるほど凄いものです。
ならば私はこう答えます。『無限速すら私の前では1に過ぎず、私はその百倍は速い』と。
無限の攻撃力があるならばこう言いましょう。『その無限すら1に過ぎない更なる無限がある』と。それを超えたならば更にその上があると言い張りましょう。
無限に強くなり続けるならば、その千倍の速度で更に無限に強くなりましょう。
さあ次はどうします? 相対するだけで相手を殺す絶対の即死能力? 存在しているだけで相手の能力を全て奪い取るコソ泥能力? 絶対に相手よりも強くなる特性? 時間ごと巻き戻して無かったことにする術? 更に上の世界の住人となり紙を破るように相手の設定を破り捨てる凄い力? ありとあらゆる能力を無効化する力? どんな攻撃でも倍返しで反射出来る無敵のバリア?
勝利という概念を操って過程を無視して絶対に勝利する体質?
敗北という概念を相手に植え付けて絶対負けさせるチート?
その全てを問答無用に貫通して殺してしまえるだけの純粋無比な力?
何でも構いませんよ、満足するまで出して下さい」

「――どうせ効きませんから」
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「其方は強いが――それでも私の方が強い」

 言うと同時にルファスの力が跳ね上がり、アロヴィナスの敷いた設定を踏み越えた。
 極大宇宙? そんなものは知らん。
 無限に続くステータス? どうでもいいな。
 どんな設定でも上塗りしてしまえる? だからどうした。『私の方がその全てより強い』。この一言で全てが片付く。
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