小公子セディ・11 [無断転載禁止]©2ch.net
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【アニー・エロルとお似合い度ランク】
※対象:成人男性キャラ
SS:ジェイムズ
S:ハビシャム
A:
B:ドリンコート伯爵
C:アレック編集長、モーダント神父、ビービス、ウェストレイク先生、レックス(医者)
D:ディック、ウィルキンス、ガストン(町医者)、
E:ホッブス、ロリデル男爵、マイケル(エリック父)
F:ジェファーソン、ニューイック ※おさらい
【ハビシャム一家】
・ウィリアム(ビル)・ハビシャム
皆さん御存知のハビシャムさん。誠実で真面目なドリンコート伯爵の顧問弁護士。物分かりも良く信頼できる男性。普段はロンドン在住。今はアニーと再婚し、ロンドンとドリンコート家を行き来しながら多忙ではあるが、幸せな生活を送っている。
・キャロライン(キャロル)・ハビシャム
ハビシャムさんの前妻。ハビシャムさんを愛し支える優しい妻だったが、数年前に癌で亡くなる。墓はロンドンにある。
・オリヴァー(ナル)・ハビシャム
ハビシャム一家の長男。父の背中を見て弁護士を目指す。昨年司法試験に合格し、現在はロンドンよりも北にあるルートンに住んでいる。レディング在住の恋人がいる。
・ローズマリー(ローズィ)・ハビシャム
ハビシャム一家の長女。現在ロンドンの大学に通っており、将来は外交官を目指している。実家暮らし。ハビシャムさんの良き理解者で、アニーとも馬が合う模様。 _,, 、--─--──-- 、_
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/ ヽ
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( ( 乂 .l .ハ l
ヽ、__て,,、__,,ゝ丶-ヘ,,___、,,( l
/´ ヾ ,,==、 ´,,==、゙゙┬ .人
!/ l (゚;。); .('';.).! ゝ、_ .フ
.( l. ~ / ''゚'' ´ /´ マ
ヽ/ .! ヽ ' ( )
( ヘ ー-─' ゝ、. ゙ヽノ >>1、乙♪
ヽ、,, \  ̄ 人 丿
ゝ、`'' 、_ _,, .イ、 ` ,__..ノ
`アy  ̄ ン ヽJ'''`
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γ'' ゙ i''' ̄ ̄T''T ̄ ゙゙゙̄フ ./ ゙''ヽ、
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./ |,i (´ / ノ.| !`'i'´ ./ ヽ
./ i ヽ / ヽ l l 丶
/ | ゙丶/ \_.ノ | ハ
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.l // ,イ ,1 |ヽ ト、 !
i ./ i , /l / l.l ! 、 ト、゙i ,ヘへ、l ヽ.ト、|、 /
l. / .| /| /-|←┼‐l、 ヽ ト、!, -─ヽ|─!-l、i /
! l l | ! |、`';:‐-_、._ ヽ、l\l-i' _,_-='、"~! i"ヽ
. ヽ! ヽ|,/l゙、! l( (80j` l──|. イ80) )l. | )|
l.(l l ー-‐' ,! l、`゙‐--‐' l /"ノ
ヽ ヽ、._l_ _,.ノ 〈> ヽ、._ _.l_// / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ、.__,l  ̄ __  ̄ /、‐'´ |
`‐ 、 , ‐'´‐-ヽ < >>1、乙。
_ ./l` ‐ 、. _,. ‐''"!\ |
_,,.. -‐'ヽ ̄ヽ,-、シ ̄// |`‐- 、.._ \________
/ i / /_ 7`‐゙\__.\. | i ヽ、
/ l / | /||\ / ̄ ! | ! いよっ、待ってました!昭和アニメ掲示板一の大人気スレ!! 前スレ>>1000の続き
メロン「その幸せを壊しているのが私だと思うと心苦しいわ」
セディ「そんなことないよ!メロンおばさん」
アニー「そうですよ。メロンさんは悪気があってお父様と行動を共にしている
わけではないのは私たちも十分、承知しています」
伯爵が重い口を開いた。
伯爵「わしが悪いのじゃ。ウェリントン卿の未亡人と交際するなど、レスリーという
思いを寄せている女性が居ながらつきあったわしが馬鹿じゃった」
セディはやさしく声をかけた。
セディ「いいえ、お祖父さんはやさしい人なのでウェリントンさんのような女の方を
放っておけなかったんだと思います。ウェリントンさんも旦那様を亡くしてから
さみしかったからお祖父さんとおつき合いをしたんですよ。…あ〜、でもお友だちだったら
そうでもいいんでしょうけど、結婚となると困りますよね。僕、子供だからそのへんが
まだどうしたらいいかわからないの」
アニー「そうね。セディ、大きくなったらわかると思うけど恋愛って発展していくと
想いが強くなって結婚せずにはいられない関係に発展することがあるの。でも人は2人の
異性と結婚はできないわ。お断りしなければいけないこともあるの。でもそれは相手が
ある話なので時には相手方を怒らせてしまうことがあるのよ。今回、ウェリントン夫人は
どのようなお気持ちを持っているかわからないけどお父様はメロンさんに想いがあるので
ウェリントン夫人にどうお断りしたらいいか悩んでいるの。相手方をできるだけ傷つけない
ようにと思えば思うほどよ」
セディの年齢としてまだこのような事態を理解できる年頃ではなかった。
セディ「(納得いかない部分もあったが)わかりました、母さん」
そんなやり取りを聞いて伯爵もメロンも心が穏やかになっていった。
ハビシャム「さて、アニーとセドリック様のお話も我々にとっは心が和む会話ですが
御前、一度明日かあさってにはウェリントン夫人と単独でお会いになってはどうでしょうか?
