昔来てくれていた家庭教師が霊感強い人だった話
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話はある程度脚色するが、事実に基づいて書くつもりなので
オチや幽霊と格闘、というような派手な展開はない。
ちなみに俺は霊感皆無だしそういう超常現象に居合わせたことも無い。
見てくれる方いらっしゃるようであれば、遅筆だが書いていこうと思う。 誰もいないけど書いちゃうね。
俺は子どもの頃、家庭教師の先生に来てもらっていた。両親が共働きのため放課後家に先生と2人、授業をしてもらうことが多かった。
先生は俺にたくさんの面白い話をしてくれた。
その中でも特に好きだったのが先生が体験したオカルト話だった。
先生は霊感がとても強くて、仕事の合間に人助けで霊を祓ったり、相談に乗ったりしていた。
先生が授業をしてその不思議な話をしてくれて去った後、たった1人家で両親が帰ってくるまで待っているのが怖かったのをよく覚えている。 ある日、先生がいつものように授業に来てくれて授業をした後、また何か話をして欲しいと俺はせがんだ。
じゃあこの前あった事を、と
その時の事を先生は他愛もない世間話をするかのように笑いながら話し始めた。 ある喫茶店の店主から、知り合いを通じて先生に連絡があった。
最近雨が降ってもいないのに、お店の部屋の隅がずっと雨漏りしたようにぐっしょり水に濡れている。
部屋の壁が濡れた染みがずっと消えずに困っている。
そこには水道管が通っている訳でもない。
2階建ての1階でその濡れている箇所は建物の角でもなく、他の部屋と隣合ってる所の角にあるので外から水が入ってきたり、
どこかに貯まっていたものが染み出しているとも考えにくい。
しかも数年前からこのお店はあるとの事だか、この現象が数週間前から急に始まったという。 店主自身は霊感がある訳ではないが、何をしてもその水漏れは直らなかったため、
そういう何か良くない雰囲気は感じていたようで、
知り合いからその先生の話を聞いて今回依頼することになった。
先生は現場にいつもの除霊セット、数珠とお寺で清められた塩、御札を持って向かった。
向かう途中、先生は車の中で頭痛がしてたまらなくなった…
強い霊がいる時にいつもなるやつ…。何とか耐えて現場に到着した。 店に入った瞬間寒気がした。天気のいい昼間なのに心無しか薄暗いしジメジメしている。店の窓のある方角的に日当たりは悪くないはずなのに。
そして現場を確認する。 店主から事前に説明されていた状況と一致する…ただ、先生が店主から聞いていた以上にヤバい、と思った。
その濡れたシミがどう見ても女性の顔のように見えていた。
店主は何も言っていないので恐らくは気づいていない、女性は見えていないので先生は黙っておくことにした。 大抵濡れている、ということは水周りに何かあると先生は経験則で思った。
まず厨房を見せてもらったが、特に何も無い。
小さい喫茶店のため他の行けるところは限られている。
次は洗面台、トイレに向かう。
先生はここにいるなと確信していた。
そしてトイレのドアを開けた。
あった、これだ。 トイレの壁になんとも言い表せられない抽象画がかけてあった。
油絵の具で描かれたそれは、何なのか先生には全く理解が出来なかった。 大きさは横長、おそらくB3とかそれくらい。
普通に大人1人が持ち運べるようなサイズのものだった。
色もなんと言ってよいかわからない、黒、赤、緑ともとれるような色だった。
絵には詳しくないので実際にこの絵が何を描いてあったかまでは分からなかったが、
その絵に描かれたものがやばいもの、というよりもこの金色の立派な額縁に入ったそれは、禍々しい雰囲気を放っているように感じられた。
この絵を描いた人の怨念ではなく、この絵を手にしていた人に何か原因があるのかもしれない。 この絵はどこから手に入れてきたのかと店主に尋ねた。
店主はこの前の蚤の市で安くで買ってきたのよ〜いい買い物でしょ?と。
