電波ソングがJ-POPに融けて薄まり広がったように限りなく軽薄になった、オタクのレッテルはおれを奮わせてはくれない。
内には反骨心も、怒りすらもない。
情熱がほしいんだ熱中がほしいんだ熱狂がほしいんだ。
きっとその頃あったんだと信じてる熱、熱。
おれは偽者でしか或れない、人畜無害でつまらないオタクもどき。
どうかこの手から摺り抜けてゆかないでほしい。おれは愛しているんだと理解ってほしい。
ずっときみを探しているよ、その残骸をそれが持つ熱を、テセウスのアキハバラに、深遠なるインターネットに、片田舎のちいさな部屋からひとりで。