今の人からすれば信じられないような話かもしれないが、
リボンの騎士の目標視聴率は最低でも20%を確保することだった。
25%ぐらいを期待していたりもした。でもそれはとても甘かった。
当時は少年漫画と少女漫画の垣根は高くて、少女は少年漫画を読んでも、
少年が少女漫画を読むことは禁断の園に立ち入るようなものであり、
家庭内に姉でもいなければ、原作漫画にふれる機会は無かったはずだし、
漫画連載はアニメ放送よりも前に終わって期間が空いていた。少女フレンドに
にわかにSF仕立ての話が連載されていたりもしたが、それはなかよしに
連載された漫画を踏まえたものでありました。
 ジャングル大帝などに比べれば、リボンの騎士はより精神年齢が高い
内容となっており、また苦悩あり、暗殺、毒殺あり、セクハラ(少女の
女の秘密を暴く)あり、の当時の子供の感覚ではちょっといけないエロ
アニメのような性格もあって、全く健全なほがらか家庭団欒用の作品とは
とうてい言い切れないものだった気がします。
 とにかく、なかよしの連載を最初から読んでいた人がいたら、本放送時に
はある程度上の年齢だったし(総集編的な雑誌は出てたにせよ)、男子は
読んでいないか知らない。まだ当時はかつて連載された漫画が単行本になって
本屋の棚に並んでいるような時代でもなかった。
 だから、認知度の点で不利だった。
そのため10パーセント台の視聴率しか上げられずに、最初の一社提供番組
だったスポンサーは降りた。いまなら10%もあれば良い方だが、当時は
それでは失敗と見なされた(特に日曜のゴールデンタイムです)。