昔「威嚇する猫を飼って1ヶ月が過ぎた」を建てた
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溢れてくる涙を何度も手で拭っても
すぐに目の前が見えなくなった。 俺は何も出来ず、ただただ泣くことしか出来なかった。 次の日も2回の注射をした。
せめて水分だけでも取らせてあげたかった。 俺はまた泣きながら猫を優しく撫でていた。
何度も猫に謝りながら。 実の両親が亡くなる時にも泣かなかったのに
今日も泣いていた。
この数日間、数えきれないぐらい泣いた。 俺がいくら泣いても猫の苦しみが取れる訳でもないのに。 今まで猫砂で用を足していたのに
もう猫砂まで歩いていけなくなっていた。 オシッコを済ますと、猫はコタツの向こう側まで歩いて行き、
そして俺の顔を見ながら何度も瞬きをした。 その姿は、猫砂で用を足せなかった自分自身へのショックなのか
俺に対して猫砂で用を足せなかった謝罪のように思えた。 俺は猫の側に行って優しく頭を撫でながら
「お前は何も悪くないよ」
と泣きながら声をかけた。 もう、猫砂まで歩けなくなってしまった。
もうダメだ。
信じたくないけれど確実にお別れが近い事が分かった。 猫はリビングから和室に行くと、そこで倒れた。
猫あるあるの突然にゴロンとするのではない。
明らかに力尽きて倒れた。 俺は猫を抱き上げようとした。
猫は首がすわっていなかった。 俺は優しく頭も持ちながら、猫を抱き抱えて
ソファーまで連れて行った。 猫が寒くないようにソファーの上にタオルを敷いて
その上に猫をねかせて、上からタオルケットを掛けた。 猫は目を閉じていて、少しだけ口を開けていた。
僅かにお腹が上下に動いていて、かすかに呼吸をしている事が分かった。 少しすると、猫は水のような便をした。
酷い下痢をしていた。
もう身体中の力が抜けてしまったのだろう。 嫁に
「もう明日の朝まではもたないと思う」
と伝えた。 俺と嫁は猫の側にいて、ただ猫を見守る事しか出来なかった。 それから2時間くらい経過しただろうか。
横たわっていた猫は突然、両前足で自転車の
ペダルを漕ぐように動かし始めた。 それから少ししたら、今度は逆エビゾリのように身体を何度かそらした。 元の姿ではなかった。
猫は天国に旅立ってしまった。 俺のあと10年、20歳まで長生きして欲しいという願いは
俺の愚かな選択で摘み取ってしまった。 すまない。
今日の報告はここまでにしておくよ。
ハッピーエンドを期待していた人がいたら
申し訳ない。
多分、明日で完結させられると思う。
もし何か質問があれば、完結後に受け付けるよ。
今日も駄文に付き合ってくれてありがとう。 申し訳ない。
誰も望んでいないエンディングになってしまったので
報告を止めようと思う。
これは創作でも余計な脚色もしていないつもり。
ただ事実を報告したつもりだったけど
不快な思いをさせてしまった人にはお詫びします。 ちょまって!
犬猫板にあると思ってずっと更新待ってたらまさかのペット板だった
ウチには今3か月の子猫が3匹いるからその子たちを思うと涙でぐちゃぐちゃになってしまったけどいつかはそんな日も来るわけで
ぜひ続きお願いします ハッピーエンドを期待した人にショックを与えるつもりはなかった。
不快に感じさせてしまった人には申し訳ない。 このまま途中で止めてしまうと、誤解を与えたままになってしまうと思ったので
最後まで報告させてもらおうと思う。
今日が最後です。 以前スリスリ甘えていた猫は、すっかり姿が変わってしまった。
衰弱してとても小さい姿になっていた。 3.6kg程度あった体重は2.2kgにまで痩せていた。 この数日間、苦しそうにしていた猫は少し安らかな姿に見えた。 苦しみから開放された猫に、俺は気持ちが少し救われていた。 辛そうに時々アウアウ鳴いている猫に、何も出来なず泣いてばかりいた俺は
もう苦しまなくて済む猫の姿に気持ちが救われていた。 この1週間、俺たち夫婦は猫の看病に付き添っていたため
嫁に今日はもう寝るように伝えた。 俺と猫だけになったリビングは、テレビから小さな音だけが響いていた。 俺は猫を撫でながら、これまでのことを振り返っていた。 初めて家に来た日のこと。
ずっと威嚇され続けて、なかなか懐いてくれなかったこと。 威嚇するのが止まったけれど、全然触れない日々が続いたこと。
少しずつ近づいてきて、俺たち夫婦に興味を持ち始めたこと。 初めて触れるようになった日のこと。
初めて手から食物を食べてくれるようになった日のこと。 初めて膝の上に乗ってくれるようになった日のこと。
一緒に沢山遊んだ日々のことを。 そして苦しんでいるにも関わらず何も助けてあげられなかったこと。 溢れる涙を手で拭いながら、もう眠りから永遠に覚めない猫を
優しく、そしてゆっくりと何度も撫でながら、沢山の思い出を振り返っていた。 俺はボランティアさんにメールで最後の経過報告をした。 メールには俺の家族として迎えられた猫が幸せだったと書かれていた。
