死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?375
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※前スレ
死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?374
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/occult/1676577211/ で、その古物商に、「お気に召さないでしょう。これら、骨董市から買ってきた
のなら、市に戻せばいいんじゃないですかね。あの骨董市は知り合いが
店出してるから、その一画を借りる形で。鑑札は問題ないです。
こういうものは買う人次第のところがありますから、私がつけた値よりは
高く売れるかもしれません」こんなことを言われたんです。それでね、
時間だけはたっぷりあるもんですから、主催者にお願いして、毎月市の日に、
ゴザを敷いて売りに出てたんです。値段は本職の方のアドバイスも受けましたが、
相場よりだいぶ安いんだと思います。けっこう売れましたから。そうして、だんだんに
親父の骨董は少なくなっていきまして。それで、3ヶ月前のことです。その日曜も
骨董市に出ていまして、日が暮れてきたんで帰ろうと、品物を片づけていました。
そしたら、わたしより10ほど歳上に見える品のいいジイさんが来まして、 「この石ちょっと見せてくれるかね」って言ったんです。「ああ、どうぞ」
それは骨董とはまた違うもので、天然石ですから、美術品てことでしょう。
ちょっと見ばえのいい木製の台座もついてました。なんていう種類かはわかりませんが、
20cm四方ほどで、白く透きとおるロウソクみたいな質感のものでした。
老人は手にとってしばらく眺めてから、「ふうん、これねえ、上下逆さまだよ」
「どういうことです?」 「この台座を向いてるほうが本当は上だよ」
「ああ、でも、そうすると安定しないんじゃないかな」
老人の言うとおりに、石を逆さに置いてみましたが、やはりグラグラしたし、
しかも趣もあんまりよくなかったんです。「やっぱり前のほうがいいでしょう」
「観賞用としてはそうかもしれんが、顔があるのはこっちだな」
「え、 顔?」このときはもちろん、本物の顔のことだとは思わなかったんです。 本来鑑賞すべき向きとか、そういう意味だと理解したんですが、老人は、
「これね、こっち側を、そうだなあ、和服の端布がいいかな、絹の。
それで磨いてごらんよ」こう続けました。
「磨く? はあ、石を磨いてる趣味の方もおりますね」
「うんまあ、光らせるというわけではないが、磨いてれば何か出てきそうだ。
端布は近くの和裁屋で売ってるだろうから、ぜひやってみてごらん」
「何が出てくるんですか?」 「まあ磨いてのお楽しみだろう」
こう言って、老人から石を磨く方法を習いました。世間一般に行われている
石磨きとは違って、グラインダーなどの機械はおろか、磨き粉のようなのも
一切っ使っちゃならないそうで、ただひたすら絹の端布でこする。
その間、無念無想になるのが醍醐味だと言ってましたよ。 「高く売れるようになりますかねえ」わたしがそう言うと、
老人は懐から名刺を出し、手渡してよこしました。それには「古美術商」の
肩書がありまして。「まあね、何か出たら、もし手に負えないことがあったら、
連絡して」 「え、手に負えないことって?」 「まあまあ」
こんなやりとりをして老人は帰って行きましたよ。「ふーん、石を磨く・・・ね」
老後の、時間はあるが金はないわたしにはうってつけの趣味だと思いまして、
老人から教えてもらった和裁屋で、絹の端布を買って帰ったんです。
翌日の午後からですね。その石を磨き始めました。
下になっていた面を上に向け、ひたすら端布でこする。
力を入れてもどうにかなるわけでもないので、ゆっくりと優しく。
女房が「何をやってるのか」と聞いてきたので、 老人から言われたとおり答えたら、「高く売れるといいねえ」と笑いまして。
で、その午後中磨き続けましたが、目に見える変化はありませんでした。
ただ、やってる間はすごく落ち着いた気分でしたね。
それが、1時間半ほど毎日磨いてましたら、少しずつ変化が現れはじめました。
まず光沢が出てきて、白さの透明感が増したような気がしたんです。
それと老人が言っていたように、中に何かがあるように思えてきました。
でね、10日ほどたつと形が浮き出てきたんです。これは立体感が
あるものじゃありません。わたしは平らにこすってるだけですから。何と言えば
いいですかね。横向きから45度ほど前に向いた女の顔・・・それを水の中を通して
見ているような。日本髪で昔の人のような感じがしました。もちろん本当の
人の顔の大きさはありません。実際の半分よりやや小さいくらいでしたか。 でね、それが見えてきてから、面白くなって午後のずっとを磨きにかけてたんです。
女房に見せましたら、「顔かねえ? そう言われればそんなような気もするけど、
これは動物の顔じゃないかしら」 「そんなはずはない。
これが額でここが鼻で・・・」とうとう、朝起きたらすぐに石を手にとって
磨き始めるという、何かの中毒者みたいなことになってしまったんです。
ええ、女の顔はだんだんはっきりしてきまして。歳は30代前半
くらいですかねえ、なんとなく憂い顔に見えるところがよかったんです。
和裁屋にはその後2度行って、端布を買い足してきました。
飯もあまり食わなくなって、少し痩せましたから女房も心配し始めてね。
「あんたが夢中になってることをとやかく言うのもあれだけど、私には虎とか
ああいう怖い動物に見えるよ。もう売っちまったほうがいいんじゃないかい」 でもね、その頃には売るという考えはすっかりなくなっていたんです・・・
ある日です。縁側でそのときも石を磨いてたんですが、陽気がいいので
少し手をとめて うとうとしていました。そしたら外にシロがきまして。
ええ、このシロというのは猫です。家で飼ってるわけではなく野良なんですが、
人に慣れてまして、ときおり姿を現したときに餌をやったりしてたんです。
縁側にひょいと跳び上がり、わたしの手の中にある石に近づいて、
顔の出ている部分をぺろりと舐めたんです。
その途端、「ヒンギャー」という声を上げて垂直にジャンプし、
下に転げ落ちて一目散に逃げていったんです。わたしはそれで一瞬でうたた寝
から覚めまして、見ると床板が血だらけになっていたんです。
シロの血ですよ。その中にまだピクピクと動く肉塊・・・ シロの舌の一部だと思いました。あ然としながら石のほうを見ますと、白い中に赤い、
血の色の筋が2ヶ所入ったようになり、それは内部にあるもののようで、
いくらこすってもとれなかったんです。いいえ、すぐ前まではありませんでした。
でね、その筋が入ったのが、石の中にある女の顔の口唇の部分です。ちょうど
紅をさしたようで、女の表情が妖艶とも酷薄とも見えるように変わったんです。
ぞくぞくっとしました。それで夢中になっていたのが一気に冷めてしまって、
同時にね、あの老人が言っていた「手に負えなくなったら連絡して」
という言葉を思い出したんです。名刺はとってありましたし、
電話したらすぐに老人が出ましたので、事情を話しますと、
「ははあ、やはりそういうものでしたか。今から引取りに伺いましょう」でね、
