【人喰いパンダ真昼の襲撃、児童ら二十六人を殺傷】
1982年2月15日 現地週刊誌「週刊飛燕」より抜粋

四川省臥龍、江門小学校の教室にジャイアントパンダが乱入、生徒や教職員らを襲撃するという事件が起きた。
突如なんの前触れもなく教室に迷い込んだ中国一の人気者に生徒たちは「かわいい!」「なでたい!」などの
大歓声で迎えたが、
歓声に驚いたパンダは興奮していちばん近くにいた教職員に襲いかかり、パンダの渾身の右フックで
教職員の首はゴムまりのようにもげて吹っ飛んだ。
想像を絶する光景に生徒児童らの歓声はたちまち悲鳴にとってかわった。
悲鳴にさらに逆上したパンダは逃げ惑う生徒児童らをつぎつぎに襲撃、教室は一転血みどろの地獄絵図と化した。
悲鳴を聞きつけた体育教師と学校警備員がパンダを取り押さえようとしたが、パンダはその巨体に
似合わぬ跳躍力で二階の窓を破って飛び出し、ついに逃げ延びたという。
今回の事件の死傷者重軽傷者は合わせて二十六人にも上り、野生動物の襲撃による被害としては
中国過去最悪クラス。
ジャイアントパンダはふだん標高千?三千メートルの山地で暮らし竹や笹を食べるおとなしい動物で基本的に
人を襲うことはないという。
開発のために山地が切り拓かれ、行き場と食糧を無くしたパンダが人里に下りてきたのでは、と専門家は
分析している。