初代エウレカセブン39話。
ご存知スタッフの息抜きのためのサッカー回だ。

初見でも、「ああ、今回はギャグで行くんだな。」と、最初は適当に鑑賞していたわけだが、
そこはエウレカセブン。ただのギャグ回では終わらない。

ゲーム終了後、ホランドはこう言う。
「もう一度ここへ戻って来よう。もう一度やつらと対戦しよう。誰一人欠けることなく。ゲッコースティト全員で!」
たったこれだけの台詞で、今までのおふざけがウソだったかのように、急に盛り上がるのがすごい。

また、後半のゲーム中で、エウレカがレントンに何かボソっと言う。
終了後にレントンがエウレカに「何て言ったの?」と聞く。
エウレカの言った言葉は「信じてる。」だったと答える。
レントンとエウレカの絆も、急速に深まる。
ゲーム中に言わずに、謎かけとして後から教えられるのがミソだね。これは本当に上手い。
油断して見てたから、まさに後頭部をガツンとやられたようだよ。

ここで視聴者は、ノルブの考え、今回の脚本の趣旨を理解する。
「仲間と思いを一つにすること」「仲間を信じること」
ただのギャグ回なのに、この2つのシメがあるから、気持ちよく見終えることが出来る。

逆に言えば、この2つの言葉があれば、途中で何をやっても感動的なラストにもって行けるということ。
それを計算した上でなら、どんなにふざけた脚本でも成立すると確信しての所業なわけだ。
しかし、その基本すら出来て無いアニメもとても多いのだ。AOのように。