夕方になって、老人はひじょうに古いキャデラックを自分で運転してやってきました。 そのころにはシロの血はぬぐってありまして、縁先で石を見せると老人は唸り、
「これはまた、怖いねえ。怖いものを出した。この素性のものとまでは
思わなかった。でもねえ、あなたのような人が磨いたから、
これで済んだんだろう。若い人だったらとり込まれていたろうに」
こう言って値をつけたんですが、それが100万の桁にのぼるもので。ええ、
おそろしいので買っていただきましたよ。その後はとくに変わったことはなしです。
憑き物が落ちたというか、あの夢中で磨いていた時間は何だったのだろうかって。
老人にはあれから会っていませんし、連絡もありません。
あとですね、この2日後に、散歩に出ようと家の前の道を歩いていたら、
シロが側溝の中で死んでいました。保健所には連絡せずわたしが庭に
埋めましたが、いや、気の毒なことをしましたよ。まあ、こんな話なんです。 自分の親父と骨董の話をしていきます。親父は紡績の工場を
経営していましたが、何を思ったか50歳のときにすっぱりとやめてしまい、
経営権から土地から一切を売り払ってしまいました。
これは当時で十億近い金になり、親父は、「生活には孫の代まで困らんから、
これから好きなことをやらせてもらう」と言い出しました。
しかしそれまで仕事一筋だった父ですから、急に趣味に生きようと思っても、
これといってやりたいことも見つからず、途方に暮れた感じで、
あれこれ手を出しても長続きせず、最後に残ったのが骨董品の蒐集でした。 最初は小さな物から買い始めました。
ありがちなぐい呑みや煙草の根付けなどです。「初めから高額の物を
買ったりして騙されちゃいかんからな。小遣い程度でやるよ」と言って、
骨董市で赤いサンゴ玉がいくつか付いた根付けを買ってきました。
「何となく見ていてぴーんとひらめいたんだよ。このサンゴ玉は
元々はかんざしに付いていたのかもしれないね」などと言って、
書斎に準備した大きなガラスケースに綿に乗せて置きました。
これが我が家の異変の始まりです。 まず、親父になついていたはずの飼い猫が書斎に入らなくなりました。
親父が抱き上げて連れて行ってもすぐに逃げ出してしまうのです。
さらに家の中の物がなんだか腐りやすくなりました。
梅雨時でもないのに食パンなどは買ってすぐに黴に覆われて
しまったりして、台所は常にすえた臭いがするようになりました。
それから、家には小さいながら庭もあったのですが、
全体的に植木の元気がなくなり、中には立ち枯れるものも出始めました。
また屋根の上の一ヶ所につねに黒い煙いのようなものが溜まり、
何人もの通行人に火事ではないかと言われたりもしました。
しかし、はしごをかけて屋根に上ってみても、そこには何もないのです。 その頃、親父は「時宝堂」という骨董屋の主人と親しくなりました。
その人は小柄な老人で、親父が金があると目をつけたのか、
ちょくちょく家に尋ねてくるようになったのです。
ある日親父は家族に向かって、「この間から、家の中がちょっと変だったろう。
どうもあのサンゴの根付けが原因らしい。時宝堂さんから聞いたんだが、
ああいうものには、お女郎さんの恨みがこもってるかもしれないってね。
だが、そういうのを打ち消す方法もあるって話だ。
それでこれを買うことにしたよ」と言って、一幅の掛け軸を見せました。
よくある「寒山拾得(中国唐代の2人の禅僧)」を描いた中国製で、
それほど高い物には思えませんでした。 そして、それは和室の床の間に飾られることになりました。
掛け軸が来てから、家の中の異変はいったん収まったようでした。
相変わらず猫は書斎へは入らないものの、植木は元気を取り戻し、
物が腐りやすいということもなくなったのです。
親父は「古い物はほとんどが人間の一生以上の歴史を持っていて、
中には悪い気を溜め込んでしまっている物もある。
そういうのの調和を取るのが骨董の醍醐味だと、時宝堂さんから聞いたよ」
と悦に入っていました。 ある日のことです。当時自分は中学生でしたので和室に入る用など
めったになかったのですが、たまたま家族が留守のとき、
学校で応援に使ううちわが和室の欄間に挿されていたのを思い出して
取りに行ったのです。すると家の中には誰もいないはずなのに、
なぜか人の話し声が聞こえてきます。ごく小さな声ですが、
和室の中からです。ふすまの前で聞いているとこんな感じでした。
「・・・・これで収まったと思うなら浅はかな・・・」
「ただ臭いものに蓋をしたにすぎないだろ、今にもっとヒドイことが・・・」
どうも二人の人物が会話をしているようです。 自分は、コミカルな声調だったのであまり怖いとも思わず、一気にふすまを
開けて見ました。しかし当然ながらそこには誰もいませんでした。
ただ床の間の絵を見たときに、なんだか2人の僧の立っている位置が、
前とは違っている気がしました。そして、それから2、3日後、
夜中に、家に小型トラックが突っ込んでくるという事故が起きたのです。
塀と玄関の一部を壊しましたが、幸い家族にケガ人はありませんでした。
親父はこの事故のことでずいぶんと考え込んでいましたが、
それからはますます骨董買いに拍車がかかりました。
古めかしい香炉、室町時代といわれる脇差、大正時代のガラス器などなど。
そしてそのたびに家に変事が起こり、また収まり、
そしてもっとヒドイことが発生するといったくり返しになりました。
骨董に遣ったお金も、そうとうな額にのぼったと思います。 「あっちを収めればこっちの障りが出てくる、
考えなきゃいけないことが十も二十もある。こらたまらんな。」
親父はノイローゼのようになっていました。
そして今にして思えば骨董蒐集の最後になったのが、
江戸時代の幽霊画でした。これはずいぶん高価なものだったはずです。
白装束の足のない女の幽霊が柳の木の下に浮かんでいる絵柄で、
高名な画家の弟子が描いたものだろうということでした。親父は、
「この絵はお前たちは不気味に思うかもしれんが、実に力を持った絵だよ。
この家の運気を高めてくれる」と言っていました。 そしてその絵が家に来た晩から、自分の小学校低学年の妹が
うなされるようになったのです。妹は両親と一緒に寝室で寝ていたのですが、
決まって夜中の2時過ぎになると、ひーっと叫んで飛び起きます。
そして聞いたこともない異国の言葉のようなものを発し、
両親に揺さぶられて我に返るのです。もちろん病院に
連れて行きましたが何の異常も認められないとのことでした。
家の者は、また骨董のせいではないかと疑っていましたが、
それを親父に言い出すことはできませんでした。ただ時宝堂が来ていたとき、
親父がこの話をしたら、「おお、それはいよいよ生まれるのですな」と、
意味不明のことを言っていたとは聞きました。 そしてその日の夜のことです。やはり2時過ぎ、
妹はうなされていたのが白目をむいて立ち上がり、
「がっ、がっ、あらほれそんがや〜」というような言葉とともに、
大人の拳ほどの、白い透明感のある石を、
大量のよだれを流して口から吐き出しました。
次の日、時宝堂が来てその白い石をかなり高額で買っていったそうです。
親父はこのことを契機に時宝堂とのつき合いを絶ち、骨董の蒐集も
すっぱりやめてしまいました。「家族には迷惑をかけられないからな。
みんなの健康が何よりだよ。これからは庭いじりでもやることにする」
そして我が家の異変は完全に収まったのです。 10年ほど前かな。子どもの頃に住んでた地域の神社の御神木の話なんだ。
けっこうな田舎でね。都会と違って外で遊ぶ子どももけっこういたよ。
自然も残ってたし。5年生くらいだったと思うけど、夏休みに友だちと
3人で沢でカニを捕ってたんだ。大きな石をはがすと、下に隠れてるんだよ。
んーまあ、食うほど大きいやつじゃないけど。
でね、俺以外の2人がかりでかなり大きな石を起こした。
全部は持ち上げないで片側だけな。そしたら、やつら2人で
呆然として石の裏側を見てたんだよ。「何かあるのか」って聞いたら、
「ここに、神社に来いって書いてある」って言うんだ。
2人で口々に。そんな馬鹿なと思って、俺も見たら、書いてあるっていうか、
今すぐ神社に行かなくちゃ、って気になったんだ。 え? ああ、そりゃ字は書いちゃいないさ。
でも行かなくちゃと思ったってことだな。
で、バケツを持ったまま地域の氏神神社に行った。
社殿は大きいけど、普段は賑わってるようなとこじゃないよ。
初詣と例大祭のときくらいだな。境内は広いし、後ろは深い森になってるけど、
そこで遊ぶことはなかった。歩いてるとぽつぽつ雨が落ちてきた。
鳥居が見えてくると、子どもが10数人集まってたんだよ。
全部同じ小学校のやつらで4年以上の男だけ。6年生もいた。
学年1学級だから、みな知ってるんだよ。6年生のうちの一人が、
「お前ら、なんでここ来た」って聞いたから、
「河原石の裏に、ここに来いって書いてあった」こう答えたんだ。 6年生は怪しむ様子もなく「そうか。俺はカブト虫にそう言われた」って。
見れば捕虫網と虫籠を持ってた。他のやつらも、
家の畑を手伝ってたらキュウリに言われたとか、
ゲームしてたら画面にそう出たとか、おかしなことを言い始めた。
今考えれば異常だけど、そんときは、変だという気はしなかったんだよ。
とにかく全員で鳥居をくぐった。6年生が先頭に立って社殿にお参りし、
持ってた小銭を、賽銭として投げるやつもいたよ。
で、それから裏の杜にまわった。雨が少し強くなってきた。そんときに、
このメンバーで去年の例祭のときにお神輿を担いだんだって気がついた。
もちろん来てないやつもいた。中学生になった去年の卒業生とかもね。
裏の杜には柵で囲まれた御神木があるんだよ。 楠の大木で、樹齢400年以上って言われてた。
どうもそっちから呼ばれてる気がしたんだ。
だけどのこ御神木はそんときは枯れかけてたんだよ。
新しい葉が出なくなって、幹も乾いた感じになってたな。
で、俺らが柵の回りに集まったとき、急に雨脚が激しくなった。
いつの間にか上空は黒雲に覆われてて、大粒の雨がびしびし打ちつけてきた。
空が光った。そしてすぐ轟音、雷が近くに来てるってわかった。
濡れるのはべつに平気だったけど、雷は怖かった。どうしようかと
あたりを見たら、6年生が両手を広げて「下がれ」の合図をした。
俺らが後ずさりして柵から離れたちょうどそのとき、
ドカーンという破裂音がして、目の前の御神木がぼうと光った。 それから上部が火を出しながら真っ二つに避けたんだよ。
落雷したんだ。でね、裂けた幹の真ん中から黒い煙が立ち上って、
それは渦巻きながら人のような形をとったんだよ。あれは武神だったな。
仁王様とかああいうやつ。すごく怒ってることがわかったんだ。
黒い煙はしばらく木の裂け目を漂って、それから薄くなっていった。
「おーい、そっから離れろ」って声が後ろから聞こえた。
振り向くと神主さんが走って来るところだった。
「なにやってる、危ないじゃないか」
幸いにというか火はもう燃えてなかった。雷もあの一発だけで、
あとは遠くでゴロゴロいうだけになり、空が明るくなってきた。
俺らは社務所に連れてかれ、タオルなんかを貸してもらった。 「何やってた」と聞かれたんで、6年生が代表して説明した。
呼ばれたような気がして、それぞればらばらに集まってきたこと。
御神木を見ていたら大雨がきて雷が落ちたこと。
黒い煙が渦巻きながら大きな神様の形になって消えたこと。
ものすごく怒ったき気持ちが伝わってきたこと、なんかをね。
それを聞いた神主さんは、うーんと考え込むような表情になったよ。
でね、この御神木はもうすぐ切り倒されることになってたんだ。
そのままにしておくと倒れる可能性もあって危険だってことで。
業者が伐って買い取ることに決まってたんだよ。だけど落雷で
価値が大きく落ちたし、俺らの話もあって、伐ったは伐ったけど、
売らずに、根っ子と根元の太い部分を使って、仏師に神像を彫らせたんだ。 神道のほうだと、神様の像とか普通は見ないよね。
神が宿るのは自然物とか鏡とかで、あんまり人型の像って祀らない。
だけど、そんときはすごく柔和な顔をした神様の像をつくらせて、
御神木のあった場所にお堂を建て、その中に安置したんだ。
これは今でもあるし、見にいけばいつでも見られるよ。でね、
この御神木の根っ子を掘るときに警察沙汰が起きたんだ。幹の根元に、
ドリルで開けたらしい穴がいくつも見つかったんだよ。5mmくらいって
話だったから、まず見逃してしまいそうなもんだけどね。で、
詳しく調べたら、幹の中から除草剤の成分が見つかったんだよ。嫌な話だろ。
誰かがわざと御神木を枯らそうとしたってことだな。何でかって?
そりゃ伐採して売るためだろう。太い木だと一千万近くするらしいよ。 でも、そんなことをしたら神罰が下ると思うだろ。
こっからは詳しいことは言えないけど、その通り、あったんだよ。
微妙な内容になるので、ちょっとぼかして話させてもらうけど、破傷風が
流行ったんだ。人から人へ伝染はしないから流行ったっていうのも変だが、
ここらの地域一帯で患者が何人も出て、助からない人のほうが多かった。
衛生観念の発達した今の時代で考えられないだろ。
でね、それがみな前々から疑われてたやつらとその家族だったんだよ。
それはやっぱり何かあるんじゃないかと思うだろ。あと、
その破傷風が起きてた間、御神木の像のお堂が夜になると赤く光ってた、
って話があるんだ。近所のじいさんの目撃情報だと、
赤い光がお堂の屋根の上でチカチカ、チカチカって。な、怖いだろ。 まあね、寿命400年以上の御神木と言えば、人間の5人分も
長生きしてるわけだし、その間ずっと人々の祈りを受けている。
だからね、侮っちゃいけないんだ。ほら、最初のほうで話した
子どもの自分のことだって、考えてみれば不思議だよね。
なんで俺らを呼び集めたのか、そのあたりもわからない。
神社の例祭には中3まで参加してたけど、
子ども神輿しかないから、今はたまに帰ってきて見てるだけだ。
お堂にもお参りに行くよ。神像は、彫ったときはほぼ生木に近かったのが、
ロウソクで燻され、10年たっていい色合いになってね。
顔もすごい優しくて、見てるとほっと心が安まる感じがする。
でもね、本当は怖いってこともわかってるからね。 長文で投稿する時はこういう感じでまとめたらいいんですね >>51
不法投棄した奴をこそ呪えよと思ってしまうw >>76
忘れたがこれどっかで読んだことあるな
山とか石関係の怖い話スレか? 俺が自分のブログに書いてるんだど
まとめとかに転載とかされてるのもある 転載不可にしたのは
あまりにもyoutubedeで朗読するやつらの読み間違いがひどいからだ
勝手に文章変えるし なるほど・・・
でも転載しちゃうやつはしちゃうんだろうなー えっと、今書き込んでもいいか?