もしそれで揉める様なことがありましたらその時、私が仲裁に入るということで…」
伯爵「うむ。それでは明日、わしが直接、ウェリントン夫人に電話してみよう。
面会の日時はその時に決める」
伯爵は覚悟を決めたのだった。 >>7
その夜伯爵は眠れなかった
伯爵「うむ…眠れんわい…」
メロン「あなた…大丈夫ですか?」
伯爵「ああ、済まんな、起こしてしまったな」
メロン「いえ、私も起きてましたから…」
伯爵「そうか…こんなことになってしまって済まぬ」
メロン「そんな、仕方のないことですわ。それに、しっかりと向き合ってくださって嬉しいです。どんなことがあっても私は受け入れる覚悟が出来ています」
伯爵「ありがとな、でもこれだけは覚えておいてくれ。今の儂はレスリーと共に過ごすことが生きるための源なんじゃ。そなたと一緒にいることが儂のこれからの人生の全てと言っても過言ではない」
メロン「まあ」
伯爵「しっかり話をつけてくる。お互いにとってよい形になるよう…」
メロン「もう何も言わなくていいわ。あなたの気持ちはよく分かりました。きっと私たち幸せに慣れると思うわ…」
伯爵「レスリー…」
伯爵とメロン夫人が抱き合った
伯爵「明日はキャロルの命日だというのに、ハビシャムには申し訳ないことをしてしまったな…」
メロン「そうですわね、明日はしっかりキャロルさんの墓も参りましょう」
伯爵「そうじゃな…」 >>8
伯爵「レスリー…愛してる…」
メロン「私も愛してますわジョニー…」
伯爵「レスリー、ずっと儂のそばにおってくれ…儂も永久にそなたのそばにおるからのぉ」
メロン「ええ…勿論ですわ」
伯爵とメロン夫人は同じ布団の中で抱き合い続けた
伯爵はそばにいると言ったものの、ウェリントン夫人のことが気掛かりで、
何だかメロン夫人が遠くにいってしまうような気がして、どうしても抱き締めないと気持ちが落ち着かなかった >>9
丁度、同じ頃、ハビシャムの部屋では…
アニー「あなた…」
ハビシャム「何だ、アニーも起きていたのか?」
アニー「ええ、今日は何だか眠りが浅くて…」
ハビシャム「ああは言ったけどもし悪い方向に行ったら裁判になることは
覚悟しなければならないね」
アニー「それはあまり考えないことにしましょう。…でもそれがあなたの
本業だったわね。ジェイムズの新聞記者の仕事も大変だったけど弁護士は
もっと大変ね」 >>10
ハビシャム「アニー、愛しているよ。僕は君を必要としているのだ。わかるね?」
アニー「もちろんですわ。頑張って2人目もつくりましょうか?」
ハビシャム「そうだね。お墓参りが終わってドリンコートへ帰ったらそうしよう。
ここではローズィもいるし、ちょっと具合が悪いね」
そう言いながらハビシャムはアニーを抱きしめ、キスをした。
アニー「あーん、もっと強く抱きしめて…」
二人は心も体も温めあった。
セディ「今晩に限ってどういうわけか僕も同じ部屋に寝ているんだよね。
二人ともそんなこと忘れているのかなあ〜?」
セディは二人の悶える声で目が覚め、こんなことを呟いていた。 >>11
夜更けにハビシャム邸を見回っていたローズィは伯爵とメロンのやり取りや
ハビシャム夫妻のやり取りが聞こえてくるのを耳にした。
ローズィ「これが大人の営みね。早く私も彼と寝てみたいわ。でも彼って
性にあまり関心がないのよねえ…」
ローズィはつき合っている彼氏はいたが、学生の身分ということもあり、
異性の肉体を求めることを控えていた。
2、3度彼氏を誘おうとチャレンジしたがその度にはぐらかされていた。 >>12
ハビシャム「アニー…愛してる」
アニー「私もよ」
ハビシャムさんはアニーに強く口づけをした
アニーもそれに応じた
ハビシャムさんのテクニックは相変わらずで、彼があらゆる部分を撫でたり舐めたりするだけで、アニーは声を出していた
ハビシャム「君は本当に素敵な女性だよ」
アニー「あなたも素敵な男性ですわ」
ハビシャム「そうか、ありがとう」
その後ハビシャムさんはアニーの胸を揉んだ >>13
セディ「今晩も見せつけてくれちゃって…そうとも知らずw。ウフフ、かわいいなあ〜」
セディが小声で大人びた発言をしていた。 >>14
朝になり、ローズィが各部屋を回り朝ごはんの準備ができたことを伝えに来た。
ローズィ「御前さま、メロン様、朝食の準備ができましたので食堂へいらっしゃってください」
メロン「ローズィ様、おはようございます。あら、私ったらお手伝いもしないで寝過ごしてしまったわ!」
ローズィ「お気になさらないでください。遠慮せずロンドンへ滞在中は私に任せてください」
それを聞いていたやっと目が覚めた伯爵
伯爵「おお、もう朝か。昨日はいろいろ考えてしまっていたのでようやく朝方に寝付くことができたわい。
ローズィ、すまんな。こんな年寄りのためにいろいろと世話になってしまって」
ローズィ「いいえ、とんでもないですわ。じゃあ、もし疲れが取れないようでしたら朝ごはんも後にしますか?」
伯爵「いや、大丈夫じゃ。すぐに支度して下に下りていく。レスリー、わしの着替えを出してくれ」
メロン「はい、承知しました」 >>15
今度はハビシャムの部屋に顔を出した。
ローズィ「お父様、アニーさん、セディ…いいえ、若君、朝ごはんができました。
下へ降りて来てください。食堂に朝食の準備をしましたから」
セディ「ローズィさん、おはようございます。若君なんて仰々しいから母さんみたいに
”セディ”って呼んでよ」
ローズィ「滅相もない。お父様なら若君の義理の父親ということでそう呼んでいるのでしょうけど…」
セディ「じゃあ、問題ないじゃない?ハビシャムパパが義理の父さんならローズィさんは僕のお姉さんだよ。
お願い!2人だけの時でいいからセディって呼んでよ。ねえ母さん」
アニー「そうねえ。ローズィ、私たちといるときだけそう呼んで
やってちょうだい」
ローズィ「ええ、まあ、そうしたいんですけど…」
セディ「そうそう。僕も早くローズィさんと本当の姉弟(きょうだい)
みたいになりたいからさ、ね」
その3人のやり取りを聞いてハビシャムはモゾモゾと起き出して来た。
ハビシャム「ローズィ、おはよう」
ローズィ「おはようじゃありません。早く着替えて食堂へ降りてきてください。
朝食の支度ができたのよ。今日はみんなでお墓参りに行くんでしょ?お父様は御前様
と違ってまだ若いのでからしっかりしてもらわないと困りますよ。じゃあ私は食堂で
待っていますからね」
ハビシャム「わかったよ」
ローズィが下に下りて行ったところを見計らって笑いながらこう言った。
ハビシャム「ローズィ、あいつも段々、亡くなったキャロルに似てきたなw
説教がましいところもそっくりだよ。アニー、生前のキャロルもあんな感じだったんだ」
アニー「ダンディなウィリーも家に帰ると死んだ奥様に頭が上がらなかったのですねえ(笑)」
ハビシャム「まあ、そんなところさw」
ハビシャムは苦笑いをした。 >>16
そこへ電話が鳴った。
ローズィは電話を取った。伯爵はドキッとした。
「まさか、ウェリントン夫人ではあるまいか…?」
メロン夫人もそれを察したのか少々不安な顔になった。
ローズィ「はい、ハビシャムですが…セディ?」
伯爵「セディじゃと?ウェリントン夫人がセドリックに用事があるとでもいうのか…
レスリー、どう思う?」
メロン「さあ…何が何やら…」
ローズィ「若君にお電話です」
セディ「ウェリントンさんが僕に?何の用事があるのかな?」
ローズィ「ウェリントン夫人ではありませんよ。ブリジット様からです」
伯爵とメロンは体から力が抜けた。
伯爵「ふう〜。飛んだ取り越し苦労だったようじゃなw」
メロン「あまりビクビクしていてもお体に触りますよ」
伯爵「ああ、そのとおりだ」 >>17
生まれて初めて受話器を持ったセディ。受話器といっても現代のようなものではなく、
相手方から聞こえてくるスピーカーのついたものである。
こちらから喋る方の送話器は電話器についている形式のものである。
当時の電話は今日のようなダイヤルなどついておらず、まずは電話会社の交換手を
呼び、ロンドン市内の何番地の誰々さん宅へ、そして電話番号を交換手に告げ、
繋いでもらうと言った方式であった。
セディ「ハロー。(でいいのかな?)」
ブリジット「ハローじゃないでしょ?グッモーニングでしょ。まさかあなた今回、
初めて電話を使っているの?」
セディ「そうだよ」
ブリジット「今起きたんじゃないでしょうねえ?寝坊助はダメよw」
セディ「朝から随分、ご挨拶だなあ〜!」
セディはちょっとムキになった。
ブリジット「冗談よ。それより今日はキャロラインさんのお墓参りに行くんでしょ?
その後の予定は?もし予定が無かったら私の家にいらっしゃいよ。今日はお母様も
お出かけで私一人になるのよ」
セディ「じゃあ、せっかくだからブリジットも一緒にお墓参りに行かない?
…ちょっと待っててね」
そう言ってハビシャムのところに駆け寄りこう言った。
セディ「ハビシャムパパ、もしお邪魔でなかったらブリジットも一緒に
お墓参りに行ってもいいかな?」
ハビシャム「それは構わないよ」
セディ「じゃあ、ブリジットの家に寄ってそれから行きましょう」
ハビシャム「そうしよう」 >>18
電話口に戻り、セディはこう言った。
セディ「もしもし…」
ブリジット「セディ、あまり待たせないでね。電話代って結構高いから」
セディ「ごめん、初めて使うものだからそんなこと知らなかった。…それで
今、ハビシャムパパにも許可もらったんだけどキャロラインさんのお墓参りに
一緒に行こう。ダメ?」
ブリジット「もちろんいいわよ。但し、お母様が9時にならないと出かけないようなの。
それから来てくれるかしら?」
今度は受話器を持ったままハビシャムにこう言った。
セディ「ハビシャムパパ、ブリジットの家に9時以降に行くってことでいいですか?」
ハビシャム「構わんよ」
今度はすぐにブリジットに返答した。
セディ「うん、大丈夫だよ。こっちから迎えにいくから準備していて…うん、わかった。
それじゃあ…」 >>19
電話はブリジットの方から切ったがその後の処理がわからなかった。
セディ「ローズィさん、あとどうすればいいの?」
ローズィは立ち上がり、セディから受話器を受け取り、電話器に受話器を置いた。
ローズィ「こうすればいいだけよ。電話はかかってくれば交換手の方が繋いでくれる
から受話器さえ取ればいいけど、かける時は受話器を取って脇のこのクランクを回して
電話局の交換手を呼ぶ。そしてロンドン市内なら”ロンドン市○○街何番地の××さん宅、
電話番号を交換手に伝えて繋いでもらう。…わかったかしら?」
セディ「へえ、ニューヨークにもあったけど父さんの会社やガストン先生のような仕事で
しか利用していない人のところでしかみたことがなかったよ。ハビシャム先生はお仕事で
使われているんですか?」
ローズィ「お父様の事務所にはこことは別に電話があるわ。これは自宅用よ」
セディ「へえ、すごいなあ〜。ハビシャムパパはお金持ちなんだね」
ハビシャム「2人とも食事に戻りなさい。スープが冷めちゃうよ」
セディ「あ、いっけない!電話って初めて使ったので感動のあまりいろいろ聞いてしまった」
伯爵「ローズィ、電話のかけ方まで教えなくてよい。セドリックがロンドンにいる間、
ブリジットに何度も電話をかけられてしまうぞw」
伯爵は冗談を言った。
セディ「はい、わかりました。よほどの用事がなければブリジットには電話しません。
世間話がしたければ直接会って話しをします。心配しないでください」
伯爵「電話をしたければハビシャムの家ではなく、わしのロンドンの屋敷で電話しろ。
そうすればハビシャムにも負担をかけなくて済むならなあ…ホッホッホw」
伯爵はこれから迫ってくる恐怖を打ち消そうとセディをダシにして皆の笑いを誘った。 このアニメって欧米で実写化しないの?
ぜひして欲しいよね >>20
そして8時を廻って皆が出掛ける準備を始めた
ハビシャム「9時までには着いていないといけないから、そろそろ支度をしましょう」
アニー「ええ」
ハビシャムさんは支度をしながらも、ずっとウェリントン夫人の件で、どうすればいいのか考えていた
ローズィ「お父様」
ハビシャム「ん?なんだね?」
ローズィ「重大な事態なのは分かりますが、あまり無理をなさってはいけませんよ」
ハビシャム「ああ、分かってるよ」
ローズィ「私は直接手助けは出来ませんが、家のこととか何でも仰ってくださいね。お父様は昔からすぐ無理なさるから」
ハビシャム「お前は本当にキャロルに似てきたな、お節介なところが」
ローズィ「そりゃあ親子ですから」
ハビシャム「でもキャロルもお前も、お節介だけど暖かくて、私にとって包容力のあるよき理解者だな」
ローズィ「お父さんはね、気分が良くないときに限って気丈に振る舞おうとするの。
小さい頃からよく見てたから分かります」
ハビシャム「そうだね、キャロルもそんなときはよく励ましてくれたなぁ…
口うるさいこともあったけど、素敵な女性だったな」
ローズィ「そうね、でもアニーさんも素敵な女性だと思うわ」
ハビシャム「ありがとう、ローズィ君もキャロルのように素敵な女性になるさ。いや、もうなっているか」
ローズィ「いえ、まだまだお母様やアニーさんには及びません」
ハビシャム「それもそうだな」
ローズィ「もう、お父様ったら」
二人は笑った。ハビシャムの気持ちはかなり紛れた >>22
伯爵「ハビシャム、馬車の準備はできたか?わしらは年寄りだから歩きはキツイんじゃよ」
セディ「じゃあ先に僕は走ってブリジットの家に行っていますよ」
伯爵「せっかくだから乗って行け」
セディ「大丈夫です。すぐ近くですから」
そう言ってセディは駆け足でブリジットの家に向かった。
伯爵「子供は元気があってよいなのう。なあ、レスリー」
メロン「本当ですわね」
伯爵「おーい、ハビシャム、馬車はまだか?」 >>23
ハビシャム「御前、まもなく玄関先に御者が馬車を牽いてきますので
もう少しお待ちください」
ハビシャムは”今日はいつになく、せっかちな御前だな”と思っていた。
アニー「お父様、それにしても今日は良いお天気になって良かったですわね」
伯爵「そうだな。…だがわしの心は曇天じゃ、正直」
メロン「引っかかっていらっしゃるのですね」
伯爵「ああ、まあ。あの件が解決していれば気持ちよくお墓参りできるのじゃがな」 >>24
そこへ馬車がやってきた。
御者「どう、どう…」
ハビシャム「御前、お待たせいたしました。どうぞお乗りください」
伯爵「うむ」
そう言って伯爵とメロンが先に乗った。
ハビシャム「あれ?セディはどううしたんだい?」
アニー「セディは先に走って行きましたよ。近くなのに乗り物に乗って行くなんて
自分には合わないと思ったのでしょうねえ」
ハビシャム「そうだったのか。じゃあローズィ、お前も乗りなさい」
ローズィ「あら?若君が歩いていったのなら私も一緒に歩いて行けば良かったわね。
2人だけでもお話もしたかったし」
ハビシャム「お前も乗せようとせっかく大き目の馬車にしたんだから乗りなさい」
ローズィ「若君も行ちゃったし、しょうがないわね。今度は若君に声を
かけてもらうよう頼んでみるわ。こう見えても私も若君と同じ若いんですからね」
ハビシャム「おいおい、私たちを一気に年寄り扱いか?」
ローズィ「アニーさんは別よ」
ハビシャム「やれやれ…」
気短の伯爵はそのやり取りにイライラしてきた。
伯爵「ハビシャム、つべこべ言わず早く乗って馬車を出してくれ。いつまでも
馬車に乗っていると腰が痛くなってくるわい」
ハビシャム「は、失礼いたしました。マイク(御者名前)、馬車を出してくれ」
御者「はい」
馬車は小気味良い蹄の音を立てて走りだした。 >>25
セディ「よし、お祖父さんたちの馬車より早く着いたぞ」
セディはハリス邸の呼び鈴を鳴らした。
ブリジット「おはよう、セディ。…ちょっと早かったわね。まだ9時になって
いないじゃない。もう少し後にして欲しかったわ」
セディはいつもの金の懐中時計を出して驚いた。
セディ「あ、10分も早く来ちゃった。ごめん…」
とそこへ運悪くハリス夫人が出てきた。
セディ「おはようございます、ハリスおばさん」
相変わらず無愛想な素振りでこう言った。
ハリス夫人「セドリック、ここはあなたが来る場所ではありません。帰りなさい」
セディ「でも、今日はブリジットとお墓参りの約束をしたんです」
ハリス夫人「ブリジットは行かせないわ」
セディ「でも、今日はブリジットとハビシャム先生の奥さんのお墓参りに
行く約束したんです」
ハリス夫人「セドリック、ブリジットはあなたのような粗悪なアメリカ人と
つき合う身分じゃないの。帰りなさい」
セディ「アメリカ人の何が悪いんですか?」
ハリス夫人「今度のアメリカの大統領選挙、新聞で見たわ。随分、粗暴な人が
大統領になったのよね?」
セディ「おばさんはアメリカの何がわかるのですか!?」
ハリス夫人「まあ、大統領も粗暴なら出身者も粗暴なのねえ…」
ハリス夫人は皮肉をこめて言った。 >>26
そう言って追い払おうとした矢先…伯爵が現れた。
伯爵「レディ・ハリス、お久しぶりじゃな。サー・ハリス(ブリジットの父は
準男爵)は仕事かな?」
ハリス夫人「夫は今日も大学に行って教壇で講義をしていますわ」
伯爵「ほう、日曜日なのに大学で講義?変じゃな」
ハリス夫人「正確にいうと学会の準備で日曜返上で出勤。そのお陰で今日の
用事は私一人で出かけなきゃならないんですよ。ブリジットを誘ったら
友だちと大事な約束をしたから一人で出かけてって言われたわ。
…へえ、こういうことだったってわけね」
伯爵「そうか。サー・ハリスは不在か?久しぶりなのに会えなくて残念じゃったわい。
それにしてもお前も相変わらず改心していなようじゃな。そういうのを偏見というのだ。
ブリジットの友達とはセドリックのことじゃ。さっき聞いたじゃろ?セドリックの
言うとおり今日はブリジットとセドリックは電話で約束したのじゃ。わしもこの耳で
しかと聞いていた。しかもわしの嫁の夫になったハビシャムの先妻の墓参りだというのに
何じゃ、その言い草は。まったく、、」
さすがにそういわれてハリス夫人は引き下がった。
ハリス夫人「御前、今日のところは御前の命令ということでブリジットの外出を許可します。
…それにしても粗暴なアメリカ人を後継者に持って大変ですことね」
伯爵「いい加減、その偏見を直せ。セドリックはお前が考えているアメリカ人像とは
まったく違うぞ。…そうじゃ、お前も墓参りに行くか?」
ハリス夫人「いいえ、遠慮しておきます。さっきも言ったとおり私は別件で忙しいのですよ」
そう言ってハリス夫人は出かける支度をし始めた。
伯爵「ブリジット、出てきなさい。キャロルのお墓参りに行くぞ」
続けて奥へ戻ろうとしたハリス夫人に伯爵はこう言った。
伯爵「ハリス夫人、お前も今度、サー・ハリスとアメリカに行って来い。
アメリカに対する見方も変わるぞ。これは忠告しておく」
その言葉を聞いたハリス夫人は黙って家に入って行った。 >>27
ブリジット「お待たせしました」
ハビシャム「ブリジット様、お乗りになってください」
ブリジット「はい」
そう言ってブリジットは馬車に乗った。
馬車は墓地の方へ向かって走り出した。
馬車の中でこんな会話になった。
セディ「僕、ものすごく心配したんだよ。ハリスおばさんったら怖い顔して
僕に今日は帰りなさい。ブリジットは粗悪なアメリカ人とつき合う身分じゃないの。
…ブリジット、今日は行けないのかなあって諦めようとしていたんだ。
そこへお祖父さんが来て助けられたよ」
ブリジット「セディ、ごめんなさいね。嫌な思いをさせて…」
セディ「ううん、悪いのは僕だよ。約束の9時前に行った僕がいけなかったんだ」
伯爵「ブリジット、お前の母親は相変わらずああなのか?」
ブリジット「そうですねえ。父はアメリカの大学の教授さんとのおつき合いも
あるので父は違うんですけど…でもロンドンに住むようになってからはアメリカの
学者さんも沢山来るようになってアメリカ人でも知識階級の方にはあんな態度は
取らないようになって来ていますけど。でも時々、家族同士で居るときはたまに
どんなに知識があっても所詮はアメリカ人は素性が悪いわねえっていう時があるの」
セディ「それは違う、間違いだよ!ホッブスさんもイギリスに来る前までは
貴族のことを良く思っていなかったようだけどイギリスに遊びに来るようになって