ボランティアさんからのメールを読むのは心が痛んだ。 俺は、ボランティアさんに猫が助からなかったのは、俺が見殺しにしたからだと伝えられていなかった。 この家で嫁と二人だけの夜を過ごすのは10年ぶりだった。 翌朝、猫が生きている間は縁起が悪かったので調べていなかったペットの葬儀について調べた。 比較的近所のペット専門の葬儀場に電話で予約をした。
俺は猫の個別葬をお願いした。 近所のホームセンターでダンボールを買ってきて、中にタオルケットを敷いて猫をゆっくりと寝かせ、
身体を保冷剤で囲った。 まだ保冷剤で囲んだばかりなのに、猫の身体はとても冷たかった。 猫と過ごした最後の一日をどうやって過ごしたのかあまり記憶が無い。
気づけばもう夜になっていた。 今まで笑って見ていたテレビ番組が、とても空虚なものに映っていた。 願掛けのため控えていたお酒を飲みながら、猫と二人だけの最後の夜を過ごした。 朝を迎え、俺は嫁と一緒に猫を葬儀場に連れて行った。
葬儀場には、別の家族が先にお別れをしている姿があった。 受付の人に伝え、猫の葬儀の準備をすすめてもらった。 棺桶に相当するカゴに、猫をダンボールから移して寝かせ直した。 葬儀場の人に用意してもらっていた生花で、猫の周りを飾った。 係の人から
「これが猫ちゃんの姿が見れる最後です。お別れとなります」
と声をかけられた。 こうして猫を個別に火葬してもらい、お骨を家に連れて帰ってきた。 もう苦しむ猫の姿が無いのにも関わらず、俺はそれから
数日の間苦しんでいた猫の姿を思い出して泣いた。 辛くて見ることが出来なかった、スマホに保存していた猫の画像や動画を見なおした。 俺は猫の写真や動画が、10年間一緒に暮らしていたはずなのにとても少ないことに気づいた。 日々の幸せだった出来事は決して永遠に続く訳ではないのに、
俺はそれが永遠に続くことだと錯覚していて
猫の記録をあまり残していなかった。 猫との幸せだった出来事の、その殆どが俺の記憶にしか残っていなかった。 日々猫との思い出が薄くなりはじめていて、曖昧な記憶となっていることが辛くて
自分自身の記憶の整理をしたかったので、ここに文字として記録を残させてもらった。 猫がいなくなったことは俺たち夫婦にとってとても大きな事であったが
日々日常はいつもと変わらず過ぎていった。 猫中心だった生活は体中に染み付いており、リビングの扉を開ける時に、
猫が逃げ出さないようにゆっくり開けるとか
こたつに足を入れる時に、中にいる猫を蹴っ飛ばさないようにそっと足を入れるとか。
暫くは無意識の行動が俺も嫁も続いていた。 夜になると、俺は誰も居ないリビングで一人、猫の名前を呼んでみた。
カーテンが風で揺れ、猫がいると錯覚するような事が起きないだろうか。
猫の声が空耳で聞こえないだろうか。
そんな馬鹿な事を何日か繰り返した。 猫がいなくなって数日後、俺と嫁はテレビを見ながらリビングで過ごしていた。 俺は嫁に
「猫を飼っていた人達の中で、猫が居なくなってから猫の足音を聞いたり鈴の音を聞いた人がいるらしいよ。
家には帰って来ていないみたいだね。」
と言ってみた。 すると嫁から
「この前、朝起きてリビングに入ったら、隣の和室に片付けていた猫のおもちゃが外に出ていたよ。
もしかして猫が遊びにきたのかと思った。」
と言われた。 きっと何かの思い違いで、片付け忘れていたおもちゃだったんだろうと思った。
でも心の中で本当に猫が遊びに来たのかもしれないと嬉しかった。 それと同時に、俺は猫がいなくなってからそのような体験はしておらず、
夢でもいいから猫に会いたいと思っていた。
空耳でもいいから猫の声が聞きたかった。 きっと猫は俺のことを恨んでいて、たとえこの家に遊びに戻って来ることがあっても
俺の前には戻って来ないだろうと思った。 心の中で、猫の冥福を祈り、もう数え切れないくらいの謝罪をした。 1週間が経過した頃、元飼い主さんから電話があった。
ボランティアさんが元飼い主さんに連絡してくれたのだろう。 元飼い主さんは電話で
「私に引き取られて猫ちゃんはとても幸せでしたよ。ありがとうございました。」
と感謝された。 俺は
「そうですかねぇ。」
としか言葉が出なかった。
元飼い主さんにも俺が悪かったことを言えなかった。 その日俺は一人リビングで、特に集中する訳でもなくテレビを見ていた。 すると隣の和室から
「アウ」
と猫の鳴き声が聞こえた。 ただの空耳だろう。
でも俺のところにも猫が少し帰って来てくれたのかもしれないと思えるの事が嬉しかった。 猫がいなくなって3ヶ月が過ぎた。
大分ペットロスが解消されたと思っていたが、ここで投稿しながら色々な事を思い出したら
また何度も泣いてしまった。 あまり俺が悲しんでいると猫が成仏出来ないと思うので、気持ちの整理と
早く、今度はもっと幸せに生まれ変われる事を願って報告させてもらった。 長々と一人語りを続けて申し訳なかった。
以上で俺たち夫婦と猫の10年間の出来事だった。 今日まで俺の駄文に付き合ってくれた人ありがとう。
誰もいないかもしれないけれど、何か質問があれば答えます。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています