2020年に開催される東京五輪・パラリンピックのエンブレムの最終候補4作品が8日に
公開されたが、さっそく出来レース疑惑が浮上するなど先行き不安な展開となっている。
1月の段階で残っていた64点の中から最終候補4点と予備として次点4点が選ばれていた。
しかし今回の4作品の中には、そのどちらでもないものが含まれていたのだ。

 エンブレム委員会の宮田亮平委員長(70=文化庁長官)は「ベストの4作品と自負して
いる」と胸を張ってA、B、C、D案を公開。宮田氏は「3月28日の委員会で最終候補から
1点、次点から2点、それ以外から1点を(商標調査にかけると)決定しました」と明らかにし
た。この説明に報道陣は混乱した。

 前述のとおり、報道陣は1月に絞られた8点から公開される作品が選ばれると聞いていた
からだ。にもかかわらず“それ以外”から1点が紛れ込んできたから取材陣が面食らうのも当然だ。

 記者会見後に紛糾し、委員会事務局のスタッフがつるし上げにあった。「次点でもないもの
を急に入れるのは出来レースと思われてしまう」「森喜朗氏がねじ込んだのか」「なぜ今まで隠
していたのか」などなど疑問の声が飛んだ。

 スタッフは出来レース疑惑やねじ込み疑惑を否定しつつも「個別の作品の選考過程につい
てはIOC(国際オリンピック委員会)との関係で言えない」と繰り返した。

 このスタッフによると、1月に選んだ8点のうち、5点に商標上の問題が浮上。このままでは
候補作品がなくなりかねないとして、64点のうち8点以外の56点から1点をエンブレム委員
らで挙手して選んだという。この過程を明かさなかったのは「なんでと言われても…」(スタッフ)。

“それ以外”の1点がどれかは今後も明かされない予定。報道陣からは「これはやばいな」との
声も漏れている。

http://www.tokyo-sports.co.jp/sports/othersports/528477/