その店主のお気楽な返事を聞いて先生は呆気に取られた。
おいおい…こんな明らか怪しいもの買ってくるなよと。
店主曰く、この額縁が高級感あるし雰囲気出ると思ったからだと言っている。
なにか店主が悪いことしたのでは?とんでもない曰く付きの絵画なのでは?と
当時の俺もワクワクしたが、本当に大したことない理由だった。
まあ現実はこんなものである。 まあ、店主は何も感じられない方なので仕方がない。
原因はこの絵にある、と伝える。
ええ〜っと反応をする店主。
この絵は先生が然るべき所でお祓いし、焼却することになった。
いいもの手に入れたと思っていたのにな…と、
この期に及んで残念そうにする店主だった。 それから早速、絵を取り外すため固定していた釘を抜ことするが、
何故か全く釘がぬけず、バールなどで外そうとしても梃子でも動かず。
しばらくその絵を取り外すため先生は格闘することになった。 ひとまずその濡れてシミになっている店内の壁をお祓いをすることにした。
店主がどうこう、というよりもこの絵の前の持ち主におそらく問題があったのであろう。
でも今となってはその前の持ち主を見つけようもないので、
何かとりついている絵画がどうしてこうなったかは知るすべもない。
いつもやっているようにひとまず祓ってみるか。
持ってきた塩と御札、先生のお経でしっかり清めた。
女の顔と目が合う…でも続ける。大丈夫、この感じなら祓える…。
黒いモヤが立ち込めてくる、
いつもの頭痛がガンガンするけど、お経を続ける。
最後にお札を貼る。
特に具体的な姿や声を放つことなく、先生はくたくたになったが、
いったんこの何かを抑えることはできた。 これは余談だが、
当時先生の話もあってか俺は、結界師とかそういう妖怪退治ものにハマってて、
悪霊退散的なかかっこいいキメ台詞やポーズもしないのか聞いた。
そんなカッコつけてる余裕ないわ!って言われたわw
しかも先生がやる程度のお祓いなら霊感ない人がそばで見てても何にもわからない、
マジでそばで見ててもただお経唱えている人がいるだけで地味だと思うよ、実際に店主も横でただ見守ってただけだし…
と先生。
あのテレビで見るやつは演出だったのか… 特に霊が暴れてくるとかは多分なかった、と思う。
派手に格闘することもなかった。意外とすんなり先生のお祓いを受け入れたのであろうか?
お祓いの時に現れた黒いモヤもなくなっていた。
再度トイレに入って壁から絵を外した。
今度は普通に外すことができた。
先生はその絵をお世話になっているお寺でお祓い、焼却した。
その店主もおそらく大丈夫ではあったが、一応一緒にお寺でお祓いをしてもらったとのこと。
そうやって今回の依頼は無事に終わった。
後日、もう水漏れやシミは無くなったという店主からの連絡があり一件落着した。 喫茶店の壁の水漏れの具体的な原因、絵の真相は謎、答えもオチもない話。
見てくれてた方は盛り上がりが欠けるな、と思ったかもしれない。
でも子どもの頃の俺は、こういう先生の不思議な話が好きでよく聞いていた。
他にも色々と聞かせてもらったのに、もう殆どうろ覚えになってしまった。
ただ、この話だけはなぜこんなに鮮明覚えているのかと言うと
その話してくれた後、先生が見せてくれたものに原因があった。 先生はあのお祓いの後、お風呂に入って体を洗っていたらボディタオルが血に染っていることに気づいた。 なんでだろう?
怪我した覚えないのにと鏡を見ると、身体中が切り傷だらけ、
引っ掻いた後のような、みみず腫れだらけになっていた。
ありえない、服を来ていて露出していなかったところまで傷だらけになっている。 >29 ごめんな、先生一人称視点で語ってたから先生が見た話。 ああ、今日祓ってきたやつだな、とすぐわかった。不思議と痛いはずなのにそれまで気づかなかった。
でもその傷見たあとはすごく痛かったけどな!と先生。
俺はその傷を見せてもらった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています