劇画的な傾向が高まっていくことが原作漫画(なかよし版)ですら感じられるのだ
けれども、このテレビアニメも、ちょうど劇画の世間的な普及時期にあたり、
制作スタッフの中にも劇画作家出身者とか、あるいは劇画に感銘を受けたり
した者が多く居て、その結果として、メルヘンやファンタジーよりも
ドラマをあるいはより人物を、描写を、実写的に描くことに
傾向が変貌したように思います。
 虫プロとしては本格的な人物アニメですし。(アトムは戯画的なキャラクターで、
言ってみればディズニーのミッキーマウスシリーズのようなもの、リボンの騎士は
ディズニーでいえば白雪姫からの路線)。

そうして、扱っている内容は、人間関係の軋轢というものが中心であり、
たとえば主人公の心の中の葛藤を視聴者が同化して感じる、そういった
ことができる精神年齢でなければ、本当の面白さを味わうことが出きない
そういったちょっと大人チックな側面を持つテレビアニメ作品だったんです。
だから、幼児にはちょっと難しかったでしょうね。