http://gigazine.net/news/20130423-google-street-view-fine/

Googleストリートビューカーが無線LANのSSIDやMACアドレスだけでなく、WEPなどで暗号化されていない通信データを
無断で収集していた件で、アメリカやフランスで和解金や罰金支払いが行われてきましたが、ドイツでもGoogleに対して
罰金14万5000ユーロ(約1900万円)を課す判決が下りました。

この件については、アメリカの連邦通信委員会(FCC)の調査によって、Googleの主張通り違法性はないという判断が下り
ましたが、調査過程でGoogleが十分な資料を揃えなかったり、関係者を特定することを拒んだりと、意図的に調査を妨害
して進行を遅らせたため、罰金2万5000ドル(約250万円)が課されています。

そして2013年3月にはアメリカ38州およびワシントンD.C.の検察当局と総額700万ドル(約6億7000万円)の和解金を支払う
ことで合意、同様にフランスでも10万ユーロ(約1300万円)の支払いを命じられていたGoogleですが、2013年4月22日にド
イツ・ハンブルグの情報保護委員会はプライバシー保護法に違反するとしてGoogleに14万5000ユーロ(約1900万円)の支
払いを命じました。

情報保護委員会のJohannes Casparさんは、「法的に課すことができる罰金の最高額は15万ユーロ(約2000万円)なので
すが、14万5000ユーロではGoogleほど大きな会社に情報収集を止めさせるには不十分です」と発言しており、事実、昨年
のGoogleの純利益は107億ドルなので、この罰金はわずかその0.002%にしかならないとニューヨーク・タイムズは指摘して
います。今回の件で、既存の法律では個人がプライバシーを守ることが極めて難しく、情報が悪用されてしまう可能性が高
いという問題が明らかになりました。

2012年にFCCが公開したレポートには「コードを書いたエンジニアは1人以上で、その意図は明らか」との記述がありました
が、Googleは「望んでデータを収集したのではなく、使用することはもちろんのこと、データを見てさえいなかった」と語ると
ともに、本判決について上訴を行う予定はないとの意向を示しました。