DVD-BOX1の解説書「アニメ『リボンの騎士』への道程@」を読んで
リボンの騎士のアニメ化が魔法使いサリーに先を越されていたとしても、原作漫画のリボンの騎士少女クラブ版が
「大河ドラマ的なストーリー性を取り入れた最初の本格的な少女マンガ」
であることは不動だろう。
なかよし版についての記述で
「冒頭こそオリジナル版をなぞりながら、中盤以降は独自の世界を展開。
おそらく、内容面も含め、虫プロでのTVアニメ化を想定した連載計画だったのだろう」
とあり、初耳だ。
ジャングル大帝もアニメ版は一話完結にすることを余儀なくされており、リボンの騎士のアニメはそれこそ大河ドラマ的なつづきものに本当はしたかったのかもしれない。
なかよし版が第一部完で終わっている理由は、
・W3事件で講談社の雑誌に描きたくなかった(憶測)。
・無理に引き伸ばしてきたが納得いかず、もう終わりにしたかった(単行本化でフリーべのエピソードがカットされていたことからの憶測)
というように、いいかげんな推測しかできなかったが、双子の騎士について、
「少女マンガの世界をいち早く開拓し、活躍してきた手塚氏だが、この時期、女性マンガ家たちの台頭により、作品を取り巻く状況には微妙な変化が現れ始める。
少女マンガの主流は10代の読者層と等身大の主人公を軸に、より日常的な舞台のドラマへと傾斜していったのだ。
それに伴い、手塚氏の描くファンタジックな作品は以前ほど支持されなくなりつつあった。しかし、時流においては新鮮さを欠いたかも知れないこの作品も、」
と記述されていることから、なかよし版の時点でリボンの騎士はすでに「懐かしの漫画」になってしまっていたことが、第一部完の理由なのかもしれないと思った。