少し、怖い話だけど… 風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗風俗セックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックスセックス キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢
キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢
キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢
ガシマンガシマンガシマンガシマンガシマンガシマンガシマンガシマンガシマンガシマン
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キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢
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キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢キャバ嬢 拙い文章だが、許してくれ…
小学校2年生の頃だったはず…多分小学生低学年の時だな。
その日、俺はお絵描きをしたかったんだが、
親に「お昼寝しなさい」って言われて渋々自室で寝てたんだ。
って言っても天井をただ見つめていたんだ。
「また寝るの?」って思ってた。
実は、高熱を出して暫く大人しくしてたんだ。
やっと、遊べる!!って楽しみでしょうがなかったのにって
当時は思ってた。でも、今考えれば親が俺の体調を
心配して言ったんだよな。
んで、布団でごろーんとして10分ぐらい経ったぐらいだった。 元社員の30代男性が、当時の様子を取材に明かした。
男性は入社して間もなく、店長から「1日に100件、営業の電話をかけろ」と指示された。
他の業務に手を取られていると、「なぜ電話ができないのか」と責められた。
別の日には、パソコンに貼っていた自身の名刺の異変に気付いた。顔写真は誰だか分からないほど落書きされ、「木偶(でく)の坊」「PONKOTU」などと書き加えられた。
https://i.imgur.com/dkQB7Pv.jpg 俺の部屋にはクローゼット?押入れ?みたいなのがあってそこから、音が
「どん!!どん!!」鈍い音がした。そうだな…此処から出してくれ!!どん!!どん!!(扉を叩く音)って映画とかドラマとかにあると思うんだが
あんな感じだな。自分は吃驚して、慌てて飛び起きた。最初は弟のいたずらだと思ってたんだ。父さん、母さん、弟の部屋には間違いなく誰も居ない。父さん達の部屋と俺の部屋はすごく近かったんだ。そんな事を少し考えている間にも
どん!!どん!!と音がして我に返って階段を慌てて降りる。リビングのドアを開けて「なんか、変な音がする。怖い。来て」って叔母に言ったんだ。
家に居たのは、俺と叔母だけだったからな。叔母は怪訝そうな顔をして俺の自室に入る。不思議な事に、どん!!どん!!って音がしていたはずなのにもう静かになっていた。
「気の所為だったね」と叔母は呆れていった。
叔母は「寝なさい」と言ってリビングに戻っていった。その後に、また…どん!!どん!!って音がして
また、叔母に助けを求めた。でも、部屋に戻ればもう静かになっていてな。気味が悪くて悪くてしょうがなかった。友達にも話せないくらい怖くて
唯一の救いはおもらしをしなかった事だな。…ただ正体は謎のままだな…多分、座敷わらしだな。
俺がつまんなさそうにしていたからきっと心配になったんだな。
そんな俺もつい最近タイムカプセルを開けてきました。
未来の自分に「びじんさんになってね」と書いてあって
「期待に添えなくて済まないね…、」と思った俺(女)なのでした。 >>98
お前尻野郎やろがい
次は時期もののお話をお願いします 過去作(と思われるもの)の質問ってありかな
https://kur0saru.hatenadiary.org/entry/20070109
【3つの選択】の初出レスを知ってる人居ますかね… ホラー漫画で思い出せないのがあるのですが、収録されていた漫画を教えてくれるスレッドってないでしょうか。 去年の夏・・・今年大学に進学しましたので、高3のときのことです。
子どもの頃からずっと競泳を続けてきました。
小学生のときは平泳ぎもやってたんですが、中学からは自由形の短距離だけです。
別のスイミングクラブに、同じ齢のライバルがいたんです。
学校も小中高とも別でしたけど、家自体はわりと近くだったんです。
ライバル・・・と言いましたが、成績はつねに彼女のほうがよかったんです。
今井さん、という名前にしておきます。自由形の100、200mで、
学校の大会でもスイミングスクールの大会でも今井さんが1位で、
私は2位か3位。関東地区大会のようにレベルが高くなると、
今井さんはかわらず1位でしたが、私はぎりぎり決勝に進めるくらいでした。
種目を移ろうとは考えませんでした。 ・・・やっぱりライバルという言葉は変だったと思います。
中学校でも高校でも、コーチや監督は「今井に勝て!追い越せ」
とハッパをかけて指導してくださったんです。
私自身そう思っていた時期もありましたが、体格を比べても、
私は160cmぎりぎりで、今井さんはそれより10cm以上大きかったんです。
だんだんに、どうやっても勝てないものと思うようになりました。
だから、むしろあこがれの対象と言ったほうがいいのかもしれません。地区大会や
県大会の決勝で、今井さんが1位で私が2位、それで満足していたんです。
ゴールタッチして、先に着いていた今井さんのほうに歩み寄ってハイタッチする・・・
高校に入ってからは、私は卒業までで水泳をやめるつもりでしたし、
今井さんのほうは全日本の強化指定選手に選ばれて、 近くにいても、すっかり遠い存在になっていたんです。ところが、
去年の春頃から、今井さんの姿をプールで見かけることがなくなりました。
スイミングの大会は早い時期からあるんですが、出てこなかったんです。
噂では、病気で入院しているとのことでした。
そのときは、たいしたことはないのだろうと軽く考えていたんですが、
県の水泳協会の役員をしているコーチにそれとなく話を聞くと、
脳の病気で頭を手術して、今シーズンの復帰は絶対に無理、
おそらくもう泳ぐことはできないだろうって・・・そう言われたんです。
お見舞いに行かなければいけないと思いました。
今井さんの高校の部員に聞いたら、ずっと面会謝絶の状態が続いている、
監督が行ったけれどもやっぱり会えなかったという話だったんです・・・ そして5月からシーズンに入り、
私は出た全部の大会の100mで優勝することができました。
周りのみんなは喜んでくれましたが、満足感はありませんでした。
本当なら私が泳いでいるずっと前に今井さんがいたはずですから。
タイムは平凡なもので、自己ベストでもありませんでしたし。
役員の方が「今井がいたら・・・」と話している声もあちこちで
耳にしましたし、6月に入って、今井さんが集中治療室から個室に移り、
面会にも行けるようになったという話を聞きました。
でも、そのことを教えてくれた今井さんの学校の1年生は、
「行かないほうがいいと思います」とも話したんです。
ベッドに頭を固定されて動けない状態で、 とても機嫌が悪くて周囲に当たり散らしているんだそうです。
特に水泳関係のことは見たくも聞きたくもない
と言っていたということでした。でも県大会を前にして、
どうしても行かなければならないと思ったんです。
「今井さんがいなくて寂しい、もう今シーズンで水泳はやめる」
そう伝えたいと・・・前もって今井さんの家に電話してみました。
お母さんはずっと病室についているらしく、お父さんが出て、
「娘は荒れていてあなたを怒らせるかもしれないが、
来てくれれば嬉しい」こんな感じで話をされました。
日曜日の午後、果物籠を買って大学病院を訪れました。
脳神経外科の階に行ってナースステーションで病室を教えてもらい 個室へと入りました。今井さんはベッドに半身を起こしていました。
頭にはキャップをつけ、出ているところの髪は数mm程度しか伸びて
いませんでした。あんなに広かった肩幅が別人のように
やせ細っていました。「こんにちは、橋です。
あの、お見舞いに」ここまで言ったとたん、今井さんが、
「出ていけ、帰れ、見たくない!」と、もつれた言葉で叫びました。
顔も痩せ、大きくなった目で涙を流しながら私をにらんだんです。
脇にいたお母さんが「これ、〇〇」と今井さんをたしなめましたが、今井さんは
点滴のチューブが何本もついた右手を振り回し、枕元から何かを投げて
よこしました。それは私の胸にあたって落ち、競泳用のゴーグルでした。
「帰れ!出ていけ!」今井さんは叫び続け、私はその勢いに押されるように ドアを出ました。今にも起き上がって暴れ出しそうに見え、怖くなったんです。
廊下で立ちつくしていると、ややあってお母さんが出てきて、
「ごめんなさいね、あの子・・・」ここまで言って泣き出しました。
そして私の手にさっきのゴーグルを押しつけてよこしたんです。「あの子は
あんな様子だけど、これあなたにもらってほしいって昨日から言っていたの」
私はお母さんに果物籠を手渡し、そのまま帰るしかできませんでした。
エレベーターに乗るまでずっと今井さんの叫び声が聞こえていましたが、
やがてすすり泣きに変わりました。今井さんの様子は
私の学校の部員には話しませんでしたが、家で両親には言いました。
小さい頃から今井さんのことを知っている母は、黙って首を振るだけでした。
県大会の日になりました。今井さんのゴーグルはバッグに入れて 持ってきていましたが、私は目が悪く、自分用にあわせた度つきのゴーグルを
しているので、使うことはできません。私は100m自由形で自己ベストを出し、
決勝へと進みましたが、予選2位のタイムでした。1位は私立の学校の1年生で、
見たことのない子でした。スタートに立ったとき、誰も入れない役員席の下に、
人が立っているのが目に入りました。病着姿の今井さんだと思いました・・・
そんなはずはないのに。その姿は薄くぼんやりして、目だけが病院で
見たときのように大きく見開かれていました。ブザーが鳴りスタートしました。
調子よく水に乗れている感触がありました。50mのターンのとき、
自分の前に一人いるのがわかりました。あの1年生の子です。たいした差ではなく、
私は後半型なので追い越せる気がしてました。でも、どこまでも差が縮まりません。
「ああ、追いつけない」と思いましたが、そのとき私のコースの前を、 誰かが泳いでいる気がしたんです。そんなことはありえないんですが。その人は
ゼリーのようで実体がなく、足が私の上半身に入り込んでいる気がしました。
これは集中のあまり幻覚を見たのかもしれません、本当によくわからないんです。
必死で泳いでいるうちに、前の人とだんだん体が重なってきました。
もう他のコースは目に入りませんでした。とにかく前にいる人よりも先に出たい、
それだけを考えているうちにプールの壁がみるみる迫ってきて、
少し手が前に伸びたかと思ったところでゴールでした。水から顔を上げ
頭を振ったときに、やっと1年生の手がゴールに届いたのが見えました。
電光掲示板に目をやると、ドットの文字がごちゃごちゃに乱れていました。
観客がざわざわしているのがわかりました。ドットはデタラメな点滅をくり返し、
数秒して一番上に私の名前とタイムが出ました。県の新記録でした・・・ 話はこれでほとんど終わりです。電光掲示板が点滅しているとき、
ドットの乱れが「 I M A I 」となって見えたのも、幻覚だったんだろうと思います。
誰もそんなことを言っている人はいませんでしたから。私はその後、
関東大会、全国大会でも次々に自己ベストを更新して優勝しました。
県大会から1週間ほどして、今井さんは2度目の手術中に亡くなりました・・・
私は水泳をやめることはできませんでした。周囲が許してくれなかったんです。
今井さんの代わりに強化指定に選ばれ、大学も水泳での推薦入学になりました。
不思議なことに、中学2年のあたりから止まっていた身長が伸び始め、
ごらんのように170cmを越えました。視力も回復してきています。昔の
水泳仲間からは「どんどん今井さんに似てきてる」と言われます。泳ぎだけでなく、
外見まで・・・嬉しいような、それ以上に怖いような複雑な気分なんです。 >>132
毎日コピペだかなんだか分からん創作駄文をご苦労様 俺が中学の頃の話をここに書いていく。釣りだと思って聞いてくれたほうがむしろ良いかもしれない。少し長いが面白半分で聞いてくれるとこちらも話しやすいのでよろしく。 これは俺が中学校に上がったばかりの頃の話。入学したてで、新しいクラスメイト、新しい先生、何もかもが新鮮で緊張していた俺に隣の席の奴(ここではA)が話しかけてくれたんだ。Aは当時流行っていたゲームや漫画で意気投合しすぐに仲良くなった。聞けばAは隣町に住んでいるらしく、何度も遊びに行きたいなと思ってはいたが、部活の練習や塾などで中々遊ぶ機会を得られないでいた。そんな中やっとこさ夏休みが来たのでようやくAの家へ遊びに行く約束を取り付けることができた。 ついに約束の日が来た。俺の家はまぁまぁ街中にあってそこから西へ行くとなかなかの都会なんだが、Aの住んでいる町は俺の住んでいる町から東へ5kmほど進んだ所にあって、周りには田んぼと山しか無いようなかなりの田舎だった。だが待ちに待った日なので重い自転車のペダルも照りつける真夏の太陽もなんら気にならなかった。途中で交差点を渡り、しばらく進んだところで俺は気付いた。「どこで曲がるんだっけ…」事前にAには家の場所を地図で教えてもらっていたのだが、あまりにも周りが山と田んぼで情報が少なすぎて迷ってしまったのだ。当時スマホを持っていなかった俺はAに聞くことも、調べることもできなかった。途方に暮れながら自転車をゆっくり漕いでいるとAの言っていたことを思い出した「近くに神社があって、、」ふと横を見ると竹が生い茂った管理されているのかも分からない古そうな神社があった。俺はここに違いないと思い、神社の横の狭い道に入った。 