ナルはアオにご飯をご馳走した。
ここで、アオと接近すれば、失われかけているヒロインの座を少しでも取り戻せるかも知れないという賭けだ。
しかし、アオの態度はそっけないものだった。ここで、アオが、
「ナルのご飯、すごくおいしいよ。じっちゃんのは酒のつまみだもんな。島に居た頃を思い出すよ。」
と、二人の思い出を語ったなら、ナルは、もっとアオに心を開けたはずだ。

ナルの角を見て、アオは、ナルがトゥルースの彼女になったと思ってる。ここで、アオが、
「ナルの決めたことなんだから、俺は反対するつもりは無いよ。」と、言えば、
ナルも、素直に、全てはアオのためだという理由を告白できただろう。

トゥルースと戦いに行くアオを止めようと、ナルがアオに言う。
「まって、アオ。あなたはスカブコーラルと人から生まれたんだよ。トゥルースだって同じでしょ?」 ここで、アオが、
「トゥルースは大勢の人を殺してきた。俺はこれ以上の犠牲は出したくないんだ。」と言えば、
ナルももう少し聞き耳持ったのではないか?

「スカブは、私にアオと対等になれる翼をくれたの」ここで、アオが、
「俺を外人扱いするやつらから守ってくれたのはナルじゃないか。」と、ナルを持ち上げれば、
ナルも、惨めな空気のままで、ただの変な子だと好奇の目にさらされ続けることもなかっただろう。

「アオのニルバーシュには、アーキタイプが無いから」
ここでナルは、アオにストーリー上の重大なヒントを投げたつもりだった。ここで、アオが、
「ナルのニルバーシュにはそれがあるなら、俺と一緒にトゥルースと戦おう! 思い出のつまった島を守るために!」
と言えば、ナルは心動かされて、「トゥルースを止められるのは、私だけ。」と、
ストーリーが動いたかもしれないが、肩透かしだった。

スタッフから、ナルはもう人気無いし、役目終わったから、もう出番無いからと言われてるようなもの。
ヒロインのはずだったのに、こんなに粗末に扱われることになるとは、なんという不憫なナルたん。