化野
「ギンコよ、左手の手首の内側に無数の傷跡があるんだが、どうしたんだ?」

ギンコ
「ああ、それ、数年前にやった自傷行為の傷跡だよ。
自分でやってしまったんだから、こうなっても仕方ないと割り切っている。
半袖の服を着ることは克服している。

あの時、なにか嫌なことがあると、すぐに剃刀を使って切り刻んでいた…。
特に、伊集院光 深夜の馬鹿力における「リストカッターケンイチ」を聞いて、
面白半分で手首を切り刻んでいた経験があるな…。」

化野
「そんなことをして痛くなかったのか?」

ギンコ
「そりゃ、剃刀を当てるとき、結構痛かったんですよ。痛みを感じるとき、スーッとするという感覚が…。
おまけに、血が出てくるのを見ると落ち着く…。血が出てくるのがおもしろくて、ついついリストカットをしていたな…。
自傷行為がやめられた今となっては、剃刀を目立たないところに当てて切り刻んでみたところ、「痛っ!」となって、鋭い痛みを感じたな。
リストカット=痛いが再認識できた。あの時、何度も切り刻んでいると、そんなに痛くなくなってくるのが怖くてな…。」

化野
「周りのみんなは悲しまなかったのか?」

ギンコ
「そりゃ、傷跡を見せるたびに、知人は結構悲しんだと思う。
次第に誰も相手にされなくなってしまってな。

自傷行為は後になって、周りが悲しむ行為だと解り、
東日本大震災の状況を見て、完全にやめることができた。」