からは今度生まれ変わったら貴族と言うものになってみたいわいって言っているし。
お祖父さんの言っているとおり、ハリスおばさんもアメリカに行ったら
考えが変わると思うんだけどなあ〜」
セディはちょっと不満気にそういった。
伯爵「そうだな。それにしても今度、わしからもハリス夫人に言っておこう。
セドリックはイギリス一の貴族になる立派な孫じゃとな。それから
そのアメリカ人に対する偏見も無くすよう説得してやろう」
そう言っているうちに馬車は墓地に到着した。 レスリー・ニールセン
ブリジット・ニールセン
2人とも実在の人物 >>28
ハビシャム「キャロル…」
ハビシャムさんは墓の前に花を置いた
ハビシャム「キャロル、しばらくだね。以前までは毎日来ていたのに済まないね。
今日は御前をはじめ多くの方が小見えになっているよ。御前、どうぞ」
アニーはハビシャムさんがロンドンにいる頃は毎日墓参りに行ってたことを、このとき初めて知ったのだった >>31
セディ「そういえば母さんもニューヨークに住んでいた頃、仕事が忙しくなければ
父さんのお墓参りしていたもんね」
伯爵「そうじゃったのか…ジェイムズ、悪いことしたのう」
アニー「あら、ヤダわ。2人とも今日はキャロルさんのお墓参りよ。その話はよしましょうよ」
アニーは照れてしまった。
ローズィ「お父様ったら仕事が忙しいのにいつもここへ来ていたんですよ」
ハビシャム「ローズィ、その話しは恥ずかしいからしないでくれ」
伯爵「・・・」
伯爵の心は複雑であった。自分が若かった頃、奥方を亡くしてからはあまり
奥方の墓に行っていない。そしてメロン夫人がいながら今度はウェリントン
夫人にまで手を出した。これは報いかな?そう思っていたのだった。 ブリジット「ねえセディ、ローズィさんのお母さんってどんな人だったのかしらねえ?」
セディ「そりゃあ母さんと同じでやさしい人だったんだと思うよ」
メロン「若君、ブリジット様、私も生前のローズィさんにお会いしていますが
とても優しい方だったとお見受けしております。お美しい方でしたよ」
ハビシャム「ゴホン、、」
ローズィ「お父様、今の言葉を素直に受け入れるべきよ」
ローズィはハビシャムの手を握り、そう言った。 >>33
ハビシャム「キャロル、私の今の妻のアニーだ。
君とは違うタイプの人だが、暖かく思いやりのある人だ。周りがよく見えていて、私のことをしっかり支えてくれるところは君と似ているよ。」 >>34
と、そこへある一人の貴婦人が現れた。
ウェリントン夫人「ハビシャムさん、私にも先妻のキャロルさんをお参りさせてくれるかしら?」
ブリジット、セディ「え〜!何で何で…」
思わず、2人は大きな声を上げた。
アニーも驚いたがすぐに二人を諌めた。
アニー「ウェリントン様、今日はわざわざ来てくださってありがとうございます。
…こら、失礼でしょ?2人とも、ウェリントンさんに謝りなさい。
それからちゃんとご挨拶をして」
ブリジット、セディ「ウェリントンさん、お久しぶりです。大変失礼なことをして
すいませんでした」
ハビシャムも驚いた。
ハビシャム「ウェリントン子爵夫人、どうしてここがわかったのですか?」
ウェリントン夫人「たまたまさっき、ロンドン市内でハビシャムさんの秘書に
バッタリ出会ったの。今日は亡くなった先妻のお墓参りに行きましたよ。ってね」
伯爵とメロンは狼狽するばかりだった。
ウェリントン夫人「ジョニー。いえ、ドリンコート伯爵、私はこれで失礼しますわ。
でも一両日中にご連絡くださいね。いいご返事、お待ちしていますわ。
ハビシャムさん、フォントルトイ卿、それに皆さん、後ほどお会いしましょう」
とはいうものの、これはウェリントン夫人が伯爵にに対して約束は忘れるな。という
行動でもあった。
そう言ってウェリントン夫人は5分ほどで帰って行ってしまった。 >>37
伯爵の顔色がみるみるうちに青くなってその場に倒れそうになった。
メロン「御前、顔色が悪いようですが大丈夫でしょうか?」
伯爵「ああ、何とか大丈夫じゃ…ハビシャム、わしは一足先に馬車に戻って
休ませてもらうぞ」
ハビシャム「お医者様をお呼びしましょうか?」
伯爵「いや、それには及ばん」
メロン「では私もご一緒しましょう」
そう言って2人は馬車に戻って行った。 セディの父、ジェイムズって過労死なのか?
だったら労働基準監督署に申し出て、あの新聞社を
家宅捜査させればよかったじゃんか
アレックも確信犯だよな
ジェイムズにあんなに超過勤務させておいて、ジェイムズの容態に
気づかなかったとでも言い張るのかよ? あの時代はアメリカも労働者の権利ってそんなになかったのではないか?
資本主義社会が労働者を酷使し、富豪や貴族が富を独占していたので
マルクスのような共産主義思想が生まれたんじゃなかったっけ? >>38
伯爵はかえってすぐにベッドに横たわった
メロン「あなた、大丈夫ですか?」
伯爵「ああ、大丈夫だ」
メロン「きっと何とかなりますわ」
伯爵「ああ…」
伯爵はメロン夫人の手を引っ張り、ベッドに引きずり込んだ
メロン「あなた?」
伯爵はメロン夫人の胸の間に顔を埋めた
伯爵「すまんのう、こうでもしないと落ち着かんのじゃよレスリー…」
メロン「大丈夫ですわ、何があっても貴方の味方ですわ」
メロン夫人は伯爵を抱き締めた
伯爵はメロン夫人の服を捲り上げ、乳房にしゃぶりついた
メロン夫人は黙って、伯爵が甘えてくるのに応じた >>44
セディ「お祖父さん、可哀想…」
ブリジット「そうねえ。自分が撒いた種とはいえ、キャロルさんのお墓にまで
現れたのでは生きた心地しないわよねえ」
ブリジットはハビシャムの邸宅でゆっくりしようと考えた。
ブリジット「ねえセディ、このまま私の家に行ってもまたお母様が帰ってきたら
あなたを追い出すに決まっているので、今日一日私、ここに居てもいい?」
セディ「僕は構わないよ。何だったら夕食を食べて帰ったらどう?」
ブリジット「でもそれじゃあ、ハビシャムさんやローズィさんに迷惑がかかるわ」
セディ「じゃあ僕、パパやローズィさんに頼んでみるよ」
セディは早速、ハビシャムとローズィのところへ行った。
セディ「ねえハビシャムパパ、ローズィさん、今晩ブリジットも一緒に
ここで一緒にディナーを食べていってもらってもいい?」
ローズィ「いいですよ。一人増えるだけなので大丈夫」
ハビシャム「そうだね。帰りはマイクに馬車で送ってもらうことにしよう。
女の子一人で夜道は危険だ。そうするようブリジット様に言いなさい」
セディ「はい」
セディは喜んだ。 >>45
セディが部屋に戻ってくるとブリジットはセディのベッドへもぐりこんでいた。
セディ「ブリジット、今晩はここでディナー取れるようお願いしてきたよ。
…あれ、ベッドにもぐって具合でも悪いの?」
ブリジット「そう。突然、めまいが…セディ、ここへ来て私を暖めて…」
セディは心配そうにこう言った。
セディ「寒いの?」
そういいながらブリジットが横たわっているベットへ入った。
ブリジット「そう、そうやって私を暖めて…」
セディは何かおかしいことに気づいた。
セディ「は?…もしかして仮病だなw」
ブリジット「バレちゃったわね。あははははー(笑)」
セディ「もうブリジットったら!w」
そう言って二人はベッドの中でじゃれあった。 >>46
ブリジット「ねえセディ、ちょっと手を貸して?」
そう言ってブリジットはセディの右手を握り、セディの手をブリジットの懐へと入れた。
セディ「ねえ…ちょっと…ダメだってば!」
ブリジット「私が許しているんだから大丈夫よ。まだ膨らんでいないけど」
セディ「うーん、暖かいけど?」
さらにブリジットは上半身裸になり、セディの顔を自分の胸へ埋めてやった。
ブリジット「誰にも見つからないようにしなきゃなね!」
セディは顔が真っ赤になった。
セディ「何だか恥ずかしいよ」
ブリジット「いいから、さあ出ないけど母乳を飲むマネをして…」
そういいながらブリジットの乳首をくわえた。
セディはアメリカ行きの船内でアニーの母乳を飲んだことを思い出した。
セディはもまもなくハッと我に返った。
セディ「もういいよ。誰か来て見られるとマズい。さあブリジット、服を着て。早く!」
そう言うと誰かが二階へ上がってくる足音がした。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています