一条明日香

本作品の副主人公である。副主人公はwikiの記載によるものだが、
この点は同意である。明るく優等生で人望のある主人公とその反対である
一条は対になっており、最初から明と暗を意識した作品作りになっていたからだ。
但し、この一条は作品中で改心していき成長していく姿が見られるのが
ポイントである。最初から理想像に近い主人公と比較して、
次第に成長する一条はダイナミズムがあり、
見方を変えれば本作品は一条の成長物語とも言える。
放送当時、リアルで最終回を視聴された方は一条が聖を抑えて実業団にスカウト
された瞬間、「あれっ、この作品の本当の主人公って一条だったのか?」
と混乱したかもしれない。その後、どんでん返しで聖が全日本に選抜され
「やはり主人公は聖だったか」で締まるわけだが、最後まで良い意味で主役を
脅かす存在だった。名前の明日香もタイトル名と近い。もし漢字表記の
「明日へアタック!」だったら、もっと明日香が主役っぽくなっただろうが、
それだとバランスが崩れるから、ひらがなにしたのかもしれない。

この一条の存在感は数字でもはっきり出ている。第11話は本スレでも有名な  
火事の回
で、一条が火事の記憶を思い出し、もだえ苦しむ回だったが、最高視聴率となった。
また、後半以降は視聴率低迷に苦しむも、第21話は一気に上がっている。
この回は一条が手首の痛みに苦しむ回であった。なぜか知らないが
一条が苦痛にゆがんだ表情や嗚咽をもらすと数字があがったのである。
このあたりがこの作品が単なるバレー作品ではく、視聴者の独特の趣向
を刺激し、高度で異質な価値ある一品にしている所以であろう。