私の好きな新約聖書学者に田川健三がいる。
田川健三は「神を信じないクリスチャン」という異名を持つ。
その思想によって、十分な知性と経歴があるにも関わらず封建的な宗教学界からは
教職を追われた過去をもつ。
田川の主張する神を不在とする根拠は、神の存在を積極的に思考すれば、
どうしても自分の想像する自分だけの神に修正され、
神が神でなくなるという逆転現象がおこるということである。
神を想像すればするほど、自分だけの神を形作ることになるという矛盾が生じる。
神は人間に作られた側面があると主張する。
これは信仰を持つものにとっては大いなる挑戦であると思う。