そこを進むと周りに木々の生い茂る薄暗い里道へと入った。涼しいなーとか思っていながらしばらく自転車を漕いでいた。そしたら辺りがだんだん暗くなっていくのに気付いた。おかしい、さっきまで間違いなく真っ昼間だったのに。そう思って立ち漕ぎですすむとやっと里道を抜けた。俺は呆然とした。そこには民家の一つも無い周りを山と田んぼ" だけ "で囲まれたあぜ道が続いていた。しかもそのあぜ道もどれだけ離れているのかも分からないような正面の大きい山へと延々と続いていた。見たこともない風景と何が起こったのか分からない焦り、そしてその中にほんの少しの好奇心がひしめき合っていた。今でも謎だが、俺はそこで戻らずに進むことを選択した。自転車を道の脇に停めて、あぜ道を歩き始めた。だがそこからは見渡す限りの夕暮れに染まった田んぼと山々を見ながらただ歩くだけだった。しかし、十数分歩いたところであることに俺は気付いた。正面の山との距離が一向に縮まらないのだ。気付いてからはもう俺に余裕なんて無かった。焦りと孤独感から泣きたいのを耐えて、ただ走った。すでに疲れ切って重い足をなんとか言うことを聞かせ走った。 それでも山は走るたびに離れて行くように見えた。めちゃくちゃ走った。でも途中でプツンと心が折れて、その場で泣き崩れた。中学生特有の無駄に高いプライドとか恥じらいとかそういうのも全部忘れて大泣きした。泣いて泣いて、涙が枯れるくらい泣いたあと、気がつくとAの家にいた。俺が目を覚ますとAが気が付いてAのばあちゃんを呼んできた。聞けば俺が来るのが遅かったので心配になってAとAのばあちゃんで俺を探してくれていたらしい。 それでAのばあちゃんが神社の前で倒れている俺を見つけて家まで運んでくれていたらしい。俺がお礼を言うとAのばあちゃんは「〇〇君(俺の名前)に何かあったと思ってなぁ、でも無事でよかったで」って言って笑っていた。その後もう一度口を開いてこう言った。「〇〇君、神社の横の道入った?」俺は不思議に思ったが頷いた。するとAのばあちゃんが少し悲しそうな顔をしてゆっくりため息をついた。そしてまたAのばあちゃんが話し始めた。 「あの神社はなぁ、昔っからこの辺りを見守っちょってくれよった神様がおったんよ。やけど神主様が病気で若くで亡くなっちまって誰にも管理されずにどんどん廃れていきおったんよ。んでからかなぁここら辺で子どもたちが神隠しに会うよぉなったんは。多分〇〇君にはあの神社の横に道が見えてたと思うんやけど、無いんよ。元々あそこに道なんて。神様も退屈じゃったんやとか、なにせ子供の神様で多少わんぱくらしくて。気に入った子どもたちをあの道に入りたくさせてはあぜ道を歩かせて泣いたり、不安になってる姿を見て楽しんでるんだと。まぁ神様にとっては遊戯みたいなもんなんやろけど、。まだ帰ってきてない子供も何人もおる。〇〇君は運が良かった、多分途中で神様が飽きてくれたんやろな。ほんま、良かった、良かった、」 話終わると俺を抱きしめて良かった、良かったって細い声で言ってた。これまでで家族以外にこんなに俺のことを思ってくれたのは初めてだったし、一気に安心したので、俺は泣いた。その日はAと一緒にゲームとかして遊んで遊び尽くして帰った。今でも思い出すと少し怖いし、あのまま帰れなかったらどうなってたんだろうとか思ったりする。でもそれも含めて俺にとって最初で最後の中学校初めての夏休み。不思議と楽しさでいっぱいの思い出になった。 僕は〇〇大学の心霊研究会の1年生です。つい一昨日のことです。
もうすぐ夏休みも終わりなんですが、1年生のグループで、
先輩方から会のレポートをつくるように宿題を出されてまして、
それをやるために、夜の9時から大学のサークル室に集まっていました。
僕たちが考えたのは、心霊スポットのライブ中継です。
ほら、単にスポットに行ってビデオを撮ってくるだけじゃありきたりですから、
ライブ映像を送れるシステムを考えようってことです。
でね、学祭のときにそれをリアルタイムで流せばうけるんじゃないかと思って。
それで、ネットで調べてみたら、けっこういろんな方法があったんです。
一番簡単なのは、動画共有サイトの会員になることでした。 大学生がテレビ電波を飛ばすのは、地上波でなくても無理があるでしょう。
だからすべてネット回線で済ませるんです。現地でビデオを撮りながら、
動画としてタブレットで共有サイトにアップする。
で、送られてくるほうもネットでそれを見るだけ。これなら簡単でしょう。
何回かやってみたんですけど、難しいことはありませんでした。
日中ならね。でも、スポットに昼間行ってもあんまりインパクトがないでしょう。
まして映像だと、よほど効果的な撮り方をしなくちゃ誰も怖がってくれません。
ですから夜間撮影に挑戦しようと思って。で、これで問題になるのが
照明なんです。暗闇ばっかり映してもしょうがないし、
けど、心霊スポットって電気が来てないとこが多いですからね。
それで、今回は実験的に、電気自動車から電源をとったんです。 ええ、山本ってメンバーの家で、電気自動車のリーフを持ってまして。
それを借りだしてもらったんです。エンジンをかけて充電しながら、
電源から投光機のコードを伸ばして撮影に使うわけです。
でね、その実験に2人が現地に行ってたんです。もう一人は柴田ってやつです。
行った先は、大学からは90kmくらい離れた廃村です。ほら、一軒家とかだと、
前に車を乗りつけてコード伸ばしてたら怪しまれるじゃないですか。
通報されるかもしれない。それで、廃村。そこはけっこう県内でも有名なスポットで、
全国発売の雑誌に紹介されたこともあるんです。もともと過疎の集落
だったんですが、昭和40年代に殺人事件があって、放棄されちゃったんです。
これも知ってる方がいるかもしれませんね。男兄弟の2番目が、正業もなく
のけものにされてて、それを恨んで本家の一家をナタと散弾銃で襲ったっていう そうそう、その事件の現場ですよ。ただ、殺人が起きた家はその後放火されて
もうないんです。だから、そのあたりの放棄された家々を回って、映像を
ライブ中継するという計画でした。山本たちとは、携帯で連絡を取りあってました。
でね、映像は大学の大型ディスプレイを借りてきて、それをパソコンにつなげて。
9時半にライブ中継がスタートしました。でも、ビデオカメラが安物のせいで、
音声があまりよくなかったです。「今から始めます」という山本の声がして、
映像が入ってきました。第一印象は闇が深いってことでしたね。
廃村ですから、当然ながら一体に電気は来てなくて、街灯なんかもありません。
そのせいか、投光機の光があたったところは真っ白になってしまって、
何を写してるかわからなかったんです。携帯で注文をつけたんですが、
あまり改善しませんでしたね。そのあたりは工夫が必要だなって思いました。 山本がカメラを操作してて、山田が投光機を持ってるってことでした。
画面は、まず舗装されてない草地に置いてあるリーフを照らしまして、それから
投光機を板壁に向けている山田の姿。ビデオカメラを交代して、今度は山本の姿です。
2人ともウインドブレーカー姿で、真夏だけどあんまり暑くないって言ってました。
あと、投光機に蛾とか小さな羽虫みたいなのがかなり集まってきてました。
これは考えてなかったんですが、どうしようもないですよね。でね、山本が
適当にナレーションしながら、殺人があったという家の跡地に入っていきました
草ぼうぼうで、その中に焦げたように黒い板壁が残ってたんです。
ムード満点っていうか、陰から急にナタを持った男が飛び出してきても、
おかしくないような雰囲気でした。学祭の1日目は夜もありますから、そのときに
これをやれば受けるだろうな・・・って。で、皆でワイワイ言いながら見てると、 カメラの揺れで気持ち悪くなってきました。臨場感はあるけど、これも
改善点だなって。誰かが、映画の「ブレアウイッチ」みたいだって言ってました。
ええ、あの擬似ドキュメンタリーの。で、画面が切り替わったとき、
草むらから人が立ち上がるような姿が見えたんですよ。一瞬、息を飲みました。
女子のメンバーで悲鳴をあげた子もいたんですよ。真っ黒で、
顔も服装もわからないんだけど、しゃがんでいた人が急に立ったみたいな。
もちろん携帯で確認したんですが、「誰もいるわけないだろ」って。
「よくさがせ」って返しました。心霊ってより、有名スポットですから、
他に来てるやつらがいるかもって思ったんです。トラブルになったらヤバイでしょう。
でも、「車が停まってたなんて見てない」って。ええ、かなりの郊外だし、
バスなんかもないし、車でしか行けないですから。 また画面が切り替わって、残ってる民家の玄関に向かってるようでした。
もうボロボロに朽ちちゃって、来たやつらに投石でもされたのか、玄関のガラスも
残ってないんです。「入るのか」って聞いたら、「今回はやめとく」って。
「入れ、入れ」って言うやつもいたんですが、ケガでもすれば台無しなんで、
「玄関から中だけ撮れればいい」って言ったんです。
で、投光機の光が先に入って、ホコリだらけの廊下が映り、
そこに人がうずくまってたんです。こっちは一斉に悲鳴があがって。「おい、何だよ、
人がいるじゃないか」そのうずくまってるやつは、男っぽい体つきで、だぶだぶの
セーターみたいなのを着てて・・・向こう向きではっきりわからなかったんですが、
頭に黒っぽい箱みたいなのを被ってたんです。「それ誰だよ、おいふざけるな!」
心霊だとは思いませんでした。だってこんなにはっきり映るなんて。 そうじゃなく、山本、柴田の他に、やつらの友だちがいて、
僕らをおどかそうとしてるんだと思ったんですよ。そう言ったら、
携帯が柴田の声に変わって、「ただホコリだらけの廊下があるだけですよ。俺らを
怖がらせようとしてるんでしょ。やめてくださいよ。せっかく実験してるのに」
怯えてるのを無理に強がってるような声でした。ええ、お互いに疑心暗鬼に
なってたんですね。画面のやつがゆっくりふり向いて立ち上がりました。
顔にはやっぱり、いびつな四角形をした真っ黒い箱みたいなのを被ってて、
どんどんカメラに近づいてきて・・・ こっちのメンバーが皆立ち上がり、
それと同時にカメラが放り出されたような映像になって、中継が途切れたんです。
「おい、どうした、もしもし!」携帯が圏外になってました。
でもね、それもありえないんです。つながることは何回か確認してたし。 そうじゃなく、山本、柴田の他に、やつらの友だちがいて、
僕らをおどかそうとしてるんだと思ったんですよ。そう言ったら、
携帯が柴田の声に変わって、「ただホコリだらけの廊下があるだけですよ。俺らを
怖がらせようとしてるんでしょ。やめてくださいよ。せっかく実験してるのに」
怯えてるのを無理に強がってるような声でした。ええ、お互いに疑心暗鬼に
なってたんですね。画面のやつがゆっくりふり向いて立ち上がりました。
顔にはやっぱり、いびつな四角形をした真っ黒い箱みたいなのを被ってて、
どんどんカメラに近づいてきて・・・ こっちのメンバーが皆立ち上がり、
それと同時にカメラが放り出されたような映像になって、中継が途切れたんです。
「おい、どうした、もしもし!」携帯が圏外になってました。
でもね、それもありえないんです。つながることは何回か確認してたし。 「柴田とはこっちに戻ってきて、朝までゲーセンにいて別れた。
今は寝てるんじゃないか」こういう話でした。でも、柴田の携帯のほうは
まだつながらないままで。心配だったんで、午後からアパートの部屋に
行ってみたんです。そしたら、部屋のドアが開いてたんで、入ってみました。
ええ、ノックとかしないし、勝手に入って飲んでるなんてこともありましたから。
そしたら、玄関に靴が一個もなかったんですよ。普段は乱雑に散らばってるのに。
で、部屋の中もきれいに片付いてて・・・真ん中にぽつんと、黒い箱があったんですよ。
あのビデオカメラの中のやつが被ってた・・・「これやっぱ柴田がふざけて
やったのか??」と思いまして、手にとってみると、かなり古い新聞紙でした。
箱形に組んで、外側を墨かなんかで黒く塗った。わけがわからなかったです。
内側の新聞、それが全部同じ写真で。ええ、同じ日の新聞を何枚も重ねてあるんです。 でね、その記事なんですが、昭和40年代の、前に話した殺人事件のものだったんです。
はい、次男が一家を皆殺ししたときのです。それに気がついたときには、
ゾーッと背筋が寒くなりました。それとね、机の上に柴田のスマホがあったんですが、
金づちで叩いたみたいにぐじゃぐじゃに壊れてて。
スマホを持たないで外出するようなやつじゃないんで、これは気になっています。
どういうことなんでしょうか。やっぱり柴田たちのイタズラで、
カメラ、投光機の他にこれ被ってるやつがもう一人いた・・・
でも、こんな古い新聞を何枚も集めるってたいへんですよね。
わざわざ見えないところにそんな仕掛けをしたって意味ないような。
まあ、休みがまだあるので、実家に帰ってるのかもしれません。まあ、
大学が始まったら、山本ともども詳しく事情を話してもらいますよ。 あ、ども。俺、高崎って言うんだけども、こないだから起きてる
ことを話すわ。いやあ、ちょっとありえねえ、考えられねえことなんで、
信じてもらえないかもしれないけどよ。え? ここはそんな話
ばっかりだって。そうか・・・ 俺な、日雇いの土建業なんだ。
ま、ドカタって言っても怒らねえよ。なんせ中卒だからな、
それしか仕事がねえ。でな、先週の日曜のことだ。俺はその土日休みで、
そんときは家で一人でゲームしながら飲んでたのよ。金なくて店とかには
行けねえから。8時ころから飲みはじめて、10時を過ぎたあたりかなあ。
母親が「友だちの人が来たわよ」と知らせにきて、玄関に出てみたら
茂木ってやつだったのよ。茂木は俺と同じ中学で、2年間同じクラス
だった。ただ、俺とは違って高校に行き、その後は市場に就職した。 連絡は取ってたが、会うのはかなり久しぶりだったのよ。
「お、しばらくだな。どした?」そう言うと、「こんな時間にスマンな」
って。下向いて、暗いぼそぼそした声だったな。「まあ上がれよ」
「いや・・・なあ、これから俺と豚工場に行かないか」 「ええ?」
これにはさすがに驚いた。豚工場ってのは、市内から少し出た国道沿い
にある廃工場で、俺が小学生のときからすでに 仕事はやめてたはずだ。
なんでも、家畜の飼料をつくってたのが、そこのを食べた豚が
かなりの数死んで、それでつぶれた。で、俺らの地元では豚工場と
呼ばれて、心霊スポットになってたんだ。地元で行ったやつは多いよ。
俺も一回だけ行ったことがあるが、特に何も起きなかった。
かなり広くて、体育館ほどの建物が2つあり、そのうちの一つには 入れるんだ。「いや、ヒマだし行ってもいいけどよ。俺、酒入ってるぞ」
「俺、車に乗ってきた」 「そうか」でな、今考えれば変なんだよな。
このときの茂木が幽霊だったとしたら、その車も幽霊ってことになるよな。
けど、そうとは思えない。やつの車で豚工場まで行ったんだよ。
事情はよくわからないながらも、茂木がふざけてるとも思えなかったんで、
家の懐中電灯を持って外に出た。小雨だったな。で、横の道に停めてた
車に乗り込んだ。え、茂木の車? ああ、中古で30万くらいの古い
クラウンだったよ。車が走り出し、俺が「どして豚工場に行くんだ」
と聞くと、茂木は「これ見てくれよ」と、運転しながら片手で、
ダッシュボードにあったやつのスマホを渡してよこした。
「写真の保存アプリを開いて最後の画像を見てくれ。 首吊りが写ってると思わないか」 「・・・」開いてみると、見覚えの
ある豚工場の写真が10枚以上入ってた。「これ、いつ撮ったんだよ」
「今週の水曜」 「お前一人で行ったのか」 「いや、市場の仲間と
4人で行った。そんときのやつだ」 最後の画像は、工場内部の下から
天井のほうを写したもんで、上のほうをぐるっと回るように通路があって、
その手すりから何かがぶら下がってるように見える。けど、暗くて
何なのかはっきりしない。人というより袋みたいな感じだった。
「うーん、たしかに何かが下がってる。けど、首吊りとは思えんがなあ」
「そうか」 「これ。たしか階段があって上の通路に上れるよな。
確かめてみたのか」 「そのときは何もないと思った。後になって
写真を見返してたらそれがあったんだよ」 「うーん、あ、そうだ。 市場の仲間といっしょに行ったって言ってたよな。当然そいつらには
見せたんだろ」 「ああ、その日家に戻って、変なものが写ってると
わかってすぐメールで画像を送った。それと翌日も見せたんだよ。
けどもやつら、何も見えない、写ってないって言うんだ」
「うーん、何かがぶら下がってるのは確かだと思うが、それも見えない
ってことか」 「ああ」 この時点でもう わけがわからなかったよ。
何かがぶら下がってるのは確かだが、首吊りには見えない。
「お前には首吊りに見えるんだな。顔もわかるか」 「・・・・」
こんなやりとりをしてるうち、車は豚工場の前まで来た。黒々とした
大きなシルエットの同じ形の建物が2つ並んでる。
そのうち入れるのは向かって右側。俺が行ったのは3年前のことだった。 「監視カメラとかなかったか」 「気をつけてたが、ないと思う」
門の鉄柵は開いていて、茂木は高い塀の陰に車を停めたんで、
外の国道からはわからない。で、茂木が自分の懐中電灯を持って先頭、
その後に俺も自分のを持って中に入ってったんだよ。豚工場の出入り口は
鍵がかかってるが、トラックなんかをつけて荷を出し入れする大きな
シャッターがねじ曲がってて、そのすき間から入れる。これは3年前と
同じだった。中は広いんだが、ずらっと高さのある機械が並んでて、
その間の通路は2人が並んで通れるくらいの幅しかない。
「どの手すりだよ」 「あれだよ」 茂木が懐中電灯を向けたのは
正面の奥だったが、光が届いてなかった。それで真下まで
近づいてったら、たしかに写真に写ってた袋らしきものがあった。 かなり大きく、太った人一人分くらいあった。「あ、あるな。
やっぱ袋だぜ。首吊りに見えるか」 「・・・そうだな、袋だ。なんで俺、
首吊りだと思ったんだろ」 「だいたい事情がわかったじゃねえか。
お前らが来たときから袋はあったんだよ。それを知らずに写真に撮ったお前が
首吊りと勘違いした。あとお前の仲間は、写真が暗いんで袋も見えなかった。
そう考えるしかないだろ」 「・・・・」 「どうする、上ってあれが何か
確かめるか」 「ああ、そうだな」で、今度は俺が先に立って鉄階段を上って
ったんだよ。いやいや、そんときは怖いともなんとも思ってなかった。
幽霊とかそんなものは、テレビとか映画の中にしかいねえってな。それより、
なんせ古いから、階段の鉄が腐ってて踏み抜いたりしないか、そっちのほうが
気になってたよ。でな、上の回廊に出て、袋に近づいてくと、 すげえ臭いがしてきた。生き物が腐った臭いだと思った。あの袋の中からか。
まさか・・・ すぐ近くまで来ると鼻が曲がりそうになった。
けど、ここまで来たらやるしかないと思ってな。袋を上から照らすと、
麻袋なんかな、とにかく頑丈そうな布の袋で、ボクシングとかのサンドバッグ
くらいの大きさだが、いびつな形をしてる。しかもなんかまだらに色がついてる
気がしたんだ。吊るしてるのも太い布製のロープ。手をかけてみたが重い。
一人じゃ引き上げられそうもない。「茂木、お前も引っぱれ。 え!?」
すぐそばにいるはずの茂木が消えてたんだよ。ありえねえだろ。そこは回廊の
真ん中へんだし、足場は鉄だから走れば音がする。階段だってそうだ。
「おい、茂木どこだ! ふざけるな」けど、俺の声が響くだけで返事はなし。
背筋がぞくぞくっとした。俺が引っぱったせいで、袋はまだ 臭いをまき散らしながら揺れてた。さすがに逃げたよ。かなりの長さの
階段を駆け下り、機械にあちこち体をぶつけながら、どうにか
豚工場の外に出て、車を停めてたとこに行ったが、なかった。
やっぱ茂木は一人で逃げ出して、俺を置いて車で帰ったのか・・・
けどな、そんとき小雨が降ってたって言ったろ。地面を照らしてみても、
車を停めてたような跡はついてなかったんだよ。結局、タクシーを呼んで
帰るしかなかった。・・・でな、ただごとじゃないだろ。次の日、
俺のダチ何人かに連絡した。それと茂木の勤めてる市場にも。
そしたら、たしかに水曜に4人で豚工場に行ったが、その途中で茂木の
姿が見えなくなった。怖くなって一人で帰ったっと思ったが、連絡がつかない。
家電にかけると茂木の母親が出て、まだ帰ってきてないって言う。 翌日から茂木は欠勤というか行方不明状態。家では捜索願を出したって
ことだった。でな、あの袋は、俺と俺のダチで昼間に行って引き上げたよ。
袋は灰色で赤黒いシミが大きく浮いてた。よほど警察を呼ぼうかと
思ったんだが、俺らは中学のときから警察とは相性が悪くてな。
引き上げた袋をナイフで割くと、出てきたのは腐った大量の肉。
いやいや、茂木の肉じゃない。豚のものだ。頭や足も入ってたから。
誰が何のためにそんなことをしたか、まるでわからねえ。ただな、茂木は
市場の精肉部門にいるんだ。だからやったのは、茂木かその仲間だと思う。
あとな、市場で茂木が、仕事ができないんで、いつも先輩方からどやされて
悩んでたって話も聞いた。これで全部だが、まだ茂木は見つかってないんだ。
ここの人なら、これがどういうことなのか、わかるもんか? ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています